主要石油化学製品 生産能力調査 (2009/12/末)
経済産業省は4月6日、2009年末時点の我が国の主要石油化学製品生産能力調査の結果を発表した。
(単位:千トン)
若干の増減はあるが、前年末と大差はなく、相変わらずの小規模多数工場体制である。
各製品とも能力に対する内需の比率は低く、今後輸出の縮小が予想されるなか、大幅な設備廃棄が必要である。
1.エチレン 前年末と同じ
定修年 スキップ年 東ソー 493 527 昭和電工 615 691 東燃化学 491 540 三菱化学 1,278 1,301 水島のエチレンの統合交渉中 山陽石化(旭化成) 443 504 丸善石油化学 480 525 京葉エチレン 690 768 丸善石化 50%、三井化学 25%、住友化学 25%引取り 住友化学 380 415 大阪石化(三井化学) 455 500 三井化学 553 612 千葉のエチレン運営統合 「千葉ケミカル製造」 出光興産 997 1,101 新日本石油精製 404 443 合計 7,279 8,023
・三菱化学 鹿島火災事故で以前より能力減となっている。
事故前の能力は定修あり 1,301千トン、定修なし 1,422千トンであった。(定修なしで121千トンの減)
2009年のエチレン生産量は6,913千トン。
これに対して、エチレン製品のエチレン換算輸出量は2,945千トン、輸入量は407千トンで、差引き内需は4,375千トンに過ぎない。(定修年能力に対し、60%)
2.ポリエチレン 前年末と同じ
LD専用 HD 併産 合計 LD LL HD LL 旭化成 120 116 47 283 宇部丸善PE 147 50 197 チッソ 63 63 東ソー 152 31 125 308 丸善石油化学 111 111 日本ポリエチレン 347 364 475 1,186 日本ユニカー 180 10 110 300 住友化学 172 133 305 日本エボリュー 240 240
当初 現状 計画 プライムポリマー 150 190 250 住友化学 50 50 50 合計 200 240 300 プライムポリマー 145 246 87 11 489 三井化学 4 4 試験設備 三井・デュポン 170 170 下記参照 合計 1,288 963 1,141 144 121 3,657 LDPE合計 2,372 HDPE合計 1,285
* プライムポリマーは2010年4月に高圧法LDPE事業を三井・デュポンポリケミカルに譲渡する。
2009年のLDPE出荷は、国内 1,325千トン、輸出 331千トン、合計 1,656千トン。
(能力に対し70%、内需は56%)
HDPE出荷は、国内 819千トン、輸出 214千トン、合計 1,032千トン。
(能力に対し80%、内需は64%)
3.PP 前年末比 162千トン増
プライムポリマー プライムポリマー 1,071 宇部ポリプロ 90 2011年3月停止、2012年3月清算 徳山ポリプロ 200 トクヤマとのJV サンアロマー 347 住友化学 316 日本ポリプロ 1,244 前年比 +162
(鹿島 +300、川崎 -138)合計 3,268 2009年の出荷は、国内 2,278千トン、輸出 303千トン、合計 2,580千トン。
(能力に対し79%、内需は70%)
4.SM 前年末と同じ
太陽石油化学 335 04/1/1 三井化学から譲受け(宇部市) 日本オキシラン 412 住友化学60%/Lyondell 40%
PO/SM併産千葉スチレンモノマー 270 電気化学 60%/住友化学40% 電気化学 240 新日鐵化学 422 2008年3 月末に東ソーとのJVの日本スチレンモノマーを
100% 完全子会社した上で設備(232千トン)を取得。出光興産 550 三菱化学 371 旭化成 678 合計 3,278
2009年の出荷は、国内 1,379千トン、輸出 1,650千トン、合計 3,030千トン。
(能力に対し92%、内需は42%)
5.PS 前年末比 162千トン減
日本ポリスチレン 0 住友化学 /三井化学
2009年9月末で生産停止(162千トン)→解散DIC 131 東洋スチ レン 278 電気化学/新日鉄化学/ダイセル PSジャパン 445 旭化成 /出光興産 (2009/10 三菱化学撤退) 合計 854 -162
2009年の出荷は、国内 687千トン、輸出 32千トン、合計 719千トン。
(能力に対し84%、内需は80%)
6.VCM 前年末と同じ
ヴィテック 391 PVC:ヴイテック
2011年3月末までに停止東ソー 1,454 PVC:大洋塩ビ トクヤマ 330 PVC:新第一塩ビ 京葉モノマー 200 (旭硝子/クレハ/丸善石化) カネカ 540 PVC:カネカ 鹿島塩ビモノマー 600 PVC:信越化学、カネカ 合計 3,515
2009年の出荷は、国内 1,684千トン、輸出 1,027千トン、合計 2,711千トン。
国内出荷のうち、輸出PVC用は705千トン。
(能力に対し77%、内需は48%。輸出PVC用を除く純国内用は28%)
7.PVC 前年末比 -41千トン
徳山積水 114 前年比 -1
(積水化学 70%/東ソー 30%)ヴィテック 220 2011年3月末までに停止
06/12 07/12 08/5 川崎 115 95 121 四日市 104 99 99 水島 115 110 0 計 334 304 220 大洋塩ビ 558 東ソー 28 ペースト 新第一塩ビ 255 前年比 -4 信越化学 550 カネカ 431 前年比 -35 合計 2,157 前年比 -41
2009年の出荷は、国内 960千トン、輸出 705千トン、合計 1,665千トン。
(能力に対し77%、内需は45%)
8.アクリロニトリル
旭化成 419 ダイヤニトリックス 196 三菱レイヨン65%/三菱化学35% 昭和電工 55 前年比 -4 住友化学 52 合計 722 前年比 -4
9.EO
丸善石油化学 197 (2005/4に丸善ケミカルを吸収) 日本触媒 324 前年比 +70 三井化学 100 前年比 -119
2009年11月、市原工場停止三菱化学 286 合計 907 前年比 -49
10.アセトアルデヒド 前年末と同じ
協和発酵ケミカル 60 昭和電工 300 日本アルデハイド 69 合計 429
11.合成ゴム
SBR BR IR 旭化成 133 35 前年比 +11 宇部興産 95 JSR 257 前年比 -2 61 前年比 -4 39 前年比 -1 日本エラストマー 46 前年比 +6 16 前年比 +5 旭化成 75%、
昭和電工 25%日本ゼオン 146 前年比 -7 55 36 前年比 +3 三菱化学 43 合計 625 前年比 -3 262 前年比 +12 75 前年比 +2
12.MMAモノマー 前年末と同じ
旭化成 100 川崎 直メタ法 70、ACH法 30 クラレ 67 中条 ACH法 67 (2005/9 共同モノマー離脱) 住友化学 72 直酸法(愛媛 40、姫路 32) 三井化学 40 直酸法(大阪:旧 共同モノマー) 三菱ガス化学 51 新潟 新ACH法 三菱レイヨン 217 大竹 直酸法 110、ACH法 107 合計 547
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