河北省の滄州大化、韓国SKとTDI事業でJV設立
河北省の滄州大化(Cangzhou Dahua)は2月2日、韓国・SKグループの SK (China) Investment との間でTDIの合弁会社設立の覚書を締結した。
JV名は Cangzhou Dahua-SK で、滄州大化が過半数(60-70%)を持ち、残りをSKが出資する。昨年9月から交渉を行なっていた。
滄州大化は河北省の滄州市に年産 30千トンのTDIプラントを持ち、別途同市の臨港化工区で 50千トンのプラントを建設中だが、2007年4月に、これに隣接して50千トンプラントを増設することを決めていた。
滄州大化は建設中の50千トンのTDIプラント(本年末に完成予定)をJVに出し、JVがこれに隣接して、TDI 100千トン(当初案の50千トンを倍増)と原料のDNT 60千トン、苛性ソー ダ 160千トン、硝酸 100千トンプラントを建設する。
滄州大化は現在、臨港化工区で60千トンのDNTプラントも建設中だが、これをJVに出すかどうかは決まっていない。
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滄州大化は2006年にChemChinaが60%を取得し、同社の子会社となった。
河北省に本拠を置き、上海で上場している。
尿素580千トン、アンモニア300千トンプラントを持ち、TDIでは現在、BASF、Gansu Yinguang TDI (甘肅銀光) に次ぎ、第3位のメーカー。
既存の30千トンのTDIプラントは滄州市内にあり、JVには入れずに滄州大化が従来通り運営することとなる。
この工場は昨年5月に爆発を起し、5人死亡、80人が負傷した。工場は半年間閉鎖され、11月に生産を再開している。
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中国のTDIの需給は以下の通り。(千トン)
生産 | 輸入 | 輸出 | 消費 | |
2004 | 66 | 246 | 7.5 | 304.5 |
2005 | 70 | 238 | 7.5 | 300.5 |
2006 | 140 | 163 | 6 | 297 |
BASFの上海プラントは2006年に稼動し、2007年には通年操業しており、2007年の生産量は増えている。
各社のTDIの能力及び計画は以下の通り。(単位:千トン)
社名 | 現行能力 | 建設中 | 計画 | 完成 | |||||||||||||||
上海BASFポリウレタン(上海市)*1 | 160 | ||||||||||||||||||
甘肅銀光TDI(甘肅省白銀市) | 50 | 50 | 2010年 | ||||||||||||||||
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藍星グループ(山西省太原市) | 30 | ||||||||||||||||||
Yantai Juli (山東省莱陽市) | 15 | ||||||||||||||||||
Bayer Material Science(上海市)*2 | 300 | 2009年 | |||||||||||||||||
遼寧North Jinhuaポリウレタン(遼寧省 葫蘆島市) | 50 | 2008年末 | |||||||||||||||||
合計 | 285 | 400 | 150 |
*1 BASFはHuntsman 及び中国側とのJVで上海にイソシアネート・コンプレックスを建設した。
*2 Bayerは上海ケミカルパークで1系列では世界最大の35万トンのMDI 設備を建設中で、2008年完成の予定だが、合わせて30万トンのTDIプラントを建設している。同プラントは当初16万トンの計画であったが30万トンに拡大された。2009年稼動予定で、Gas Phase Phosgenation法を始めて採用する。
これは既存プロセスと比べ、投資額が20%、エネルギーコストが40%少なくて済み、より安全で、溶剤使用量も少ない。
年産30千トンのパイロットプラントで実績がある。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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