リビア危機で原油価格 急騰
リビアの情勢緊迫化を受け、世界の原油価格が急騰している。
2月23日のNY原油先物市場でWTI原油は一時、2008年10月2日以来の100.00ドルを付けた。
終値は前日比2.68ドル高の98.10ドル。
エジプトの混乱を受けて欧州の原油市場が高騰している中で、WTI原油は米国の石油在庫が多いことから値下がりしていたが、ここにきて急騰した。
ロンドンの先物取引所の北海ブレント原油は一時108.57ドルに上昇した。
(日本時間24日11時現在、112.95ドル)
東京市場のドバイ原油は2月22日に104.30ドルとなった。(23日は103.30ドル)
これを受け、東京市場のオープンスペックナフサも22日に925ドルを付けた。(23日は910ドル)
リビアでは石油や天然ガスの生産活動に影響が広がっている。
BASF子会社のWintershallが日量10万バレルの生産を止める方針を表明、Repsol YPF、ENI、Totalが一部操業の停止を発表した。オーストリアの石油会社OMVも社員を大幅縮小した。
ENIはイタリア経由欧州向けの天然ガスパイプライン Greenstream を止めた。
BPは海底油田の採掘開始の準備をしていたが、最低限の要員だけを残して社員や家族を帰国させた。
2010/7/27 BP、リビア沖で深海油田掘削
リビアの石油積み出し基地は6つあるが、そのうち5つが反政府側が抑える東部にある。
リビアの石油積み出し港の操業が停止されていると報じられ、また、リビアが全ての石油製品輸出に関して不可抗力条項を発動したと伝えた。これは不可抗力の事態が発生したことを理由に、出荷を免除される条項。
http://www.avianflutalk.com/forum_posts.asp?TID=27000&PID=211512から
リビアの生産量は日量155万バレルで、埋蔵量は440億バレル。
生産量の80%が輸出されており、輸出先はイタリア32%、ドイツが14%、フランスが10%、その他欧州が23%、その他11%となっている。
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野村ホールディングスは2月23日、中東・北アフリカ情勢の悪化でリビアとアルジェリアが原油生産を停止した場合に、WTI原油先物価格が現在の2倍以上高い1バレル=220ドルに達する可能性があるとする報告を発表した。
付記
サウジアラビアは2月25日までに原油生産量をこれまでの日量860万バレルから900万バレル超へと引き上げた。
サウジの原油生産能力は日量1200万バレル超で1月の生産量は860万バレル。リビア減少分を短期間で補える余剰能力を持つ唯一の生産国。
リビアの供給の肩代わりをし、原油高騰に歯止めをかける。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
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