Bayer、中国事業の大拡張を発表
Bayerは12月9日、2016年までに中国でのハイグレード材料の生産能力を大増設すると発表した。
上海地区で10億ユーロの投資を行い、現在21億ユーロの中国地区(台湾・香港を含む)での売上高を2015年に50億ユーロとする。
このうち、 MaterialScience部門は現在の12億ユーロを最低25億ユーロとする。
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Bayerは2001年10月、朱鎔基首相、シュレーダー首相も参加して、上海ケミカルパークの新生産基地に関する基本契約に調印した。
同11月に浦東のバイエルの新しい高分子研究センターの開所式と合わせて着工した。
基本契約の中心は、3つのコア・プロジェクト(塗料、熱可塑性樹脂、ポリウレタン原料の生産)の認可で、
第1は自動車、建設、家具業界で使用される塗料・着色材の製造で、バイエル塗料システムズ(上海)が担当する。
2003年からポリイソシアネートのDesmodur® N 11,500トン、2004年末にDesmodur® L 11,000トンの生産を始めている。
第2はポリカーボネート「マクロロン」の製造で、Bayer (Shanghai) Polymer (バイエル90%/上海クロルアルカリ 10%)が担当する。
上海クロルアルカリは2009年1月23日、JVから離脱すると発表した。
Bayer (Shanghai) Polymer は バイエル100%となる。2006年9月、上海ケミカルパークでポリカーボネート工場の第一期 10万トン/年の開所式を行った。
2008年10月にPCの増設が完成、能力が20万トンになった。
第3はポリウレタン原料の大規模生産で、新設の100%子会社「バイエル・ポリウレタン(上海)社」が担当する。
2006年9月、上海ケミカルパークで粗MDIのスプリッター(モノマー/ポリマー分離)8万トン/年、及びHDI 3万トン/年のプラントの開所式を行った。
第3のコア・プロジェクトのポリウレタン原料の最初のプラントのMDIのスプリッターに次いで、2008年10月に世界最大の35万トン/年のMDI設備がスタートした。
2009年には25万トン(当初計画は16万トン)のGas Phase Phosgenation法TDIも建設を開始、間もなく完成する。2006/9/11 バイエル、上海のPC工場等が完成
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今回、次の5つの投資を行う。
1) | ポリカーボネート 既存の10万トン(増設して現在20万トン)のプラントを30万トンに拡張、新たに20万トンのプラントを新設し、合計能力を50万トンにする。 中国の需要の拡大により、アジア太平洋地区のPCの需要は全世界の60%となっている。 |
2) | MDI 既存の35万トンを50万トンに拡張、新たに50万トンプラントを新設、合計能力を100万トンとする。 断熱材用などでの硬質ポリウレタンフォームの需要増に対応する。 |
3) | HDI 需要増に対応して先ず既存設備(3万トン)を増強、更に5万トンのプラントの建設を行う。 |
4) | 上海と他の3都市に合計5箇所の需要家サポートセンターを建設する。これに110百万ユーロを投資する。 |
5) | R&Dの拡張 中国が世界の主導的な役割を果たす、風力発電タービンや太陽エネルギー発電などの分野に注力する。 |
別途、MaterialScience部門ではポリカーボネートの本部機能を来年、上海に移す。
世界のPCの市場におけるこの地域の重要性を勘案したもので、これにより、意思決定を早める。
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