INEOS、BASFのアクリロニトリル工場買収
BASF と INEOS Nitriles は3月13日、INEOS Nitriles がBASFの英国Teesside のSeal Sands 工場を買収することで合意した。
独禁当局の承認が条件となる。
Seal Sands 工場ではアクリロニトリル 230千トンを生産しており、この買収によりINEOS の欧州の能力は550千トンとなる。
市場では寡占状態を懸念する見方もあり、欧州委員会の判断が注目される。
INEOS Nitriles は2005年にInnovene(旧 BP)から買収したもので、ドイツのKoln と米国のGreen Lake (Texas)、Lima (Ohio) に合計960千トンの能力を持っている。
1957年にSohio 法が開発されたが、Sohio(Standard Oil of Ohio)はその後、BPとなっている。
2006/8/28 プルドー湾油田の操業停止ーBPとStandard Oil
・Lima 工場は1960年スタートで、現在の能力は190千トン。
・Green Lake 工場は1981年スタートで、現有能力は450千トン、2008年秋には544千トンに増設する。
・ドイツのKoln工場は元はErdole Chemie で2001年に Innovene が他の50%を買収し100%とした。
現有能力は320千トン。
今回の買収完了後(Green Lake 増設後)は、INEOS Nitriles の全世界能力は1,284千トンとなる。
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Seal Sands 工場ではアクリロニトリルのほか、PA 6.6 の原料のヘキサメチレンジアミン(HMD)及びその原料のアジポジニトリル(ADN)を生産している。
このうち、ADNは2008年末に停止するが、HMDは今回の売却の対象外で、BASFがINEOS に製造委託することとなる。
BASFはLudwigshafenでHMDとアジピン酸からPolyamide 6.6 :Ultramid(R) Aを製造しており、「HMD はBASFのPolyamide 6.6 value chain の主要原料である」としている。
BASF は他に、Ludwigshafen、Antwerp、Freeport で Polyamide 6 :Ultramid(R) B を一貫生産している。
HMDの原料のADN については、BASFはコスト競争力を高めるため、2007年6月にINVISTA からの購入契約を締結した。
2009年初めから供給を受けることとなっており、これに合わせて2008年末にSeal Sands のプラントを停止する。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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