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2010年7月31日 (土)

ダウ、IOCのスポンサーに

ダウは716日、International Olympic CommitteeのTOP(The Olympic Partners)になる契約を締結したと発表した。スポンサー期間は2010年から2020年まで。条件は明らかにしていないが、1億ドル以上との報道もある。

TOPプログラムは1985年に創設された。IOCに対する最高水準の世界的スポンサーシップで、冬季・夏季オリンピック大会を含めた4年間の全体を通してサポートを行う。

従来、オリンピックマークの商業使用権は各国のオリンピック委員会が管理をしていたが、サマランチ会長がIOCの一括管理にし、この制度を始めた。

1業種1社に限定されており、ダウは化学分野で契約した。
(電機分野は同業種の企業が多数選ばれているが、
Panasonicは音響・映像機器、GEは一般電気製品、Samsungは通信機器と細分化されている。)

TOP にはそれぞれの分野で、自社製品、技術、サービスの世界的マーケティング活動の独占的な機会が与えられる。

ダウではこの期間中、10億ドルの売り上げ増加を期待している。断熱材、熱伝導流体、建築・産業用コーティング剤、電化関連および絶縁、プラスチックなどが対象で、ダウの30以上の事業部門がオリンピック関連のインフラ市場に売り込みをかける。

ダウは2010年冬季オリンピック・パラリンピック・バンクーバー組織委員会の公式サプライヤーになり、スタイロフォーム製品がオリンピック建築物の多くに使用された。

2012年のロンドンオリンピックのTOPには現在、ダウのほか、Coca-ColaAcer(パソコン)、Atos OriginIT)、GEMcDonaldsOmegaPanasonicProcter & GambleSamsungVisaの合計11社が選ばれている。
(Procter & Gamble
はダウに続いて7月28日に選ばれた。)

このうち、Atos OriginPanasonicSamsung2016年まで、ダウ、Coca-ColaOmegaProcter & GambleVisa2020年までとなっている。
Panasonicは2009年から2016年まで
TOPを務める。

 


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2010年7月30日 (金)

事業統合会社の2009年度決算

非上場会社の2010年3月決算の発表(決算公告)が出揃った。

12月決算会社を含め、対比した。
  
  
は12月決算、
  
は3月決算

日本ポリエチレンと日本ポリプロが3月決算に変更した。
今回、2010年1-3月期決算を発表した。
両社とも2009年1-12月が赤字であったが、2010年1-3月は黒字となっている。

ーーー

ポリオレフィン

日本ポリエチレン (PE)
 出資: 日本ポリケム(三菱化学) 58%、
日本ポリオレフィン(昭和電工/新日本石油)
42% 
 能力: 1,186千トン
   
  12月決算から3月決算に変更
 
(百万円) 
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/12 178,358 400 606 123
09/12 124,131 -3,055 -3,108 -2,035
10/3 1-3月) 32,813 1,535 1,638 1,055
      
ーーー  
   
日本ポリプロ (PP)
 出資: 日本ポリケム(三菱化学) 65%/チッソ 35% 
 能力: 1,244千トン
   
  12月決算から3月決算に変更
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/12 206,819 1,047 305 156
09/12 130,757 -13,274 -13,455 -8,478
10/3 1-3月) 39,587 1,370 1,358 777
  2011年に千葉の79千トン、鹿島の90千トンを停止     
   
ーーー  
   
サンアロマー (PP)
 出資: LyondellBasell 50%、
SDKサンライズ投資 50%(昭和電工 65%、 新日本石油 35%) 
 能力: 347千トン
 
(百万円) 
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/12 69,524 1,542 2,106 1,284
09/12 40,789 -382 -358 -960
増減 -28,735 -1,924 -2,464 -2,244
ーーー  
   
プライムポリマー (PE/PP)
 出資: 三井化学 65%/出光興産 35% 
 能力: PE  489+三井デュポン 170+三井化学 4+日本エボリュー 190/240=853千トン
PP  1,071+徳山PP 200+宇部PP 90=1,361千トン  
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3   338,228   -16,278  -16,045 -20,136
10/3 255,844 -7,963  -8,134  -10,186
増減  -82,384 8,315  7,911  9,950
                         
  2010年4月に高圧法低密度ポリエチレン事業を三井デュポンに譲渡
2011年3月に宇部ポリプロ90千トン停止
2011年11月に日本エボリュー 60千トン増強(全量プライムポリマー枠)
   

ーーー

PVC

大洋塩ビ (PVC)
 出資: 東ソ- 68%/三井化学 16%/電気化学 16%
 能力: 558千トン
 
(百万円) 
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3  57,543 -488    -502  -377
10/3  45,567  -1,597   -1,619  -1,972
増減  -11,976  -1,109  -1,117 -1,595
                         
ーーー  
   
新第一塩ビ (PVC)
 出資: トクヤマ 71%/日本ゼオン 14.5%/住友化学 14.5%
 能力: 255千トン
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3  23,297  - 554    - 755  -1,166
10/3  16,096   -1,053   -1,038  -1,045
増減  -7,201  -499 -283  121
   
ーーー  
   
ヴイテック (PVC、VCM、電解)
 出資: 三菱化学 85.1%/東亞合成 14.9% 
 能力: PVC 220千トン、VCM 391千トン
 (水島PVC 110千トン停止、川崎PVC 9
5→121千トン) 
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
08/12 45,206 -1,992 -2,365 -3,025
09/12 28,139 -1,269 -1,546 -6,526
増減 -17,067 723 819 -3,501
                     
  2011年3月末までに停止、解散
但し、川崎PVCプラント(121千トン)は東亞合成が引取り、カネカから製造受託

ーーー

 

ポリスチレン、ABS

付記 東洋スチレンを追加した。

PSジャパン (PS)
 出資: 当初 旭化成 45%/出光興産 27.5%/三菱化学 27.5%
2009/10 三菱化学が離脱
→ 旭化成ケミカルズ 62.07%/出光興産 37.93%
 能力: 445千トン
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3   64,260   1,073  1,251   724
10/3  50,948  2,873  2,911   1,669
増減 -13,312  1,800   1,660 945
     2011年3月末に三菱化学四日市の85千トンを停止
ーーー  
   
日本ポリスチレン (PS)
 出資: 住友化学 50%/三井化学 50%
 能力: 162千トン→ 0
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3   20,714   483  472   -2,681
        
  2009年9月末で操業を停止した。
 (2009年3月期に特別損失 2,941百万円を計上)
ーーー  
   
東洋スチレン (PS)
 出資: 電気化学 50%/新日鉄化学 35%/ダイセル化学工業 15%
 能力: 278千トン
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3   46,005   514  506   253
10/3  39,226 -180  -194   162
増減 -6,779  -694  -700 -91
   
   
テクノポリマー(ABS)
 出資: 当初 JSR 60%/三菱化学 40%
2009/3/31に三菱化学撤退 →JSR 100%  
 能力: 290千トン→250千トン
(三菱化学分 90千トン停止、JSR分 50千トン増強) 
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3   48,266  655   1,467   790
10/3  36,746   -302  547  584
増減  -11,520 -957 -920   -206
        
ーーー  
   
日本エーアンドエル(ABS、SBRラテックス)
 出資: 住友化学 67%/三井化学 33%
 能力: ABS 100千トン、SBR 85千トン
 
(百万円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
09/3 39,514 1,098 835 1,047
10/3 29,601 -480 -530 -728
増減 -9,913 -1,578 -1,365 -1,775

 


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2010年7月29日 (木)

2010年第2四半期 国産ナフサ基準価格

第2四半期の国産ナフサ基準価格は49,700円となり、前期比2,000円のアップとなった。
なお、5月の通関金額が修正されている。

計算根拠は以下の通り。(単位:円/kl)

  輸入平均   基準価格
2009/1Q  24,970  27,000
     2Q  31,294  33,300
3Q  39,185  41,200
4Q  40,544  42,500
2010/1 45,468    
2010/2 46,360    
2010/3 45,249    
2010/1Q 45,702 47,700
2010/4 47,517    
2010/5 49,142    
2010/6 46,414    
2010/2Q 47,653 49,700

基準価格は平均輸入価格に諸掛 2,000円/kl を加算(10円の桁を四捨五入)


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ペトロチャイナ、ウルムチで大規模パラキシレンプラントを稼動

ペトロチャイナ・ウルムチ石油化学は7月19日、新疆ウイグル自治区ウルムチで大規模パラキシレンプラントの稼動を開始した。

38億人民元を投じたもので、PX能力は年産93万トン、他にベンゼンを32万トン生産する。
UOP技術を採用、原料は同地にある同社の製油所から供給する。

本計画は2006年9月にNDRCの認可を得ており、当初は2008年に生産開始の予定であった。
当時、ウルムチ石油化学は年産150万トンのPTAを計画しており、PXはこれの原料として考えられた。

建設開始は当初計画の2006下期から2007年9月にずれ込み、スタートアップ予定も2009年3四半期となったが、これが更に遅れることとなった。

問題はPTA計画が棚上げとなったことである。
同社は
NDRCにPTA計画を申請したが、その後、建設費が少なくとも40億人民元(約500億円)かかることが判明し、ギブアップした。

このため、PXが完成しても、使い道がなくなった。

工場から最も近いPTAプラントは河南省洛陽で、1900kmも離れている。
新疆ウイグル自治区ウルムチは中国の西北端にあり、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、蒙古、アフガニスタンなどに囲まれている。
主な輸送手段は鉄道かトラックである。ペトロチャイナでは「可燃性のPXを簡単に輸送は出来ない」としている。

完成してもPXの行き先がないため、ペトロチャイナは稼動を遅らせた。
これに対し、地方政府は地方経済の活性化と数百人の雇用の確保のため、早急な稼動を要請し、揉めていた。

ーーー

2009年7月5日夜、ウルムチ市で少数民族ウイグル族による大規模暴動が発生、漢族ら197人が死亡、1700人以上が負傷した。広東省の工場でウイグル族が漢族に襲われ死亡した乱闘事件への抗議デモが暴動に発展した。
新中国建国以来、当局が発生を認めた少数民族の暴動としては最大級の規模で、背景には漢族が主導権を握る統治システムへのウイグル族の不満にある。

当局は暴動再発への強い危機感から、約10カ月にわたって自治区でのインターネット閲覧制限などの情報管制を行った。

2010年に入り、中国政府は新疆ウイグル自治区の経済発展支援を強化し、住民の生活改善を急ぐ政策をとった。

胡錦濤主席は4月23日の会合で、「地域の永続的な安定を実現するため、新疆ウイグル自治区を経済的、社会的に発展させることが我々にとって戦略的意味を持つ大きな、緊急の仕事である」と述べた。

ペトロチャイナのPX工場の生産開始は中央政府と地方政府から要請されたものである。

同社では、PXは約10%を自治区内で販売、40%は中央アジア市場で、残り50%は中国内陸部で販売するとしている。

しかし、上記のペトロチャイナの過去の発言から考え、販売先を見つけたとは考え難く、政府に押し切られ、とりあえずスタートしたものと思われる。

なお、中国全体では、PXを2008年に340万トン、2009年に370万トン輸入している。

ーーー

ウルムチ石油化学の製油所能力は600万トンで、PX 7万トン、ベンゼン 1万トン、アンモニア 63万トン、尿素 110万トン、PTA 75千トンのプラントを持っている。
同社では製油所能力を1000万トンに拡張する計画を持っている。


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2010年7月28日 (水)

BP、第2四半期決算とCEO更迭を発表

BP727日、2010年の第2四半期の損益を発表した。

石油会社は在庫変動の影響を避けるため、前期末在庫の影響を除いた損益(当期のコストによる損益)を発表している。
BPではこれを
Replacement Cost 損益と呼んでいる。

第2四半期のReplacement Cost 損益は170億ドルの赤字、上半期では114億ドルの赤字となった。

単位:百万ドル
  2009 2010   上期損益
2Q 1Q 2Q 2009 2010
Exploration & Production   5,046   8,292   6,244     9,366   14,536
Refining & Marketing 680 729 2,075   1,770 2,804
Others -583 -328 -70   -1,344 -398
事故関連     -32,192     -32,192
調整 76 208 98   -329 306
金利・税前損益
(事故関連除外)
5,219
(5,219)
8,901
(8,901)
-23,845
(8,347)
  9,463
(9,463)
-14,944
(17,248)
金利(net) -321 -228 -214   -689 -442
税金(Replacement cost base) -1,714 -2,966 7,188   -3,168 4,222
少数株主持分 -44 -109 -102   -79 -211
Replacement cost 損益 3,140 5,598 -16,973   5,527 -11,375
在庫損益 1,874 705 -284   2,128 421
対応の税金 -629 -224 107   -708 -117
財務損益 4,385 6,079 -17,150   6,947 -11,071

BPでは事故関連の費用を322億ドル計上した。
直接支払った費用29億ドルに、将来の引当金として293億ドルを加えたもの。これには米政府に約束した200億ドルのエスクロー勘定を含んでいる。

なお、BPはAnadarko と三井石油開発に合計1,433百万ドルの負担を求めたことを明らかにした。
Svanberg 会長は、BP
には重大な過失はなく、契約上、当然回収できるとしている。
(今回の決算には反映していない)

   実際の請求額は以下の通り。
          Anadarko     MOEX
       5
月分  272百万ドル  111百万ドル
       6月分  919百万ドル  368百万ドル
       累計  1,191百万ドル  479百万ドル

事故関連費用を除くと、業績は好調で、本年上期の金利・税前損益は前年同期比で1.8倍となっている。

BPでは今後18ヶ月で300億ドルの資産を売却する計画。(Apache への売却 70億ドルを含む)
主に上流の資産で、BPよりも他の会社の方に価値があるものを選ぶ。これにより、BPには数は減るが、優良な事業が残ることとなる。

一方でアゼルバイジャン、エジプト、中国、インドネシアなどで新事業を進める。

財務的には、6月末の借入金残高230億ドルに対し、今後18ヶ月で借入金を100-150億ドルのレベルに下げる。
2010-2011年の投資は年間180億ドルベースを維持する。

ーーー

BP727日、 Tony Hayward CEOが10月1日付けで辞任し、Robert Dudley氏がCEOに就任すると発表した。
Hayward CEOに対しては、原油流出事故への対応のまずさをめぐって辞任を求める圧力が高まっていた。

Robert Dudleyはボードメンバーで、現在メキシコ湾のクリーンアップと補償事業を担当している。
1998年のBPによるAmoco買収でBPに移った。2008年までBPのロシアのJVTNK-BPCEO兼社長をしていた。
BPで初の米国人CEOとなる。

Hayward氏はTNK-BPの取締役(非執行役員)に就任する予定。(新聞は「シベリア送り」と報じている。)

TNK-BPについては 2008/9/9 BP、ロシアの石油JV 経営問題でロシア側に譲歩


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2010年7月27日 (火)

BP、リビア沖で深海油田掘削 

BPはリビア沖で数週間以内に深海油田の新規掘削を始めることを確認した。

BP719日にエジプト石油省及びエジプト石油公社との間でアレクサンドリアの北の地中海のNorth Alexandria鉱区とWest Mediterranean Deepwater鉱区の大規模ガス田開発で合意したばかり。

2010/7/22  BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却 の後半参照

リビアのGulf of Sirte(別名 シドラ湾)の1700mの海底で掘削を行うもので、メキシコ湾の流出事件の井戸より更に200m深い。

リビアは、BenghaziMisratahを結ぶ線の内側全体がリビアの領海であり、さらに62海里の漁業専管水域を有すると主張している。カダフィ大佐はこの線をThe Line of Deathと呼んだ。
これに対し米国は、沿岸から12海里が領海で、それの外側は公海であると主張した。

1981年8月、レーガン大統領の命令でアメリカ艦隊がここで演習を行った。
リビア軍機が米機に接近、リビア機が空対空ミサイルを発射したが、これは外れた。
米機はリビア機2機を撃墜、30人以上のリビア兵が死亡した。(シドラ湾事件)

BP 2007529日、当時のブレア英首相のリビア訪問時に、リビアのNational Oil Company との間で Exploration and Production Sharing Agreement を締結した。

BPによると、これは
・国際石油会社がリビアと締結した単一では最大の開発契約で、
・BPの100年の歴史の中で、単一では最大の開発契約で、
・近代になってリビアが国際石油会社に与えた単一では最大の面積の開発契約で、
・リビアの
National Oil Company が国際石油会社とともにリビアの石油・ガスを開発する戦略の成功例である
としていた。

7年間にわたり、54,000km2の開発を行うもので、海底のSirte basin30,000km2と陸上のGhadames basin24,000km2とから成る。

Sirte basinについては油井掘削開始に向けたリグが準備できており、人工地震による地質調査は昨年完了した。
Ghadames basinについても、年末までに掘削を計画している。
Ghadames basinはリビア、チュニジア、アルジェリアにまたがっている)

BPのメキシコ湾原油流出事故の原因究明も終わっていないだけに、それより深い海底での掘削について、環境面から同社への批判が出ている。

米政府は、メキシコ湾原油流出事故の原因究明や再発防止策を優先し、深海油田の新規掘削活動を凍結している。

BPはさきの事故を教訓に、大きな注意を払って進めるとしている。

 

もっと大きな反発が米国から出ている。

米上院は、BPのヘイワードCEOに対し、米パンナム機爆破事件のリビア人受刑者の釈放について、公聴会で証言するよう求めた。

1988年12月21日、ニューヨーク向けのPan Am Flight 103は、フランクフルトからの乗客47名と乗員2名に、ロンドンから搭乗する194名の乗客と乗員16名が加わり、ヒースロー空港を離陸した。

40分後の午後7時ごろ、スコットランドのLockerbie上空を飛行中に、前部貨物室に搭載されていた貨物コンテナが爆発。爆発により機体は空中分解した。
乗員16名、乗客243名(日本人1名を含む)全員と、巻き添えになった住民11名の計270名が死亡した。

爆発は機体前方の貨物室にあった航空貨物コンテナの下部で発生、セムテックスと呼ばれるプラスチック爆薬を用いた時限爆弾によるものであった。

回収された物品から容疑者はリビア人のAbdelbaset Ali Mohmed Al Megrahi Lamin Khalifah Fhimah2人と判明した。

リビアは当初、容疑者らの引渡しを拒否、国連安保理事会は1992年1月に容疑者の引渡しを求める決議731を採択、リビアがなお拒否したため、国連安保理事会は1992年にリビアに対する制裁を目的とした決議748を、翌年1993年にはこれを強化する決議883を採択した。

リビアはその後、態度を軟化させ、1999年4月に2人を国連代表に引渡し、2003年には、遺族に対する総額27億ドルの補償金支払いも約束した。

これを受け、2003年9月に国連安保理は対リビア制裁の解除を発表した。
2003年12月、米英政府との9ヶ月にわたる交渉の結果、リビアが大量破壊兵器(WMD)の開発計画の廃棄を約束し,国際機関による即時・無条件の査察受け入れに合意した。

この結果、米国はリビアを「テロ支援国家」指定から外し、その後、2006年5月にアメリカはリビアとの国交正常化を発表した。

第三国のオランダでスコットランド法に基づき裁判が行われ、2001年1月31日にMegrahi 容疑者に終身刑、 Fhimah容疑者には証拠不十分で無罪の判決が下された。

Megrahi 容疑者はスコッ トランドで服役中だったが、余命3か月の末期の前立腺がんと診断され、2009年8月20日に釈放されて帰国した。

米国はMegrahi 受刑者の釈放に反対していたが、上院は今回、BPがリビア計画の推進のために受刑者の釈放をもとめたのではないかとの疑念をもっている。

BPはリビア人受刑者の釈放に関し、英国政府、スコットランド政府と話し合ったことはないとしている。 
就任後初めて訪米したキャメロン首相は7月20日、「決定を行ったのはスコットランド自治政府であり、BPではない」と指摘した。

なお、クリントン米国務長官は7月16日、ヘイグ英外相と電話で会談、両外相は、元リビア情報機関員を釈放した昨年8月の英スコットランド自治政府の決定について、「誤りだった」との認識で一致した。

ーーー

2006年5月にアメリカはリビアとの国交正常化を発表した。

これを受け、Dowは2007年4リビアの国営石油会社(NOC)とJVを設立し、NOCのRas Lanuf コンプレックスの石化コンプレックスを拡張・運営すると発表した。

    2007/4/25 Dow、リビアに石化JV設立

 


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2010年7月26日 (月)

大連新港の石油パイプライン爆発事故原因判明

7月16日夕方、大連市大連新港付近の中国石油天然気(CNPC=ペトロチャイナ)の石油パイプラインが爆発、火災が発生した。
30万トンのタンカーが荷揚げを終えた後に、タンカーとタンクを結ぶ直径90cmのパイプラインが爆発、もう1本の小さなパイプラインも爆発した。タンカーは無事に離岸した。

火災は15時間後に鎮火したが、事故現場の石油輸送設備がひどく破損したほか、原油が流出し、周辺海域が汚染された。

原油約1500トンが流出、海面約430平方キロメートルが汚染された。
大連新港も一時、閉鎖され、製油所も減産した。

(中国のTVは、流出量は1,500トン=40万ガロンで、これに対してBPの流出量は9,400万~18,400万ガロンであると伝えている。)

ーーー

中国の国家安全生産監督管理総局と公安省は7月23日、石油パイプライン爆発事故の原因を発表した。

原油から不純物の硫黄や硫黄化合物を除去する脱硫剤をパイプラインに注入する作業を請け負った業者が、タンカーが荷卸を終了した後も、脱硫剤を流し続けたことが爆発を誘引した。
脱硫剤は天津の
Huishengda Petroleum Technology製のもので強い酸化剤を含む。

タンカーの荷卸し終了の連絡が、ペトロチャイナから脱硫剤の注入現場まで伝わらなかったうえ、脱硫剤自体の安全性も確認せず、安全作業規定もなかったという。

ーーー

多くの労働者が石油を回収しており、2000人の軍人と40隻の石油回収船、数百隻の漁船がクリーンアップを手助けしている。

グリーンピースによると、海岸は立入り禁止になっておらず、警告もなく、子供が遊んでいる。また、漁民がマスクもなしで素手や箸でクリーンアップ作業をしている。

グリーンピースは声明を出し、政府に対し、海岸の近くの住民に危険を警告すること、クリーンアップ現場に専門家と安全器具を送ることを求めた。

 


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2010年7月24日 (土)

原油流出事故のその後ー上院小委員会公聴会と原油流出事故対応会社設立 

上院の小委員会(Subcommittee on Federal Financial Management, Government Information, Federal Services and International Security of the U.S. Senate Committee on Homeland Security and Governmental Affairs)の公聴会が722日に開かれた。

出席したのは、
 
AnadarkoJim Hackett CEO
 MOEX Offshore 2007 LLC(三井石油開発の米子会社の子会社):石井直樹社長
 200億ドルのファンドの管理者:Kenneth Feinberg

事前に提出された証言の準備原稿の内容は以下の通り。

Anadarko Jim Hackett CEO 
   原油流出コスト問題の解決を裁判なしで行うため、他の権益者と話し合う用意がある。
適切な時期に、
BPMOEX Offshoreと建設的な会合を持ちたい。

共同運営契約では、オペレーターの重大な過失や意図的な違法行為の結果として発生したコストや損失については他の権益者は負担を要しないこととなっている。

油濁法のもとでの義務は果たす。
司法省からの事業売却などの事前報告の要請には同意する旨返事した。

石油掘削を共同で行うのは無理で、オペレーターが計画、実行し、日々の活動に責任を持つ。
オペレーター以外の権益者は、作業の報告や予算書類を受け取るが、
BPの決定をリアルタイムに判断する情報は受け取らない。

   
MOEX Offshore 石井直樹社長
  MOEX OffshoreBPの技術と経験を信頼していた。MOEX OffshoreDeepwater Horizon rigの選択にも作業にも関与していない。このプロジェクトに出資したときには、既に米政府が計画を承認し、作業が始まっていた。
契約のもとでは採掘計画を変更する権利も能力もなく、本計画の十分性(
sufficiency)と適格性(competence)を疑う理由はなかった。
BPは進展状況についてある程度の情報を呉れ、コストについてはモニターしていた。しかしBPの運営に影響を与えようとしたことは全くない。加えて、当事者間の契約に基づき、行われている仕事についてコントロールする権利は持っていない。
MOEX Offshoreは現状を懸念し、調査の進展をモニターしている。
回収した原油に対する権利を放棄する旨発表している。これは被害を受けた人々のために使われるべきだと考えている。
MOEX Offshoreは、湾岸地区が回復し、人々が仕事に戻れるよう、議会、政府機関、州や地方政府とうまくやっていきたい。

公聴会で議員達は両社がクリーンアップコスト負担を拒否したことに対し、批判した。

最初にMcCain上院議員が、両社がBPへの支払いを検討するのに事故の調査の結果を待っていると攻撃し、必要な資金を積み立て、一部の資金を支払うことを強く求め、それが米国民と両社のイメージにとり最も良いことだと述べた。
メキシコ湾岸の国民は金が必要なのであり、裁判を求めているのでないとした。

Hackett CEOは、「我々の見解では、事故は避けられた」と述べ、公開情報ではBPの重大な過失や意図的な違法行為の可能性が強く、運営契約ではオペレーターの重大な過失や意図的な違法行為の結果として発生したコストや損失については他の権益者は負担を要しないこととなっていると主張した。

石井社長も、支払の決定をする前に、まず事故の原因を明らかにしたいと述べた。
なお、事故が起きた4月20日の1週間ほど前に「安全の観点からこれ以上の掘削は難しい。掘削を止めたい」との電子メールがBPから届いていたことを明らかにした。

事故前のBPの対応をめぐっては、これまでに現場のエンジニア間で掘削の危険性を指摘する電子メールがやりとりされていたことが明らかになっている。
石井社長の証言内容はBP側が掘削の危険性を認識していたことを示すもので、BPの責任問題に影響しそうだ。

両社とも、このようなケースの一般的な慣行では、操業権益者がクリーンアップや他のコストを先ず支払い、その後に他の権益者に支払いを求めることとなっているとした。
石井社長は、「当事者間の契約では、操業担当のBPが先ず支払いをすることとなっている」と述べた。

議員達はこれに満足せず、両社は少なくともエスクロー勘定(第三者預託)を設け、支払いの用意と能力を持つことを示すべきだと主張した。

McCain上院議員は、米政府は両社を油濁法での責任当事者にしており、支払いの義務がある筈だと攻めた。

その後のやりとり。

McCain:払うのか、払わないのか?
Hackett:払わない。
McCain:(エスクロー勘定に)積み立てていないのだな?
Hackett:積み立ててはいない。しかし十分な資産があり、支払いは可能だ。
      年間50億ドルのキャッシュフローがあり、手持ち現金は30億ドル、借入も可能。

石井社長もクリーンアップコストの積み立てをしていないと答えた。

しかし議員達は両社に支払いを求めているのではなく、必要な場合には支払うということを示すために資金を積み立てておくことを求めていると反論した。

両社とも、法的に求められればコストを負担すると述べた。

ーーー

原油流出事故対応会社の設立

ChevronConocoPhillipsExxonMobilShell4社は721日、将来のメキシコ湾の海底油田の原油流出事故に対応するため、漏れた原油の回収と油井封じ込めを迅速に行うための会社を共同で設立すると発表した。

開発するシステムは、24時間以内に出動可能なフレキシブルなもので、多様な種類の、油井・機器デザイン、石油・天然ガス流量、天候に対応する。1万フィートまでの深海に適用可能で、日量10万バレルまで回収することを狙う。

4社の専門家が開発にあたり、メキシコ湾の深海での事故に直ぐに対応できるよう、設備の設計、建設とテストを行う。

4社はこの目的のため、非営利会社のMarine Well Containment Companyを均等出資で設立する。4社以外にも参加を求める。

4社は当面のシステム開発に10億ドルをコミットした。機器の使用やメンテのコスト、回収船のリースや新造船のコストなどはこれに含まれない。
米メディアによると、その後も事故対応のための体制づくりや技術開発、人員の維持などに、数年間で数十億ドルが必要という。

事故時の体制を平常時から作ることで、米政府や米国民の石油業界への信頼回復を狙う。


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2010年7月23日 (金)

神華包頭石炭化学、秋に中国最初の石炭からのポリオレフィン生産をスタート

神華包頭石炭化学は7月初め、内蒙古自治区の包頭で年産180万トンの石炭ベースのメタノールの生産を開始した。
これは同社が
170億人民元を投じる石炭からのポリオレフィン製造コンプレックスの一部。

メタノールは全量ポリオレフィン用で、2005年に先行してNDRCの承認を受け、昨年12月に建設を完了した。

同社はこの180万トンのメタノールから、60万トンのオレフィンを、これから30万トンのポリエチレンと30万トンのポリプロピレンを生産する。
これらは
2006年に承認を受け、本年5月に建設を完了し、現在試運転の準備中。
9月に生産を開始する予定で、中国で最初の石炭ベースのポリオレフィンとなる。

オレフィン製造には中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)とSINOPEC Luoyang Engineeringが開発したDMTODimethyl Ether /Methanol to Olefin) 技術を使用する。
PEPPについてはUnivation Technologies (ExxonMobil Chemical DowJV) Unipol技術を採用した。


神華包頭石炭化学は当初、神華集団が
51%、香港のKerry Group 25%、包頭明天科技が24%JVとして構想された。
その後、神華集団 76%
上海華誼集団公司 24%JVとなったが、最終的には神華集団が単独で事業を行うこととなった。

2006/12/23 ニュースのその後、中国のMTO計画

ASIACHEMのデータでは、中国では本計画に大唐国際発電と神華寧夏石炭グループのPPを加え、2010年末までに159万トンの石炭ペースのポリオレフィンが完成する。
PE30万トン、PP128万トンで、これは中国のポリオレフィン能力の7%に達する。

大唐国際発電の内蒙古自治区Duolun県の46万トンのPPは同じくUnipol法を使用する。
200911月に購入プロピレンにより生産を開始しており、本年末に石炭~メタノール~プロピレンが完成、全プロセスがスタートする予定。

神華寧夏石炭グループの52万トンのPPはABB-LummusNovolenガス法を導入するもので、年内にスタートする予定となっている。

なお、2006/12/15 中国でMTO計画相次ぐ で、以下の4つの計画を説明した。

1.陝西新興煤化工公司(Shaanxi Xinxing Coal Chemicals )

第一期 最終
原料 石炭
製品 メタノール 60万トン
オレフィン 
20万トン
PE     10万トン
PP     10万トン
Methanol-to-Olefin 300万トン
スタート 2009年
投資額 625百万ドル 27.5億ドル
技術 DMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin)技術
 開発:Dalian Institute of Chemistry and Physics (DICP), CAS

2.Zhonghua Yiye Energy Investment Co. (中化益業エネルギー投資)

第一期 最終
原料 石炭
製品 メタノール 60万トン
(+火力発電所)
メタノール 240万トン
オレフィン  80万トン
スタート 2009年
投資額 288百万ドル
技術 GEの石炭ガス化技術(旧テキサコ技術)

3.JV Sino Biopharmaceutical Ltd 43%出資)

原料 石炭
製品 メタノール  60万トン
エチレン  10万トン
プロピレン  10万トン
スタート 2009年末
投資額 632百 万ドル
技術 DMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin)技術
 開発:
Shannxi New Coal Chemical Science Technology Development Company Ltd
      (JVに5%出資)

4.SINOPECの天然ガスのMTO(methanol-to-olefin)

原料 天然ガス
製品 メタノール 180万トン
オレフィン  60万トン
投資額 約10億ドル
技術 MTO技術
 開発:SINOPEC傘下の石油精製研究所(Research Institute of Petroleum Processing)
又は、
DMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin)技術
 開発:Dalian Institute of Chemistry and Physics (DICP), CAS 

この4つの計画はいずれも棚上げとなっている。

国家発展改革委員会(NDRC)は2007年夏に、新しい天然ガス活用政策を発表、天然ガスの利用は、都市ガス、産業ガス、発電、化学品の4つに分類され、都市ガス用の利用が最優先される一方、メタノール用の使用が禁止された。

この結果、上記4のSINOPECの天然ガスのMTO計画が中止となった。


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2010年7月22日 (木)

BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却

BPは7月20日、米国の独立系石油会社Apache Corporationに対し、米国、カナダ、エジプトの石油資産を売却する契約を締結したと発表した。
売却額は総額
70億ドルで、売却対象はテキサス州とニューメキシコ州南東部にまたがるパーミアン盆地の油田、西カナダの天然ガス、及びエジプトの西砂漠油田とEast Badr El-din油田。

BPはメキシコ湾の原油流出事故の補償費用のため資金確保に動いており、先月100億ドル分の売却を行う予定と発表しているが、これはその一部。

当初、BPとApache BP米アラスカ州プルドー湾の油田権益の半分を含む資産を120億ドルで売却する交渉を行っていると伝えられていた。
関係者によると、プルドー湾の油田権益については、資産価値の評価や現在および将来に法的責任を問われた場合の対応などをめぐり、7月18日に交渉が暗礁に乗り上げたという。

Prudhoe Bayの権益はBPが26%、Exxon MobilConocoPhillips がそれぞれ36%、Chevronが2%となっている。

今回、プルドー湾の油田権益を除き、交渉が成立した。

米国、カナダ、エジプトの石油資産は別々に売却され、どれかの話が壊れても、他には影響しない。
所定の認可を得て、第
3四半期に取引が完了する予定。
Apache 730日に合計50億ドルの仮払いを行う。

2009年の対象資産からの利益(税、金利控除前)は166百万ドルで、6月末時点の資産の償却後簿価は30.85億ドル。

パーミアン盆地の資産は元はBPが買収したARCOの資産で、10の油田から成り、売却額は31億ドル。
確認埋蔵量は原油換算
126百万バレル(資源量は148百万バレル)で、生産量は原油が日量15,100バレル、ガスが日量80百万立方フィート。

西カナダのガス資産は売却額32.5億ドル。
確認埋蔵量は原油換算
214百万バレル(資源量は1,368百万バレル)で、生産量はガスが日量240百万立方フィート、原油が日量6500バレル。

エジプトの資産売却額は6.5億ドル。
BP開発権を有し、100%の権益を持つEast Badr El-din鉱区と、Western Desert BPの持分が対象。
確認埋蔵量は原油換算
20百万バレル(資源量は55百万バレル)で、生産量は日量6016バレルの原油と11百万立方フィートのガス。

ーーー

Apacheは独立系の石油会社で、メキシコ湾、米中部(TexasNew MexicoOklahoma)、カナダ、エジプト、北海、豪州、アルゼンチンで開発・生産を行っている。

同社は本年4月に石油・ガス探査会社の米Mariner Energyを約27億ドル(プラス12億ドルの負債引継ぎ)で買収すると発表した。Gulf Shelf パーミアン盆地での探査に役立つと考えた。

また610日には、Devon Energy のメキシコ湾の権益の買収を完了した。
買収
額は10.5億ドルで、同油田の埋蔵量は原油換算で83百万バレル。

Devon Energy 2009年11月に、北米の陸上油田に集中するため、メキシコ湾と海外の油田を売却すると発表した。

Apacheへの売却のほか、2010年3月にはBPにブラジル、アゼルバイジャン、メキシコ湾の資産を70億ドルで売却、6月に中国沖合いの南シナ番禺(Panyu) 油田を共同開発の中国海洋石油に515百万ドルで売却した。

ーーー

インドの国営Oil and Natural Gas Corp(ONGC)はBPのベトナム権益買収で交渉していることを明らかにした。

BPはベトナム沖のNam Con Sonガス計画の35%を保有、残りをONGCが45%、PetroVietnamが20%を保有している。
BPはまた、ガス田から陸上のターミナルまでの371kmのパイプラインの権利の一部と、ガスを使用するPhu Myの発電所の1/3の権利を所有している。

これらの対価は966百万ドルと評価されている。

BPはパキスタンの権益の売却も検討している。

ーーー

BPApache Corporationにエジプトの権益の一部を売却したが、これとは別に、BP719日、エジプト石油省及びエジプト石油公社との間でアレクサンドリアの北の地中海のNorth Alexandria鉱区とWest Mediterranean Deepwater鉱区の大規模ガス田開発で合意し、改定新契約を締結した。

これらからのガスは日量10億立方フィートに達する予定で、エジプトの国内需要に回される。
投資額は
90億ドルで、2014年後半にも最初のガスが期待される。

North Alexandria鉱区はBP60%RWE Dea が残り40%の権益を持ち、BPが操業する。
West Mediterranean Deepwater鉱区はBP80%RWE Dea 20%で、BPが操業する。

 


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2010年7月21日 (水)

エネルギー供給構造高度化法は第二の産構法か?

経済産業省は7月5日、エネルギー供給構造高度化法の基本方針の一つに重質油分解能力の向上を挙げ、重質油分解装置の装備率の目標を決めて、業者に対して重質油分解装置の新設若しくは増設又は常圧蒸留装置の削減により適切に対応することを求めた。

これについて、本ブログでは、重質油分解装置の装備率の向上に係る基準を定めて強制するのは、経産省が設備処理を強制することとなり、法律の正しい運用かどうか、疑問であるとした。

2010/7/7 エネルギー供給構造高度化法で重質油利用促す新基準、石油業界の再編圧力に

エネルギー供給構造高度化法(正式名は「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」)は2009年7月1日に成立した。

電気事業者と石油事業者、ガス事業者に、(1)非化石エネルギー源の利用、(2)化石エネルギー原料の有効な利用の促進を義務づけている。

  電気事業者 石油事業者 ガス事業者
非化石エネルギー源の利用
太陽光、原子力など非化石電源の利用拡大
太陽光発電による余剰電力買い取り
バイオ燃料利用
バイオガス利用
化石エネルギー原料の有効な利用  
原油の有効利用
天然ガスの有効利用

いずれについても以下のように定められている。

経済産業大臣は、必要な「指導及び助言」をすることができ、
供給事業者は達成のための計画を作成し、経済産業大臣に提出しなければならず、
経済産業大臣は、著しく不十分であると認めるときは、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。
供給事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

これによれば、今回の重質油分解装置の装備率の向上に係る基準に従い、(重質油分解装置の新設か)常圧蒸留装置の削減をしなければ、経産相は勧告を行い、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることとなる。

ーーー

石油連盟は2009年3月19日の石油連盟会長定例記者会見で資料「エネルギー供給構造高度化法と石油業界の考え方について」を配布した。
その中では、競争力強化のため、「民間事業者の創意工夫と自主性の尊重」をうたっている。

新法施行にあたっての石油業界の考え方

(1)エネルギーの特性に応じた供給構造の高度化
 ・2030年も石油は一次エネルギーの約4割を占める基幹エネルギー
 ・石油残渣などの高度化利用技術の開発・普及
 ・経済性・利便性の優れた石油の有効活用の促進

(2)エネルギー産業の競争力強化
 ・
民間事業者の創意工夫と自主性の尊重(規制のみに拠らない誘導的措置)

 ・リスクの高い事業への取り組みに対する国による継続的な支援の実施
 ・情勢変化に応じて方向性を柔軟に見直すこと

(3)エネルギー間の公平性の確保
 ・各エネルギーの特性に応じた効率性、合理性に基づくベストミックスの達成
 ・税や政府の支援措置などエネルギー間の公平性を実現すること

現行の石油石炭税について
  税率 熱量当たり
税負担
(円/106kcal)
比率
石油    2,040円/kl 223円  100
LNG 1,080円/t 83円  37
LPG 1.080円/t 90円  40
石炭 700円/t 110円  49

ーーー

今回の告示にはいろいろ問題がある。

1)重質油分解能力の向上

方向として重質油分解能力の向上をあげるのはよい。
しかし、この法律では、基本方針は勧告から命令につながっている。


どういう原料を使って、どういう製品をつくるかは、企業の判断である。
仮に新設をする場合も、重質油分解装置をつくるかどうかは、企業の判断であり、国が強制するのはおかしい。

2)重質油分解能力の増加の可能性

国内の原油処理能力は日量479万バレルだが、ガソリンなどの需要減で現状の処理量は日量300万バレル台で推移、日量100万バレル以上の過剰能力を抱えている計算になる。

重質油分解装置の新設には500億円以上かかるとされ、内需が縮小する中で新増設は非現実的である。

この状況下で非現実的な重質油分解能力の向上を基本方針とするのはおかしい。

重質油分解装置の装備率の向上を目指すのは、重質油分解能力の向上ではなく、常圧蒸留装置の削減を目指していることに等しい。

3)重質油分解装置の装備率の向上

アジア各国の重質油分解装置の装備率は中国が35%、シンガポールが22%。アジア平均でも19%。
経産省では、
我が国の重質油分解装置の装備率を 2013年度までに現状の10%から13%程度まで引き上げることを目標としている。

中国やシンガポールは重質油分解装置を新設したのであり、日本が常圧蒸留装置を削減して比率を上げるのは自己満足に過ぎない。
装備率が上がっても、法が目的とする「原油の有効利用」にはならない。

日本の場合、過剰能力を抱え、今後需要が伸びる可能性は少ないため、メーカーは減産又は廃棄をせざるを得ず、政府が干渉せずとも自動的に装備率は増える。

今回の経産省の案を実施した場合、装備率は13.9%に上がるが、現在各社が発表している能力削減計画だけでも、13.4%となり、とりあえずの目標は達することとなる。
この場合でもまだ過剰能力のため、減産は必至であり、「
率」はもっと上がる。

トッパー
処理能力
(万bbl/d)
重質油分解装置 改善達成
のための
トッパー
能力
(万bbl/d)
トッパー
能力
削減
義務量
(万bbl/d)
トッパー
能力
削減
計画

(万bbl/d)
この場合

装備率(%)
分解能力
(万bbl/d)
現状
装備率
(%) a
改善
目標率
(%) b
改善後
装備率(%)
 a x b
和シェル石油グループ 51.5 8.8 17.1 15 19.665 44.8 6.7 12  
JXグループ 179.22 20.6 11.5 30 14.95 137.9 41.4 60  
出光興産 64 8.3 13.0 15 14.95 55.7 8.3 10  
コスモ石油 63.5 2.5 3.9 45 5.66 43.8 19.7 8  
東燃ゼネラル石油 66.1 2.8 4.2 45 6.09 45.6 20.5    
太陽石油 12 2.5 20.8 15 23.92 10.4 1.6    
富士石油 19.2 2.4 12.5 30 16.25 14.8 4.4    
極東石油工業 17.5 3.4 19.4 15 22.31 15.2 2.3    
合計 473.02 51.3 10.8   13.9 368.2 104.9  90
削減後 
383.02

13.4

  上記ブログ記載の週間ダイヤモンド(2010年6月22日号)の表を補正

4)重質油分解装置の装備率の強制

上記のとおり、重質油分解装置の装備率は意味がない。
これを政府が各社に強制するのはおかしい。

5)常圧蒸留装置の削減

政府が各社の能力の削減を命じることは出来ない。
(水銀法の電解のように安全その他の問題のある場合を除く)

今回は、重質油分解装置の装備率の強制により、実質的に常圧蒸留装置の削減を命じている。

しかも、過去に各社の判断で設置してきた重質油分解装置の装備率により削減量が決まるため、極めて不平等なものとなっている。

社名 トッパー
処理能力
(万bbl/d)
改善達成
のための
トッパー
能力
(万bbl/d)
トッパー
能力
削減
義務量
(万bbl/d)
義務
削減率
(%)
トッパー
能力
削減
計画
(万bbl/d)
削減率
(%)
達成
昭和シェル石油グループ 51.5 44.8 6.7 13.0 12 23.3
JXグループ 179.22 137.9 41.4 23.1 60 33.5
出光興産 64 55.7 8.3 13.0 10 15.6
コスモ石油 63.5 43.8 19.7 31.0 8 12.6
東燃ゼネラル石油 66.1 45.6 20.5 31.0 0
太陽石油 12 10.4 1.6 13.3
富士石油 19.2 14.8 4.4 22.9
極東石油工業 17.5 15.2 2.3 13.1

ーーー

以上の通り、
重質油分解能力の向上を各社に義務付けるのはおかしく、
・実際に、その可能性は少ない。
・「重質油分解能力の向上」を
「重質油分解装置の装備率」にすり替えており、
その達成のため、違法に設備処理を強制している。
・結果として不平等な設備処理を強制している。

実際には各社の自主的な設備処理計画で、経産省の当面の目標(装備率13%)は達成される。減産を折り込むと実質的な装備率はもっと上がる。

それにも係らず、「重質油分解能力の向上」という名目で、(十分な設備処理計画を出していない各社に)設備処理を強制している。

不思議なことに石油連盟は、このような経営への政府の関与になんら反対をしていない。
業界主力の意向に沿っているからとの推測もできる。

これは官製の設備カルテルではなかろうか。

1988年の産構法終了により、設備カルテルも終了した筈である。
今回は法律によらず、設備処理とは直接関係のないエネルギー供給構造高度化法に基づく経産省の告示として出され、高度化法の規定で強制力を持たしている。

公正取引委員会はこれにどう対応するのだろうか。


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2010年7月20日 (火)

湖南石油化学、マレーシアのTitan Chemicalsを買収

ロッテグループ系列の湖南石油化学は716日、マレーシアの石油化学大手 Titan Chemicalsを買収すると発表した。
買収総額は12.5億ドルで、買収価格は直近の株価に27%のプレミアムをつけるものとなる。

既に大株主の台湾のChao Groupから37.3%、国営資産運用会社Permodalan National Bhd.から35.3%の合計72.6%を取得する契約を締結している。残り株式についてTOBをかける。

湖南石油化学は、1兆3000億ウォン(約936億円)の手持ち現金があり、グループ他社の支援を受けず、買収資金を全額自己調達する。

ーーー

Titan Chemicalsは2008年3月に亡くなったT.T. Chao (米国のWestlake Chemicalの創始者)1989年に設立した。
マレー半島南端のPacir Gudangにエチレン73万トン、ポリエチレン53万トン、PP37万トン、BTXのコンプレックスを建設、運営している。
2006 年3月にはインドネシアのPEメーカー P.T. PENI (BP/三井物産/住友商事合弁、LLDPE/HDPE 450千トン)を買収し、PT. TITAN Petrokimia Nusantara と改称している。

2008/3/12 T.T. Chao 逝去

同社の昨年の売上高は16.4億ドルとなっている。

ーーー

湖南石油化学は1976年に韓国政府の麗水石油化学と三井グループの第一化学との50/50JVの誘導品会社として設立された。(エチレンは政府出資の湖南エチレンが製造)
1979年に韓国政府が麗水石油化学をロッテと大林産業に売却(その後大林は離脱)、湖南エチレンは大林産業に売却した。
湖南石油化学は1992年に自社エチレンをスタートさせている。
日本側は順次、湖南石油化学の経営から外れ、2002年12月に第一化学は持株を売却、2003年6月に第一化学は解散した。
現在は湖南石化の過半をロッテが保有している。

2006/4/11 韓国の石油化学-2

湖南石油化学は麗川にコンプレックスを持ち、エチレン 75万トン、HDPE 38万トン、PP 40万トンなどを生産している。

2003年1月に現代石油化学を湖南石化とLGが共同で買収、2004年11月にLGが第1系列、湖南石化が第2系列を分け合った。
湖南石化はこれをロッテ大山石油化学と名づけたが、2009年1月に吸収合併した。
大山工場ではエチレン 100万トン、ポリエチレン 40万トン、PP 50万トンなどを生産している。

Titanの買収が完了すれば、同社のエチレン能力は、韓国 175万トン、マレーシア 73万トン、合計248万トンに達する。

 


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2010年7月19日 (月)

大阪地裁、国の基準を否定し、水俣病認定を義務づけ

最高裁で水俣病と認められた大阪府豊中市の女性が、国と熊本県を相手に行政としても認定するよう求めた訴訟の判決が7月16日、大阪地裁であり、水俣病患者と認定するよう命じた。

山田明裁判長は、以下の理由をあげ、女性の認定申請を退けた処分を取り消し、公害病訴訟では初めてとなる改正行政事件訴訟法に基づく行政認定を義務づけた。

1)  現行の認定基準(1977年基準)の「感覚障害や運動失調など2つ以上の症状の組み合わせ」がない限り水俣病と認めないとの国の主張は医学的正当性を裏付ける根拠がない。
   
2) 四肢の感覚障害は水俣病の基礎的症候で、神経症状が感覚障害のみである水俣病も存在すると認められる。
   
 

国はメチル水銀により末梢神経を損傷したとする「抹消神経説」を支持、複数の症状の組み合わせが必要と主張。
関西訴訟の原告を支援する医師や研究者は、メチル水銀が大脳皮質を傷つけたとする「中枢神経説」を提唱している。
判決は、原告の症状を「中枢神経の損傷と推認される」とした。

   
3) 原告の症状は四肢の感覚障害のみだが、メチル水銀の摂取状況、他に原因になる疾患がないことなどを総合考慮すれば、原告は水俣病と認められる。
   

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女性は1953年ごろから手足にしびれが出始め、1978年に認定申請した。
しかし、熊本県は「感覚障害や運動失調など2つ以上の症状の組み合わせ」で水俣病と認める1977年基準に当てはまらないとして、1980年に退けた。

2004年の最高裁判決は二審・大阪高裁判決が示した「汚染された魚介類を多く食べ、指先や舌先の感覚に障害があれば認定できる」との基準を支持して女性ら37人を水俣病と認定、国と同県、チッソに原告1人あたり450万~850万円の賠償責任があることを認めた。

これに対し国は、「最高裁の判決は有機水銀中毒症の判断基準であり、水俣病と有機水銀中毒は別」とし、現行の水俣病認定基準の見直しは行わないことを言明した。

最高裁の勝訴判決が確定した後も、国は認定基準を見直さず、熊本県の棄却処分に対する女性の不服審査請求も退けたため、女性は2007年5月に提訴した。

被告の国側は「最高裁判決の基準は医学的にあり得ない」とし、国の認定基準について「水俣病認定に複数の症状の組み合わせが必要とする基準は医学的な根拠があり、現在でも合理的だ」と反論していた。

なお、熊本県、鹿児島県では、認定審査会の委員が「司法と行政の二重の認定基準が存在し審査ができない」として、再任を拒否しているため、審査業務が停滞している。

ーーー

国は1977年に、「感覚障害や運動失調など2つ以上の症状の組み合わせ」で水俣病と認める基準を決めた。

チッソは認定患者対しては、1973年の協定により継続的に補償を実行した。
   2,268名の認定者に対し、合計1,390億円
<p>HTML clipboard</p> (2008/5時点)

補償協定の概要
項目 内容                                  
一時金 Aランク 1,800万円/人+近親者慰謝料(最高1,900万円)
B     1,700      +近親者慰謝料(最高1,270万円)
C     1,600 
年金 170~67千円/人・月
医療費 患者医療費全額を支払い
その他
継続補償
医療手当、介護費、温泉治療費、針灸、葬祭費
患者医療生活基金(チッソが7億円拠出)からの支給
            年間補償金支払額 約27億円

非認定者対しては、1996年の和解にて解決を図った。

約1万人の未認定患者を対象に、四肢末端優位の感覚障害がある場合は「医療手帳」、感覚障害以外で一定の神経症状がある場 合は「保健手帳」を交付。
医療手帳はチッソから一時金260万円、国・県から医療費自己負担分全額、月額約2万円の療養手当などを支給。
保健手帳は医療費自己負担分などを上限付きで支給してきたが、関西訴訟最高裁判決後に医療費自己負担分は全額支給に改めた。

2008/5/31 チッソの弁明

しかし、2004年の関西訴訟の最高裁判決が国の認定基準より幅広く水俣病と認めた結果、再び水俣病被害を訴える患者が続出したため、未認定患者を救うため2009年7月に特措法が成立した。

2009/7/3 水俣病救済法案、衆院を通過、来週成立の見通し

鳩山内閣は20104月、水俣病の未認定患者を救済するための特別措置法の「救済措置の方針」を閣議決定した。

一時金:210万円
療養手当
療養費の自己負担分
被害者団体計3団体に、活動費用や社会福祉施設の運営費

一時金や加算金は原因企業のチッソが負担する。
但し、チッソは債務超過に陥っていることなどから、国は熊本県が出資する財団法人を通じ、資金支援。

2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定

以上の通り、国は(最高裁判決を無視して)認定基準を厳しいままとして「認定患者」を限定、非認定患者に対しては2回の「特別措置」での一時金で救済する方針を取った。

認定患者が増えると補償が膨大になることを懸念したとされる。

認定の場合、Cランクで一時金1600万円プラス年金
未認定の場合、今回の救済処置では一時金210万円。

今回の判決では、国の認定基準は「チッソの支払い能力を考慮した可能性も否定できない」と指摘している。

今回の判決により、患者を認定せず、一時金での決着を図るという国の方針が崩れることとなる。
国と熊本県は17日、控訴する方針を固めた。月内に正式な手続きをとる。

ーーー

今回の判決は、最高裁が水俣病と認めた被害者の行政認定をめぐる初の司法判断。

未認定患者については特措法による救済策が進んでいるが、今も8000人以上が認定申請中で、今回の判決で、「認定」を求める訴訟を起こす患者が増えることが予想される。

特措法による救済策で、チッソには3万人とされる未認定患者に対する一時金630億円の費用負担が生じる。
認定患者が増えると、この負担が大幅に増える可能性がある。

環境省は7月6日、水俣病特別措置法に基づき、チッソの分社化に向けた手続きの一環として、同社を「特定事業者」に指定した。
チッソは今秋にも分社化し、3年後に分社化した子会社を売却、売却益を熊本県に納付して補償業務を委ね、チッソを清算ことを狙っているが、チッソの負担が大幅に増えた場合、この計画が狂う可能性が強い。

2010/7/6 チッソ を「特定事業者」に指定


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2010年7月17日 (土)

オバマ大統領、LG化学の米工場起工式で祝辞

オバマ米大統領は7月15日、LG化学子会社のCompact Powerのミシガン州Hollandのリチウムイオン電池工場の起工式に出席し、祝辞を述べた。
米国の現職大統領が、外国企業のイベントに参加するのはかなり異例のこと。

工場は2012年稼動の予定で、A123 Systems(工場はデトロイト近郊のLivonia)とJohnson Controls-Saft (工場はHolland) と組み、プラグインハイブリッドベースで20万台分(E-REV=充電用エンジン搭載車 "Chevy Volt" ベースでは5万台分)を生産する。
投資額は303百万ドルで、オバマ政権の
24億ドルの補助金から151百万ドルを受ける。

オバマ大統領は起工式会場で具本茂LGグループ会長と会い、韓国語で「アンニョンハセヨ」とあいさつした後、「バッテリー工場の建設をお祝いする」と述べた。

オバマ大統領は祝辞で、「これは新工場の建設以上を意味する。この町や州、米国の新たな未来を建設するものだ」と評価し、「この工場で数百人が働くことになり、これによって小規模な企業の基盤も確保される。こうした努力が米国経済の発展に寄与するだろう」と語った。

「米国経済は困難に直面しているが、エコカーの量産を通じて未来型の雇用を創出し、外国に対する原油依存度も減らせる」と強調した。そして、「この工場はミシガン州と米国が進む方向を示す象徴だ」と指摘した。

ーーー

LG化学は、「米大統領も認めた企業」という、金では換算できないほどのPR効果を期待している。

米自動車メーカー「Big 3」のうち、GMとフォードの2社に対し、バッテリーを供給することになっている上、米大統領まで招いたことで、「世界最高」という名声を固めることができたとしている。

同社では、これまでに、韓国の現代・起亜車と電気自動車メーカーのCT&T、米国のGMと自動車用部品メーカーのEaton Corporation、中国の長安汽車、スウェーデンのボルボの6社と契約し、更に7月13日にはFord が採用を発表したが、「年内にさらに3、4社増えるだろう。日本企業もある。具体的に明らかにすることはできないが、大きな契約も含まれている」としている。

同社の今回の成功の背景には、具会長特有の「意地経営」がある。
グループの主要系列会社の社長らは2001年と2006年の2回に渡り、赤字が続いた二次電池事業からの撤退の意見を出したが、具会長は、「決して諦めず、研究開発に専念せよ」と指示し、2007年から収益を上げ始めた。


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BP、新しいキャップの設置に成功 

慎重を期して遅れていた新しいキャップのテストが7月14日に開始された。
15日午後、最後のシールがしまり、BOPからの原油の漏れが止まった。

経緯は 2010/7/10 メキシコ湾石油流出事故対策の現状

新しいキャップについている3つのラム(バルブ)を閉め、BOPからの回収もストップした。

6時間ごとに最長48時間、センサーで油圧を測定し、ラムを閉めても、海底下13,000フィートに及ぶ井戸が壊れないかどうかをチェックする。テスト中はバックアップ井戸の掘削も停止する。

油圧が一定以上であれば、井戸に漏れがないことを示している。
ハリケーンなどの場合に、ラムを閉じて、回収船を避難させる。

もし油圧が一定以下であれば、井戸に漏れがあることを意味し、ラムを閉じたままであれば井戸が崩壊し、現在のBOPからだけでなく、井戸周辺から広く油が流出してしまい、捕捉不可能となる。

この場合にはラムを開き、キャップから原油とガスを回収する。
従来よりも回収能力は増えて8万バレルとなり、流出量(政府推定では35~60千バレル)ほぼ全量を回収できる。
但し、回収船の手当てなどでフル稼働には時間がかかる。

いずれの場合も、リリーフ井戸が完成し、現在の井戸に接続、油圧を分散した上で、泥やコンクリートを流し込むのを待つ。

7月16日(現地時間)では圧力は上がっており、井戸に異常は見られない模様。   

付記
718日にBPの井戸の状況をモニターしていた技術者が、海底に油の漏れを発見した。
井戸のヘッドにもなんらかの異常がみられる。

米大統領報道官は19日の記者会見で、新たに原油漏れが発見されたのは、英BPがふたをした油井の先端から約3キロメートル離れた場所であることを明らかにした。深海のカメラで泡が確認されており、監視を続けているという。そのほかに、油井の先端の上部からの漏れもあるという。

政府はBPに対し、「油井口近くで炭化水素の漏出が確定した場合、油井に影響を与えずに、油井キャップのバルブをできるだけ早急に開放する手続き」を書面で提出するよう命じた。

米政府は事故発生以来、これまでに流出した原油の総量を最大約70万kl (438万バレル)と推計している。

1989年のExxon Valdez 号の際は4万kl(25万バレル)の原油が流出した。影響を受けた地域の人口は4万人ほどだったが、当時のExxonは40億ドルを超える賠償・負担金を払った。

今回の被害地域の人口は400万~600万人とされる。
BPが今後15年間に支払う費用を630億~1000億ドルと見積もる専門家もいる。


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2010年7月16日 (金)

最近の中国経済の状況 

中国国家統計局が7月15日に発表した上半期の経済成長率は、前年比プラス11.1%となった。
第1四半期は11.9%、第2四半期はエコノミストの予想10.5%を若干下回り10.3%となった。

政府の公共工事などの固定資産投資額が、ことし上半期の累計で、前の年に比べて25%増えて、国内需要をけん引したことに加え、一時期落ち込んでいた輸出が、ここ2か月連続して前年比40%以上上回るなど、急回復していることなどによる。

景気過熱を抑えるための政府の引き締め策が徐々に効きつつあるが、引き締めが行き過ぎると失速する懸念がある。

2010年通年では中国のGDPが日本のGDPを超えるのはほぼ確実と見られる。
民間調査機関の試算では第2四半期に超えた可能性もある。

中国税関総署が710日発表した6月の輸出額は前年同月比43.9%増の1,373.9億ドルとなり、単月で過去最大を記録した。
これまではリーマン・ショック前の2008年7月が最大だった。

輸入は34.1%増の1,173.7億ドル。
貿易収支は前年同月の約2.5倍の200.2億ドルの黒字となった。
3月に輸入の急増で6年ぶりの貿易赤字に陥ったが、その後、再び貿易黒字がふくらんでいる。

輸出については、今後減少に転ずる可能性がある。

(1) 6月の輸出は、EU向けは43.2%増、米国向けは43.8%増で、日本向けは37.1%増となっているが、5月以降の欧州からの新規受注は減少傾向にあり、今後鈍化する懸念が強まっている。

中国商務省報道官は5月に、「過去4カ月で元は対ユーロで約14.5%上昇した。これは中国の輸出業者へのコスト圧力を高め、中国の欧州向け輸出に悪影響を及ぼす」 と述べている。

   
(2) 財政部と国家税務総局は6月22日、「一部商品の輸出増値税還付の取り消しに関する通知」を発表し、7月15日から一部の鋼材や非鉄金属製建築材料などを含む406種類の商品関税コードの製品について、輸出増値税(付加価値税)の還付を取り消すことを明らかにした。
これは輸出の採算の悪化となる。

増値税還付取り消しの対象となる製品は、(1)一部の鋼材(2)一部の非鉄金属加工材(3)銀粉(4)アルコール、トウモロコシデンプン(5)一部の農薬、医薬品、化学工業製品(6)一部のプ ラスチック・プラスチック製品、ゴム・ゴム製品、ガラス・ガラス製品、の6種類で、これらはこれまで517%の還付率を適用されていた。

   
(3) 人民元の対ドル相場の上昇が続けば、対米輸出に影響が及ぶのは必至。
逆に上昇しなければ、米国の対抗策の懸念もある。

2010/7/12 米財務省、中国の為替操作国認定を見送り

   

中国の自動車の生産は相変わらず好調である。

中国自動車技術研究センターは7月5日、上半期の実績を発表した。
国産自動車の生産台数は前年同期比44.37%増の847万2200台、販売台数は同 30.45%増の718万5300台で、引き続き世界一だった。

但し、販売台数は今年4月から3カ月連続で前月を下回り、在庫状況はまだ正常な範囲内にあるものの、合理的な在庫の上限に達している。

 


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2010年7月15日 (木)

韓国、「二次電池の競争力強化に向けた統合ロードマップ」を確定

韓国政府は、二次電池(充電式電池)を次世代の基幹産業に育てる2020年までの長期計画をまとめた。

知識経済部が、企画財政部や教育科学技術部、グリーン成長委員会(*)と共に、「二次電池の競争力強化に向けた統合ロードマップ」を確定し、7月13日に李明博大統領が出席した第8回グリーン成長委員会で報告、李大統領はリチウムイオン電池など新エネルギー分野に関し「我々の技術で世界市場に挑まねばならない」と強調した。

グリーン成長委員会は、国全体のグリーン成長戦略を策定する大統領直轄組織で、2009年2月に設置された。
2010年4月には低炭素グリーン成長基本法が施行された。地球温暖化対策の推進と環境科学技術産業(グリーン産業)の育成を関連付けて規定し、これを経済成長の新たなけん引力にすることを目指すもの。

二次電池は市場規模が2020年には現在の6倍以上(780億ドル)に急成長する見込みで、携帯電話やノートパソコンなどの小型家電製品から、最近は電気自動車や大規模エネルギー貯蔵用へと拡大され、中大型市場は小型市場より10倍以上早いテンポで膨らんでいる。

二次電池では日本が世界市場の43%を占め、その後を、韓国(32%)と中国(21%)が追っているが、韓国のオリジナル技術力や素材技術力は日本の30%と50%に過ぎず、その格差は大変大きい。

知経部では、「韓国の小型二次電池の競争力は世界トップの日本と同様だが、中大型分野の力量は相対的に弱い」と言い、「中大型市場を狙ったR&Dに、4~5兆ウォンを投資する予定だ」としている。

また、「二次電池の素材分野の企業は、そのほとんどが零細企業で、R&Dの環境は劣悪だ」と言い、「二次電池素材の外国依存度が80%を上回っている」と指摘している。素材全体の韓国の国産化率は20%以下(特に負極材の自給率は 1%)にすぎず、大部分を日本からの輸入に頼っている。

このため、政府は今後10年間、二次電池分野の修士・博士級人材を1,000人ほど育成し、この一部を、技術革新型中小・中堅企業に派遣する。二次電池分野のグローバル素材企業を10社以上育成し、世界市場のシェアも50%へと引き上げる。

各大学の課程拡大や専門大学院の新設を検討する
リチウムイオン電池の重要部材である正極材や負極材などの技術者も育てる。

ーーー

自動車向け二次電池では韓国企業が受注活動を進めている。
日本がハイブリッドカー用ニッケル水素電池に集中する間に韓国企業はリチウムイオン電池に勝負をかけた。

LG化学は電気自動車用バッテリー分野で世界1位で、これまで韓国の現代・起亜車と電気自動車メーカーのCT&T、米国のGMと自動車用部品メーカーのEaton Corporation、中国の長安汽車、スウェーデンのボルボの6社と電気自動車用バッテリー供給契約を結んでいる。

LG化学は20091、「2010年に発売予定のGMの電気自動車 シボレー・ボルトに搭載されるリチウムイオン・ポリマー・バッテリーを供給する唯一の企業として選ばれた」 と発表した。

2009/1/17 LG化 学、GMに 電気自動車用バッテリー独占供給へ

本年4月にはスウェーデンのボルボに電気自動車(EV)の基幹部品であるリチウムイオン電池を供給する契約を結んだことを明らかにした。バッテリーセルだけでなく、制御システム(BMS)などさまざまな部品で構成された全体バッテリーパック形態で行われる。

      2010/4/29 LG化学、ボルボに電気自動車の バッテリー供給

Ford Motor は713、2011に生産販売を開始する Focus modelの電気自動車用のリチウムイオン電池をLGの子会社Compact Power から購入すると発表した。

付記

9月30日、LG化学は、ルノーが推進している「純電気自動車プロジェクト」のリチウムイオン電池供給企業に最終決定したことを明らかにした。
LG化学はルノーが2011年から量産する電気自動車にリチウムイオン電池を供給する。

ルノーは2012年までに50万台程度の電気自動車量産能力を確保するため、世界各地に生産工場を建設している。

LG化学は2009年6月、ソウルの 90km南方の忠清北道梧倉産業団地の梧倉テクノパーク730百万ドルを投じる電気自動車用バッテリー工場の起工式を挙行した。

2010年上半期中に工場を完成させ、現代自のアバンテ・ハイブリッドと起亜自のフォルテ・ハイブリッド向けにバッテリーを供給、11月からはGMの電気自動車、シボレーVOLTにもバッテリーを供給する。

LGは本年3月、同社の米国子会社でリチウムイオン電池メーカーのCompact Power Inc.(本社ミシガン州Troy)がミシガン州Holland303百万ドルを投じてリチウムイオン電池工場を建設すると発表した。2012年稼動の予定。
A123 Systems(工場はデトロイト近郊のLivonia)とJohnson Controls-Saft (工場はHolland) と組み、プラグインハイブリッドベースで20万台分(E-REV=充電用エンジン搭載車ベースでは5万台分)を生産する。
オバマ政権の
24億ドルの補助金から151百万ドルを受ける。

同工場では715日に起工式を開催するが、オバマ大統領はこれに出席し、祝賀スピーチを行う予定。
米国の大統領が外国企業のイベントに参加すること自体、異例なことで、特に韓国企業の工場を訪問するのは初めて。

Samsung SDI とドイツBosheは合弁会社SB LiMotiveを設立、2009年9月に蔚山市で起工式を行った。5億ドルを投資する。
同社はBMWのEV用電池の単独供給企業として選定された。2010年から試作品用リチウムイオン電池を一部供給し、13年から20年まで本格的な供給を行う。

米部品大手Delphi と2012年からの10年間の納入契約も結んだ。


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2010年7月14日 (水)

イラク、4製油所を新設、外資導入

イラクのHussein al-Shahristani 石油相は6月26日、4つの新製油所の建設計画を明らかにした。
それぞれ50億ドル程度の建設費で、合計は200億ドル強に達する。

新製油所の建設により、現在の能力の日量55万バレルに対し、74万バレルを追加する。

イラクは現在、北部のBaiji、南部のBasra、バグダッドの南のDora に製油所を持ち、合計能力は55バレル。
ガソリン1,200リットル、ディーゼル1,500リットル、灯油 900リットル、大量の発電用燃料油を生産している。

新設するのはイラク中央の
Karbala (14万バレル)、北部のKirkuk 15万バレル)、南部のNasiriyah30万バレル)とMaysan15万バレル)の合計74万バレル。

イラク中央のKarbala を最優先し、製品を北部、南部に輸送、その後に3製油所を建設する。
3製油所の生産量は当初は内需を上回り輸出されるが、そのうち内需が増加するとみている。

イラク石油省は6月下旬に外国企業を対象とする説明会を開催、日本からは日揮が参加した。近く国際入札を実施する。

外資になんら制限をつけず、真のパートナーを求めるとしている。
全額外資でもよく、イラクとのJVでもよい。
イラク議会は2007年に全額外資の製油所を認める法律を通している。

免税措置や土地の供給、輸送費などを勘案すれば、原料の原油価格は国際価格と比較して5%のディスカウントとなるとしている。

イラクは現在の原油採掘量日量250万バレルを6年間で1,200万バレルに増やす計画を持ち、新油田の開発を各国の石油会社に順次解放している。
権益は与えず、生産量に応じ報酬を支払うもので、高い目標・安い報酬にも係らず、世界の石油会社が応札した。

2009/12/14  イラクの石油第二次入札で石油資源開発が落札 

石油相は、「6年後には原油の最大の生産国、輸出国になるだけでなく、精製製品の大輸出国になる」としている。

ーーー

上記の4製油所のうち、Nasiriyah製油所は日本連合(新日本石油/国際石油開発帝石/日揮)がNasiriyah油田の開発権を得る条件として提案してきたものである。

イラク政府は2009年6月に第一次解放対象の国際入札を行った。

2009/11/12 イラク、第一次油田開放で進展

イラク政府は、第一次開放とは別枠で、日量数十万バレルの生産が見込まれる有望油田のNasiriyah油田の交渉を日本連合及びEniと行った。

日本連合は開発権の確保のため、発電所や製油所建設も含め1兆円規模の投資と技術支援、人材育成などを提案したとされる。日本政府も国際協力銀行などを通じて全面的に支援した。

対抗していたEniはイラクの第一次入札でOccidental Petroleum及び韓国ガス公社(KOGAS)と組んでZubair油田を落札し、調印した。同社はこれに注力するため、Nasiriyah油田は放棄する意向で、日本連合に権利が与えられるのは確実とみられた。

ところが報道によると、新日本石油の代表が交渉のために2009年11月初めにバグダッドに到着したが、空港から出て石油省に行くのを拒否したとされる。
石油相は、「多忙のためオフィスを離れて外で交渉する訳には行かない。多くの石油会社が石油省で交渉をしているのに、石油省に来ないというのは分からない。新日本石油のやり方は不可解である」と述べた。

その後、交渉が行われないまま、本年3月には石油省の局長が、「新日石側との交渉は、最終合意に達せずに終了した」と断言、マリキ首相も「外国石油会社との契約はこれ以上交わさないよう閣議で石油相に伝えた」と発言した。

今回、入札にNasiriyah製油所が含まれたのは、Nasiriyah油田と込みで提案していた日本連合案が捨てられたことを意味する。

ほぼ確実といわれた案が、バグダッドに行きながら、安全上の理由で石油省に行かなかったことで壊れたとすると、残念至極である。


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2010年7月13日 (火)

伊藤忠、米国リチウム資源開発会社に資本参加

伊藤忠商事は7月5日、リチウム資源の確保を目指し、米資源開発会社であるSimbol Mining Corporationに資本参加したと発表した。出資は約20%となる。

Simbol Miningは、カリフォルニア州南部のソルトン湖(Salton Sea)近くに位置する地熱発電所の使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収、リチウム化合物を製造する事業を推進しており、数年以内の商業生産に向けて製造技術の開発及び改良を行っている。

同事業は、地熱かん水を利用する世界初のリチウム化合物製造事業で、同社が開発を進めているカリフォルニア州南部地域に存在する地熱かん水にはリチウムが多く含まれていることが確認されている。

Simbol Miningは、熱水や塩水から特殊なイオン交換技術で回収し、脱水・濃縮して低コストで炭酸リチウムを量産化できる技術を確立した。
また、地熱かん水に含まれる炭酸ガスや地熱かん水の持つ熱源を利用する等、地熱かん水が持つ特長を活用することにより競争力のあるリチウム化合物の生産だけではなく、二酸化炭素排出を抑えた、環境に優しい事業を推進している。

地下水よりも深い場所からくみ上げるため、飲み水を汚染しない。

年間生産量は約16,000トン(炭酸リチウム換算)となる予定で、原料である地熱かん水からリチウム化合物の生産が短時間で行えることから、需要拡大に応じて短期間で増設・増産が可能
このため、将来は、現在の世界の生産能力である約123,000トンの約50% に相当する年産64,000トンの炭酸リチウム生産が可能であるという。

南米の塩湖がリチウムの数少ない供給拠点と なっているが、塩湖の水を天日干しにして採取するため出荷まで1年半も時間がかかり、生産量は天候に左右されやすい。

これに対し、Simbol Miningの方法では1日半で出荷できる。

2009/5/5 韓国鉱物資源公社、ボリビアでリチウム鉱開発へ

伊藤忠は、Simbol Miningの生産するリチウム化合物の販売につき、日中韓を含めたアジア(インドを除く)向け総販売代理店権を獲得した。
今回の投資に当たっては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による融資を受ける方向で検討を進めている。

伊藤忠は中期経営計画において環境・新エネルギーに注力、中でも「蓄電池」を重点的に取り組む分野と位置付けている。
米国のリチウムイオン電池メーカーの EnerDelを傘下に持つEner1への出資や、戸田工業との合弁事業による北米での正極材・同原料の生産等、リチウムイオン電池関連事業に積極的に参画しており、本投資により上流の資源確保にまで踏み込んだバリューチェーン構築を加速する。

伊藤忠は2009年12月にEner1(エナール・ワン)に20百万ドル(5%弱)の出資を行った。
Ener1の100%子会社である EnerDel社は、OEMレベルの車載用のリチウムイオン電池システムを製造可能な電池メーカーで、米国内で唯一、セルから電池システムまで一貫して開発・製造できる量産設備を持っている。

伊藤忠と戸田工業は本年3月、リチウムイオン電池の正極材の生産・販売を行う合弁会社を設立し、また、正極材原料を生産するカナダの戸田工業の子会社を合弁会社とすることで基本合意した。
リチウムイオン電池の主要部材である正極材の新工場を米国ミシガン州に建設する。新工場は2011年に操業を開始 し、欧米の電池メーカー向けに出荷を開始する予定。

ーーー

Simbol Miningは、2007年に米国エネルギー庁傘下のLawrence Livermore National Laboratoryのスピンアウトとして発足した。

当初、Lawrence Livermore からシリカの抽出技術を導入した。普通の方法ではパイプやフィルターが詰まるため、この技術はリチウムや他の物質を抽出する道を開いた。

同社は2008年8月に670万ドルの増資を行い、MDV-Mohr Davidow Ventures Firelake Capitalなどのベンチャーキャピタルが株主になった。Lawrence Livermore National Laboratoryも株主。
米エネルギー庁から300万ドルの補助金を受けている。

事業化の目処が立ったことから今回、戦略的パートナーとして伊藤忠商事の事業参画を受け入た。

 


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2010年7月12日 (月)

新潟水俣病で和解勧告

新潟県・阿賀野川流域で1960年代に発生した有機水銀による公害の新潟水俣病をめぐり、未認定患者ら125人が国と昭和電工に損害賠償を求めた第4次訴訟で、新潟地裁は7月8日、原告、被告の双方に和解を勧告した。
<p>HTML clipboard</p>野裁判長は「新潟水俣病の発生から45年。被害者の高齢化が進み、早期の全面解決が必要と考えている。解決に向け、真摯で積極的な努力を尽くすことを切望する」と原告と被告に求めた。

国は「原告が早期の和解を望んでいることを踏まえ、和解協議に入る」、昭和電工も「勧告の趣旨に異存はない」とした。
同日、1回目の和解協議が開かれた。患者側は早ければ10月中旬に和解条件の基本合意を目指したいとしている。

熊本の水俣病訴訟が本年3月に水俣病不知火患者会と、被告の国や熊本県、原因企業チッソが和解合意し、政府は4月に新潟水俣病を含む未認定患者「救済措置の方針」を閣議決定している。

新潟4次訴訟の原告はいずれも阿賀野患者会に所属し、2009年6月、1人880万円の賠償を求め提訴した。
患者会は和解に伴い、阿賀野川流域であらためて国が住民の健康調査をすることや、首相と昭和電工社長の謝罪を求めている。

新潟地裁ではほかに、未認定患者ら17人の3次訴訟が係争中で、原告は和解ではなく、判決を求めている。

ーーー

1965年5月に水俣病が熊本で公式確認されて9年後の1965年に阿賀野川流域で水俣病が発生した。

1965年1月に、原因不明の疾患の患者を東京大学脳研究所の椿忠雄助教授(当時)が診察、有機水銀中毒の疑いが持たれた。
同年4月から5月にかけて数名の患者が発見され、この事実が学会で報告された。

患者の居住地はいずれも阿賀野川下流の沿岸に限定されており、患者には典型的な水俣病の症状が現れていた。

水俣病が熊本で公式確認されて9年後であり、政府が水俣病が発生した時点で原因究明を行い、チッソ水俣工場と同様の生産を行っていた昭和電工鹿瀬工場の操業停止という措置をしておれば、被害拡大は避けられた。

同年9月、厚生省に新潟水銀中毒事件特別研究班が組織され、原因究明に当たった。

研究班は、1967年4月、疫学的調査結果等を踏まえ、原因は阿賀野川の上流にある昭和電工鹿瀬工場(アセトアルデヒドを生産)の排水である旨の報告を提出した。また、新潟大学と県は工場の排水口の水苔からメチル水銀を検出するなど、工場の排水が原因であることを明らかにした。

1936   昭和合成化学工業鹿瀬工場、水銀等を触媒にしてアセトアルデヒドの生産を開始
1957   昭和電工、昭和合成化学を吸収合併し、鹿瀬工場のアセトアルデヒドを増強
1965/1  鹿瀬工場、アセトアルデヒド生産停止、プラント撤去
       (製造工程図を焼却したとされる)

昭和電工はこれに反論し、発生が公表された前年に新潟県内を襲った新潟地震によって流出した農薬が原因であるとの説を主張した。

新潟地震の際に、信濃川河口付近の農薬倉庫から流出した農薬が阿賀野川の河口まで達し、その後阿賀野川を逆流して下流域を汚染したとするもの。

1968年9月に政府は水俣病に関する政府統一見解を発表した。

厚生省は、熊本における水俣病は新日本窒素肥料水俣工場のアセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀化合物が原因であると発表した。
同時に、科学技術庁は新潟有機水銀中毒について、昭和電工鹿瀬工場のアセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀を含む工場廃液がその原因であると発表した。
この2つを政府統一見解とした。

昭和電工はその後も農薬説を主張したが、1971年の新潟水俣病第1次訴訟の判決で、原因は工場排水であることが確定した。

新潟県当局は被災した農薬の全量を把握しており、いずれも安全に処理されていたことを確認している。
また、農薬として使用されていた水銀はほとんどがフェニル水銀であり、水銀中毒の原因物質となったメチル水銀ではない。

農薬説は第一次訴訟までに被害を訴えていた患者が下流域にしかいなかったことを根拠としていたが、その後、より上流の地域にも患者が発生していたことが明らかになった。

なお、昭電は新潟水俣病の発生が公表される頃には、アセトアルデヒドの製法変更で、工場での生産を止めていた。

現在この工場では、昭和電工の関連会社の新潟昭和がセメント製品を生産している。

ーーー

経緯は下記の通り。

1956/4 (水俣病公式確認)
1965/5 新潟水俣病公式確認
1967/6 一次訴訟(四大公害訴訟ー両水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病ー最初の訴訟)
1968/9 (共通)政府統一見解、「工場排水が原因」
1971/9 一次訴訟で患者側勝訴。昭和電工の工場排水が原因と確定
1982/6 二次訴訟
1995/12 (共通)政府が未認定患者救済策を閣議決定
1996/2 閣議決定を受け、二次訴訟和解
2007/4 三次訴訟
2009/6 四次訴訟
2009/7 (共通)水俣病救済法 成立
  2009/7/3 
水俣病救済法案、衆院を通過、来週成立の見通し
2010/3 (水俣訴訟、熊本地裁で和解)
  2010/3/20 
水俣病集団訴訟で和解案
2010/4 (共通)政府、水俣病特別措置法の「救済措置の方針」を閣議決定
  2010/4/16 
水俣病「救済措置の方針」を閣議決定 
2010/7 四次訴訟和解勧告、協議開始
 三次訴訟は(和解ではなく判決を求め)係争中

 (共通)は水俣病、新潟水俣病の両方

資料 新潟県 新潟水俣病のあらまし


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米財務省、中国の為替操作国認定を見送り 

米財務省は7月8日、主要な貿易相手国・地域の為替政策に関する為替政策報告書を公表した。

中国については人民元相場の弾力化方針を評価し、中国の為替操作国への認定は見送った。
ただ、人民元は「過小評価されている」と指摘、「注意深く定期的に人民元の切り上げを監視していく」とした。

オバマ大統領は6月下旬のG20後の記者会見で、中国の切り上げ姿勢は、「3か月ではっきり分かる」として、期限を明示した上で中国側に対応を迫った。
10月の次回の報告書発表までの人民元相場の動きを見定めた上で、切り上げペースが不十分なら、為替操作国に認定することも辞さない構えとみられる。中国を為替操作国に認定すれば、正式な2国間協議に移ることになる。

財務省は、意図的に為替相場を操作していると判断した国を「為替操作国」に認定する。
認定は一方的なものだが、被認定国は米国のみならず各国から通貨切り上げを政治的に強く求められることになる。

米国が同報告書において中国を「為替操作国」と認定していたのは、1992年春季から1994年春季までの約2年間だけ。当時の中国は人民元を1ドル=5元台から8元台に切り下げていた最中。

財務省は議会に対して半年に1度、外国為替相場についての状況を説明する報告書を提出することとなっている。当初は4月15日発表の予定であったが、中国の動きを見るため、延期していた。

対中強硬派のシューマー上院議員(民主)は「報告には失望した」と指摘、人民元の過小評価分に相殺関税をかける法案などが必要との考えを示した。

ーーー

中国は2005年7月21日に2.1%の切り上げを発表、その後、管理フロート制を取ってきたが、2008年夏の金融危機以降、レートを1ドル≒6.8人民元でほぼ固定してきた。

中国の中央銀行である中国人民銀行はG20サミットを控えた6月19日、「人民元相場の弾力性を強化する」との声明を発表、 2008年8月から固定していた人民元を再び管理フロート制に戻した。

しかし、初日の終値こそ基準値比 0.44%アップと上限に近いものとなったが、その後は政府が介入した結果、非常に緩やかな変動となっている。

2010/6/28  再び人民元論争

7月9日時点では終値は6.7735ドルで、6月18日比で0.79%しか元高になっていない。

基準値は、中国人民銀行が取引開始前に、前日相場などを勘案して発表するもので、毎日の上下限はこれの0.5%。


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2010年7月10日 (土)

メキシコ湾石油流出事故対策の現状

4月20日夜10時頃、ルイジアナ州ベニス南東約84キロで掘削中の海洋掘削プラットフォームDeepwater Horizon rig で爆発事故があり、作業員11人が行方不明(死亡とみられる)、負傷者は17人おり、うち3人が重傷。

リグは2日後に沈没、水深約1.5kmの海底までパイプでつながれていたが、パイプは破損し、パイプ3箇所から原油が噴出した。パイプの元には自動的に原油流出を止める噴出防止バルブ(BOPblow-out preventer)が備えられていたが、装置が稼動しなかった。

原油流出量については、米政府の最新推定は日量6万バレルだが、下院のマーキー議員がテレビで、BPが最悪のケースでは日量約10万バレルにも達すると推定する社内文書をまとめていたことを明らかにした。   

BPでは、この数字は噴出防止装置の主要部分が取り外された場合のもので、噴出防止装置を取り外す計画はないため、この数字には意味がないとしている。

これまでの対策と現状、計画をまとめた。水面下1500mの作業は初めてで、難航した。

1) ロボットで噴出防止バルブをとめる作業(下図①)は失敗した。

2) 大きなContainment Chamber を被せて、油とガスを吸い上げる作業(下図②)は、温度と圧力と海水が作用してシャーベット状のgas hydrates が生成し、パイプが詰まり、失敗。

上図の③は最終解決策のRelief well

3) その後、折れたパイプの先端にロボットでバルブをつけるのに成功、ここからの漏れは止まった。
 (残り2箇所からの漏れは続く)

4) パイプにRiser Insertion Tube を挿入するのに成功、流出原油の一部の回収を行った。( 6)により終了)

5) 流出源の油井に泥を流し込みセメントでふたをするTop Kill 作戦は失敗。

6) BPは6月4日、油井の元の機能しなかった噴出防止バルブ(BOP)の先からパイプを切り取り、 BOPにキャップをかぶせるのに成功し、そこから石油のくみ上げを開始した。
但し、キャップは完全にはかぶさっておらず、なお、大量の油が漏れている。

下図の①のLMRP CapLower Marine Riser Package Cap)からパイプでDiscovery Enterprise(掘削船)に原油とガスを吸い上げ、原油(日量15~18千バレル)は回収、ガスは燃焼する。

付記
LMRP Cap を別のSealing Cap に置き換える案が承認された。完成すれば回収能力は50千バレル以上となる。

7月12日に新しいCapが設置された。
うまくいけばキャップがバルブを締め、徐々に流出を封じ込めることができる。
また、流出が完全に止まらなくとも、以前より多くの原油を回収できる設計になっている。

これを検証する"well integrity test"の実施は政府の検討のため延期されている。

7) その後、BOPそのものからの回収を開始。

上図の②で、多岐管からのパイプで Q-4000(海上プラットフォーム)に原油とガスを吸い上げ、原油(日量5~10千バレル)とガスは燃焼している。

8) 現在作業を進めているのが、Floating Riser Containment Systemで、原油回収船(Helix Producer)に固定せず、自立式で水深約300フィートの所に浮かぶライザー管で原油とガスを吸い上げる。

船に固定しないため、嵐などの場合に切り離したり接続したりするのが容易になる。
これにより日量20~25千バレルの原油の回収を見込んでおり、これが完成すれば回収量は日量40~53千バレルとなる。

付記
Helix Producerは7月12日、原油回収作業を開始した。フル稼働には5~6日かかる。

9) 最終の解決策はRelief Well で、現在2本の井戸を掘削中。1本目は5月2日に、2本目は5月16日に掘削を開始した。

下図のとおり、海面下18千フィート(海底下13千フィート)近くの油源近くで現在の井戸に接続、油圧を分散した上で、泥やコンクリートを流し込む。完成は8月の見込み。

  * ソース BP発表  Technical briefing presentation slides

ーーー

BPAnadarkoと三井石油開発(Moex)に対し、62日までにBPが支払った10億ドル以上に対し、Anadarkoには25%272百万ドル、Moexには10%のに111百万ドルを支払うよう、請求書を送った。

2010/7/1 BP、パートナー2社に事故関係費用分担金を請求

BPはAnadarkoが7月7日に、Relief well 掘削等の流出防止対策の費用を含め、支払いを保留するとの通知をしてきたことを明らかにし、契約と油濁法に基づく義務を果たさないことに対し失望したと述べた。

三井石油開発については支払期限は7月12日となっている。

付記

三井石油開発は7月12日、事故原因が究明されていないことなどから、現時点では費用負担に応じないことを明らかにした。

なお、Anadarkoと三井石油開発のトップは7月22日に、上院の小委員会で両社の責任についての見解を証言する予定。

Anadarko Jim Hackett CEO、三井石油開発は孫会社で権益を持つ現地法人のMOEX Offshore 2007 LLC の石井直樹社長が証言する。


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2010年7月 9日 (金)

ChemChina、山東省で酸化チタン生産開始 

中国化工集団公司(ChemChina)の藍星グループの子会社の済南裕興化学(Jinan Yuxing Chemical は6月20日、山東省済南市の済南化学産業パークで酸化チタンの第一期の生産を開始した。

15億人民元を投じたもので、第一期の能力は年産10万トンで、原料の30万トンの硫酸プラントを含む。

酸化チタン製法には硫酸法と塩素法があるが、同社は硫酸法を採用している。

硫酸法: チタン鉱石→硫酸溶解→チタン析出→焼成→粉砕→仕上処理

硫酸法はイ ルメナイト(チタン鉄鉱 FeTiO3)を原料とする。
チタン原料鉱石は粉砕され、約300℃に加熱された濃硫酸により、酸化チタン分が硫酸塩 (TiOSO4)となる。
その後、焼成、粉砕され、仕上げ処理が行なわれる。
TiO2 50~60%のイルメナイトを大量(原単位3~4t)の硫酸で処理するため産業廃棄物が多く、公害処理費が大きい。

塩素法: チタン鉱石→塩素化→TiCl4精製→酸化→仕上処理

塩素法は ルチル鉱または合成ルチル(TiO2)を原料とする。
塩素化して四塩化チタン TiCl4とし、これを高温で酸化して、仕上げ処理が行なわれる。
TiO2 90%のルチルを塩素で処理し、塩素は90%回収するため産業廃棄物は硫酸法の1/10以下で、公害対策設備費は1/3以下といわれる。

同社は同じ済南市に年産3万トンのプラントを持っていたが、2009年末に環境問題で停止、済南化学産業パークに新設した。

同社は第二期20万トンも計画しており、完成すれば能力30万トンで中国最大のメーカーとなる。

ーーー

山東省ではDuPontがワールドスケールの酸化チタン計画を持っているが、環境問題で難航している。

同社は2005年11月に山東省東営市の経済開発地区で当初能力年産20万トンの酸化チタンを生産することで地方政府と合意書を締結した。総投資額は10億ドル。

高品質の白色顔料を生産し、中国の塗料、プラスチック、紙ラミネート業界に貢献しようというもの。
中国では自動車塗料や白物家電、その他高品質製品用の白色顔料の多くは、海外から輸入されている。

環境アセスメントは既に政府の承認を得ているが、まだ最終承認が得られていない。当初は2010年完成予定としていた。

DuPontは裕興化学と異なり、塩素法を採用しており、液体廃棄物は地下深くに注入している。

同社の立地は大慶油田に次ぐ中国第 2の油田の勝利油田の近くにあり、液体廃棄物が漏れ出すのではないかとの懸念が出ている。環境を理由にしているが、デュポン進出で影響を受ける中国のメーカーの反対も背景にある模様。

デュポンでは
塩素法は最も進んだ、環境にも優しい製法であり、中国政府も硫酸法よりも好んでいるとし、液体廃棄物処理については、50年近く、Underground Injection 技術(UI法、Deepwell 法ともよばれるで処理しており、なんら問題を起こしていないとしている。
液体廃棄物は地下深く注入されて自然の地層のなかに分散され、自然の化学反応で無害になるとしている。

DuPont Titanium Technologies は世界最大の酸化チタンメーカーで、米国ミシシッピー州、テネシー州、デラウエア州と、メキシコ、ブラジル、台湾で生産している。
全ての工場で塩素法を採用している。

Deepwell法は米国で認められた液体廃棄物の処理方法で、地下1500m以上の岩塩層の下に圧力をかけて流し込む。対象は揮発性有機化合物(VOC)、準揮発性有機化合物(SVOC)、燃料、爆薬、農薬など。
岩塩層の上部のモニター井戸で、地下水に廃棄物が漏れ出ていないかどうかをチェックする。
日本では認められていない。

ーーー

日本では石原産業が硫酸抽出法で抽出した後の廃硫酸を中和処理せずに伊勢湾に捨てたとして、四日市海上保安部から摘発され、垂れ流した廃硫酸が約1億トンに上がることが認定されて、1980年に津地裁で有罪判決を受けている。

その後、同社は使用済み硫酸を再生利用し、土壌埋戻材(「フェロシルト」)として販売したが、フェロシルト中から基準値を超える6価クロムやフッ素化合物も含まれていることが分かった。

2006/11/13 石原産業フェロシルト不法投棄事件

ーーー

2009年に中国は105万トンの酸化チタンを生産した。輸入は245千トンで、104千トンを輸出している。


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2010年7月 8日 (木)

中国でまた、産業スパイで有罪

北京市第一中級人民法院は7月6日、44歳のアメリカ国籍(移民)の地質学者Xue Feng<p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p>(薛峰)に対し、中国の石油産業のデータを買った国家機密入手・取引の罪で8年の懲役刑を命じた。合わせて20万人民元(約29,850ドル)の罰金を科した。
3人の中国人が共謀で有罪となった。

情報は
Xue Feng が勤務する米国のコンサルタント会社 IHS Energy に渡されたとされる。

Xue Feng2007年末に逮捕された。

<p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p>昨年11月に訪中したオバマ大統領が胡錦濤国家主席に解放を求めたほか、在北京米大使館側も30回以上本人を訪ね、取り調べで中国官憲から暴行や拷問を受 けたとの証言も得た。

駐北京の米国大使館は、ワシントンは判決に落胆していると述べ、人道的見地からの保釈と米国送還を要請した。

今回のケースもRio Tinto事件と同様、外国企業が中国で市場調査をする場合の法律上の扱いが問題となった。

2010/3/31 中国、Rio Tinto 社員に重刑 

判決では事実関係は明らかにされていない。
弁護士側は、一般に入手可能な石油産業のデータを購入しようとしただけとしている。
Xue
は中国人の友人との会話中に、このデータのことを知ったが、問題データとは考えなかったとのこと。

しかし、データはCNPC(PetroChina)の3万以上の陸上の石油・ガス井の地質学的状況に関するものとの報道もある。

<p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p>中国は「国家機密」の定義を「その機密の暴露が国家の安全保障や政治、経済、公共の国家の利益を傷つける」という程度の曖昧な定義しかしていないが、特定のデータが外国人の手に入るのを国家の安全保障を弱めるとして神経質になっている。

政府はどの情報が国家機密であるかを決める権限を持つが、4月に発表された<p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p>国家秘密保持法改正法<p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p>(10月1日から施行)のドラフトでは主要な国営企業のビジネス機密は国家機密になるとしている。

<p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p>

米議会の政策諮問機関の「米中経済安保調査委員会」は6月30日の公聴会で、中国側の「国家機密保持法」の不透明で恣意的な適用に批判の光を当てた。<p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p>

米国の株式市場に上場された中国の企業はSECへの情報開示が義務づけられるが、国有企業の場合、共産党から送りこまれる経営陣の正体、国有銀行から注がれる不明確な資金などが本国の国家機密保持法により開示されないことが多いとされた。

米国人弁護士のGordon Changは公聴会で、「中国共産党は国家機密保持法を今年10月に強化し、中国領内で活動する外国の企業や個人への抑制や懲罰の武器とする構えだ」と述べた。

 

中国での情報収集活動には注意が必要である。


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2010年7月 7日 (水)

エネルギー供給構造高度化法で重質油利用促す新基準、石油業界の再編圧力に

サイト変更しました。

http://blog.knak.jp/2010/07/post-759.html



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2010年7月 6日 (火)

チッソを「特定事業者」に指定

環境省は7月6日、水俣病特別措置法に基づき、チッソの分社化に向けた手続きの一環として、同社を「特定事業者」に指定し、通知した。

「分社化」はチッソの事業部門を100%子会社化して上場・独立させ、現在のチッソは補償部門だけを担う親会社とする内容。
上場後の株式売却益で約1500億円の公的債務と約400億円の金融機関に対する債務に加え、将来も続く患者補償を担う。
親会社は
当面、子会社の株式配当益で補償業務を担い、3年後をめどに株式を他者に全面譲渡、譲渡益を熊本県に納付して補償業務を委ね、清算するとしている。

2010/1/11 チッソ会長、「10月分社化目指す」

鳩山内閣は4月16日に、水俣病の未認定患者を救済するための特別措置法の「救済措置の方針」を閣議決定した。
熊本地裁が3月15日の第4回和解協議で所見を示し、年内に決着するよう要請、政府、チッソ、患者会はいずれも、これの受け入れを決め、3月29日の第5回和解協議で和解に基本合意した。
「方針」はこれを折り込み、特措法の具体策を決めたもの。

ただ、水俣病被害者互助会(水俣市)など依然として訴訟を続ける被害者団体もある。
また現時点で救済を求めている人のほかにも、自分が水俣病だと気づいていない人が相当数いるとみられる。「被害地域の全住民の健康調査で被害の全容を明らかにしなければ、最終解決にならない」との指摘がある。

2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定

ーーー

チッソは6月4日に事業者指定を申請した。( 特定事業者指定申請書 

チッソは今後、分社化に向け事業再編計画を申請。環境相が認可し、裁判所が許可すれば分社化が可能になる。

後藤舜吉会長は株主総会後に、「事業再編計画策定の準備はできている。特定事業者に指定されれば直ちに提出するつもり」と述べている。

チッソの事業者指定申請には、水俣病不知火患者会など被害者7団体が反発。「全被害者救済への道筋も全く見えない時期に、分社化による責任逃れのみを急ぐ態度に抗議する」として、環境相に申請を認めないよう求める声明を出していた。

小沢環境相は指定について、「もともと特措法が想定している話。救済をしっかりやるために必要なことは必要なタイミングで進めていく」と説明。分社化には「(被害者団体などに)拒否感があることは承知しているが、救済手続きを進めてほしいという声もある。皆さんの反応を受け止め、現実的な対応をしていきたい」と語った。


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シェルと三菱商事、イラク南部で油田ガス回収事業

イラク内閣は6月29日、シェルと三菱商事のイラク南部での油田ガス回収事業を承認した。調印時期は未定。

JVはBasra Gas Companyという名前で、イラクが51%出資し、シェルが44%、三菱商事が5%出資する。

所要資金は120億ドル(将来170億ドルまで増える可能性あり)で、イラク南部の4つの巨大油田ー
RumailaZubairWest Qurna Phase 1Majnoon油田ーでそのまま燃やされている付随ガスを回収、当初はイラクの電力不足解消のため発電に使用、将来は液化設備をつくり、最大日量6億立方フィートの輸出を行う。

イラクの現在の発電所は夏の需要ピーク時には必要な発電が出来ず、厳しい割当制度で5時間のうち1時間しか配電がない状況となっており、 最近もデモが相次いでいる。

現在、ガス処理設備がないため、4つの油田から日量10億立法フィートもの付随ガスがそのまま燃やされている。

この計画は3月にサインする予定であったが、主にイラク側の資金調達がネックとなり、最終決定に到らず、6ヶ月延長で合意していた。
イラク側負担も大きいが、イラクは本年は190億ドル程度の財政赤字が予想され、余裕がない。
今回の決定発表に当たり、資金手当てについては一切明らかにしていない。
(なお、所要資金120億ドルのうち、既存のガス設備が15億ドル程度含まれているため、当初のイラク側の追加支出は不要との報道がある)

イラクは2009年に第一次、第二次の油田開放を行った。
シェルは、第一次でExxonMobil (80%)/Shell(20%)でWest Qurna
Phase1
第二次で
Shell(60%)/Petronas(40%)Majnoonの開発権を得た。

2009/12/14  イラクの石油第二次入札で石油資源開発が落札 

当初はShell参加のこの2油田でのガス開発を目指したが、イラク政府の要請で、Rumaila BP/CNPCが開発権)とZubair (Eni/ Occidental/ 韓国ガス公社が開発権)のガスも含めることとした。

ーーー

イラク政府は昨年6月の第一次入札にAkkasガス田とMansuriyahガス田を出したが、どこも応札しなかった。

石油相は9月の第三次入札に3つのガス田(上記2つと南部のSibbaガス田)を出すことを計画している。


 

 


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2010年7月 5日 (月)

米司法省、原油流出事故関係各社に資産売却等の事前通知を要請

米司法省は6月23日付けで、三井石油開発の米子会社Moex USAを含む関係各社に、損害賠償責任があると判断された場合に賠償支払いに充てられるかも分からない資産を処分する前に政府に事前通知をするよう要請するレターを出した。Bloombergが情報公開法に基づき入手した。

司法長官は、米国最大の原油流出事故のクリーンアップの費用を米国民が支払うことはないとし、政府は責任のある会社に責任を取らせると述べている。

要請先はBPAnadarko PetroleumMoex USAの権益保有3社と、Deepwater Horizon rig の所有者で掘削作業のコントラクターのTransocean 及びセメント作業のコントラクターのHalliburton 5社。

レターでは、裁判で損害賠償を行うよう命じられた場合に賠償支払いに充てられるべき資産を各社が処分することがないよう、米国政府は強い関心を持っているとし、支払い、売却、リストラ、買収などを含む行動を行う場合は30日前に連絡するよう求め、この要請に応じるかどうかの返事を求めている。

Transoceanへのレターでは、同社は30億ドル以上の自社株買いと10億ドルの配当を決めたが、賠償支払い能力を減らす可能性があり、特に、事故が420日に発生し、賠償責任の可能性があるのに気が付いていながら、514日に10億ドルの配当支払いを承認したのは、問題だとしている。

BPは本年に年間105億ドルの配当を予定していたが、大統領との会談後、配当政策を見直し、既に発表済みの6月21日予定の第1四半期配当を取り止め、第2、第3四半期の配当も取り止めた。

BP Transocean へのレターでは、毎月の財務諸表、金融機関との借入契約その他の提出を求めている。

このほか、BPHalliburtonTransoceanAnadarko と問題のリグを製作した現代重工業に対して、原油流出事故に関する情報の保持を求めている。政府の調査を予想して記録を破棄すれば司法妨害に問われると警告している。

ーーー

米国政府は「重大な過失、意図的な違法行為」を理由に、米国油濁法による負担限度額(75百万ドル)の適用を除外する意向の模様。
    2010/6/22 
メキシコ湾石油流出事故の損害負担(その3)

米国ではAnadarkoと三井石油開発もファンドに拠出するべきだとの声が挙がっている。
ルイジアナ州財務長官は6月24日、Anadarkoと三井石油開発もファンドに拠出すべきだと述べた。両社とも利益とリスクを共有しており、また、これにより万一BPが破産した場合のヘッジとなるとした。

既報の通り、BPはAnadarkoと三井石油開発に対し流出対応費用や賠償額を含む5月の総費用の分担を求める請求を行ったが、今後も毎月、自動的に請求を行うと思われる。

    2010/7/1 BP、パートナー2社に事故関係費用分担金を請求

米Coast Guardは最近、米国政府の費用として70.9百万ドルを請求したが、請求書はBPだけではなく、他のパートナー2社とTransocean及びその保険会社Lloyd’にも送られた。「油濁法によれば責任ある当事者と保証者にも連帯責任がある」としている。

付記

White Houseは713、BPに対して4回目の請求書(99.7百万ドル)を送付した。前回同様、AnadarkoMOEX Transoceanにも送付した。
過去3の合計122.3百万ドルはBPが支払っている。

パートナー3社間及びコントラクターの間の責任に基づく負担問題は、米国政府や被害者には関係のない話である。

事故対応への支出(毎月必要)と、責任に基づく負担(解決に時間が必要)が絡み、三井石油開発や三井物産にとって問題が深刻になってきた。

なお、三井石油開発の付保については、5月10日の三井物産決算説明会で以下の説明がある。(同社ホームページ記載)

「付保状況については、三井石油開発にてプロジェクト100%ベースで、 暴噴制御費用保険300百万ドル、第三者賠償責任保険150百万ドルを付保している。保険が本件に関しどのように適用されるかは現時点では不明である。」

同社の比率は10%のため、暴噴制御費用保険30万ドル、第三者賠償責任保険15万ドル、合計45万ドルとなる。

ーーー

三井物産の持株比率は2006年初めには44.34%であったが、その後、順次買い増し、現在 69.91%となっている。

本年2月には、三井化学(4.98%)、三井住友銀行(4.28%)、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行から、合計12.85%を約320億円で購入している。

 

 


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2009年度エチレンセンター損益

経済産業省化学課は630日、エチレンセンター11社の2009年度の収益状況の集計結果を発表した。

経常利益は、2008年度はナフサ価格の下落で、製品価格に原料コストを転嫁しきれず、在庫評価損を計上する等により1,825億円の赤字を計上したが、2009年度は、在庫評価損が減少したことや、石油化学製品の生産量及び販売数量が回復したこと等により94億円の赤字に減少した。

これを半期別にみると以下の通りで、下期には若干ながら黒字に転換している。
各社の決算で見ると、2008年度下期のうちの4Q(2009年1~3月)が最悪である。

 

営業損益は以下の通りで、単独ベースでは3億円、連結ベースでは338億円と、いずれも黒字に転換した。

しかし、石化事業の損益悪化で危機感が高まり、三菱化学の四日市エチレン停止や、塩ビ業界やポリオレフィン業界の再編、住友化学と三井化学の全面的統合案などが相次いだ2000年頃の損益よりは、はるかに低い水準である。

集計区分は以下の通り。
  単独ベース
  エチレンセンター
連結ベース 
三井化学 三井化学、大阪石油化学 基礎化学品、機能材料部門
丸善石化 丸善石油化学 単独
旭化成 山陽石油化学 ケミカルズ部門
出光興産 出光興産(石油化学部門) 石油化学製品部門
東燃ゼネラル 東燃化学 石油化学製品部門
昭和電工 昭和電工 石油化学部門
住友化学 住友化学 石油化学部門
東ソー  東ソー 石油化学部門
三菱化学 三菱化学 ケミカルズ、ポリマーズ
新日本石油 新日本石油(石油化学部門) 石油化学製品部門

 


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2010年7月 3日 (土)

Reliacne Industries、Pioneer Natural Resources と組んでテキサスのShale を開発

Reliance Industries 624日、米国のPioneer Natural Resources CompanyJVを設立し、PioneerEagle Ford Shale45%を取得すると発表した。
同社はさきに
Marcellus Shaleエリアでの権益を取得しており(下記)、米国での2番目のShale権益確保となる。

現在この計画に16%の権益をもつNewpek LLCも権益の一部を譲渡、JVの比率はPioneer46%Reliance 45%Newpek9%となる。
JV289千エーカーの鉱区のうちの91%の権益を保有する。

Relianceは対価として13.15億ドルを支払う。
263百万ドルの前払いに加え、今後4年間のPioneerNewpekが支払うべき投資資金の75%分の10.52億ドルをその都度支払う。

Eagle Fordは南テキサスにあり、品質がよく、立地が便利なことから、北米で最も魅力的な非在来型石油資源の一つとされている。(地図

Pioneer 開発地域では1,750以上の井戸を掘り、10 tcfe (Trillion Cubic Feet Equivalents)を得ることを想定している。(Reliance持分 4.5 tcfe)

Pioneer Natural Resources は1997年にParker & Parsley Petroleum Company MESA Incの合併で誕生した。
コロラドやテキサス州のほか、アラスカでは
North Slopeで独立系では最初に石油を掘削した。チュニジア(陸上)や南ア(沖合い)でも石油の掘削をしている。

ーーー

Reliance Industries 201049日、米国のAtlas Energy, Inc.との間で米国ペンシルベニア州のMarcellus Shaleエリアでのシェールガス開発でAtlasの権利の40%を取得する契約を締結したと発表した。

ここでは、3000以上の井戸を掘り、13.3 tcfe (Trillion Cubic Feet Equivalents)を得ることを想定している。(Reliance持分 5.3 tcfe)

2010/4/15  Reliacne IndustriesAtlas Energy と組んで Marcellus Shale を開発

ーーー

三井物産は本年216日、三井石油開発とのJVMitsui E&P USA を通して、Anadarko Petroleum が 米国ペンシルベニア州のMarcellus Shaleエリアにおいて開発・生産中のシェールガス事業に参画すると発表した。

住友商事も2009年12月15日、米国の独立系開発会社であるCarrizo Oil & Gasが米国テキサス州Barnett Shale fieldに保有している天然ガスコアエリア開発プロジェクトに12.5%参加した

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2010年7月 2日 (金)

三井物産とダウ、合弁でテキサスで電解事業 

三井物産とダウは7月1日、両社が折半出資でテキサス州フリーポートで電解事業を行う合弁事業の設立に関する合弁契約書を締結した。

三井物産は約1.4億ドルを出資するとともに、プロジェクトファイナンスの活用に向け関係各社と協議中。

生産能力は苛性ソーダ約88万トン、塩素約80万トンで、2013年央に生産開始の予定。

製品は両社が半分ずつ引取るが、三井物産は塩素についてはダウにEDCへの加工を委託し、EDCを主にアジアで販売、苛性ソーダはダウを通じて米国内を中心に販売する。

三井物産は2009年4月に、塩事業、アルカリ事業、塩化ビニール原料事業、塩化ビニール樹脂事業、ウレタン原料事業を統合し、当該事業チェーン全体を川上から川下まで統括するクロールアルカリ事業部を発足させた。

同社はEDCをはじめとする塩素を原料とした商品群の販売を世界規模で展開しているが、本合弁事業を通じ、ダウとの関係を深化し、同社が強みを持つ商品の製造事業に参入するという意義があり、戦略的提携の一環として位置付けられる。

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今回の計画はダウが2008年1月に発表したダウ単独のChlorine 7 ”計画に代わるものである。
当初は2011年のスタートを目指すとしていたが、経済情勢の悪化で延期されていた。

ダウは信越化学と提携し、シンテックの原料VCMは全量ダウが供給していたが、シンテックは2004年12月にルイジアナ州で塩素45万トン、VCM75万トン、PVC60万トンの工場建設を発表(1期は2008年10月に稼動、2期は本年後半に完成予定)、更に 2007年5月には、テキサス州で電解工場(塩素50万トン)とVCM工場(825千トン)を建設する許可申請を同州環境庁に提出した。

2007/6/1  シンテック、テキサス州にVCM工場の建設許可を申請 

ダウは2004年11月に、テキサス工場のEDCプラント1系列を2005年末までに停止し、VCMの生産も縮小すると発表、これにより、両社の関係が薄まりつつあるとの見方がなされた。 

しかし、ダウは20081月に、テキサス州フリーポートでクロルアルカリ設備(Chlorine 7 ”)の建設を開始すると発表、同時に30年以上の需要家であるシンテックとのVCMの長期供給契約の更新を発表した。

Andrew N. Liveris 会長兼CEOは、「この供給契約は新投資の操業を保証するもので、JVの形はとっていないものの、シンテックはクロルアルカリ事業での戦略的パートナーである」とし、実質的にAsset- light 戦略であるとした。シンテックはテキサスの電化・VCM計画を無期延期とした。

2008/1/31  ダウ、テキサスでのクロルアルカリ設備新設、シンテックとのVCM供給契約更新を発表 

旭化成ケミカルズは20082、ダウからテキサス州 Freeport 工場向けにイオン交換膜法食塩電解の大型設備を受注したと発表している。受注金額は約70億円。

ダウのChlorine 7 ”計画は2011年のスタートを目指すとしていたが、20092月にダウは経済情勢の悪化で延期すると発表した。

20081月の上記発表時点では、ダウは「シンテックは戦略的パートナー」としていたが、本年に入り、ダウと信越の姿勢に変化が見られた。

信越化学は20104月、Shintechがルイジアナ州PlaquemineVCMの第2工場の建設工事を開始したと発表した。
第2工場の生産能力は、
VCM 80万トン、カ性ソーダ 53万トンで、投資金額は約1000億円、2011年の完成を目指している。第2工場が稼動すると、VCM能力は160万トンとなり、Shintechのテキサス州の工場も含めたPVCの全生産能力264万トンの60%を自給することとなる。

ダウのCEOAndrew Liveris20102 に、塩素/EDC /VCMついてもAsset Light戦略を検討する意向を明らかにした。
同氏は「信越とのパートナーシップは2011年には明らかに終了する」とし、「クロルアルカリは資本集約的事業で、ダウの大規模設備は有利であり、PVC業界とのパートナーシップも探求する。塩素でもAsset Light戦略を行う積もりだ」と述べた。

2010/4/6  信越化学、米国でVCM増強 

Andrew Liveris信越とのパートナーシップは2011年には明らかに終了する」という発言の意味は不明だが、ダウがシンテック向けを前提に単独で実施しようとしたChlorine 7 ”を、三井物産を相手にしたAsset Light戦略に切り替えたこととなる。

ーーー

ダウは中東と中国でのクロルアルカリの投資計画を発表している。

中東ではダウはサウジアラムコとの間で、サウジのラスタヌラに世界最大級の石油化学コンプレックスを建設する覚書を締結したが、これにはワールドスケールの電解設備と、VCM、ポリウレタン、エポキシレジンなどが含まれている。

       2007/5/15  アラムコとダウ、世界最大級の石油化学コンプレックス建設

中国では中国の国有石炭最大手・神華集団との間で、陜西省楡林市にワールドスケールのCoal-to-Chemicals コンプレックスを建設するための詳細FS実施の契約を締結した。
計画では "clean coal" technologies を使用し、石炭からメタノール、メタノールからエチレンとプロピレンを生産するが、電解設備も建設し、苛性ソーダ、VCM、有機塩素等を生産する。

       2007/5/21 ダウの海外進出  

ーーー

シンテックはダウとの間で共存共栄体制を取り、これがシンテックの高収益の要因の一つとされた。
シンテックはPVC、ダウは塩素ーVCMに特化し、VCM価格にはPVC市況を反映させるものと言われている。

シンテックの塩素ーVCM進出により、両社の関係が薄まったものと思われる。

金川会長は著書の「毎日が自分との戦い」のなかで、原料進出について、述べている。

(シンテックが1996年に原料一貫工場を計画した際に、環境を理由に反対運動が起こったこと、ダウが原料供給を増やす計画を立てたことで、一貫生産を見送ったが、)
こうした経緯を元ダウ社長でシンテック取締役を務められたブランチ氏に話すと、憮然とした表情で一言「ノー・フューチャー」(未来がない)。私は「エッ?」と言ったきり、言葉に詰まってしまった。同氏は、そろそろ独自に原料をつくらないと、シンテックには将来性はないと言いたかったのだろう。

一貫生産にこぎ着けるまでの過程では、ブランチさんの「ノー・フューチャー」が心の大きな支えとなった。

一貫生産は信越化学の戦略であるが、ダウとの共存共栄体制が切れるのは惜しい気もする。


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AkzoNobel、National Starch 事業を13億ドルで売却

Akzo Nobelは621、20081月に買収したICIの一部、National Starch 事業を、米国のスターチや甘味料のメーカーのCorn Products International に売却すると発表した。
Akzoは現金13億ドルを受け取り、National Starchの年金債務等はCorn Products負担となる。

関係当局の認可を得て、第3四半期に取引完了の予定。

AkzoはICI買収の時点で、National Starchの事業のなかの接着剤とエレクトロニック材料事業をHenkelに売却しており、今回、National Starchのメインの部分(食品添加物とスターチ)を売却するもの。

塗料や特殊化学品を中心とする企業に衣替えしたAkzo Nobelにとって、スターチ事業のNational Starch は異質であった。

National Starch 2009年の売上高は12億ドル、8カ国11工場に2,250人の従業員を抱える。

ーーー

Akzo20078月に、ICIを約80億ポンド(約19000億円)で買収することで合意し、200812日に発効した。

2007/8/13 Akzo ICI を買収

ICI1997年に、化学品のなかでも付加価値が高く、投下資本が少なく、景気変動の影響が少なく、研究開発により重点を置いた事業に急速に転換することを決めた。

19977月、ICIは英蘭系Unileverの特殊化学品4社、National Starch(工業用接着剤、レジン、産業用でんぷん)、Quest(香料、乳化剤、芳香剤)、Uniqema(脂肪酸、グリセリン)、Crosfield(シリカ、ケイ酸塩、ゼオライト:その後売却)を買収すると同時に、既存事業を順次、分離・売却していった。 

その結果、ICIはスペシャリティ化学品を中心とした「新生ICI」に生まれ変わった。
塗料のほかは、Unileverから購入したNational StarchQuestUniqemaが中心である。

2006年にはQuestUniqema を 売却し、売却代金を退職年金不足額の充当と負債の返済に充てた。

この結果、Akzoが買収した時点のICIは塗料事業とNational Starchだけとなっていた。

ICIの事業の変遷は以下の通り。


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2010年7月 1日 (木)

BP、パートナー2社に事故関係費用分担金を請求

TPM MuckrakerBPがパートナーのAnadarkoに送付した5月分の請求書コピー(全6ページ)を掲載した。
http://www.talkingpointsmemo.com/documents/2010/06/bps-invoice-to-anadarko-for-response-costs-may-2010.php?page=1

Anadarkoには272百万ドル、Moexには111百万ドルで、62日(請求日)までにBPが支払った10億ドル以上に対するそれぞれの持分、25%10%に相当する。1ヵ月後の支払いを求めている。

これにはリリーフ井戸(2本)を掘る費用、流出対応費用に加え、政府への回収費用支払い、機器の損傷、被害者への賠償などが含まれている。

AnadarkoBP側に重大な過失、意図的な違法行為があるとして、事故に関する費用を支払わないとの声明を出している。
同社では請求書に関して、検討しているとのみ述べた。

これに対し、BPは、以下の通り反論している。

共同操業協定では、BPは オペレーターとして作業を行う責任を有するが、権益保有者は、石油漏洩のクリーンアップを含む作業のコストを権益比率で負担することとなっている。

更に全ての権益保有者は米連邦政府に対し、Oil Pollution Act of 1990の規定に基づき、他の関係者とともに、漏洩した石油の回 収コストと被害について、連帯して責任を持つとの書類を提出している。

2010/6/19 メキシコ湾石油流出事故の損害負担(その2) 

6月16日のオバマ大統領とBP首脳陣の会談で、BPが原油流出事故の補償コストをカバーする200億ドルの基金の創設することで合意した。

大統領は、200億ドルの資金は第三者機関の管理するエスクロー勘定に入金されると述べるとともに、200億ドルは賠償額の上限で はないと説明した。

BPは2010年第3四半期にまず30億ドル、第4四半期に20億ドルを払い込み、残りを四半期ごとに12.5億ドルずつ 支払う。

この200億ドルは将来の支払いのための準備金であり、BPは現在のところ、この分担をパートナーに求めていない。

「権益保有者は、石油漏洩のクリーンアップを含む作業のコストを権益比率で負担することとなっている」との主張に基づき、月次費用の分担を求めている。

Anadarkoと三井石油開発としてはどう対応するか、難しいところである。
契約によれば、問題が生じた場合は先ず調停にかけることとなる。

これとは別に、米国ではAnadarkoと三井石油開発もファンドに拠出するべきだとの声が挙がっている。

 


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