米国エタノール最大手、更正法申請
米国のエタノール最大手 VeraSun Energy は10月31日、子会社24社とともに会社更生法(Chapter 11)を申請したと発表した。
コーン価格の更なる上昇を予想して先物購入をした結果、第3四半期にコストが急上昇し、大きな赤字を計上した。資本市場の悪化、与信のタイト化により、資金が行き詰ったもの。
同社では雇用と生産販売は従来どおり続けるとしている。
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同社はArcher Daniels Midland とトップ争いを続けている。(第3位には大きく水を開けている)
同社は2001年の設立で、本社は南ダコタ州 Sioux Falls にあり、8州16箇所(1箇所は建設中)に工場を持っている。
85%エタノール含有のガソリン E85 も直接販売している。
米国の再生可能燃料能力(単位:百万ガロン/年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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ソース Renewable Fuels Association (October 30, 2008) |
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同社の本年第2四半期は好業績であった。
売上高は前年第2四半期の 169.6 百万$ から499%増えて 1,015.2百万ドルになった。
増設により販売数量が420%増えたこと、価格が17.1%上がったことによる。
この結果、金利・税金・償却前利益(EBITDA)は前年の33百万ドルから73百万ドルに増えた。
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コーンの市況は、石油や他の農作物と同様、7月から急落した。
当然、エタノール価格も下落した。
しかし、同社は高値が続くと見て先物を購入していたため、コストと売価が大幅な逆ザヤとなった。
同社は9月に、第3四半期の損益は103百万ドル程度の赤字になると株主に予告している。
同社では資金繰りのため、9月16日に20百万株の増資を発表したが、2日後にそれを取り消し、Morgan Stanley に代替案の検討を依頼していた。
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