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2010年1月22日 (金)

中国の2009年のGDP 前年比8.7%増

中国国家統計局が1月21日発表した2009年のGDP速報値によると、物価変動を除いた実質成長率は前年比8.7%となり、中国政府が必達目標としていた「8%前後」を達成した。GDP総額は約33.54兆人民元(約459.5兆億円)となり、世界2位の日本に一段と肉薄する水準となった

名目GDPで、日本は昨年1~9月が349兆円、10~12月が昨年同期並みであれば通年で479兆円となる。
なお、1人当たりGDPでは日本の10分の1以下にとどまる。

同時に発表した第4四半期のGDPは前年同期に比べ10.7%増えた。

 * 2009年1Qと3Qの数値は速報から修正された

内訳は
 一次産業  3.55兆人民元 前年比4.2%アップ
 二次産業 15.70兆人民元     9.5%アップ
 三次産業 14.29兆人民元      8.9%アップ

国家統計局では、昨年は21世紀に入り最も厳しい年であったが、政府の策が奏功、下降が止まり、回復が始まったとしている。
回復の主因は、積極的な財政政策と金融緩和、及び政府の景気刺激策としている。

中国政府は2008年11月9日夜、国内需要拡大のため2010年末までに総額4兆元(約57兆円)規模の投資を実施する緊急経済対策を発表した。

2008/11/12 中国、緊急経済対策に57兆円

中国国務院は国内の10産業について景気刺激策を検討、2009年2月19日に軽工業と石油化学産業の景気刺激策を承認した。
既に、1月14日に自動車と鉄鋼、
25日に繊維と機械、211日に造船、218日にエレクトロニックスと情報産業について景気刺激策を発表している。

2009/2/25  中国政府、石油化学産業の景気刺激策を承認

軽工業の景気刺激策には「家電下郷」(家電を地方へ)が含まれた。これに自動車の「汽車下郷」が加えられた。

2009/4/17  「家電下郷」で中国で家電の販売急増

 

これらにより、都市部の固定資産投資は30.5%増、工業生産は11%増、小売売上高は15.5%増となった。
中国の2009年の自動車販売台数は前年比46.15%増の1364万台となり、初めて世界一となった。

2010/1/13 2009年の中国の自動車販売、世界一に 

上のブログ記載のキッシンジャー博士のコメントの通り、公的資金を長期的視点で迅速に有効に配分したのが効果を生んだといえる。

しかし、景気刺激策による固定資産投資の中には、過剰な設備投資も多い。

国務院は以下のように述べている。

過剰能力を減らすという政府の長年の目標を達成することは緊急の課題である。放置すれば、工場閉鎖、失業、銀行の不良債権が発生する。
注意すべきことは、過剰設備がありながら、まだ盲目的に拡大しているのが、鉄鋼やセメントのような昔からの産業だけではないことだ。風力発電機器やシリコンでも同様だ。

このため中国の10省庁(NDRC、工業・情報化部、財務部、環境保護部、人民銀行ほか)が昨年9月末に共同で特定分野の過剰能力を処理する提案を国務院に提出し、国務院はこの提案を承認した。

対象となるのは、鉄鋼、セメント、板ガラス、石炭化学、ポリシリコン、風力発電のほか、アルミ電解や造船、大豆油抽出などがある。NDRCは自動車についても警告している。

2009/10/19 中国政府、過剰能力是正に注力 

付記

国家統計局の馬建堂局長は経済運営の3つの懸念を挙げている。
1)経済の持続的回復をどのように維持するか
2)中小・老朽生産能力の淘汰の問題
3)資産価格の急激な上昇


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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