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2010年8月 4日 (水)

注目企業の2010年第1四半期決算-2  医薬会社

武田薬品とアステラス製薬が主力製品の特許切れが影響して減益となったが、その他の会社は増益となった。
第一三共とエーザイは主力製品の特許がまだ残っている。
第一三共はインド子会社Ranbaxyの貢献が大きい。

 

武田薬品工業

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   396,881 -27,176 -6,388 2,494
09/1Q 378,977 125,630 137,594 112,594
10/1Q 354,698 107,261 103,834 64,111
増減 -24,279 -18,369 -33,760 -48,483

営業損益は、為替差損 116億円や米国で特許期間が満了した消化性潰瘍治療剤の売上減(312億円)で、売上総利益が260億円減となったのが響いた。

2008/1Qの営業損益には、TAP子会社化、ミレニアム社買収による、
インプロセスR&D費 1,663億円、無形固定資産・ノレン償却費 148億円、合計 1,811億円の損失を含む。

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アステラス製薬

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   254,550 68,297 73,168 45,181
09/1Q 252,136 69,166 69,633 44,010
10/1Q 237,491 56,270 56,936 39,464
増減 -14,645 -12,896 -12,697 -4,546

売上減は、米国でハルナールの後発医薬品が発売された結果、ライセンシーからのバルクロイヤリティが118億円減少したのが響いた。

営業損益は、これらにより売上総利益が78億円減少し、研究費を除く販管費が50億円増となり、差引129億円の減益となった。

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第一三共

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   203,729 40,002 40,851 25,080
09/1Q 227,123 26,766 7,168 -6,349
10/1Q 256,427 61,061 70,093 33,073
増減 29,304 34,295 62,925 39,422

売上高はインド子会社Ranbaxyが前期比251億円の増収となったのが寄与。

営業損益は、売上総利益が278億円増となり、研究開発費15億円減、欧米子会社等での販促費削減などで販管費が50億円減となり、差引き343億円の増益となった。

営業外損益では前期にランバクシーの為替デリバティブ(インドルピーの対米ドルレート変動リスクヘッジ)評価損を計上したのに対し、当期は評価益を計上、差引き286億円の益となり、経常損益が更に増加した。

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エーザイ

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   195,819 24,061 23,863 16,635
09/1Q 194,671 24,144 23,177 16,349
10/1Q 204,463 32,773 30,167 18,789
増減 9,792 8,629 6,990 2,440

売上増による売上総利益の増加(46億円)に加え、研究開発費減(34億円)、販管費の効率化(7億円減)により、営業損益は86億円の増益となった。

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田辺三菱製薬

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   108,249 25,389 25,940 14,648
09/1Q 100,786 22,585 23,067 11,388
10/1Q 108,761 26,581 26,790 14,669
増減 7,975 3,996 3,723 3,281

同社および連結子会社のバイファが薬事法違反による行政処分(業務停止処分ならびに業務改善命令)を受け、同社は4月17日から5月11日まで業務停止となった。

営業損益は、増収により売上総利益は25億円の増益となり、退職給付費用の減少等により販管費が14億円減少、差引40億円の増益となった。

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大日本住友製薬 

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   70,129 10,208 10,802 6,446
09/1Q 66,048 11,237 11,835 7,817
10/1Q 101,799 14,790 14,838 9,277
増減 35,751 3,553 3,003 1,460

2009年10月に米Sepracor Inc.を買収した。

米国の売上高は329億円、営業損益は特許権やのれんの償却等、買収に伴う企業結合の会計処理を実施した結果、12億円となっている。(処理前では111億円の益)

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大正製薬

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   61,853 11,644 12,360 7,693
09/1Q 63,563 6,256 7,074 3,580
10/1Q 64,557 11,923 12,930 7,708
増減 994 5,667 5,856 4,128

売上高は、セルフメディケーション(OTC、リポビタン等)は14億円の増収、大正富山などの医薬事業は4億円の減収となった。

営業損益では、研究開発費45億円減、販管費11億円減等で、57億円の増益となった。

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塩野義製薬

百万円
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/1Q   51,721 8,083 8,371 5,388
09/1Q 64,026 6,078 5,835 4,601
10/1Q 75,230 7,969 7,211 4,825
増減 11,204 1,891 1,376 224

ロイヤリティ収入の増加、研究開発費の減少で増益。

 


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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