チッソを「特定事業者」に指定
環境省は7月6日、水俣病特別措置法に基づき、チッソの分社化に向けた手続きの一環として、同社を「特定事業者」に指定し、通知した。
「分社化」はチッソの事業部門を100%子会社化して上場・独立させ、現在のチッソは補償部門だけを担う親会社とする内容。
上場後の株式売却益で約1500億円の公的債務と約400億円の金融機関に対する債務に加え、将来も続く患者補償を担う。
親会社は当面、子会社の株式配当益で補償業務を担い、3年後をめどに株式を他者に全面譲渡、譲渡益を熊本県に納付して補償業務を委ね、清算するとしている。
2010/1/11 チッソ会長、「10月分社化目指す」
鳩山内閣は4月16日に、水俣病の未認定患者を救済するための特別措置法の「救済措置の方針」を閣議決定した。
熊本地裁が3月15日の第4回和解協議で所見を示し、年内に決着するよう要請、政府、チッソ、患者会はいずれも、これの受け入れを決め、3月29日の第5回和解協議で和解に基本合意した。
「方針」はこれを折り込み、特措法の具体策を決めたもの。
ただ、水俣病被害者互助会(水俣市)など依然として訴訟を続ける被害者団体もある。
また現時点で救済を求めている人のほかにも、自分が水俣病だと気づいていない人が相当数いるとみられる。「被害地域の全住民の健康調査で被害の全容を明らかにしなければ、最終解決にならない」との指摘がある。
2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定
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チッソは6月4日に事業者指定を申請した。( 特定事業者指定申請書)
チッソは今後、分社化に向け事業再編計画を申請。環境相が認可し、裁判所が許可すれば分社化が可能になる。
後藤舜吉会長は株主総会後に、「事業再編計画策定の準備はできている。特定事業者に指定されれば直ちに提出するつもり」と述べている。
チッソの事業者指定申請には、水俣病不知火患者会など被害者7団体が反発。「全被害者救済への道筋も全く見えない時期に、分社化による責任逃れのみを急ぐ態度に抗議する」として、環境相に申請を認めないよう求める声明を出していた。
小沢環境相は指定について、「もともと特措法が想定している話。救済をしっかりやるために必要なことは必要なタイミングで進めていく」と説明。分社化には「(被害者団体などに)拒否感があることは承知しているが、救済手続きを進めてほしいという声もある。皆さんの反応を受け止め、現実的な対応をしていきたい」と語った。
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