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2010年12月 7日 (火)

中国、外資の税優遇全廃

中国政府は12月1日、これまで中国企業だけに課してきた「都市維持建設税」と「教育費付加制度」を外国企業からも徴収する措置を施行した。
外資に対する優遇策を縮小する政策の一環で、今回の措置で国内企業と外国企業に対する税制上の取り扱いは対等となる。

国務院は10月21日、「国内外資企業および個人の都市維持建設税および教育費付加制度統一に関する通知」(国発〔2010〕35号) でこれを通知した。

都市維持建設税は、都市のインフラ整備に充てる資金を確保するためのもので、教育費付加制度は、教育振興の資金を集めるためのもの。これまで外国企業は免除されていた。

企業の支払う(増値税+消費税+営業税)の合計額に下記の税率をかけた金額を納めることになる。

都市維持建設税  教育費付加
市区  7% 3%
県城・鎮 5%
その他 1%

北京にある大手日系企業は「1割強の課税強化となり、年間約100万元(約1250万円)の増税になる」と説明。日本円換算で年1億円を超える新たな税負担を求められる企業もあるとの見方もでている。

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中国政府はこれまで、外資系企業から資金と技術を得るために税制面も優遇してきたが、2008年に外資系企業の法人税率を国内企業並みに引き上げるなど徐々に外資優遇税制を撤廃してきた。

2008年1月外資系と中国企業の法人税率を段階的に同じにする「企業所得税法」施行
   2008/1/4 
中国、新企業所得税法施行
労働者の権利を強化する「労働契約法」施行
   
2007/7/3 中国、労働契約法を可決
 8月外資系企業による中国企業買収の規制を強化する「独占禁止法」施行
   
2008/8/4 中国、独占禁止法施行
2009年11月政府調達で自国製品を優遇する「国家自主開発製品認定制度」の導入を通知
   2009/6/29 
中国の現状 最後の部分
2010年12月外資系企業には免除していた都市維持建設税と教育費付加制度を内外無差別化

今回の措置で国内外企業の税制上の扱いは同等となる。
新華社は「外資が“超国民待遇”を受ける時代は終わった」と強調した。

消費市場の巨大化や生産拠点の集積を背景に「優遇策を取り除いても外資は逃げないという自信の表れ」(国際金融筋)でもある。

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「都市維持建設税」と「教育費付加制度」はいずれも、企業の支払う(増値税+消費税+営業税)に対して課せられる。

 増値税(原則17%)

増値税の納付額は、日本の消費税と同様、売上税額から仕入税額(専用インボイス記載額)を控除した差額。
但し、日本と異なり、固定資産の仕入税額控除は認められない。

輸出品については課税されない。
これの仕入れ税額は全額ではなく、輸出価格に還付税率を乗じたものが還付される。
輸出還付税率は、中国政府の産業政策や貿易摩擦対策、国内の需給動向等を勘案して、輸出管理政策のツールとして、毎年変更されている。
仕入れ税額との差額は輸出業者の負担となる。

  2006/9/26  中国、輸出増値税リベート変更
  
2007/6/28 中国、輸出抑制のため輸出増値税還付率を引き下げ その他  

 消費税

嗜好品と呼ばれる特定の物品の生産に課される。

 ・過度な消費をすると健康・社会、環境に悪い影響を与えると考えられている商品
   (煙草、酒、爆竹、花火等)
 ・贅沢品、非生活必需用品(化粧品、アクセサリー等)
 ・大量エネルギーを消耗する商品、高級商品(乗用車、バイク等)
 ・再生できない石油類商品(ガソリン、軽油等)
 ・財政的に意義のある物(タイヤ、リンス等)

 営業税 

中国国内においてなされる労務役務の提供、無形資産取引、不動産取引、建設等を対象とした流通税のひとつ。
増値税の対象となる加工、修理補修、組立労務の提供は除く。

増値税の課税対象は主として(有形)商品で、営業税の課税対象は主として労務・サービス。
増値税は「売上」と「仕入」の「差額」に対して課税となるが、営業税は「売上」に対して課税される。

税率
 運送業、建築業 3%
 金融保険業、サービス業、不動産販売等 5%
 娯楽業(クラブ、バー、ゴルフ等) 20%

 


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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