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2008年3月 5日 (水)

2007年決算分析 Bayer

Bayerの2007年の決算も増収増益であった。

部門別実績は以下の通り。(単位:百万ユーロ) EBIT :税引前利益+金利)

    Sales EBIT
2006 2007 差異 2006 2007 差異
HealthCare Pharmaceuticals   7,478  10,267  2,789   563   741   178
Consumer Care
  (
Consumer Care)
  (
Diabetes Care)
  (
Animal Health)
  4,246
 
(2,531)
  
(810)
  (905)
  4,540
 
(2,634)
  
(950)
  (956)
  294
 
(103)
 
(140)
  (51)
  750   823    73
小計  11,724  14,807  3,083  1,313  1,564   251
CropScience CropScience   4,644   4,781   137   384   537   153
Environmental Science Bioscience
  (
Environmental Science)
  (
BioScience)
  1,056
  
(714)
  
(342)
  1,045
  
(663)
  
(382)
  -11
  (-51)
  (40)
  200   119   -81
小計   5,700   5,826   126   584   656    72
MaterialScience Materials
  (
PC)
  (Polyurethanes)
  2,925
 
(2,720)
  (205)
  3,041
 
(2,811)
  (230)
  116
 
( 91)
  ( 25)
  289   100   -189
Systems
  (Polyurethanes)
  (Coatings, Adhesives, Sealants)
  (他)
  7,236
 
(5,182)
 
(1,488)
  
(566)
  7,394
 
(5,224)
 
(1,598)
  
(572)
  158
  
(42)
  (110)
   (6)
  703   942   239
小計  10,161  10,435   274   992  1,042    50
調整     1,371   1,317   -54   -127   -108    19
合計    28,956  32,385  3,429  2,762  3,154   392

Bayerは2006年6月にSchering AG の買収を決めた。
    
2006/6/12 2つの買収劇  

    2006年決算にはSchering 分が半年分しか入っていないが、2007年にはフルに入っている。
  売上高  2006年:3,082百万ユーロ、2007年:5,921百万ユーロ (+ 2,839百万ユーロ)

Materials (PC、Polyurethanes) の減益が大きいが、原料、用役価格の上昇と売価ダウンによるとしている。

売上高

       

部門別営業損益 (EBIT earnings before interest and taxes 

Bayer は2004年7月にBayer Chemicalsの大半とBayer Polymersの一部を新会社 Lanxess として分離し、2005年に上場した。

2006/9/6 Bayer と Lanxess   

上記グラフは
2003年は旧組織ベースとLanxessへの分離後の両方を示し、
2004年はLanxessを含んだものと、含まないものの両方を示している。
その後は、Lanxess分は含んでいない。

2003年の赤字は以下の特別損益を含んでいる。

評価損  -1,927 百万ユーロ
合理化、資産償却   -508
部門売却(家庭用品事業など)    469
その他   -619
合計  -2,585

 

 

全社損益推移

                 

2007年の全社損益には下記の事業の売却損益(税引後合計 2,395百万ユーロ)を含んでいる。
(2007年の税引前損益は継続事業のもの)

 1)診断薬事業

2006年6月、Bayer は診断薬事業を Siemens に43億ユーロで売却した。

  2006/7/4  シーメンス バイエル診断薬買収  

売却益は税引き後で2,065百万ユーロ。

 2)H.C. Starck

Bayerは子会社H.C. Starck を入札方式により売却先を選定していたが、投資会社の Advent International Carlyle Group に売却することに決めた。売却金額は12億ユーロ、売却益は税引き後で91百万ユーロ。収入は Schering 買収費用に充てる。

H.C. Starck タングステン、モリブデン等の希少金属の粉末及びコンパウンド、セラミック粉末、エレクトロニクス用スペシャリティケミカル等のメーカーで1986年にBayerグループに入った。

  2006/12/2 Bayer、子会社 H.C. Starck を売却   

 3)Wolff Walsrode

200612月、主にセルロース事業を行っているWolff Walsrode business group をダウに売却することで合意した。
売却益は税引き後で239百万ユーロ。

  2006/12/26 ダウ、Bayerからセルロース事業を買収  

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


 

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