BASF、韓国のBDO、THFプラントを永久停止
BASFは15日、韓国蔚山の1.4ブタンジオール(BDO) とテトラヒドロフラン(THF) プラントを永久停止すると発表した。
両工場ともに昨年8月から需要不振で停止していたが、現状では競争力ある価格での生産が出来ないとして永久停止を決めた。
蔚山のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG:BASF商標ではPolyTHF) はBASFの他のプラントからTHFを供給し、生産を継続する。
蔚山のPolyTHF は高級スパンデックス用の標準グレードと、接着剤、塗料、熱可塑性エラストマー用の特殊グレードを持つ。
同社のこれら製品の製造は下記の場所で生産されている。
BDO | THF | PolyTHF | ||
Ulsan (Korea) | ○→X | ○→X | ○ | 今回 BDO、THF停止 |
Ludwigshafen (Germany) | ○ | ○ | ○ | |
Feluy (Belgium) | X | 2005年停止 | ||
Geismar (USA) | ○ | ○ | ○ | |
Caojing (China) | ○ | ○ | ○ | |
Kuantan (Malaysia) | ○ | ○ | BASF Petronas | |
千葉 | ○ | BASF千葉:BASF 67%(当初は50/50の出光BASF) | ||
四日市 | X | X | 2006年停止 |
蔚山工場は三菱化学のブタジエン法BDOとTHFの技術のライセンスを受けており、三菱化学は製品の一部を引取る契約をしている。
上海Caojing 工場はBASFの独自の新技術でBDOを通さず直接ブタンからTHFを製造する技術を採用した。
しかし、技術的問題からTHF プラントを停止させ、その後改造してブタン→無水マレイン酸→BDO→THF とした。
他のBDOプラントは一般的に使われるアセチレンとホルマリンを原料とする方法を採用している。
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韓国BASF (BASF Company Ltd.)はBASF 100%で、1998年12月に韓国BASF ウレタン、韓国BASF Styrenics、 BASF KOREA が 合併して誕生した。
蔚山(3プラント)、安山、麗水、群山に工場を持ち、スチレン系樹脂、ポリウレタン、化学品・機能製品(PolyTHFなど)、ファインケミカルを製造販売している。
同社は群山でリジンを製造していたが、2007年にリジン事業を止め、工場を停止した。BASFのNutrition 事業のうち、リジンは唯一のアミノ酸で、今後は非アミノ酸事業に集中する。
* 総合目次、項目別目次は
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