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2009年6月 2日 (火)

第一三共、決算を訂正、最終赤字 1200億円減

第一三共は5月28日、平成21年3月期決算(5月12日に発表)の訂正を発表した。

当初の発表では子会社化したRanbaxy Laboratories の株価暴落を反映し、連結損益で3358億円の赤字を計上した。

ランバクシーの株価は低迷を続け、本会計年度末における同社の株価が第一三共の取得価格に比べ50%以上下落したため、(個別決算で4024億円の)株式評価損を計上、連結決算では特別損失に「のれん償却」 3544億円を計上した。

2009/5/15  注目会社 2009年3月決算-7  第一三共

訂正内容は以下の通りで、ランバクシーの評価損を損金算入した結果、法人税等が減少し、2155億円の赤字となり、1203億円の改善となった。

連結損益計算書(百万円)
  訂正前 訂正後 差額 備考
 販売費及び一般管理費   539,426   538,879     -547 下記により事業税減少
営業利益    88,323    88,870      547  
経常損益    54,621    55,168      547  
特別利益     3,799     3,799     ー  
特別損失  367,230  367,230     ー  
税金前当期純損益  -308,810  -308,262      547  
法人税等    40,581  -79,172  -119,753 株式評価損 402,420百万円を損金算入
当期純損益  -335,800  -215,499   120,301  

個別財務諸表において特別損失に計上した「関係会社株式評価損」402,693百万円のうち402,420百万円は、当初、税金計算上の損金とすることは困難であると判断し、損金不算入として処理した。

国税庁は4月3日、「上場有価証券の評価損に関するQ&A」を公表し、企業が所有する上場有価証券の時価が帳簿価額に比べて50%以上下落し、会計上減損処理が行われた場合において、税務上その評価損を損金算入するに当たっての取扱いの明確化を図ることとした。(後記)

政府が「経済危機対策」の一環として法人税の負担を軽くするために有価証券の評価損を損金に算入しやすくする方針を表明したのを受けたもの。

第一三共では、海外株が対象で評価損の額も大きいため、税務当局に問い合わせたところ、先週に「損金算入は妥当」との見解を得たとされている。

ーーー

「上場有価証券の評価損に関するQ&A
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/090400/pdf/01.pdf

◆ 株価が50%相当額を下回る場合における株価の回復可能性の判断基準 ◆

[Q1] 当社が長期保有目的で所有する上場株式の時価(株価)は大幅に下落しており、当事業年度末における株価が帳簿価額の50%相当額を下回る状況にあります。
税務上、上場株式の評価損の損金算入が認められるには、一般的に
株価が過去2年間にわたり50%程度以上下落した状況になくてはならないというようなことを聞きますが、当社が所有する上場株式はこのような状況に該当しないことから、損金算入することは認められないのでしょうか。

[A]上場株式の事業年度末における株価が帳簿価額の50%相当額を下回る場合における評価損の損金算入に当たっては、株価の回復可能性についての検証を行う必要がありますが、回復可能性がないことについて法人が用いた合理的な判断基準が示される限りにおいては、その基準が尊重されることとなります。
したがって、必ずしも株価が過去2年間にわたり帳簿価額の50%程度以上下落した状態でなければ損金算入が認められないというものではありません。

[解説]
法人の所有する上場有価証券等について、その価額が著しく低下し、帳簿価額を下回ることとなった場合で、法人が評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、帳簿価額とその価額との差額までの金額を限度として評価損の損金算入が認められます。
   
この場合の「価額が著しく低下したこと」については、
①上場有価証券等の事業年度末の価額がその時の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることになり、かつ、
②近い将来その価額の回復が見込まれないことをいうものとされています。
   
このように、評価損の損金算入が認められるためには、株価の回復可能性に関する検証を行う必要がありますが、どのような状況であれば、「近い将来回復が見込まれない」と言えるかが問題となります。
株価の回復可能性の判断のための画一的な基準を設けることは困難ですが、法人の側から、過去の市場価格の推移や市場環境の動向、発行法人の業況等を総合的に勘案した
合理的な判断基準が示される限りにおいては、税務上その基準は尊重されることとなります。
有価証券の評価損の損金算入時期としては、これらの
合理的な判断がなされる事業年度で損金算入が認められることとなりますので、必ずしも、株価が過去2年間にわたり帳簿価額の50%程度以上下落した状況でなければ損金算入が認められないということではありません。
   
なお、法人が独自にこの株価の回復可能性に係る合理的な判断を行うことは困難な場合もあると考えられます。このため、発行法人に係る将来動向や株価の見通しについて、専門性を有する客観的な第三者の見解があれば、これを合理的な判断の根拠のひとつとすることも考えられます。
具体的には、専門性を有する第三者である証券アナリストなどによる個別銘柄別・業種別分析や業界動向に係る見通し、株式発行法人に関する企業情報などを用いて、当該株価が近い将来回復しないことについての根拠が提示されるのであれば、これらに基づく判断は合理的な判断であると認められるものと考えられます。

◆ 監査法人のチェックを受けて継続的に使用される形式的な判断基準 ◆

[A]監査法人による監査を受ける法人において、上場株式の事業年度末における株価が帳簿価額の50%相当額を下回る場合の株価の回復可能性の判断の基準として一定の形式基準を策定し、税効果会計等の観点から自社の監査を担当する監査法人から、その合理性についてチェックを受けて、これを継続的に使用するのであれば、税務上その基準に基づく損金算入の判断は合理的なものと認められます。

[解説]--- 株主や債権者などの利害関係者の保護のために財務情報の信頼性を確保する責務を有する独立の監査法人のチェックを受けたものであれば、客観性が確保されていると考えられます。さらに、この基準が継続的に使用されるのであれば、そのような基準に基づく判断は恣意性が排除されていると考えられることから、税務上の損金算入の判断としても合理的なものと認められます。

◆ 株価の回復可能性の判断の時期 ◆
[Q3] ところで、翌事業年度で株価が上昇した場合など翌事業年度以降に状況の変化があった場合には、当事業年度に評価損として損金算入した処理を遡って是正する必要がありますか。

[A] 翌事業年度以降に株価の上昇などの状況の変化があったとしても、そのような事後的な事情は、当事業年度末の株価の回復可能性の判断に影響を及ぼすものではなく、当事業年度に評価損として損金算入した処理を遡って是正する必要はありません。

◆ 株価の回復可能性の判断基準に該当した場合の評価損否認金の取扱い ◆
[Q4] 過去の事業年度における評価損否認金のある上場株式について、その後の事業年度において、損金算入できる合理的な判断基準に該当することとなった場合には、損金算入の処理や損金算入される金額についてどのように取り扱えばよいのでしょうか。

[A] 過去の事業年度において有税で減損処理した金額(評価損否認金)のある上場株式について、その後の事業年度で、税務上評価損を計上できる状況になった場合には、評価損否認金の額も含めて、その事業年度の損金の額に算入することが認められます。なお、この場合の具体的な取扱いは、次のとおりとなります。
① 評価損否認金の額については、その事業年度において申告調整により損金の額に算入した金額を、評価損として損金経理したものとして取り扱うこととされています。
② 評価損として損金算入の対象となる金額は、その事業年度末における帳簿価額と株価との差額となります。
(注)税務上、評価損として損金算入される金額は、あくまでも損金経理した金額に限られますので、会計上減損処理していないものは含まれません。
 


* 総合目次、項目別目次
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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