中国で地熱による地域暖房事業拡大
シノペック子会社Sinopec Star Petroleum とアイスランドのGeysir Green Energyはこのたび、内蒙古自治区での地熱開発に関して契約に調印した。
両社は本年6月9日、アイスランド外務省で、中国での地熱開発を拡大するための5年間の契約に調印、合弁会社のSino-Icelandic Green Energy Geothermal Development Corporationを設立し、陝西省、河北省、北京市、天津市、及び中国北東部での地熱開発を取り決めた。
今回の契約は中国北東部での地熱開発に関するもので、Geysir Green Energyの中国事業子会社Enex ChinaとSinopec Star は地方政府に協力し、同自治区の阿爾山での地熱調査を行う。
地熱による室内暖房、温室栽培、地熱発電を目指し、地熱開発と地熱利用で協力する。
Enex ChinaはGeysir Green Energy が80.5%、残りをアイスランドの地熱開発のReykjavik
Energy Invest が出資している。
Geysir Green Energy
はアイスランドの地熱エネルギー開発会社で、アイスランドのほか、ドイツ、中国、フィリピンで活動している。
2009年にはEl Salvadorで9.3MWのバイナリー(*)地熱発電所を稼動させている。
* 温度の低い蒸気でも発電できるように,沸点が36℃のペンタンなどの蒸気をつくり、これでタービンを回して発電するもの
温家宝首相は本年9月、アイスランドのPresident Olafur Ragnar Grimssonとの天津での会談で、地熱開発で両国の協力関係を深めたいと述べた。
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Enex ChinaとSinopec Starは49%/51%で Shaanxi Green Energy Geothermal Development (SGE)を設立し、陝西省咸陽市と河北省保定市で地熱による地域暖房を行っている。
SGE社の最初の事業は陝西省咸陽市で地熱による地域暖房を設置、運営するもので、それまで使われていた石炭による暖房を置き換えた。
第一期は2006年に完成、現在では11の地熱井戸と7つの暖房センターを持ち、ピーク能力100MWサーマル、ベース能力70MWサーマルで、咸陽市の120万m2以上の地域に熱を供給している。
第二の事業が河北省保定市のもので、2009年11月に開始した。
現在では30万m2に熱を供給し、2010年末には100万m2になる。
SGE社は合計で14の地熱井戸、10の暖房センターを運営、ピーク能力は140MWサーマルとなっている。
6月に調印した契約では、まず、既に実施している陝西省咸陽市と河北省保定市の計画を現在の140MWを拡大する。
3年間で熱を供給する面積を2000万m2とし、次の5年間で3000~4000万m2に拡大する。
今回の契約は中国北東部での開発に関するもので、両社の中国での地熱利用の3件目となる。
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中国国土資源部によると、中国には1,000以上の地熱エネルギー田があり、そのうち1/4が利用されており、世界で地熱利用のトップの座にある。
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