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2009年8月10日 (月)

三菱ケミカルホールディングスが三菱レイヨンを買収?

8月10日の日本経済新聞はトップ記事で三菱ケミカルホールディングスが三菱レイヨンを買収する方針を固め、TOBにより完全子会社化する方向で調整していると伝えた。
実現すると売上高(2009/3月期合計)は3兆2540億円となる。

付記

三菱ケミカルホールディングスの小林善光社長は8月21日の記者懇談会で、三菱レイヨン買収で同社と協議を進めていることを正式に認めた。
具体的には「現段階では何も決まっていない」としながらも、買収金額が2500億円強、時期は2010年3月末になる見通しを明らかにした。

7月18日の日本経済新聞の「トップに聞く企業戦略」で三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は以下の通り述べている。
「(外資の傘下入りは)あり得ない選択肢だ。時価総額をみると、米ダウ・ケミカルなど海外勢との差は依然大きい。それでも日本を代表する総合化学会社として、海外勢と渡り合うという従来の考え方を曲げるつもりはない」


両社の歴史は以下の通りで、一時は合併していた。

  三菱樹脂 田辺三菱製薬 三菱化成 三菱油化   三菱レイヨン 旭硝子
1907           設立
1933         設立(新興人絹)  
1934     日本タール工業設立
(三菱鉱業/旭硝子折半出資)
    日本タールを設立
1936      日本化成工業と改称      
1942     新興人絹と合併   日本化成工業と合併  
1944     旭硝子と合併、
 三菱化成工業に
    日本化成工業と合併
1950     企業再建整備計画で分離
 日本化成工業と改称
  分離
 新光レイヨン
分離     
 旭硝子
1952      三菱化成工業と改称    三菱レイヨンと改称  
1956       設立    
1988      三菱化成と改称      
1994     合併 三菱化学と改称    
1999   医薬分社化
東京田辺と合併
 三菱東京製薬
     
2001   ウェルファーマと合併
 三菱ウェルファーマ
     
2005   株式移転により、共同持株会社、
三菱ケミカルホールディングスを設立
   
2007   田辺製薬と合併
 田辺三菱製薬
     
2008 三菱樹脂
三菱化学MKV
三菱化学
 ポリエステルフィルム
三菱化学産資
が合併、
 三菱樹脂
       
2009       Lucite を買収  
 
現状 三菱樹脂 田辺三菱製薬 三菱化学 三菱ケミカルが
買収?
 
             三菱ケミカルホールディングス

三菱レイヨンの主要製品と業績は以下の通り。

営業損益対比(億円)
  08/3 09/3 増減   上期 下期
化成品・樹脂  236   44  -192     52   -9
アクリル繊維・AN   10  -91  -101    -29  -62
炭素繊維・複合材料  113   19   -95     25   -6
アセテート・機能膜   36   10   -26     10  0
全社   0   1    1     1  0
合計  396  -17  -413    60  -77
 
化成品・樹脂事業 化成品(MMAモノマーほか)、成形材料、板、コーティング材料、機能性コポリマー、UV硬化塗料、樹脂改質用コポリマー、アクリル系フィルム、液晶用プリズムシート、プラスチック光ファイバー、プラスチックロッドレンズ
アクリル繊維・AN及び誘導品事業 アクリル繊維、アクリロニトリル及び誘導品
炭素繊維・複合材料事業 炭素繊維、複合材料加工品、航空機材
アセテート、機能膜事業その他 アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、浄水器、中空糸膜フィルター、人工炭酸泉製造装置、水処理機器システム、プラントエンジニアリング、建築関連材料

三菱化学と三菱レイヨンは2001年7月に両社のAN、アクリルアマイド、ポリアクリルアミド及び関連事業を統合し、50/50JVのダイヤニトリックスを設立した。(2006年4月に三菱レイヨン 65%/三菱化学 35%となり、三菱レイヨンの連結子会社となった)


* 総合目次、項目別目次
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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コメント

本記事はこのブログ開設以来で最大のアクセスを記録した。
8/10
 アクセス数: 10,501
 訪問者数: 8,108

Yahoo Japan ニュースに本件が載り、本ブログが紹介されたのが理由。
関心の高さに驚いた。

http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=519546&c=economy
三菱ケミ 三菱レイヨン買収へ - 経済 8月10日(月)10時57分~17時44分
◇両社がコメント
・ 本日の一部報道について - 三菱ケミカルホールディングス(8月10日)
・ 本日の一部報道について - 三菱レイヨン(8月10日)
・ 三菱ケミカルHD、三菱レイヨンTOB報道で観測記事とのコメント発表 - ロイター(8月10日)
◇化学業界について
・ 三菱ケミカルホールディングスが三菱レイヨンを買収? - 化学業界の年表、図表。化学業界の話題(8月10日)

投稿: knak | 2009年8月11日 (火) 06時18分

具体的には「現段階では何も決まっていない」としながらも、買収金額が2500億円強、時期は2011年3月末になる見通しを明らかにした。

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上の文章の中で2011年3月末とありますが、2010年の間違いではないでしょうか?

投稿: | 2009年8月29日 (土) 23時59分

修正しました。

投稿: KNAK | 2009年8月30日 (日) 07時13分

http://company.nikkei.co.jp/news/news.aspx?scode=4188&NewsItemID=20090822NKM0245&type=2
上記の日経記事では、「2010年度までに2500億円超をM&Aに投じる計画に変更はない」と記述が
あります。2010年度とはケミカルが3月決算ですので、2010年4月から2011年3月までと捉えるのが自然です。
とすると、日経記事は、2011年3月迄に「三菱レイヨン以外も含めて」2500億円超を投じるという内容と捉えられるかと思います。

とすると、付記に記述された「買収金額が2500億円強、時期は2010年3月末になる見通しを明らかにした。」
と矛盾する気がします。

このあたり如何でしょうか?

投稿: | 2009年10月26日 (月) 12時22分

2008年12月9日の三菱ケミカルホールディングスグループ事業説明会の説明資料
http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ir/pdf/20081209-2.pdf
のP.14の「資源配分計画の見直し」では中期計画APTSIS('08-'10年度)で
 戦略的投融資2,500億円(目安)→+α 
となっています。
2010年度ではなく、2010年度までにです。

投稿: knak | 2009年10月26日 (月) 17時08分

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