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2011年4月23日 (土)

BRICsからBRICSへ

Brazilのルセフ大統領、Russiaのメドベージェフ大統領、Indiaのシン首相、Chinaの胡錦濤国家主席の新興4カ国(BRICs)にSouth Africaのズマ大統領を新たに加えた新興5カ国(BRICS)の首脳会議が414日に中国海南省の三亜市で開かれ、「三亜宣言」を採択し閉幕した。

BRICSは、世界の人口の42%、陸地面積の30%2010GDP18%2010年貿易額の15%を占める。

三亜宣言は、福島原発事故を念頭に、「原発の安全基準を厳格に順守しなければならない」としつつ、「原子力エネルギーは各国の未来の中で重要な位置を占めている。平和目的の原子力エネルギー協力を進めるべきだ」と表明した。

リビア問題について「平和的手段と対話によって解決すべき」としてNATOへの反対姿勢を鮮明にし、南アのズマ大統領が支持するアフリカ連合(AU)停戦案に各国首脳が賛同した。
欧米が影響力をもつアフリカ経済を、
BRICSをテコに中国に引き寄せる考え。

宣言はまた、安定的で信頼性の高い国際通貨システムの構築を求めるとともに、国際金融体制に世界経済の変化を反映させ、新興国や発展途上国の発言権と代表権を強める必要性を強調した。

次回の首脳会議は2012年にインドで開催する予定。

ーーー

新興4か国の総称の“BRICs”は投資銀行Goldman SachsのエコノミストのJim O'Neillが書いた20011130日の投資家向けレポートBuilding Better Global Economic BRICsで初めて用いられ、世界中に広まった。

BRIC四か国の第一回の首脳会議は2009年にロシアで開催された。

主に通貨問題が話し合われ、新興市場と発展途上国の国際金融機関における発言権と代表性を高めることを求めた。
国際貿易と投資環境の改善に努力するようアピールし、貿易保護主義に反対の姿勢を示した。
エネルギー問題では生産国、消費国の協調と協力を進め、エネルギー資源供給の多元化を進めること、国連改革についてはグローバルな挑戦に効率的に対応できるよう行うべきだとの考えを明記した。

第二回首脳会議は20104月にブラジルの首都ブラジリアで開催された。

経済発展と通商、IMF・世銀改革、農業協力、貧困との闘い、エネルギー、気候変動、テロ対策、文化・スポーツ交流について共通認識と相互協力を確認し、33項目の声明を発表した。
新たな世界金融危機の防止のため、新興国の発言権を強めること、世界金融のシステムを多様化する改革の必要性を確認した

本年の第三回会議に先立ち、昨年12月、南アフリカをグループに正式加入させることで合意した。

中国外務省の報道官は記者会見で、「BRICsの議長当番国として、ロシア、インド、ブラジルと協議し、南アを正式メンバーとして機構に加入させることで合意した」と中国主導をアピールした。

「南アの加入は
BRICSの発展に有利に働き、新興市場国家の協力を促進すると信じている」と述べ、新興5カ国の協力関係を「調和」「安定」と強調した。
経済分野での“中国脅威論”が膨らむことを牽制している。

南アの経済規模はロシアの4分の1にすぎない。GDPは世界で28位である。
他の新興国を差し置いて新たに
南アを加えた中国の思惑は、エネルギー資源獲得を狙ったアフリカとの関係再構築にあるとされる。北アフリカ・中東政変が、これまでの中国のアフリカ戦略を狂わせた。

各国の2010年のGDP(単位:10億ドル)
   . 
G7、これにロシアを加えてG8となった。
 . 
BRICS ○はG20          
1 アメリカ  14,658
2 中国 5,878
3 日本 5,459
  EU  
4 ドイツ 3,316
5 フランス 2,583
6 イギリス 2,247
7 ブラジル 2,090
8 イタリア 2,055
9 カナダ 1,574
10 インド 1,538
11 ロシア 1,465
12 スペイン   1,410
13 オーストラリア 1,236
14 メキシコ 1,039
15 韓国 1,007
16 オランダ   783
17 トルコ 742
18 インドネシア 707
19 スイス   524
20 ポーランド   469
21 ベルギー   466
22 スウェーデン   456
23 サウジアラビア 444
24 台湾   431
25 ノルウェー   414
26 オーストリア   377
27 アルゼンチン 370
28 南アフリカ 357

中国を除く4カ国の共通項は新興国であるということと、いずれも中国との経済関係を深めているという点しかなく、「中国が主役で4カ国が脇役の政治ドラマ」で、実際は対中警戒感を隠さぬロシアやインドとの“同床異夢”でもあるとされる。


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