改正臓器移植法 一部施行
改正臓器移植法が2010年1月17日から一部施行され、臓器提供者(ドナー)から親族に臓器を優先提供できるようになった。
臓器移植法改正案は2009年7月13日午後の参議院本会議で賛成多数で可決、成立、7月17日に公布された。
2009/7/13 臓器移植法改正案 成立
この法律の附則で施行期日は公布の日から起算して一年を経過した日(本年7月17日)とされたが、下記の「親族への優先提供の意思表示」については「公布の日から起算して六月を経過した日から施行する」とされた。
第六条の二 移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思を書面により表示している者又は表示しようとする者は、その意思の表示に併せて、親族に対し当該臓器を優先的に提供する意思を書面により表示することができる。
厚生労働省は2009年12月18日、「厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会」の改正法公布後4回目となる会合を開き、改正法を運用するためのガイドライン(指針)が了承された。
レシピエント(移植希望者)登録している親族がおり、かつ、親族優先提供の意思を示している人が自殺した場合、臓器の親族への優先提供を見合わせることとした。
自殺した人からの臓器の親族優先提供をめぐっては、日本循環器学会が昨年10月に「自殺などを誘発するおそれがある」として、心臓を親族優先提供規定から除外するよう求める要望書を提出していた。
改正ガイドラインの概要は以下の通り。
(1)親族の範囲は、配偶者と親子
事実婚は対象外
養子も民法上の特別養子(法律上、実の親との親子関係が切られる)以外は対象外
兄弟姉妹は対象外
改正前は機会平等の考えから親族優先はなし。
改正後も範囲を限定した。
(2)親族のみへという限定提供は無効
(3)個人名での指定は、個人でなく、親族への提供として扱う
(4)親族間での優先順位付けは、順位通りでなく、親族への提供として扱う
医学的優先順位によるものとする
(5)優先提供の意思表示ができる年齢は15歳以上
(6)優先提供が受けられる年齢は特に制限なし
(7)意思表示は書面で行う。
日本臓器移植ネットワークの臓器提供意思登録システム
意思表示カード
意思表示シールを張った保険証など
(8)自殺したドナーからの優先提供は認めない
提供のための自殺を防止するため
臓器提供そのものは可能だが、親族優先にはならない
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