住友商事、ウジミナスの鉄鉱山子会社に出資
住友商事は9月28日、ブラジル鉄鋼大手Usinas Siderurgicas de Minas Gerais S.A.(Usiminas)が設立する鉄鉱山会社 Mineração Usiminas S.A.(MUSA)の第三者割当増資を引き受け、30%出資することにつき、最終合意した。
本年7月1日に基本合意していた。
住友商事は鉄鉱石を日本を中心としたアジア地域に輸出する考え。
日本向けは2014から15年の鉱山拡張後に、本格的な輸出を始める。国内製鉄大手と長期契約を結び、安定的な供給を目指す。
合意事項は以下の通り。
1)新設のMUSAはUsiminasから次の鉄鉱山事業関連資産の移管を受ける。
①ミナスジェライス州Serra Azul地域の鉄鉱山資産
ミナスジェライス州の「鉄四角地帯」と呼ばれる鉄鉱石が豊富に賦存している地域の北西に位置するSerra Azul地域。
想定可採量:約24億トン、今後、30~40年間にわたり、生産が可能。
年間生産量:現在年産700万トンベースで生産中
将来的には年産3000万トンの鉄鉱石一貫プロジェクトを目指す。
②Usiminas保有の民間鉄道会社 MRS Logística の株式の83.3%
Belo Honzorte市からリオデジャネイロ州イタグアイ地区の鉄鉱石輸出港湾地域および
サンパウロ州のUsiminas社クバトン製鉄所まで延伸している民間鉄道会社の路線
③リオデジャネイロ州イタグアイ地区の輸出港湾プロジェクト用地地
2)住友商事は、MUSAの第三者割当増資を引き受け、同社株式の30%を取得する。
増資引受額は最大1,929百万米ドル、
うちクロージング時点での支払額は1,350万米ドルの予定。
Usiminasは、日本の技術援助を受けて誕生した。
日本ウジミナスが筆頭株主で21.69%を出資する。
日本ウジミナスには当初、新日鉄が14.4%、国際協力銀行など他の株主が85.6%出資していたが、2006年12月に新日鉄が出資比率を50.9%に引き上げ、連結子会社化した。
なお、Usiminasが79.3%、新日鉄が20.7%出資で自動車用鋼板製造のウニガル(ブラジル)を設立している。
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日本企業の海外の鉄鉱石権益は以下の通り。
国 | 鉱山 | JV名 | 出資 | JV相手 | |||||||||||||||
ブラジル | ミナスジェライス州 Serra Azul 地区 |
Mineracao Usiminas (MUSA) |
住友商事 30% | Usiminas 70% | |||||||||||||||
ミナス・ジェライス州 (鉄四角地帯) 2009年の予定販売数量は 1800万トン、 拡張を経て2013年の販売数量を 3,800万トンまで拡大する予定。 |
Nacional Minerios S.A. (Namisa) CSNの100%子会社の |
共同体 40%
|
Companhia Siderurgica Nacional(CSN) 60% | ||||||||||||||||
ミナス・ジェライス州 ファブリカ・ノバ鉱山 (鉄四角地帯) 鉱量は約4.5億トン 最終的に年産1,500万トン |
Minas da Serra Geral S/A (M.S.G) |
JFEスチール 50% (当初 川崎製鉄) |
CVRD (Vale) 50% | ||||||||||||||||
豪州 | 西豪州 Pilbara Robe River 鉱山 West Angelas鉱山 |
Robe River | 三井物産 33% 新日鉄 10.5% 住友金属工業 3.5% |
Rio Tinto 53% | |||||||||||||||
西豪州 Pilbara Mt Newman Yandi Goldsworthy |
BHPB J/V | 伊藤忠 8% 三井物産 7% |
BHP Billiton 85% | ||||||||||||||||
西豪州中西部 Jack Hills 鉱山 |
Crosslands Resources | 三菱デベロップメント (三菱商事) 50% |
Murchison Metals Ltd 50% | ||||||||||||||||
西豪州 Pilbara Beasley River 鉱山 |
Beasley River JV | Beasley River Iron Associates 47%
|
Hamersley Iron 53% (Rio Tinto group) |
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