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2009年4月 3日 (金)

ダウ、Rohm & Haas の買収を完了

ダウは4月1日、Rohm & HaasR&H)の買収を完了したと発表した。

R&Hは同日付で上場廃止となり、ダウの新しい事業部門 Advanced Materials division に帰属する。

なお、当初より
売却を予定していたR&Hの製塩事業の子会社Morton Salt については、ドイツの肥料、園芸、製塩会社のK+S Aktiengesellschaft に16.75億ドルで売却することが決まったと発表した。

Morton Salt は米国の塩メーカーで、1848年創業で、1889年にJoy Morton が買収して Joy Morton & Companyに改称、更に1910年にMorton Salt Companyとなった。1999年にR&Hが買収した。

包装にあるMorton Umbrella Girl とスローガン When it rains it pours” で有名で、1914年から使用されている。

When it rains it pours は通常は「雨が降れば土砂降り」という意味だが、ここでの後の it はMorton Salt のことで、「雨が降っても、(固まらずに、図のように)さらさらとこぼれる」という意味。

ーーー

ダウ は昨年7月10日、 188億ドルでRohm and Haas (R&H)を買収する契約を締結したと発表した。
現金153億ドルで全株式を買収し、R&Hの35億ドルの借入金を引き継ぐ。

2008/7/11 速報 Dow ChemicalRohm and Haas を買収

同社はクウェートのPICとの合弁会社 K-Dow Petrochemicals 設立により、事業売却額マイナス出資で75億ドル、配当15億ドルで、合計90億ドル(税引後では70億ドル)を受け取ることとなっていた。

Dow はR&H 買収資金188億ドルを、つなぎ融資 130億ドル、Warren Buffett のBerkshire Hathaway Inc. からの投資 30億ドル、Kuwait Investment authorirty からの投資10億ドルで賄うことにしており、PICへの売却資金でつなぎ融資の一部を返済する予定であった。

しかし、本年1月1日のスタートを目前にして、昨年12月28日、K-Dow Petrochemicals が破談となり、この金が入らなくなった。

2008/12/29 ダウとクウェートの石油化学合弁、一転破談に

1月23日、ダウはR&H との統合でFTCの承認を得たと発表した。ECは既に1月8日に承認しており、買収の全ての条件が満たされた。

2009/1/26 FTC、Dow と Rohm and Haas の統合を条件付で承認

契約ではすべての条件が満たされた2日後に買収を実行することとなっており、1月27日が期限となる。

しかし、DowはR&Hに対して27日に買収を実施しない旨伝えた。

つなぎ融資は1年間の契約のため、 K-Dow 破談により、このまま買収を行えば資金繰りが危うくなるとして、格付会社が投資基準以下への格下げを行うことを明言しており、格付を投資適格にとどめることが必須であるとするダウとしては資金繰りの目処をつけるまでは買収を行えない状況に陥っていた。

R&Hは1月26日、契約の履行を求め、Delaware州の裁判所にDow を訴えた。この裁判は3月9日と決まった。

そして、裁判の始まる当日、ダウはR&H 及びその大株主との間で、これまでと異なる条件で41日までに買収を行うことで合意した。

2009/3/10  ダウ、Rohm & Haas 買収で合意 

当初発表の1株 $78 でのR&H株式買収(153億ドル)のうち、$63 124億ドル)は現金で支払い、残りの$1529億ドル) は優先株で渡す。

R&H2大株主(ヘッジファンドのPaulson & Co. Inc.Haas Family Trusts はダウの出す永久優先株25億ドルを購入、更に、そのうちのHaas Family Trusts はダウのオプションでダウの株式に5ドル投資する。
(ダウはオプションを行使し、
Haas Family Trusts に追加の5億ドルの投資をしてもらうこととなった)

ダウはつなぎ融資の条件変更に成功した。
 当初契約  130億ドル 20104月まで
  
改正    合計125億ドル、うち45億ドルは2010480億ドルは20114まで(1延長)

このほか、Berkshire Hathaway Inc. から30億ドル、Kuwait Investment authorirty から10億ドルは従来どおりとなっている。

また、ダウは史上初の減配を行い、年間10億ドルの資金を節約した。
   2009/2/23 
Dow Chemical、史上初の減配

今回のMorton International の売却額は16.75億ドルで、当局の承認などを経て、年央に完了する見込み。

ダウは上記の処理を通じ、つなぎ融資の額を減らすとともに、融資期限の延長により、その間に有利な事業売却を検討できることとなった。

しかし、化学業界の不振はしばらく続くと見られており、同社の将来の資金繰りに対する懸念は依然収まっていない。

Standard & Poor's は4月1日、ダウの格付けをBBBからBBB-(ジャンクボンドの1ランクだけ上)に引き下げた。

ダウでは
K-Dow Petrochemicals PICの代わりを求めて、国営の石油・ガス会社2社と交渉しているとされるが、そのほか、
・Total Group
との合弁のオランダの石油精製 Total Raffinaderij Nederland NV のダウ持分(45%)の売却
・東南アジアのオレフィン及び誘導品JVのダウ持分の売却
の交渉をしている。

ーーー

R&H の各事業が組み込まれる Advanced Materials Division は以下の通りとなっている。

なお、FTCと同意審決で、ダウの以下の設備が売却対象として指定されている。
1) DowClear Lake, Texas のアクリルモノマー製造設備
2) Dow St. Charles, Louisiana のアクリルポリマー製造設備
3) DowAlsip, Illinois のアクリルポリマー製造設備
4) Dow Torrance, California のアクリルポリマー製造設備
5) DowSouth Charleston, West Virginia のアクリルモノマー研究開発グループ
6) Dow Cary, North Carolina のアクリルラテックスポリマー研究開発グループ
7) その他、これら事業の関連施設

 


* 総合目次、項目別目次は
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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