BP、インドでのガス・石油開発でRelianceと提携
BPは2月21日、インドの石油精製・石油化学最大手のReliance Industries と提携し、インドでの石油・ガス開発を拡大すると発表した。
両社はロンドンで枠組み協定に調印した。
BPはRelianceが操業しているベンガル湾のKrishna Godavari (KG)海盆のKG D6 blockを含む23の鉱区(総面積27万km2)の石油・ガス権益の30%を取得する。
また50/50のJVを設立し、インド市場でのガス販売の市場調査などを実施する。
JVはまた、インドで天然ガスの受け入れ、輸送、販売のためのインフラ作りに努力する。
BPの深海での探鉱開発技術(これら鉱区は水深 1,000~2,000mの深海にある)とRelianceのインドでのプロジェクト運営、操業の経験を統合する。
Relianceが引き続きオペレーターになる。
BPはRelianceに23の鉱区の権益の対価として総額72億ドルを支払う。更に開発の進展に応じて最高18億ドルを支払う。
これらの支払いと今後の開発投資を合わせると200億ドルに達する見込み。
BPはインドの将来に賭けており、海外の直接投資では最高額の一つである。
BPはメキシコ湾の原油流出事故後に、補償資金の確保のため多くの既存油田の権益売却を進めているが、その一方で、本年1月、ロシアのRosneftとの間でグローバルな戦略的提携で合意した。
2011/1/17 BP、ロシアのRosneft と戦略的提携
今回、インドの埋蔵量の多い鉱区の権益を取得し、成長著しいインドのガス市場に参入する。
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Krishna Godavari D6 blockでは2002年にDhirubhaiガス田(埋蔵量11Tcf)が、2006年にMA油田構造(埋蔵量5500万バレル)が発見された。Relianceが90%、カナダのNiko Resourcesが10%の権益を獲得、Relianceがオペレーターとなった。
これまでのインドの国産ガス供給は、ムンバイ・ハイ油田など西海岸沖合油ガス田に頼っていたため、ガス消費地は西海岸のムンバイ~デリーを結ぶメガロポリスに限定されていたが、東海岸で初めて開発されることとなる。
Relianceは2008年に原油の生産を開始、2009年4月にDhirubhaiガス田の生産を開始した。インドで初めての深海ガス田(水深1000~2000m)である。
第1フェーズ生産ガス田(Dhirubhai 1,3)で生産されたガスは、対岸のKalinadaで陸揚げされ、30km離れたGadimoga処理設備で処理される。その後、Reliance子会社が操業する東西横断パイプラインを経由して、インド西部グジャラート州Bharuchに輸送される。
Relianceでは、東西横断パイプライン沿線のデカン高原、インド東部、南部の主要都市にもガス需要を創出しようとしている。
その後、Dhirubhaiガス田の周辺で多くのガス田が見つかっている。
Dhirubhaiガス田はインドの天然ガスの中で重要な位置を占める。
資料 http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3295/0906_out_m_in_d6_gas_production.pdf
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