2011年1月12日 (水)

PetroChina とINEOS、欧州で石油精製JV設立へ

PetroChinaINEOS は1月10日、INEOS Grangemouth (スコットランド)と Lavera (フランス)をベースとした石油精製・販売のJVを設立する枠組み契約を締結した。

同時にINEOS PetroChinaの親会社のChina National Petroleum Corporation (中国石油天然気集団:CNPC)は戦略的協力契約を結び、石油精製と石油化学の技術をシェアすることを発表した。

Grangemouth と Lavera の製油所はINEOS が買収したInnoveneBPからスピンオフのもので、ともに精製能力は日量21万バレルとなっている。

Grangemouth 製油所はフォース湾Firth of Forth)にあり、North Sea70以上の油田から英国の石油生産の半分以上を輸送する Forties Pipeline System につながっている。ほとんど全ての燃料をスコットランドで販売している。
Grangemouth 製油所に隣接し INEOS の石化コンプレックスがあり、製油所から原料の供給を受け、エチレン、プロピレン、エタノール、ブタジエン、LLDPEPPを製造している。これは今回の交渉の対象外。

Lavéra 製油所はMarseille港の北西部にあり、原油ターミナルに隣接している。製品はパイプラインでフランス、スイス、南ドイツに送られる。

INEOS は経済危機の影響で苦境に陥り、借入契約を延長し、破たんを逃れたが、資金確保のためGrangemouth製油所の売却を図り、2009年春からペトロチャイナと交渉をしていた。

2009/6/24 PetroChina Ineos の製油所を買収?

今回、フランスの製油所も含めて、両社のJVとすることとしたもの。

今後、詳細を詰め、2011年6月末までにJVを設立することを想定している。

この取引は両社の真の戦略的パートナーシップをつくるもので、INEOSの両製油所の長期的な維持が可能となる。
ペトロチャイナにとっては欧州進出が図れることとなり、また
North Sea 油田の開発に参加する糸口も出来る。

PetroChina2008年5月に新日本石油との間で新日本石油精製の大阪製油所(115千バレル/日)を共同出資会社として運営することで合意した。
2010年10月にJX日鉱日石エネルギーとの間で大阪国際石油精製を設立し、新日本石油精製の大阪製油所を輸出特化型製油所に転換した。

2010/8/31 JX日鉱日石エネルギー、PetroChinaとの石油精製合弁会社設立

PetroChinaはまた、2009年5月に、シンガポールのKeppel Group からシンガポール石油(SPC)の45.51%の株式を全て買収することで合意したと発表した。

2009/5/28 ペトロチャイナ、シンガポール石油株 45.51%を買収

今回のJVが成立すれば、PetroChinaの石油精製での3つ目の海外進出になる。


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2011年1月11日 (火)

中国の2010年貿易収支

中国税関総署は110日、2010年の輸出額が前年比31.3%増の1兆5779億ドル、輸入額が38.7%増の1兆3948億ドルだったと発表した。

輸出入とも2008年の過去最高で、輸出額は2009年に続いてドイツを上回り、世界一となったとみられる。

貿易黒字額は1831億ドルとなり、2009年の1961億ドルから7%縮小した。
税関総署は「中国の対外貿易は均衡に向かっている」とし、貿易黒字は縮小傾向にあるとの立場を強調した。

貿易黒字の縮小は、胡錦濤国家主席の訪米を控え、人民元相場の速やかな上昇を求める米国の圧力をかわす1つの材料とはなるが、対米・EU貿易黒字は増加しており、欧米は貿易不均衡の是正を求める圧力を強めそうだ。

国別の輸出額は、EU向けが3112億ドル(+31.8%)、米国向けが2833億ドル(+28.3%)、日本向けが1211億ドル(+23.7%)で、貿易収支は対EUが1428億ドル(+31.5%)の黒字、対米国が1813億ドル(+26.4%)の黒字、対日本が556億ドル(+68.5%)の赤字となった。

12月単月では、輸出が前年同月比17.9%増の1541億ドル、輸入が25.6%増の1410億ドルで、輸出入とも単月での最高額を更新した。
但し、輸出はエコノミスト予想の22.5%増を下回る伸びにとどまり、逆に輸入は同じく24.5%増を上回る伸びを示した。
この結果、貿易収支は131億ドルの黒字となり、黒字幅は前月の229億ドルから大幅に縮小した。

中国人民銀行(中央銀行)は1月11日、2010年末の外貨準備保有高が2兆8473億ドルと、前年末比18.7%増加したと発表した。
外貨準備高は2006年10月に 1兆ドルを突破、2009年4月に 2兆ドルを突破した。


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2011年1月 6日 (木)

台湾遠東集団、シノペックとの合弁でPTA プラント建設

台湾の遠東集団(Far Eastern Group)は1224日、Sinopec 儀征化繊(Yizheng Chemical Fibre)とのJV38億人民元を投じて、江蘇省揚州市(Yangzhou)100万トンのPTA工場を建設すると発表した。

すでに必要な認可を取得しており、間もなく建設に着工、2年内にスタートする。

JVにはFar Eastern60%Sinopec Yizheng40%を出資する。

Far Easternは上海の浦東に年産70万トンのPETプラントを建設し2012年にスタートする予定で、現在認可待ちとなっている。
原料の
PTAは新設のJVプラントから供給を受ける予定。

Sinopec Yizheng 江蘇省揚州市に属する儀征35万トンと63万トン、合計98万トンのPTAプラントを持っている。

Far Easternも、子会社のOriental Petrochemical (Shanghai)が上海の星火開発区でPTA 60万トンを、Far Eastern Industries (Shanghai)PET製品を生産している。
PETプラント増設に当たり、既に認可を得ているSinopec 儀征化繊のPTA計画に乗ったもの。

ーーー

Far Eastern Groupは台湾で繊維事業から出発し、水平・垂直統合を行ってきた。
現在、次の
10事業を行っている。

Textile & Synthetic FiberPetrochemicals & EnergyCement & Building Material
Financial ServicesCommunication & InternetHotelSea/Land Transportation
Retail & Department StoreConstructionSocial Responsibilities

主力の繊維事業と、その原料遡及の石油化学の概要は以下の通り。

1)Textile & Synthetic Fiber

Textileはグループの出発事業で、現在もコア事業の一つであり、売上高の1/4を占める。
担当は遠東新世紀(
Far Eastern New Century Corporation) 。

 ①Fiber Business Operation Group
  台湾の2工場と上海、蘇州、武漢の工場を合わせ、世界の5大ポリエステルメーカーの1つ。

Product Type Taiwan
Capacity
 (MT/Y)
Global
Capacity
 (MT/Y)
Staple Fiber Polyester staple fiber   260,000 360,000
Filament  Polyester filament 150,000  
PBT filament 1,200  
HDI
high denier industrial yarn
45,000  
PET PET resin 630,000  1,300,000
PET sheet 24,000 96,000
PET Preform (1000pcs) 700,000 2,100,000
PET bottle (1000pcs) 100,000 1,200,000

  他に、Far Eastern Fibertech nylon 6,6 fibersを製造している。能力100千トン。

1995年にDuPont との50/50 JVDuPont Far Easternとして設立。
2004年にDuPontの繊維事業売却で、INVISTA-Far Easternに改称
2008年に100%子会社とし、現社名に改称

 ②Textile Business Operation Group

Product Category Taiwan
Annual
Capacity
Global
Annual
Capacity
Spun Yarn (ton) 240 395
Knitting Fabrics (ton)  12,000  
Industrial Fabrics (ton) 10,000  
Apparel (1,000 Dozen)  420  6,860

2)Petrochemical  

 繊維事業の原料遡及で事業を開始した。以下の各社で事業を行っている。

  ①Oriental Union Chemical Corp.(東聯化学)

1975年にFar Eastern TextileUnion Carbide、その他のJVとして設立、1978年にEGプラント建設した。
(その後、
1987年に上場、現在はFar Eastern Groupのメンバー)

現能力はEO, EG300千トン。

参考 台湾のEOG能力(千トン)
  EO  EG 
中国人造繊維 China Man-Made Fiber (CMFC)  53  130
東聯化学 Oriental Union Chemical (OUCC) 300 300
南中石化工業 Nan-Chung Petchem    300
南亜塑膠工業 Nan Ya Plastics   1,540
合計 353 2,270

別途、カナダで1990年にJVAlberta & Orient Glycol Company を設立、天然ガス原料でEG 300千トンと生産。
  
Union Carbide(現在はDow) 50%, Far Eastern Textile 25%、三井物産 25%

2001年にEthanolaminesEthylene Carbonate の生産開始(各40千トン)
 前者は台湾唯一、後者が世界最大で現在の能力は
60千トン。

このほか、ガス部門では米国APCI、ドイツLindeの空気分離、ガス液化技術で、OxygenNitrogenArgon(ガス65万トン、液17万トン)を生産。

  ②Oriental Petrochemical Taiwan Co. Ltd.

1995年にPTA製造のため、ICIとのJVICI Far Eastern Ltd.を設立。
その後、パートナーが
DuPontInvistaと代わり、2008年にFar Eastern Groupが買収、現社名に改称。
現在の能力は
PTA 900千トン。

参考 台湾のPTA能力 (千トン)
中美和石油化学 China American Petchem(CAPCO)   2,120
台湾化学繊維 Formosa Chemicals & Fibre (FCFC)  2,200
Oriental Petrochemical (Taiwan)  900
東展興行 Tuntex Petchem  500
合計  5,720

 2003年に中国上海に子会社Oriental Petrochemical (Shanghai) Corporationを設立。 

2006年にPTA 600千トンを生産開始。

  ③Liquid Air Far East Co. Ltd

1987年にAir Liquide Group (65%)Far Eastern Group (35%)で設立。産業ガスの製造販売。

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2011年1月 4日 (火)

煙台万華ポリウレタン、寧波で新MDIプラント操業開始

煙台万華ポリウレタン(Yantai Wanhua Polyurethane)は2010年12月23日、浙江省寧波市の大シャ島で新しいMDIプラントの操業を開始した。
2007年にNDRCの認可を得て、同年に建設を開始したもの。

25億人民元を投じたもので、能力は300千トン、既存の300千トン(公称能力は240千トン)プラントに隣接する。
合わせて、
20億人民元を投じたアニリン(360千トン)、ホルムアルデヒド(240千トン)、苛性ソーダ(150千トン)もスタートした。
子会社の寧波万華が運営する。

煙台万華は現在、山東省煙台市に200千トンのMDIプラントを持っており、これで合計能力は800千トンとなる。

既報の通り、煙台万華はこの煙台の200千トンプラントの移転計画を実施中で、煙台の臨港工業区にMDI 600千トンプラントとともに、TDI 300千トン、苛性ソーダ 300千トン、ホルムアルデヒド 240千トン、硫酸 540千トン、アンモニア 180千トン、ニトロベンゼン 480千トン、アニリン 360千トンのプラントを建設している。

2009/1/6 中国の山東煙台万華ポリウレタン、煙台にポリウレタンコンプレックス建設

これらは2013年に完成する予定で、この時点で200千トンプラントを停止し、MDIの合計能力を1,200千トンとする。

中国の2009年のMDIの輸入は101千トンで、29千トンを輸出している。

ーーー

煙台万華は2010年6月に、資金難のハンガリーの塩ビ・ポリウレタンメーカー BorsodChem140百万ユーロを出し、株式の38%を取得(融資金を株式に変換)するとともに、2年以内に現在の大株主のPermira/Vienna Capital Partnersから残りの株式を買収し、100%株主となるオプション契約を締結した。

BorsodChem1949年設立(当初名はBorsodi Vegyi Kombinat)で、一時ロシアのガスプロムが密かに買収を図った。
2006年に欧州最大の買収ファンドの英 Permira とオーストリアのVienna Capital Partners がつくったファンドが全株式を取得した。

2008/3/15 ロシアのLukoil、ウクライナで塩ビ工場建設開始 の後半

同社はハンガリーのKazincbarcikaに以下の製品のコンプレックスを持つ。 

 塩素:水銀法 125千トン
 VCM: 320千トン
 PVC:330千トン(1963年製造開始、150千トンは信越化学が1973年にChemocomplex に技術供与したもの)
 MDI:
190千トン(1991年製造開始)
 TDI:90千トン(2001年製造開始。2011年にS&Bで200千トンに)

 ほかに、
 チェコのOstravaでアニリン、シクロヘキシルアミン(世界最大のメーカー)、特殊アミン類を生産
  (2000年にMCHZ社を買収)
 ポーランドで
BTXを生産
  (
2005年にPetrochemia Blachowniaを買収)

BorsodChem現在、200千トンのTDIプラントと硫酸プラントを建設中で、完成後に既存の90千トンプラントを停止する。
煙台万華からの140百万ユーロはこの資金に充てる。

煙台万華のポリウレタン事業をまとめると以下の通り。(千トン)

    MDI TDI
稼働中 建設中 合計 稼働中 建設中 合計
煙台万華 山東省煙台市 200 -200
600
600   300 300
浙江省寧波市 300
300
  600      
合計 800 +400  1,200   300 300
BorsodChem ハンガリー
 
Kazincbarcika
190   190 90 -90
200
200
合計 190   190 90 +110 200

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2010年12月29日 (水)

中国商務部、2011年上期のレアアース輸出許可枠を発表 

中国商務部は1228、2011上期のレアアースの輸出許可枠を発表した。

それによると、上期の輸出許可枠は14,446トンで31社に割り当てられた。
内訳は、中国系が22社で10,762トン、外資が9社で3,684トン。

商務部はこの日発表の別の文書で、引き続き2011年通年の輸出許可枠を検討しており、上期の輸出許可枠から通年の輸出枠を類推すべきではないと指摘した。

レアアースの輸出許可枠の推移は下記の通り。

  2009 2010 前年比 2011 前年比
上期  25千トン  22,282トン -11%  14,446トン -35%
下期 25千トン 7,976トン -68%    
年間  50,145トン 30,258トン -40%    

アメリカ通商代表部は12月28日、「非常に懸念している。中国に対しては、すでにわれわれの懸念を伝えているが、今後も働きかけを続けていく」とするコメントを発表した。

付記

中国政府がレアアース産業の業界団体と政府組織の設置を検討していることが分かった。1228日に中国産業情報部の元高官がフォーラムで明らかにした。

20115月に業界団体が設立され、輸出や国際協力の面で業者を支援する。中国鋼鉄工業協会が鉄鉱石価格の交渉をしているのと同じように、海外バイヤーとの価格交渉の先頭に立つ。
同時に、レアアース業界の管理のための政府組織を設置する。

政府はこれまでに、違法採掘の禁止、企業統合の推進、資源・環境保護のための輸出削減など、業界改革のガイドラインを出している。
レアアース分野での国営企業の統合を推進しており、レアアース企業を
2015年までに現在の90社から20社に減らす計画。

レアアースの輸出削減に対する米国からのクレイムに対しては、中国はWTOのルールに違反していないと反論している。   


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2010年12月24日 (金)

BASFとSINOPEC、BASF-YPCの第二次増強を検討

BASF SINOPEC1217日、BASF-YPCの設立10周年記念式典の前夜に、第二次増強の共同検討の覚書を締結した。

C3C4value chain を増強するもので、16万トンのアクリル酸新プラント、新しいブチルアクリレートプラントや、2-propyl-heptanol、スチレンモノマー、非イオン性界面活性剤の増強などを含む。
現在建設中の高吸水性樹脂(
SAP)には今回増設のアクリル酸が供給される。
また、ワールドクラスの過酸化水素法
POも計画に含まれる。

HPPOはダウとBASFが共同開発したもので、アントワープの両社のJVが第1号。
ダウは
Siam Cement Group とのJVタイにプラントを建設している。

投資額としてはおよそ10億米ドルとみているが、最終的な投資範囲は詳細FSの後に決定する。

同社の計画は以下の通り。(単位:千トン)

   当初   第一次増強 第二次増強
エチレン 600   →740  
C4 Comlex Butadiene ー   ○(100120  
2-propylheptanol  ○  増設
Isobutene  ○ 80  
Polyisobutene  ○ 50  
EO EO 250   +80 & EO purification   
EG 300     
EO 
Derivatives
Butyl glycol ether ー   ○  
Non-ionic surfactants  ○ 60  増設
Amines
complex
Ethanolamines
Ethyleneamines
Dimethylethanolamine
ー   ○  
DMA3 (dimethylaminoethylacrylate) ー   ○  
LDPE 400     
Acrylics
value chain
アクリル酸  160     +160
アクリル酸エステル 215     
Super-absorbent polymer (SAP) ー   ○ 60  
butyl acrylate ー   ー  ○
C4オキソアルコール  250   増設  
蟻酸 50     
プロピオン酸 30   増設  
メチルアミン 30     
ジメチルホルムアミド(DMF 40     
PO(HPPO) ー   ー  ○
Yangzi-BASF
Styrenics
Ethylbenzene 130   BASF-YPC統合  増設
Styrene monomer  120   増設
Polystyrene  200   
EPS  52   

 

BASF-YPCBASF 50%Sinopec 50%JVで、2000128日に設立された。

両社は1996年3月にIPS(Integrated Petrochemical Site) 計画の覚書を締結、1997年12月に計画がまとまり、2000年6月に共同FS報告が承認された。

工場は江蘇省南京市SINOPEC揚子石化(エチレン 650千トン)に隣接している。

2001年9月に起工式が行われ、2005年6月に商業生産を開始した。

なお、同社のエチレン設備は、インドネシアのツバン計画で用意したものを使用した。

2006/4/27 インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-2

同社は2008年3月に第一次増強計画を申請、2009年7月に政府の承認を得て、10月に建設を開始した。
現在建設中で、2011年にスタートの予定。

これに合わせ、BASFSINOPEC揚子石化のJVYnagzi-BASF Styrenics(1997年設立)を吸収した。


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2010年12月23日 (木)

中国シノケム、DSMの抗感染症薬事業の50%を買収

中国国有化学大手の中国中化集団(Sinochem Group)は1217日、Royal DSM の抗感染症薬事業(DSM Anti-Infectives)50%を買収すると発表した。
買収額は負債引き継ぎなしベースで現金で
21000万ユーロ。

欧米の先進技術を導入して売上高を増やしたい
Sinochemと、中国大手との連携で高成長が見込める中国事業を伸ばしたいDSMの思惑が一致した。

DSM Anti-Infectivesは中国以外ではごく少数のペニシリンのメーカー。

DSMの事業は中国企業などとの競争で採算が悪化している。
このため、
2004年に華北制薬集団有限責任公司(North China Pharmaceutical GroupNCPG)と戦略的パートナーシップを組む意向を明らかにし、その後、交渉を続けた。

2009年初めにはビタミンとペニシリンの分野でJVを設立する契約を締結した。内容は以下の通り。

DSMNCPG10%程度の戦略的投資を行う。
・ビタミン
Cの製造JVと、ペニシリンの原体と中間体製造のJVを設立する。
 
DSMは前者に30%、後者(2つのJV)に51%を出資する。
DSMの総投資額は約110百万米ドル。
 
NCPGはビタミンCとペニシリンの既存工場と、ペニシリンの中国の国内のマーケティングと販売組織を出す。

両社は認可取得など準備を進め、
2009年下期に設立を予定。
両社は他の分野での協力も協議する。

しかし、200910月にこの計画は延期(事実上の中止)となった。
NCPGの株主の変動により、契約実行が遅れること、恐らくは目標期間中には実行できないだろうとの通知を得たもの。

このため、DSMはパートナーを変更した。

両社は近く香港に折半出資会社を設立し、DSMの世界の抗感染症薬事業を引き継ぐ。同事業の社員2000人も合弁会社に移籍する。
手続きは
2011年前半までに完了する見通しで、取引は201111日に遡及する。

DSMは第4四半期に55百万ユーロの一時利益を計上する。

DSMの医薬部門はDSM Pharmaceutical Products DSM Anti-Infectives から成る。

売上高は、    
   2009  2008
 DSM Pharmaceutical Products  395百万ユーロ  419百万ユーロ
 DSM Anti-Infectives  326  444
   合計   721  863
となっている。

ーーー

Sinochemは国務院国有資産監督管理委員会の管理下の主要な国営企業の一つ。2009年の“Fortune Global 500”では170位にランクされている。

1950年設立で、農業資材、エネルギー、化学品、ファイナンス、不動産の5つのセグメントから成っている。

同社は20099月、28億豪ドルで豪州の農薬会社Nufarmを買収する非拘束契約を締結した。
しかし、
Sinochemが値引きを要求したため、Nufarmは再提案を拒否した。
その後、住友化学が
Nufarmと包括的業務資本提携を行い、20%を出資した。

2009/10/6  Sinochem、豪州農薬会社Nufarmを買収へ 及び付記

Sinochemは本年5月、ノルウェーの国営石油会社Statoil ASAとの間で、ブラジル沖のPeregrino油田の権益の40%を対価 3,070百万ドルで買収することで合意したと発表した。

2010/5/28 中国中化集団、ブラジル油田に30億ドル出資


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2010年12月18日 (土)

中国、レアアース輸出税を引き上げ

中国財政部は12月14日、2011年関税実施計画に関する国務院関税委員会通知を発表した。

レアアースの輸出税に関しては、ネオジムは現在の15%が25%にアップ、現在非課税のランタンとセリウムにも25%が課せられた。
ジスプロシウムとテルビウムは25%が据え置きとなった。

  現状    2011年
ネオジム  15% 25%
ジスプロシウム  25% 25%
テルビウム 25% 25%
ランタン 0% 25%
セリウム 0% 25%
他のレアアース・スカンジウム・イットリウム
との混合物
25% 25%

中国政府は2010年の輸出許可枠を前年の4割削減としたが、2011年にも更に削減するとしている。

輸出許可枠
  2009 2010 削減率
上期  25千トン  22千トン  
下期 25千トン 8千トン 7割 
年間 50千トン 30千トン 4割 

中国の輸出制限を受け、レアアースの価格は急上昇した。
今回の中国の輸出税の引き上げにより、更に価格は上昇するとみられる。

 

今後、米国のMountain Passや豪州のMount Weldが稼働するが、Lynasでは、供給は増えるが需要も増え、環境コスト等も上昇するため、価格は40~60$の高値で推移するとみており、2000-2006年の時代の安値は二度とないとしている。

2010/11/25 双日、レアアースの供給・拡張プロジェクトで豪州Lynasと戦略的提携の基本合意

なお、中国商務省は12月15日、2011年のレアアースの輸出許可を与えた31社を発表したが、下記の日系を含む外資系も9社が輸出許可を与えられた。
   包頭三德電池材料  レアアース加工大手の三徳が出資
   包頭天驕清美稀土抛光粉 AGCセイミケミカル(旭硝子子会社)、三菱商事が出資

中国メディアは「日米欧が中国のレアアース輸出動向を注視するなかで、輸出許可が延長された」と報じている。

ーーー

米通商代表部(USTR)のカーク代表は12月15日、中国との閣僚級の対話で、ハイテク製品などに不可欠なレアアースの供給について協議したことを明らかにした。
米政府は同日、世界的な需要の拡大の一方で、調達先が中国などに限られており、「供給が混乱に陥る危険がある」と警告する報告書を発表、中国に連携を求める姿勢を強めている。

米エネルギー省は12月15日、レアアースを中心に、重要物質についての米国の戦略を提言する報告書を公表。
今後は、世界での調達先の多様化や代替物の開発、レアアースの再利用や効率的な活用を進めるべきだと提言した。日本や EUとの連携を強める必要性も訴えた。

 


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2010年12月17日 (金)

Sinopec、Occidental からアルゼンチンの石油権益を買収

Occidental Petroleum 1210日、アルゼンチンの石油・ガス事業をSinopecに税引後で24.5億米ドルで売却する契約を締結したと発表した。

同社は同時に下記の資産の買収も発表した。

資産 売り手 買収額 内容
South Texas Shell 18億ドル 日量2億cubic feet
North Dakota private seller 14億ドル 石油換算日量5,500バレル
Plains All-American
(oil pipelines operator)
    13%追加買収で合計35%に
Elk Hills Power Plant Sempra Generation   50%買収で100%に

同社ではこれまでの北米での買収と合わせると、生産量はアルゼンチン資産売却分で失う分を上回るとしている。

Occidental200510月にラテンアメリカとカリフォルニアでの事業拡大のため、Vintage Petroleum35.2億ドルで買収した。
今回売却するアルゼンチンの権益はこれに含まれていたもの。

アルゼンチンのSanta CruzMendozaChubut 州に23箇所の権益を有している。
現在の生産量は原油換算で日量44千バレル。
(Sinopec発表では、2009年の生産量は原油換算 51千バレル以上、確認及び推定埋蔵量は同じく393百万バレルとなっている。)

アルゼンチン政府は石油・ガスの価格コントロールをしており、利益を得るのが難しくなっている。

アルゼンチンの経済政策の中心課題は、経済成長優先の低金利政策を取る中でのインフレ対策である。

消費者物価を抑えるために、エ ネルギー価格を低位安定させなければならない。
アルゼンチンは原油及び石油製品を自給できる状況にあるため、政府による価格統制で、エネルギーの国際価格の高騰にも関わらず、ガソ リン、電気料金を低位で安定させた。
当局者は「アルゼンチンの原油 生産コストは非常に低価であり、現在のような低価でも十分に利益を上げることができるはず」としている。

さらに、十分に国内需給が満たされているということが確認できないと原油輸出をすることができないとか、輸出に対して非常に重い税金が課せられるといった規制が講じられたままの状態にある。

海外メーカーにとっては、魅力のない市場ということになる。

カナダ紙の試算では、Sinopecの買値は原油換算バレル当たり19ドルとなる。

BP11月にアルゼンチンのPan American Energyの株式をCNOOC50%を保有するBridas Corporationに売却する契約を締結したが、これは8ドルとなっており、Occidentalは有利な条件で売却したとみている。

Sinopec によれば、本年上期時点で、同社の海外資産は全体の23%となっている。

Sinopecは10月にRepsol Brazilの71億ドルの増資の全額を引き受けている。

2010/10/9  SinopecRepsol Brazil71億ドル出資

 

 


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2010年12月16日 (木)

Bayer、中国事業の大拡張を発表

Bayerは12月9日、2016年までに中国でのハイグレード材料の生産能力を大増設すると発表した。

上海地区で10億ユーロの投資を行い、現在21億ユーロの中国地区(台湾・香港を含む)での売上高を2015年に50億ユーロとする。
このうち、
MaterialScience部門は現在の12億ユーロを最低25億ユーロとする。

ーーー

Bayerは2001年10月、朱鎔基首相、シュレーダー首相も参加して、上海ケミカルパークの新生産基地に関する基本契約に調印した。
同11月に浦東のバイエルの新しい高分子研究センターの開所式と合わせて着工した。

基本契約の中心は、3つのコア・プロジェクト(塗料、熱可塑性樹脂、ポリウレタン原料の生産)の認可で、
第1は自動車、建設、家具業界で使用される塗料・着色材の製造で、バイエル塗料システムズ(上海)が担当する。

2003年からポリイソシアネートのDesmodur® N 11,500トン、2004年末にDesmodur® L 11,000トンの生産を始めている。

第2はポリカーボネート「マクロロン」の製造で、Bayer (Shanghai) Polymer (バイエル90%/上海クロルアルカリ 10%)が担当する。

上海クロルアルカリは2009123日、JVから離脱すると発表した。
Bayer (Shanghai) Polymer は バイエル100%となる。

2006年9月、上海ケミカルパークでポリカーボネート工場の第一期 10万トン/年の開所式を行った。

2008年10月にPCの増設が完成、能力が20万トンになった。

第3はポリウレタン原料の大規模生産で、新設の100%子会社「バイエル・ポリウレタン(上海)社」が担当する。

2006年9月、上海ケミカルパークで粗MDIのスプリッター(モノマー/ポリマー分離)8万トン/年、及びHDI 3万トン/年のプラントの開所式を行った。

第3のコア・プロジェクトのポリウレタン原料の最初のプラントのMDIのスプリッターに次いで、200810月に世界最大の35万トン/年のMDI設備がスタートした。
2009年には
25万トン(当初計画は16万トンGas Phase Phosgenation法TDIも建設を開始、間もなく完成する。

2006/9/11 バイエル、上海のPC工場等が完成

ーーー

今回、次の5つの投資を行う。

1) ポリカーボネート
既存の10万トン(増設して現在20万トン)のプラントを30万トンに拡張、新たに20万トンのプラントを新設し、合計能力を50万トンにする。

中国の需要の拡大により、アジア太平洋地区のPCの需要は全世界の60%となっている。

   
2) MDI
既存の35万トンを50万トンに拡張、新たに50万トンプラントを新設、合計能力を100万トンとする。

断熱材用などでの硬質ポリウレタンフォームの需要増に対応する。

   
3) HDI
需要増に対応して先ず既存設備(3万トン)を増強、更に5万トンのプラントの建設を行う。
   
4) 上海と他の3都市に合計5箇所の需要家サポートセンターを建設する。これに110百万ユーロを投資する。
   
5) R&Dの拡張

中国が世界の主導的な役割を果たす、風力発電タービンや太陽エネルギー発電などの分野に注力する。

 

別途、MaterialScience部門ではポリカーボネートの本部機能を来年、上海に移す。
世界の
PCの市場におけるこの地域の重要性を勘案したもので、これにより、意思決定を早める。

 


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