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2010年11月15日 (月)

チッソ、事業再編計画の認可申請

チッソは11月12日、水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づき、同社を補償部門と事業部門に分社化する「事業再編計画」の認可を松本龍環境相に申請した。

分社化の時期を「来年3月が目標」としている。
当面は事業会社からの配当で被害者補償や債務返済を行う。

将来的にチッソが事業会社株を売却し、得た利益を補償や返済にあてる想定だが、事業会社を被害補償から切り離した上でチッソが清算される可能性があり、被害者側には「原因企業が消滅する」との反発がある。

松本環境相は同社の後藤舜吉会長に対し、地元が懸念している患者補償の継続と地域振興に取り組むよう求めた。

特措法については 2009/7/3 水俣病救済法案、衆院を通過、来週成立の見通し

チッソは認定患者への補償などで2010年度末の債務超過は1548億円に達する見通し。

2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定及び下の表

環境省は7月6日、水俣病特別措置法に基づき、チッソの分社化に向けた手続きの一環として、同社を「特定事業者」に指定し、通知した。

2010/7/6 チッソ を「特定事業者」に指定

本年初めに、分社化について「10月1日を目標に社内の体制を整える」との方針を示したことが分かり、問題となった。

2010/1/11 チッソ会長、「10月分社化目指す」

ーーー

事業再編計画の概要は以下の通り。

(前文)
同社は特措法に基づく環境大臣からの一時金支給に関する同意要請に同意しており、解決を図ることとしている。
そのためには事業体制の抜本的再構築、経営の一層の効率化、次世代事業の早期創出の体制整備を行い、更なる収益力強化、事業価値向上を図ることが必須であり、この事業再編計画を策定した。
本計画で事業会社の株式の譲渡を進めるものではなく、いかなる場合も認定患者の補償責任完遂、被害者救済を行う。

1. 事業会社
  商号:非公表
  資本の額:3億円(資本金1.5億円、準備金1.5億円)
  設立:認可後速やかに
   
2. 事業譲渡
チッソが営む機能材料分野、化学品分野及び加工品分野等の事業活動を継続するために必要な土地、設備など有形・無形の事業財産を事業会社に譲渡する。

特措法規定に基づく法人税に係る課税の特例の適用を申告し、株式評価額から事業譲渡に係る純資産価額を控除した金額に達するまで、期限切れ繰越欠損金(1209億円)を損金の額に算入する。
(譲渡益の課税を避け、患者補償、公的債務返済、一時金の支給に充てる)

事業の譲受先となる事業会社の株式をチッソが全て所有し、譲渡後もチッソが事業会社の経営、財産を管理、監督する。
   
3. 株式の引き受け
事業譲渡の対価として事業会社が新たに発行する全株式を引き受ける。
 増加資本金:310億円、増加資本準備金:270~310億円

 事業譲渡額:580億円~620億円

   
4. 事業譲渡時期
  2011年3月目標
   
5. 現在のチッソをホールディングカンパニーと位置づけ、補償継続、一時金支給、公的債務返済、地域における水俣病対策に適切に貢献しつつ、事業会社の経営を監督する。
   
6. 事業譲渡時における事業会社の株式の評価額
 1950~2350億円と評価

  第三者機関の評価
  DCF法       1942~2390億円
  類似企業比較法 1994~2261億円
   
7. チッソは事業会社からの配当金により、補償と借入金返済を行う。
    チッソの資金計画は以下の通り。

 

8.利益水準と設備投資計画

地元には水俣から離れるのではないかとの懸念があるが、水俣に280億円の投資をするとしている。

 


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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