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2008年3月24日 (月)

海外医薬品大手の2007年決算-1

1) Pfizer

Pfizerは2000年にWarner-Lambert を買収。
2003年にはPharmaciaを買収し、Pharmaciaの非医薬品事業を売却した。
   2007/10/11 
高杉良 「挑戦 巨大外資」  

2006年12月にはConsumer health を Johnson & Johnson に売却している。

2007年のPfizerの税引後損益は前年比で大幅減益となった。
これは前年にConsumer health 部門の売却益があったためである。

内訳は以下の通り。

                                                            単位:百万$
  00 01 02 03 04 05 06 07
売上高 26,045 29,024 32,294   44,736  52,516  51,298  48,371  48,613
合併関係費用 3,223 819 630   1,058   1,193    943    
合併関係In-Process R&D         5,052   1,071   1,652    835  
Restructuring costs               1,323   2,534
税引前利益(継続事業)    5,501   9,984   11,766    3,246   14,007   11,534  13,028   9,473
中止事業 税引後損益    184    251    375    2,311     29     16   8,313    -69
税引後損益合計   3,726   7,788   9,126    3,910   11,361   8,085  19,337   8,298
  *合併関係費用
      2000年 Werner-Lambert、 2003-4年 Pharmacia
  *中止事業損益のうち 事業売却益 
     2003年 Adams confectionery products business 1,824 

           Schick-Wilkinson Sword shaving products business  262 
     2006年 Consumer health (売却先 Johnson & Johnson) 7,880 
  *Restructuring costs     2007年 Exubera 撤退 $2.1 billion

2007年の前年比減益は、
前年に Consumer health 売却益 (7,880) ほかで中止事業損益が8,313百万ドルあったことと、
2007年に吸入式インスリン「Exubera」の撤退による損失が21億ドルを含め、リストラ費用が2,534百万ドルと膨らんだことが大きい。

Exubera は 遺伝子組み換え型の粉末ヒトインスリンを吸い込んで肺から吸収する注射針なしの夢のインスリンである。
Pfizer とAventis が共同開発し、共同販売する予定であったが、Sanofi と Aventis の合併で、Pfizer が「社の形態が変わった」として契約違反を理由に訴訟を起こし、最終的に2006年1月に Pfizer が世界中の権利を13億ドルで買取った。

しかし、装置が大きく扱いが大変、保険の扱い、未成年者への適用不可、肺機能検査が必要など、多くの問題があり、医者と患者の支持が得られず、撤退に至った。

ーーー

2) GlaxoSmithKline

2007年の決算は Restructuring 費用 338百万ポンドがあり、前年比で若干の減収減益となった。
同社は2007年10月に Operational Excellence programme を開始した。

損益推移は以下の通り。(単位:百万ポンド)

  2003 2004 2005 2006 2007
売上高  21,070  19,986  21,660  23,225  22,716
営業損益   6,050   5,756   6,874   7,808   7,593
税引後損益   4,308   4,022   4,816   5,498   5,310

2007年には Restructuring 費用 338百万ポンドを含む。

 

ーーー

3) Sanofi Aventis

2004年8月20日にSanofi-Synthelabo が Aventis を合併し、Sanofi Aventis となった。

 

2007年は売上高は前年比若干の減となったが、評価減の減少などもあり、大幅増益となった。

                   単位:百万ユーロ
  2006  2007 増減 
営業損益(特殊分除く)   5,729   6,106   377
特殊処理  Restructuring   -274   -137   137
資産消却  -1,163    -58  1,105
資産処分損益    536    -536
合計   (-901)  (-195)  (706)
営業損益合計   4,828   5,911  1,083

 

損益推移は以下の通り。(単位:百万ユーロ)
但し、2004年は合併後の年間ベース。

  2004 2005 2006 2007
売上高  25,119  27,311  28,373  28,052
営業損益   2,426   2,888   4,828   5,911
純損益   2,241   2,593   4,399   5,682

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4) Novartis

1997年1月にSandoz と Ciba Geigy が統合し、Novartis 誕生。
(Sandoz の化学品事業は1995年に Clariant として独立)

1997年3月、旧 Ciba Geigy の化学品部門がCiba Specialty として独立
2000年に種子事業を Astra Zeneca の農薬部門と統合し、Syngenta となる。

2007年に非医薬品Medical Nutrition 部門(医療用栄養食品)とGerber 部門(ベビーフード)を52億ドル(税引後)でNestleに売却

非医薬品部門の売却益が税引き後で52億ドルあったため、大幅増益となった。

2007年 医療用栄養食品のMedical Nutrition とベビーフードのGerberを52億ドル(税引後)でNestleに売却

 

損益推移は以下の通り。(単位:百万ドル)  

  2002 2003 2004 2005 2006 2007
売上高  20,877  24,864  28,247  32,212  34,393  38,072
営業損益 5,092 5,889 6,289 6,905 7,642 6,781
税引後損益(継続事業) 4,725 5,016 5,601 6,141 6,825 6,540
同上(中止事業関連)         377 5,428
合計損益         7,202 11,968

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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