« Basell のSpheripol 法 PP 能力、累計で20百万トンに | トップページ | 欧州最大買収ファンドのペルミラ、農薬大手アリスタ買収 »

2007年10月25日 (木)

協和発酵とキリンファーマの統合

協和発酵工業とキリンファーマ、キリンホールディングスは10月22日、両グループの戦略的提携で合意し、協和発酵とキリンファーマを統合することを決めた。

医薬品業界は、国民医療費の抑制や、新薬の開発をめぐる競争の激化、研究開発費の負担増など、国内外ともに経営環境が激変しているが、協和発酵とキリンファーマは、ともに抗体医薬技術などを中心としたバイオテクノロジーを強みとしていることから、両社の強みを融合することにより、一層の事業強化を図り、医薬を核にした日本発の世界トップクラスの研究開発型ライフサイエンス企業を目指す。

キリングループは、長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015」で、酒類・飲料・医薬を事業の3本柱として飛躍的な成長を目指している。

 

手続きは以下の通り。

①キリンホールディングスは、2007年10月31日から協和発酵株式の公開買付けを行なう。
 買付予定株式数は111,578千株(発行済株式総数の27.95%)

②協和醗酵は第三者割当増資(177,240千株)を行い、キリンホールディングスが保有するキリンファーマ株式と交換する。
 協和発酵はキリンホールディングス 50.1%保有の連結子会社となり、キリンファーマは協和発酵の完全子会社となる。

③2008年10月1日に協和発酵とキリンファーマは合併(存続会社は協和発酵)し、協和発酵キリン株式会社に商号変更する。
 キリンホールディングスは10年間は協和発酵キリンの持株を50.1%にとどめ、協和発酵キリンは上場を維持する。

 

その後のキリングループの体制は当面は以下の通りとなる。
医薬以外についても今後、キリンの事業との統合を検討する。

医薬 

協和発酵の医薬部門は以下の製品を扱っているほか、ゲノム情報を利用した医薬品の開発や抗体医薬、バイオ医薬、再生医療、遺伝子治療など21世紀の医療をにらんだ研究を行なっている。

血圧を調整する循環器薬、花粉症に効果がある抗アレルギー薬、抗がん剤、化学療法により低下した白血球数を回復させる G-CSF 製剤、消化器の働きを活発にする薬、中枢神経系に作用してパーキンソン病やてんかんに効果がある薬など50種類を超える薬。

キリンファーマの事業構造は以下の通り。
抗体医薬品、細胞医薬品を今後の事業の柱と位置づけ、研究開発を進めている。

なお、キリンは本年7月にテルモと業務・資本提携の基本契約を締結している。

(1)業務提携の概要
 ・プレフィルドシリンジ製剤の研究開発・製造における連携の強化
 ・テルモ社の保有するリポソーム技術とキリンファーマの創薬技術を融合した製品の研究開発の検討
 ・慢性腎臓病治療に対する共同事業などの検討
(2)資本提携の概要

  2007年12月末までにキリンファーマがテルモの株式を、テルモがキリンの株式を、それぞれ100億円相当取得

バイオケミカル事業

協和発酵のバイオケミカル事業は、発酵技術と合成技術を生かし、医薬用および工業用アミノ酸や核酸および、それらの誘導体に代表される各種ファインケミカル製品を扱っている。
このほか、ペットや農畜水産用の製品、健康食品、清酒原料用アルコールと工業用アルコールを扱う。
    ↓
バイオケミカル事業は新会社の子会社として2010年4月までの分社化を目指す。
このうち、アルコール事業と健康食品通信販売事業はキリングループの同一事業との統合に向けた検討を開始する。

協和発酵フーズ

天然調味料・醸造調味料・うま味調味料、イースト、フリーズドライによる「たまごスープ」など。
    ↓
今後、キリンフードテックとの事業統合を検討する。

協和発酵ケミカル

「オキソ技術」を使って生産される溶剤・可塑剤原料等の基礎化学品をはじめ、各種石油化学製品
    ↓
今後、他社とのアライアンスを含めて収益の安定化と競争力強化に注力。

ーーー

国内製薬会社の売上高順位 (単位億円 2006年度)
1 武田薬品工業   13,051 医薬主体の『研究開発型国際企業』へ抜本的改革
2 第一三共   9,295 2005年 三共と第一製薬が持ち株会社の第一三共設立
3 アステラス製薬   9,206 2005年 山之内製薬と藤沢薬品工業が合併
4 エ一ザイ   6,741  
5 大塚製薬   5,761  
6 田辺三菱製薬   4,050 2007年 三菱ウェルファーマと田辺製薬が合併
7 中外製薬   3,261 2002年 スイスのロシュが子会社化
8 大日本住友製薬   2,612 2005年 大日本製薬と住友製薬が合併
9 大正製薬   2,420  
10 塩野義製薬   1,997  
  協和発酵キリン   1,987  
11 小野薬品工業   1,417  
12 協和発酵   1,315  
- キリンファーマ    672  
(注)大塚製薬と協和醗酵は医薬品部門
  田辺三菱製薬は三菱ウェルファ一マと田辺製薬の単純合算

各社の動きについては 2006/5/22 医薬各社決算対比と医薬業界の構造改善  

 

|

« Basell のSpheripol 法 PP 能力、累計で20百万トンに | トップページ | 欧州最大買収ファンドのペルミラ、農薬大手アリスタ買収 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Basell のSpheripol 法 PP 能力、累計で20百万トンに | トップページ | 欧州最大買収ファンドのペルミラ、農薬大手アリスタ買収 »