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2011年3月17日 (木)

化学遺産、第二回認定

日本化学会は3月7日、化学にまつわる貴重な歴史資料「化学遺産」に、日本初の化学講義録など4件を認定したと発表した。
これで化学遺産は10件となった。

日本化学会は、化学と化学技術に関する貴重な歴史資料の保存と利用を推進するため、化学遺産委員会を設置し、さまざまな活動を行っている。

歴史資料の中でも特に貴重なものを文化遺産、産業遺産として次世代に伝え、化学に関する学術と教育の向上及び化学工業の発展に資することを目的とし、2010年3月に、第1回として6件の「化学遺産認定」を行っている。

2010/3/18  化学遺産認定 

第二回認定は以下の通り。

1) 日本最初の化学講義録 朋百舎密書(ポンペせいみしょ)

オランダ人軍医ポンペが、1859年に行った医学や化学の講義を、明治政府初代の軍医総監となった松本良順が筆記したもので、現在、松江赤十字病院(松江市)に2冊が残る。
舎密は当時の化学の呼び方。

2) 「化学新書」など日本学士院蔵 川本幸民化学関係資料

日本で初めて「化学」という言葉を書名に使った洋学者、川本幸民の翻訳本「化学新書」(1861年)などで、日本学士院所蔵。

3) 「日本のセルロイド工業の発祥を示す建物および資料」

「堺セルロイド」「日本セルロイド人造絹糸」(ともに1908年設立、現在はダイセル化学工業に統合)の製品や工場内部の写真などの資料、現存する石炭ボイラー施設など

セルロイドはニトロセルロースと樟脳などから合成される。
1856年にイギリスの
Alexander Parkesによって初めて作られた。
1870年にアメリカの
John Wesley Hyattがビリヤードの玉の原料として実用化に成功し、Celluloidの商標を登録した。

1880年代後半から乾板に代わって写真フィルムとして使われるようになった。
1884年にHannibal Goodwin EastmanHenry Reichenbackflexible filmを開発、Eastmanとの長期の特許紛争でGoodwinが勝訴し、1914年に5百万ドルの特許料を受け取った。

ダイセル化学工業の前身の大日本セルロイドは、1919年9月に下記の8社が合同して設立された。
 ・
堺セルロイド(三井財閥系:明治41年創業の日本でのセルロイド製造の先駆け)
 ・
日本セルロイド人造絹糸(三菱財閥・鈴木商店系)
 ・大阪繊維工業(岩井産業系)
 ・東京セルロイド
 ・三国セルロイド
 ・能登屋セルロイド
 ・十河セルロイド
 ・東洋セルロイド

なお、写真フィルム製造の国産工業化計画に基づき、1934年1月に大日本セルロイドの写真フィルム部の事業一切を分離継承して富士写真フイルムが設立された。

4) 日本の板硝子(ガラス)工業の発祥を示す資料

1909年に旭硝子関西工場(尼崎市)が「手吹円筒法」と呼ばれる方法で板ガラスの工業生産に成功した。
ここに所蔵されている円筒が選ばれた。
円筒は再び加熱して広げ、板ガラスにする。

ーーー

日本化学会では、2011世界化学年記念として第5回「化学遺産市民公開講座」を開く。
 日時:3月26日(土)10:30~16:45
 場所:神奈川大学横浜キャンパス

 詳細は http://www.chemistry.or.jp/archives/kouza2011.pdf

 


目次、項目別目次

 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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