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2010年12月 8日 (水)

インド政府、Bhopal事故補償で13億ドルの追加請求

インドの司法長官はBhopal事故(1984123日発生)の記念日に当たる123日、Dow Chemicalに犠牲者に対する10億ドル以上の支払いをさせるよう求めて、インド最高裁に対して申立を行った。

被害者とその支援者は長年にわたり追加補償と責任者の厳罰を求めて運動を続けてきた。

インド政府は6月のUCCの元役員(インド人)に対する甘い判決への国民の(ひき逃げと同じかとの)怒りに対応して、閣僚委員会を設置した。

インド政府は624日遅くに、1984年のBhopal事件に関して、Manmohan Singh首相が指名した閣僚委員会が出した方針案を承認した。
犠牲者への賠償を追加し、
Dow Chemical の責任を追及し、Union Carbideの当時の会長のWarren Andersonの引渡を米国に求めるもの。

2010/6/30 インド政府、ボパール事件で新方針

申立では死亡者と負傷者の人数を修正し、当時の補償の元になった計算が完全に間違っていることが分かったとし、追加の12.7億ドルの支払いを求めた。

当時、政府は事故の3日以内の死亡者を3,500人としたが、今回、5,295人に修正した。
(国営の Indian Council of Medical Research
は3日以内の死亡者を8,000~10,000とし、1994年までに25,000人が事故の影響で死んだとみている。)

しかし、運動家は申立はシンボリックなもので、実際にダウに請求する手段はないとしている。

今も障害をもって生まれる子供がおり、被害者の治療のために直ちに、もっと多くの金が必要だとし、今回の措置はうわべだけのもので、政府として、誠実なやり方ではないと批判している

UCCを買収したDow Chemicalは責任を否定、UCC1989年にインド政府との間で470百万ドルの支払いで決着した10年も後に買収したとしている。

事故を起こしたUnion Carbide India Limited (UCIL)Union Carbide50.9%、インドの24,000人の株主が残り49.1%を保有していた。

UCCは保険金額の350百万ドルの支払いを提案、インド政府は33億ドルを要求したが、1989年に保険金額+金利の470百万ドルの支払いで決着した。

インド最高裁は1994年にUCC50.9%の持株売却を承認、製茶業の Williamson Magor GroupMcLeod Russel (India) Ltdが買収し、社名をEveready Industries India に改称した。

事故当時、UCILは従業員10,000人で、5部門に分かれ、殺虫剤のほか、バッテリー、カーボン製品、溶接設備、プラスチック、工業薬品などを製造していた。

Eveready Industries Indiaとなった時の主たる製品は乾電池であったが、その後、袋入りの紅茶(3つのブランド)を売り出した。

LAVAブランドで、乾電池と懐中電灯を中近東、北アフリカ、西アジア、メキシコ、米国などで販売している。

ーーー

2001年にDowUCCを買収した。

今回の要求の内訳は以下の通り。

1989年の損害賠償の見直し Rs. 5,786 crore 当時の金でRs. 675.96 croreを追加
主に当時の計算での死亡者、負傷者の人数を見直し
それを、その後のルピー切り下げ、金利、物価等を勘案
Relief and Rehabilitation Rs. 1743 crore インド政府支払い分
'the polluter pays' principleによる。
環境悪化対策 Rs. 316 crore インド政府推定
合計 Rs. 7,845 crore croreは千万。1Rs0.02218$
ドル換算 1,740百万ドル  
既支払額 470百万ドル  
差引き 1,270百万ドル

なお、異なるインフレ指数などにより、請求額は666百万ドルから13億ドルまで、いくつかがある。

この申立は最高裁の3人の上級裁判官が審議し、レビューするかどうかを決定する。 

参考  2008/6/25 Bhopal 事件のその後
2009/6/23 米議員、ダウにBhopal 事件被害者の救済を要請
2010/6/9 Bhopal 事件でインド人元役員等8人に有罪判決
2010/6/30 インド政府、ボパール事件で新方針

付記

Dowは12月8日、次のような抗議の声明を発表した。

DowはUCCとUnion Carbide Indiaの行為に対し責任がなく、今回のインド政府のやり方は間違っている。
これは、法に遵い、ビジネスにオープンというインドのイメージを損なうものだ。

もし、インドがビジネスにオープンであると見られたいなら、国の法的な約束を無効には出来ない。
インド政府は、自らがUCCと交渉し、結んだ契約、何度も検討し、最高裁の承認を得た最終解決策の契約を無効にしようとしている。


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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