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2007年7月31日 (火)

中国、食品医薬品の安全性の管理に関する特別規定を発表

中国国務院は27日、中国製の食品医薬品が国内国外で批判を受けているなかで、「食品などの産品の安全性の管理に関する特別規定」を発表した。
食品医薬品の製造業者、取扱業者の管理強化を狙うもの。

主なポイントは以下の通り。
生産企業はその生産品に人の健康や生命に損害を与えうる安全上の問題があることを発見した場合、社会に対し情報を公布し、小売業者に販売の中止を通知、消費者に使用の停止を呼びかけ、自主的に製品を回収し、管理監督部門に報告する。
小売業者はすぐに販売を停止しなくてはならない。
小売業者が販売する商品に、人の健康や生命に損害を与えうる安全上の問題があることを発見した場合、すぐに販売を停止し、生産企業もしくは卸売業者に通達し、関係監督部門に報告しなければならない。
生産企業と小売業者が規定された義務を履行しない場合、農業、衛生、品質検査、商工、薬品などの、監督管理部門はそれぞれの職責を持って生産企業に製品を回収、小売業者に販売を停止させ、生産企業には出荷した製品の3倍の額の罰金を課し、深刻な結果を招いた場合には関係部門から発行した営業許可を取り上げる。
検験検疫当局(Inspection and quarantine authorities)と商工・医薬品審査当局は、中国の食品輸出業者の記録(良質、悪質ともに)を作成し、定期的にメディアに開示する。
地方政府が主に、食品の安全の管理の責任を持つ。
偽の品質証明書を出したり、品質監査を逃れた食品輸出業者はその製品の価値の3倍に相当する罰金を課せられる。
   
規則では同時に、輸入食品の管理に関するルールも決めた。
中国への輸入食品は、中国の強制的基準と、輸入業者と海外の輸出業者の間の契約書で決められた基準の両方に合格しなければならない。
中国の輸入業者は輸入食品の国内流通の詳細な記録を作成し、最低2年間は保管しなければならない。
検験検疫当局は外国の輸出業者のブラックリストを作成し、不合格品を輸入した輸入業者を厳罰に処す。

温家宝首相は27日、国内企業に対して製品の品質を改良し、"Made in China" の評判を高めるワールドクラスのブランドを確立するよう要請した。首相は国務院常務会議で、製品の品質は国民の利益、企業の存続と発展、国家のイメージに直接関係するものであると述べ、品質のよい製品の企業のみが競争に生き残り、国際市場でのシェアを伸ばすことができると付け加えている。

食品の安全に関しては、首相は、これはグローバルな問題で、中国は国際的な対話と協力を強め、問題を解決するとし、中国はこの問題を避けないが、バイアスのかかったメディアの報道、保護主義や差別には反対するとした。

中国商務省の王新培報道官は25日の記者会見で、食品など中国製品の安全性をめぐる一連の問題について「各国と異なる安全基準が原因の一つ」と述べ、「基準を改めて定めることで信頼を取り戻すことができる」との見解を示した。

中国の国家品質監督検査検疫総局が、既にEUと安全基準などについて協議中で、31日からは北京で米食品医薬品局(FDA)と意見交換する。

ーーー

各国が規制・検査対象とする主な中国製品 (2007/7/25 毎日新聞)

国名 品目 違反内容 対応
米国 ウナギ、エビなど水産物 5品目 抗菌剤 輸入規制
練リ歯磨き粉11品目 ジエチレングリコール 輸入規制
ペットフード100品目以上 有機化含物メラミン リコール
パナマ せき止めシロップなど医薬品4品目 ジエチレングリコール 輸入規制
練リ歯磨き粉2品目 ジエチレングリコール 輸入規制
ニカラグア 練り歯磨き粉3品目 ジエチレングリコール 輸入規制
ドミニカ 練リ歯磨き粉3品目 ジエチレングリコール 輸入規制
スペイン 練リ歯磨き粉 ジエチレングリコール 輸入規制
韓国 中国酒10品目 使用禁止の甘味料 回収・廃棄
キムチ 使用禁止の甘味料 返送
日本 ウナギなど57品目 マラカイトグリーンなど 検査命令

 参考 2007/5/19 中国製医薬品とペットフードから毒性物質 


* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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2007年7月30日 (月)

速報 2007/2Q 国産ナフサ価格

2007/6の輸入ナフサ価格は 58,892円/klとなった。
この結果、2Q の平均輸入価格は 55,776円/kl となり、国産ナフサ価格は57,800円/klと、1Qを9,000円上回った。

               

                               

      国産ナフサ
価格(円/kl)
    輸入価格(円/kl)  
2005 1Q     33,200 平均  31,235                  
  2Q     36,900   06/1  42,905   平均  34,900         05/11  46,139
  3Q     39,100   06/2  44,459   06/4  45,774   平均  37,081   05/12  44,594
  4Q     47,300   06/3  45,194   06/5  46,197   06/7  51,082   平均  45,289
2006 1Q     46,100 平均  44,100   06/6  48,106   06/8  52,397   06/10  49,143
  2Q     48,800   07/1  46,622   平均  46,800   06/9  52,950   06/11  45,071
  3Q     54,100   07/2  46,080   07/4  52,132   平均  52,100   06/12  44,129
  4Q     48,100   07/3  47,724   07/5  55,793         平均  46,117  
2007 1Q     48,800 平均  46,809   07/6  58,892              
  2Q     57,800 ---- ------- - 平均  55,776              

輸入価格平均+2,000円/kl

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Siemens、診断薬事業のDade Behring を買収、自動車部品のSiemens VDO Automotive を売却 

Siemens 7月25日、診断薬大手の米国のDade Behring, Inc 70億ドル(約50億ユーロ)で買収し、統合することで合意したと発表した。
同社は同時に、自動車のエレクトロニクス、メカトロニクスのメーカーの子会社、
Siemens VDO Automotive AG をドイツのContinental AG 114億ユーロで売却する契約を締結した。

Siemensは電気および電子テクノロジーにおける世界的なリーダーで、160年前の創設以来、オートメーション&コントロール、電力、交通、医療、情報通信、および照明などの分野に焦点を合わせた事業を展開している。

同社は最近、基本方針 Fit for 2010 program を発表した。従来のFit for Moreprogram 発展させたもので、内容は以下の通り。

Performance                          
 ・Optimize capital efficiency with ROCE of 〉14-16% (資本利益率14-16%以上)
 ・Attain cash conversion rate of "1
minus growth rate"
 ・Sustain 2 x GDP growth
 ・Achieve new margin range

Portfolio 
People Excellence

Operational Excellence
Corporate Responsibility

PortfolioではEnergy & Enviconmental Care2006年売上高210億ユーロ)、Automation & Control, Industrial & Public Infrastructures (同410億ユーロ)とHealthcare(同80億ユーロ)に集中するとしている。
これに基づき Siemens VDO は当初は上場分離の予定であったが、売却を決めた。

 

Healthcare 分野では同社は画像診断、試験診断、ITを統合したヘルスケア産業での最初の統合診断会社になることを目指している。

2000年に医療分野のIT 大手 Shared Medical Systems Corporation を買収。
2005
年にはポジトロン放出断層撮影法(PET)大手のCTI Molecular Imaging, Inc.を買収。
2006年
4月には米国の免疫診断大手、Diagnostic Products Corporation (DPC) の買収を発表。(15億ユーロ)
2006年6月29日、同社はBayerの診断薬事業を約42億ユーロで買収すると発表。

  2006/7/4  シーメンス バイエル診断薬買収 

2007年1月1日、既存の Siemens Medical Solutions と買収したDPCおよびBayer Diagnostics を統合し、米国に新会社Siemens Medical Solutions Diagnostics を設立した。

今回買収するDade Behring は1997年にDade International Hoechst の子会社 Behring Diagnostics が合併したもので、それぞれが承継している DuPontSyvaMicroScanAmerican Hospital Supply Corporation の診断薬事業を包含している。

  1994年 投資グループがBaxter の診断薬事業を買収し、Dade International を設立
         
Baxterは1985年に American Hospital Supply を買収、
         
American Hospital Supply は1980年にMicroScan Inc を買収している。
  
1996年 Dade International  DuPont の診断薬事業を買収

  1995年 Hoechst AG Behring Diagnostics を設立、Syva Companyを買収

  1997年 Dade International Behring Diagnostics が合併し、Dade Behring となる。

35カ国で活動し、従業員6400人、2006年の売上高は17億ドル。

 

Dade Behring 買収後の同社Healthcare 分野の姿は下記の通り。

  Building the first integrated diagnostics company worldwide
                                (社名は買収した会社)

Presentation (2007/7/25)   Accelerating growth and creating value
http://www.siemens.com/Daten/siecom/HQ/CC/Internet/Investor_Relations
/WORKAREA/ir_ed/templatedata/English/file/binary/Q3_Analyst_Call_CEO_1457267.pdf

Dade Behring の吸収合併により、In-vitro 診断薬分野でNo.1の地位を獲得する。

2006年In-vitro 診断薬売上高
           (単位:億ユーロ)
  Siemens+Dade Behring   33
  Roche   32
  Abbot   23
  Siemens   19
  Beckman Coulter   15
  Dade Behring   14
  OCD (J&J)   11
  BioMerieux   09
  Olympus   03



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2007年7月28日 (土)

中国でポリアセタール(POM) 計画相次ぐ

中国化工集団公司(ChemChina)の子会社 Blue Star (藍星グループ)は上海の浦東区Xinhuo 星火)開発地区段階に分けて合計20万トンのPOMプラントを建設する。子会社の上海藍星新材料(上海藍星)が運営する。

第一段階として上海藍星では既に12万トンの原料フォルムアルデヒドと 4万トンのPOM設備を建設中で、本年末までにスタートする予定。
本年5月には第二段階の6万トン計画を打ち上げ、政府の認可待ちとなっている。
将来の需要動向をみて第三段階の10万トンプラントを建設する計画で、同じサイトで合計能力を20万トンとする。

 

本年4月12日には、雲南省の云天化集団(Yuntianhua Group重慶市の重慶化学工業団地で最終6万トンのPOMプラントの鍬入れ式を行った。2万トンずつの3系列で、第一系列は2008年7月、第二、第三系列は2010年に完成する予定。

雲南省に本拠を置く同社は化学肥料(アンモニア58万トン、尿素76万トン、硫安13万トン、燐酸肥料200万トン)をメインの事業とし、ほかに有機化学品、ファイバーグラス、PVC(3万トン)、苛性ソーダ(3万トン)などを生産する。

同社は中国で最初のPOMメーカーで、2005年に雲南省昭通市Zhaotong)に12千トン能力でスタート、2006年に20千トン設備を追加し、既存能力は32千トンとなっている。

 

中国では日系の2社の工場が完成し、生産を行っている。

宝泰菱工程塑料(南通)有限公司〔PTM Engineering Plastics(Nantong)〕は2001年12月24日に設立された。
出資はポリプラスチックスが70.1%、ほかに三菱ガス化学、韓国Engineering Plastics、Ticonaが合計29.9%。
江蘇省南通市に60千トンの工場を2004年末に完成、2005年10月から商業運転を行っている。

ポリプラスチックスはダイセル55%、セラニーズのエンプラ事業子会社 Ticona が45%出資
 (ダイセルは発表していないが、同社がポリプラスチックを100%子会社化する意向との報道がある。)
韓国エンジニアリングプラスチックスはセラニーズ/三菱ガス化学/三菱商事のJV 
三菱ガス化学の実質出資比率は23%となる。

杜邦-旭化成ポリアセタール(張家港)有限公司〔Asahi-DuPont POM (Zhangjiagang)〕は2002年8月8日の設立で、旭化成ケミカルズDuPont の50/50JV

江蘇省張家港市に第1期 20千トンを稼動させており、将来は 60千トンまで拡大する予定。
国内はJVが販売し、海外は両親会社が販売する。

ーーー

以上をまとめると、次の通りとなる。(単位:千トン)

  現状  将来
云天化集団 雲南省昭通市  32  32
重慶市    60(20x3)
宝泰菱工程塑料(南通) 江蘇省南通市  60  60
杜邦-旭化成ポリアセタール(張家港) 江蘇省張家港市  20  60
上海藍星新材料 上海市浦東区    40+60+100


中国の最近のPOMの需給は下記の通り(単位:千トン)で、
今後はネット輸入量は減少する見込み。

  Production Import Export Consumption
2005 29 172 21.3 179.7
2006 85 (estimate) 172 32.5 224.5


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2007年7月27日 (金)

Dow、ブラジルでサトウキビからLDPE製造

Dowは7月19日、ブラジルのバイオエタノール大手のCrystalsev と共同で、ブラジルでサトウキビからワールドクラスのLDPE工場の建設計画を明らかにした。

両社が合意したMOUによれば、両社はブラジルで合弁会社を設立して、350千トン能力のLDPE工場を建設、2011年に生産を開始する。DowのPE技術(DOWLEXT法)とCrystalsev のエタノールのノウハウと経験を統合し、Dowのブラジルの需要家に供給、輸出も考える。

Crystalsev はサンパウロ州の砂糖とアルコール製造の9社の販売を担当する会社で、アルコールの輸出ではブラジル最大。

本計画では原料エチレン製造のためにサトウキビからつくるエタノールを使用するため、従来のナフサやNGLからのLDPEと比較し、排出するCO2ははるかに少ない。DowのAndrew Liveris会長兼CEOは、これは同社の2015年のSustainability Goals commitments に沿って成長を図る素晴らしいチャンスであるとしている。

Crystalsevも、環境維持計画のなかでエタノールの付加価値を高め事業を多角化する好機としている。

両社は既に、設計、立地、インフラ、ロジスティック、経済性などのFSを始めている。完了までに1年を要する見通しだが、その間にクリーン開発メカニズム(CDM)として承認を受ける可能性についても検討する。
工場立地の候補となっている土地は牧草地で、Rain forest 破壊の恐れはなく、立地選択においても環境維持に注意を払っているとしている。

京都議定書では、国内での温室効果ガス(GHG)の排出削減活動を補うために、3つの経済的メカニズム(京都メカニズム)が定められている。

  • CDM(クリーン開発メカニズム
    先進国が途上国でGHG削減プロジェクトに投資し、削減分を目標達成に利用できる制度
  • JI(共同実施):
    先進国が他の先進国のGHG削減プロジェクトに投資し、削減分を目標達成に利用できる制度
  • 排出権取引:
    先進国どうしが削減目標達成のため排出権を売買する制

ーーー

なお、ブラジルのBraskemは6月21日、サトウキビから作ったエタノールを原料にHDPEを製造するのに成功したと発表した。
同社では2009年後半に商業生産を開始する計画で、能力は20万トン程度を考えている。

 

参考 2007/5/8 植物ベースのバイオ製品の開発  

    2007/6/13 DuPont、Bio-PDOの商業生産開始  


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2007年7月26日 (木)

韓国湖南石油化学、カタールで石化事業に参加

韓国の湖南(ホナム)石油化学は7月19日、国営カタール石油の子会社Qatar Intermediate Industries Holdings (QIIH)との石化事業で合意したと発表した。

両社は来年早々に ホナムが30%(390百万ドル)、QIIH が70%出資のJVを設立する。
JVは2011年下半期をめどに、
Mesaieed に PP 700千トン、SM 600千トン、PS 220千トンのコンプレックスを立ち上げる予定。
原料のエタンとナフサはカタール石油が供給する。
投資総額は26億ドル。

SABIC のVCM/PVC会社Ibn Hayyan へのLucky の10%出資(当初)など部分的なものを除き、韓国のメーカーによる中東への本格的な参加はこれが始めてとなる。

ーーー

湖南石油化学は韓国政府と日本の第一化学(三井石化、三井東圧、三井物産、日石化学)のJVとしてスタートした。
その後、民営化でロッテグループが主株主となり、日本側は2002年末に撤退した。

麗川にコンプレックスを持つとともに、現代石油化学の第二系列を買収し、子会社 Lotte Daesan Petrochemical としている。

詳細は 2006/4/11 韓国の石油化学-2 参照。

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2007年7月25日 (水)

アルジェリアの石油化学計画

アルジェリアでは石油と天然ガスの生産が増大しているが、石油化学を推進して製品の輸出を行い、付加価値を高めようとしており、政府は120億ドルを投じて6つの石油化学計画を実施しようとしている。

政府はこのたび、最初の2つの計画を承認した。

第一はエタンクラッカー計画で、フランスのTotal を選んだ。

Total51%、国営石油会社 Sonatrach 49%を出資し、投資額30億ドルで西部のOran市近郊のArzewエチレン 110万トン、MEG 41万トン、HDPE 35万トン、LLDPE 45万トンプラントを建設する。原料天然ガスは南アルジェリアのガス田から輸送、製品は一部国内で販売するが、主に輸出する。

Total 1946年からアルジェリアに進出しており、2006年には原油換算で日量8万バレルの生産を行っている。

Total は本事業でサウジのSABICと競ったが、SABICが利益の55.12%Sonatrach に与えるという提案をしたのに対して、Total70%を与えるとして競り勝ったと伝えられる。

SABICでは「それでもアルジェリアへの投資を希望している。次ぎの機会に期待している」としている。

第二のプロジェクトはメタノール計画で、同じくArzewに年産100万トンプラントを建設する。主に輸出される。
国際コンソーシアムの
Almet 51%Sonatrach 49% 出資する。

Almet consortium のメンバーは、Kuwait Qurain Dowと国営石化会社PICとの石化JVEquate に出資する民間会社)、ドイツのLurgiTrinidadPPSL、日本の三井物産、アルジェリアのSotraco である。

Almet Sonatrach に利益の 76.09%を与えると伝えられている。

 


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2007年7月24日 (火)

イラン、石油・石化会社を民営化

イラン政府はイラン憲法第44条の規定に基づき、石油および石油化学関連の国営企業の民営化を決めたが、イラン石油省は7月14日、民営化対象の21社の社名を発表した。

詳細は明らかでないが、民営化は下記により行われる模様。

 40% 'justice shares'(正義株)として恵まれない階層にのみ公開
 
20% 国営石油化学会社(NPC)に割当(将来、 private sector に)
 
35% テヘラン株式市場で公開
 
5% 石油化学会社の従業員に割当

21社の内訳は以下の通り。

 National Iranian Oil Company (NIOC) 傘下企業 5
    Petropars Company
Petroiran Development Company (PEDCO)
North Drilling Company (NDC)
Iranian Offshore Engineering and Construction (IOEC)
Transportation and Logistics Company
   
         
 National Iranian Oil Refining and Distribution Company (NIORDC)傘下 2
  Isfahan Refinery
Tabriz Refinery
 
     
         
 National Petrochemical Company (NPC) 傘下9社(1社不明) 
  (社名) (立地)   (製品)
  Tabriz Petrochemical Tabriz   エチレン、PEBTXSM ほか
  Shiraz Petrochemical Shiraz   Ammonia/Urea、Methanol 他
  Razi Petrochemical Company   
 (革命前の名前は シャブール・ケミカル)
Bandar Imam   アンモニア、尿素ほか
  Fajr Petrochemical Co Bandar Imam   utility
  Damavand Petrochemical Co. 
 (英国Bali Gr
oup 60%NPC 40%
Bandar Imam   PE
  Khorasan Petrochemical Khorasan   Ammonia/Urea、Melamine
  Bushehr Petrochemical Pars   Ehtan, ethylene, methanol
  Transportation of Petrochemical Industries Company    
         
 National Iranian Gas Company (NIGC) 傘下5
  Hamedan Gas Company
Semnan
Chaharmahal & Bakhtiari
Zanjan
Bid-Boland Gas Refinery
     
   


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2007年7月23日 (月)

Akzo-ICI 問題のその後

2007/6/19 ICI、Akzo Nobel による買収提案を拒否 で、Akzo Nobel が ICI に内々に買収の提案をして拒否されたことを伝えた。

報道によると、Akzo は64日に72億英ポンド(約1兆7500億円)での買収提案をしたが、ICI は安すぎるとして断ったとされる。
Akzo Nobel は 「ICI も含め、戦略的機会を今後引き続き検討する」とした。

その後、Akzo Nobel は主要株主と協議しているが、まだ決定に至っていない。
周辺では81億ポンドで ICI は売るのではないかとか、84億ポンドは必要だとの声が出ている。
ICI 側ではパックマン方式で逆にAkzoを買収する考えも出ているといわれている。

両社ともに主要事業に
塗料事業を持っている。Akzoの塗料事業 Crown は英国でのシェアは約14%、これに対して ICI のDulux は40%のシェアを持つ。もしAkzoが買収した場合には、独禁法の問題で自社のCrownを売却する必要があるとの見方もある。

 

事態が長引くのを恐れたICI は、この問題を英国公開買付パネル(The Panel on Takeovers and Mergers)に持ち込んだ。

パネルは1968年につくられた民間の専門家によるTOBの自主規制機関で、TOBと合併に関して、ルールブック(City Code on Takeovers and Mergers )を作成・管理し、TOBで全ての株主が公平に扱われるよう監視する。委員長は歴代、大手投資銀行のM&Aバンカーが持ち回りで務めている。
英国会社法(Companies Act 2006)のPart 28、Chapter 1 が準拠法となっており、TOBに関するEC指令(EC Directive on Takeover Bids
2004/25/ECに基づき判断する。

パネルは7月6日、Akzo Nobel に対して、8月9日午後5時までに態度を明らかにするよう命令した。
英国紙は“put up or shut up”ultimatum
(提案するか黙るかの最後通牒)と呼んでいる。 
もし、AkzoがそれまでにTOBのオファーを行わない場合には、同社は6ヶ月間はTOBを行うことは出来ないこととなる。

相変わらず、DowやインドのReliace や多くの投資会社がICI 買収に乗り出すとの噂も続いている。


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2007年7月21日 (土)

公取委 企業結合審査の事後的検証調査報告書

公取委は6月22日、企業結合審査の事後的検証調査報告書を発表した。

  報告書:http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.june/070622.pdf

次ぎの2部に分けて、企業結合審査を事後的に検証した。

1 輸入圧力の事後的検証(報告書第一部)

2 問題解消措置の事後的検証(報告書第二部)

ーーー

1 輸入圧力の事後的検証(報告書第一部)

平成6年度から平成15 年度までの10 年間の公表事例のうち輸入圧力が働き得ると認定している20事例26品目について、輸入比率の動きを品目横断的に分析している。調査対象のうち、化学品関係は以下の通り。

このうち、潜在的輸入圧力を積極的に評価した事例として三井石油化学と三井東圧化学の合併でのフェノールを対象に、詳細に分析している。

調査対象事例における輸入比率の動き

年度 事例名 商品 統合前
3年間
平均
統合後
3年間
平均
類型
7   昭和電工㈱及び日本石油化学㈱による
ポリオレフィン樹脂事業の統合
高密度ポリエチレン樹脂 3.06% 1.98% ↓①
7 バイエル㈱及び三菱化成ヘキスト㈱の
繊維用染料事業の統合
塩基性染料 36.90% 47.25% ↑⑦
9 三井石油化学㈱と三井東圧化学㈱の合併 アセトン 4.26% 2.71% ↓①
フェノール 0.65% 0.54% ↓①
アニリン 3.50% 4.05% ↑②
ビスフェノールA 13.80% 18.03% ↑⑦
10 旭化成工業㈱及び三菱化学㈱の
ポリスチレン樹脂事業の統合
ポリスチレン樹脂 2.91% 2.84% ↓①
11 協和発酵工業㈱及び三菱化学㈱による
可塑剤事業の統合
フタル酸系可塑剤 2.83% 4.75% ↑②
12 三井化学㈱及び武田薬品工業㈱の
共同出資会社の設立によるウレタン等事業の統合
TDI(ウレタン原料) 0.0009% 0.00% ↓①
13 ポリプロピレン事業の統合
(日本ポリケム㈱・チッソ㈱;
 三井化学㈱・住友化学工業㈱)
ポリプロピレン 7.72% 4.99% ↓④
14 エー・アンド・エム スチレン㈱及び出光石油化学㈱による
ポリスチレン事業の統合
ポリスチレン 2.78% 2.27% ↓①
14 三井化学㈱及び住友化学工業㈱の統合 アニリン大口 6.94% 5.63% ↓④
EPDM 2.77% 6.87% ↑③
15 昭和電工㈱及び協和発酵工業㈱による
酢酸エチルの共同生産会社の設立
酢酸エチル 10.66% 12.32% ↑⑦
15 大塚化学㈱と三菱瓦斯化学㈱による
水加ヒドラジン事業の統合
水加ヒドラジン 16.78% 22.27% ↑⑦
公取委の分類
輸入比率が低いレベルに     
とどまっているもの
結合前の輸入比率が5%以下で、
結合後に
2.5ポイント以下の低下をしたもの
2.5ポイント以下の上昇をしたもの
輸入が一定程度行われている品目
(一定程度の輸入圧力)
結合前の輸入比率が5%以下で、結合後に 2.5ポイント超の上昇をしたもの  
結合前の輸入比率が5%~10%で、結合後に 5ポイント以下の低下をしたもの  
5ポイント以下の上昇をしたもの  
輸入が顕在化している品目
(一定程度の輸入圧力)
結合前の輸入比率が5%~10%で、結合後に 5ポイント超の上昇をしたもの   
結合前の輸入比率が10%超で、結合後に 輸入比率が上昇したもの

まとめ

20
事例26品目のうち、企業結合後に輸入が顕在化している品目が7品目(⑥⑦:化学品は4品目)、輸入が一定程度行われている品目が8品目(③④⑤:化学品3品目)あり、これらについては一定程度の輸入圧力が働いているものと考えられる。

一方、企業結合後の輸入比率が低いレベルにとどまっている品目が11 品目(①②:化学品8品目)あるが、これらについては、輸入比率が低いレベルにとどまっている
要因を個別に検証した上で輸入圧力の有無を判断する必要があると考えられる。

そこで、第2において、三井石化と三井東圧の合併におけるフェノール(①)を例にとり、詳細に分析を行った。

フェノールについては、企業結合審査時点で輸入比率が低く、企業結合後も最近のメーカーによる自家消費(ビスフェノールA)向けの輸入を除いては輸入比率が低いレベルにとどまっていたものの
 ・国内外で商品のブランドやグレードの違いや品質の差はほとんどみられないこと
 ・使い慣れ等から生じるスイッチングコストが低いこと
 ・自らの海外展開等を通じて海外市況を注視している比較的規模の大きいユーザーが多いこと
 ・ユーザーが輸入の必要性を感じるほど内外価格差が広がらなかったこと

等の条件が満たされていることから、潜在的な海外からの競争圧力が存在していると判断された。

長期にわたって極端な内外価格差が生じないこと自体が、国内価格が輸入価格の影響を受けていることを示唆しているとも考えられる。

フェノールについては、合併を契機として、当事会社の価格支配力が高まったことを示す情報はなく、合併の結果、競争を実質的に制限することとはならなかったものと考えられる。

その他の製品のうち、石油製品等一部の商品については、制度的な要因により、企業結合審査時点で想定していたほど輸入圧力が働いていないと考えられる品目もある。

このように、企業結合審査時点で輸入圧力を積極的に評価した事例については、実際に輸入圧力が働いていると認められるものとそうでないものとが混在していると考えられることから、今後の企業結合審査に当たっては、特に輸入比率が低い場合の輸入圧力の評価について、データ分析や綿密なヒアリング等による慎重な検討が重要であると考えられる。

また、今後、実際に輸入圧力が働いているかどうかを事後的に検証していくことも必要と考えられる。

ーーー

2 問題解消措置の事後的検証(報告書第二部)

平成8年度から平成17 年度までの10 年間の公表事例のうち、問題解消措置が採られた事例について、その内容を整理した。

問題点が指摘されたもの又は当事会社がその企業結合計画において、あらかじめ何らかの措置を申し出たものは約4割弱あるが、同時に全体の約4分の1は問題解消措置の実施を前提として問題なしとされている。

水平型の問題が生じる場合には、事業譲渡等の措置が採られることが比較的多いのに対し、
垂直・混合型の問題が生じる場合には、当事会社グループの行動に関する措置が採られることが比較的多い。

富士電機による三洋電機の自販機事業の統合を例にとり、詳細に分析を行った。

今後の留意点

企業結合の結果生じる問題点を解消するために十分なものか否かや技術開放の条件(対価や期間等)についての詳細な検討が必要
   
市場環境の変化等に応じてその条件を見直せるようにすることも重要
   
(ライセンス契約)
問題解消措置の通知の確保や技術供与を申し込む可能性のある潜在的な候補者に関する事前の調査も重要
   

今後は、構造的な問題解消措置を含め、他の問題解消措置が採られた事例についても検証し、その有効性や実施・運用に当たっての留意点を調査することも、重要であると考えられる。



* バックナンバー、総合目次は 
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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2007年7月20日 (金)

建設費アップでダウのオマーン計画延期

Oman Petrochemical Industries Corp. OPIC)は建設費の高騰のため、ダウとのJVの石化計画を無期延期すると発表した。
実際には棚上げで、復活の可能性はないとされる。

JVはDow が50%、Oman 政府が25%、OPIC が25%出資、計画ではFahudでガスを掘削、 400kmのパイプラインでSoharまでガスを輸送し、Soharでエチレンとワールドクラスのポリエチレン3系列を建設するもので、2008-2009年のスタートを予定していた。

 2006/6/3 湾岸諸国の石油化学ー4 オマーン  

建設延期の理由は、当初の建設予算26億ドルが45億ドルにまで上昇したため。

このほかに、ガスが十分あるかどうかの懸念もあるとされる。

この計画は当初、オマーン石油とBPとのJV(BP 49%/OOC 11%/ 民間 40%)として計画されたが、1999年に原料が十分でないという理由でBPが撤退し、中止となっている。

ーーー

中東では石化プラント等の建設ラッシュで建設費が高騰し、中止となったり見直しとなったプロジェクトが多い。

 2007/4/19 中東の石化計画、建設費アップが重大問題に 

そのなかでも実現可能性を疑問視していたSaudi Aramco と Dow のラスタヌラ総合計画は詳細覚書が締結された。

建設費については 'mammoth' というだけで発表されていないが、業界筋では当初100億ドルと想定された建設費が、220億ドルに達すると見ている。

 2007/5/15  アラムコとダウ、世界最大級の石油化学コンプレックス建設  


* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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2007年7月19日 (木)

中国国家環境保護局、公害防止のため小規模化学工場を閉鎖

中国国家環境保護局(SEPA712日、安徽省での会議で、 湖沼での公害の防止のため、小規模工場(特に小規模の化学、繊維、染色工場)の閉鎖や、新規計画の承認の停止を含む措置をとる計画を発表した。

中国の湖沼、特に、アオコ(藍藻)の発生で大きな被害を被った江蘇省の太湖安徽省の中国最大の淡水湖の巣湖、雲南省のDianchi さんずい偏に真の深刻な公害の除去を狙ったもの。アオコは水中の豊富な栄養素、特にチッソと燐により急速に成長する。
5月末には中国第三の淡水湖の太湖がアオコで汚染され、無錫市の200万人の市民が数日間水道水を使用できない事態になった。

  2007/6/16 太湖の水質汚染問題 

SEPA局長は地方の役人が環境破壊に目をつぶる悪しき慣行を厳しく批判し、湖沼汚染の悪化に対応する新しい規則を明らかにした。

新しい規則には以下が含まれている。

・チッソと燐のレベル低下のため、排水処理工場に設備の改善を義務付け
 太湖周辺の地域に排水処理施設建設のパイロット計画
・鉄鋼、合金、コークス、カーバイド、銅精錬、自動車などの産業の排出基準の引き上げ
・重金属、チッソ、燐や有機汚染物質を排出する可能性のある新規計画の承認の禁止
・製紙、醸造、化学品製造、繊維、染色などの小規模工場の閉鎖(2010年までに)
・湖沼への汚染物質排出の厳格な調査、基準未達成工場の閉鎖
・1年間の猶予の後、2008年には 3湖沼周辺の全ての企業は環境当局のライセンスを必要とする
・アンモニアと燐を含む排出物のある全ての計画の禁止
・湖沼に流入する地域での燐を含む洗剤の製造、使用、販売の禁止
・3つの湖沼での養魚ネットを2008年末までに除去(餌による汚染防止)
・湖沼沿岸 1km以内での肥料を使用する養魚池、野菜畑、花卉園の禁止

SEPA の調査では11の省の126の工業団地のうち 87.3 %が環境規則に違反して環境を破壊する企業を導入している。
また、
75の排水処理設備の半分が適切に機能しないか、もしくは全く機能していない。SEPAの調査した529社のうち、44.2%が環境規則に違反していた。

地方の役人は企業のGDPへの貢献のみをみて、企業の環境問題を監視する責任を果たしていないともしている。「利益のために環境を犠牲にするという地方の悪しき慣行を打破する必要がある」と述べた。

この問題は国務院も取り上げ、温家宝総理は「汚染原因を徹底的に調査・分析し、これまでの事業を基礎として、総合的な管理を強化し、具体的な改善策と措置を研究し、立案しなければならない」との重要な指示を出した。
温家宝首相は6月末にも、飲み水問題を国家プロジェクトとして優先的に対処すると述べている。

ーーー

地方政府も対策に乗り出した。

雲南省では省都の昆明市の近くにあるDianchi 湖の汚染防止のため、11億ドルを投入する計画を発表した。中央政府に承認を求めている。

湖の埋め立て計画の中止、植林、下水処理工場の建設などに使用する。また、水草を植えたり魚を放して水中のチッソや燐を除去する。

更に、汚染物質排出や下水処理に関して、国の基準よりも厳しい環境基準を設定する。
湖に流入する水のうち、クリーンな水は たった
8%に過ぎない状況で、昆明市の飲み水が危機に瀕している。

江蘇省政府も太湖周辺の小規模の化学プラント2,150を2008末までに停止させる計画である。また、進んだプロセスや技術を持たない新しい化学計画については制限を課すことを計画している。

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2007年7月18日 (水)

Basell が Lyondell を買収

Basell と Lyondell Chemical は17日、Basell が Lyondell の全株式を127億ドル(借入金込み 190億ドル)で買収することで合意したと発表した。

本年5月にBasell の親会社のAccess Industries の会長 Leonard (Len) Blavatnik が「戦略的投資」として Lyondell の株式 8.3%を購入したと発表している。

  2007/5/16 Access Industries の会長、Lyondell Chemical の株式を購入 

その後、BasellはHuntsman の買収(総額56億ド、負債込みで96億ドル)の契約を行ったが、投資会社Apollo Management の100%子会社Hexion Specialty Chemicalsに負債込み106億ドルでさらわれた。

  2007/7/14 Hexion、Huntsmanを106億ドルで買収

BasellはHuntsmanをあきらめて(Huntsman から違約金として2億ドルを受け取った)、Lyondell を買収したもの。

買収価格はBlavatnikがLyondell株を購入した時(5月10日)の株価の45%増し、7月16日の株価の20%増しとなっている。

Lyondell は旧Lyondell (PO、SM、MTBE、PG、TDIなど)とMillenium(酸化チタン、酢酸、VAM)、および両社のJVのEquistar (エチレン、プロピレン、EOG、PE)が合併したもので、その後、酸化チタン事業はサウジのNational Titanium Dioxide Company に売却している。

またLyondell 1993年にベネズエラの国営石油会社PDVSAの米国子会社Citgo との合弁Lyondell-Citgoを設立し(Lyondell 58.75%)、Houstonに26.8万b/d の製油所を運営しているが、両社の関係が悪化し、昨年8月にCitgoの持株41.25%全てを買取っている。
(PDVSAとの間で、23万B/D、5年間の原油供給契約を締結している)

今回の買収で、Basellは石油精製、エチレンとその誘導品、プロピレンとその誘導品を取得し、自社のポリオレフィン事業を補完、強化することとなる。

ーーー

Lyondell について

 2007/2/26 Lyondell とシノペック鎮海煉油化工、寧波で PO/SM 生産 

 2007/3/5 Lyondell、酸化チタン事業をサウジ社に売却  

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2007年7月17日 (火)

Rio Tinto、Alcanを買収 アルミ生産で世界最大に

英豪資源大手 Rio Tintoは12日、カナダのアルミ大手、Alcanを買収することで合意したと発表した。買収額は381億ドル。
買収に成功すれば両社のアルミ部門を統合し「Rio Tinto Alcan」を設立する。両社のアルミ地金生産量は合計で430万トン強に達し、統合後は世界首位に躍り出る。

アルミ市場ではロシアの二大アルミ会社とスイスの商社のアルミ部門が統合し、Alcoaを上回る世界最大のアルミ生産会社United Company RUSAL(ロシースキー・アルミニウム)が誕生したばかり。

  2006/9/5 ロシアのアルミ最大手RUSAL、同国2位のSUALを買収 
    (Alcoa の能力も記載)

Alcanに対しては本年5月7日に、北米アルミニウム最大手の米AlcoaThe Aluminum Company of Americaが買収総額269億ドル(債務引受を除く)の敵対的TOBをかけた。
AlcoaとAlcanは2年間にわたり合併交渉を続けてきたが、Alcanが拒否したため、AlcoaがTOBに切り替えた。

これに対してAlcanは523日にこれを拒否すると発表した。買収価格が低すぎるとともに、提案内容に魅力がないとし、TOBに応じないよう株主に呼びかけた。

今回のRio Tinto AlcanWhite Night (白馬の騎士)として選んだもの。

Alcoa は同日、TOBを撤回すると発表した。
「今回の
Rio Tinto のオファーはアルミ業界の未来が明るいという当社の見方を裏付けるものだが、この価格は高過ぎ、当社としては、株主価値を高めるのに、他にもっとよいオプションがある」としている。

これを機に世界の資源大手の再編が加速する可能性があり、BHP Billiton がAlcoaを買収するとの噂もある。
Rio Tinto自身、Alcanを買わなければ、BHPの標的になったとの見方も出ていた。

ーーー

Rio Tinto は英国と豪州の鉱業・資源グループで、銅、鉄鉱石、金、亜鉛、ダイヤモンドなどを取り扱っている。
1995年に英国の
Rio Tinto-Zinc Corp (現 Rio Tinto Plc.)と豪州のConzinc Riotinto of Austalia (現 Rio Tinto Ltd.)の二元上場会社(DLC Dual Listed Companies)として設立された。

2つの会社は別個の会社として残り、それぞれロンドン、オーストラリア証券取引所に上場。
両社は同一の取締役会により単一の経済単位として経営され、両社の株主は同じ投票権と配当受領権をもつ。

BHP Billitonも世界最大の鉱業会社で、鉄、ダイアモンド、石炭、石油、ボーキサイトをはじめとして金属や鉱産品を取り扱っているが、これもDLCである。
2001年にオーストラリアの
Broken Hill Proprietary BHP)とイギリスの会社で南アフリカで大規模に操業するBilliton の二元上場会社となることで設立された。

アルミについては、100%子会社で日本のメーカーとも関係の深い豪州のComalco Commonwealth Aluminium Corporation が担当している。
(2000年7月にRio Tinto のTOBで100%になった。それまでは72.43%を所有)

Alcan の2006年のアルミ地金生産量は344万トンで世界3位、原料のボーキサイト供給でも世界大手。

両社の現状および統合後の姿は下記の通り。

  Rio Tinto Alcan 連結
売上高  254億米ドル  236億米ドル  490億米ドル
EBITDA
(税引前利益+支払利息・減価償却費)
 126億米ドル   39億米ドル  165億米ドル
アルミ生産量   80万トン  340万トン  430万トン
アルミナ生産量  320万トン  550万トン  870万トン
 アルミ生産量は統合で世界一
 アルミナ生産量は世界4位だが、増設完了で世界一になる。
 原料ボーキサイトも世界一となる。
   
  参考 EBITDA 内訳 (億米ドル)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  Rio Tinto Alcan 連結
アルミ 12.60 39.00 51.60
    50.40       50.40
鉄鉱石 37.80   37.80
エネルギー 13.86   13.86
ダイヤモンドなど 11.34   11.34

Alumi1_2

Alumi2_1

資料:Rio Tinto presentation http://www.riotinto.com/documents/Investors/Alcan_120707.pdf

ーーー

Rio Tinto Comalco のアルミ関連事業(2006/12/31現在:千トン)

OperationsRio Tinto shareAluminium Alumina Bauxite
Anglesey Aluminium Smelter, UK   51.0%   143.8    
Bell Bay Smelter, Australia   100.0%   177.5    
Boyne Smelters Limited, Australia *1   59.4%   545.1    
Eurallumina, Europe        914  
Queensland Alumina Limited, Australia   38.6%     3,871  
New Zealand Aluminium Smelters *2   79.4%   337.3    
Wiepa Bauxite Mine, Australia   100.0%      16,139
Yarwun Alumina Refinery, Australia  100.0%    1,240  
Rio Tinto 持分     844.7  3,247  16,139

*1 Boyne Smelters (グラッドストーン計画 ):残りを日本各社が出資、引取り
*2 New Zealand Aluminium SmeltersTiwai Point, New Zealand
    当初、住友化学と昭和電工が
25%ずつ出資
    その後、昭和電工が撤退、住友化学比率は20.6%に。

    
 

Alcanの事業

アルミナ (千トン、%)
Country Location 持分能力 出資比率
Australia Gladstone, Queensland   1,640   41.4
Gove, Northern Territory   2,100  100
Brazil Sao Luis, Maranhao    140   10
Canada Vaudreuil, Quebec   1,220  100
France Gardanne    200  100
持分能力計   5,400  
 
アルミ精錬
Country Location 持分能力 出資比率
Australia Tomago, New South Wales   265   51.5
Cameroon Edea (Alucam)    47   46.7
Canada Alma, Quebec   408   100
Arvida, Quebec   164   100
Beauharnois, Quebec    52   100
Becancour, Quebec   101    25
Grande-Baie, Quebec   203   100
Kitimat, British Columbia   277   100
Laterriere, Quebec   226   100
Sept-Iles (Alouette), Quebec   220    40
Shawinigan, Quebec    97   100
China Qingtongxia    77    50
France Dunkerque   258   100
Lannemezan(停止予定)    50   100
Saint-Jean-de-Maurienne   135   100
Iceland Reykjavik (ISAL)   179   100
Netherlands Vlissingen   181    85
Norway Husnes (SOERAL)    82    50
Switzerland Steg(停止予定)    44   100
United Kingdom Lynemouth   178   100
Lochaber    43   100
United States Sebree, Kentucky   196   100
持分能力計  3,483  

参考 他社のアルミ関連事業

1)ChalcoAluminum Corp of China Ltd.
    2006/8/25 中国アルミ業界の拡大競争 参照 

2)BHP Billiton

   Primary aluminium smelters:
    Hillside Aluminium, Africa (operator and 100 per cent)
Bayside Aluminium, Africa (operator and 100 per cent)
Mozal, Mozambique (operator and 47 per cent)
Alumar, Brazil (40 per cent)
     
  Alumina refineries:
    Worsley, Australia (operator and 86 per cent)
Paranam, Suriname (45 per cent)
Alumar, Brazil (36 per cent)
     
  Bauxite mining operations:
    Boddington, Australia (operator and 86 per cent)
MRN Trombetas, Brazil (14.8 per cent)
Coermotibo, Klaverblad and Kaaimangrasie, Suriname (operator and 45 per cent)

3)Alumina Limited (previously WMC Limited)

1960年代に豪州のWMC Limited などがボーキサイト鉱を発見、開発のため Alcoa を招聘してパートナーシップをつくった。
1995年にWMC(その後 Alumina Limited と改称)とAlcoaはそれぞれのボーキサイト、アルミナ事業を統合してAlcoa World Alumina and Chemicals (AWAC) を設立した。Alumina Limited40%、Alcoaが60% 所有。

4)CVRD (リオ・ドセ=Companhia Vale do Rio Doce)  

  本  社 :ブラジル・リオネジャネイロ
  主要事業 :鉄および非鉄金属鉱山、鉄鋼、運輸、紙・パルプ
  主要関連会社 :Aluvale
     Docegeo(Rio Doce Geologia e Mineracao SA)

  アルミニウム部門

ルミニウム関連事業は、100%子会社のAluvaleを通して展開されている。
Aluvale
は、90年にCVRD社が自社のアルミニウム関連権益管理のために設立したもので、MRN社(Minercao Rio do Norte:権益40%)、Alunorte (同55.32%)、Albras (同51.0%などを通して、ボーキサイト、アルミナ、アルミニウムの生産を行っている。

MRN社はラテンアメリカ最大のボーキサイト・プロデューサーで、世界最大規模の生産量を誇るTrombetas鉱山
パラ州を保有する。

Alunorteは95年7月に生産を開始したアルミナ・プロデューサーで、MRN社から供給されるボーキサイトを処理している。

Albrasはラテンアメリカ最大級のアルミニウム・プラントを所有し、Alunorte
から供給されるアルミナを中心に処理を行っている。

 

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2007年7月16日 (月)

塩ビ管カルテル調査

公正取引委員会は10日、上下水道に使用される塩化ビニル管を巡り違法な価格カルテルを結んでいた疑いが強まったとして、三菱樹脂、積水化学工業、クボタシーアイの3社に強制調査に入った。

11日にはアロン化成、信越ポリマー、前澤化成工業、ヴァンテック、日本プラスチック工業、ダイカポリマーの6社とクボタシーアイの親会社クボタを、更に12日には日本ロール製造、旭有機材工業およびクボタシーアイの親会社で05年3月末まで製造・販売していたシーアイ化成に調査に入った。
強制調査の対象は延べ13社となり、シェアの合計は9割を超える。

* ヴァンテックは元は小松製作所の子会社の小松化成で、1997年に積水化学の子会社となり、改称した。
 ダイカポリマーはアウトサイダー最大手でクボタと提携している。

塩ビ管の市場規模は年間約 1,800億円と巨額で、公取委が過去に調査した案件の中でも最大級。

対象会社の中には、1991年の食品用ストレッチフィルムや1999年のダクタイル鋳鉄管で刑事告発され法人として有罪が確定した会社や、92年の塩ビ管カルテルで課徴金を払った会社、さきのガス用PE管・継手で課徴金を払った会社がある。

こうした経緯がありながら、同様の構図のカルテルが繰り返されたことや、国民生活に密着し、水道料金にも跳ね返る可能性のある上下水道管を巡ってカルテルが行われていた実態などを重くみて、公取委は刑事責任を追及する必要があると判断した模様。

また12日の朝日新聞によると、200510月に業界団体の塩化ビニル管・継手協会が市場縮小を見据えた今後5年間の需要予測や各社のシェアをまとめ、データを各社に伝えたり公表したりしても問題がないかどうか、公取委に相談した。
これに対して公取委は、「上位3社で7割のシェアを占める寡占市場」と業界の特性をふまえて、需要減少の数値予測を公表すれば「大手を中心に値上げに向けた協調的な歩調が取られかねない」とカルテルの危険性を口頭で伝えたという。

ーーー

今回は、原油価格上昇に伴う原料の塩ビの値上げに対して、過剰能力と公共投資削減による需給ギャップ拡大で価格転嫁が行えないために、赤字回避のために行ったものと思われる。各社にとり、10%(再犯の場合は15%)の課徴金と刑事訴訟による罰金は非常に痛いものになる。

問題再発を防ぐためには、他の業界と同様、過剰設備の処理が必要であろう。

少し古いが業界の状況は、経済産業省が2001年11月19日に発表した「塩化ビニル管産業の課題と将来展望に関する研究会報告書」で分かる。
  
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002079/0/011119enkab.pdf

ーーー

各社の関連する業界の独禁法事件の主なものは次のとおり。

このうち、1991年のストレッチフィルム事件と、1999年のダクタイル鋳鉄管事件が刑事告発され、いずれも有罪となっている。
(企業に罰金、個人に執行猶予付き懲役刑)

                                               単位:千円
社名 1991 
ストレッチフィルム
1992
塩ビ管
2007
塩ビ管
1999
ダクタイル鋳鉄管
2007
ガス用PE
管・継手
2007
ステンレス
ガス管
課徴金 罰金* 課徴金 調査      課徴金 罰金 * 課徴金 調査
平成8年 平成9
三菱樹脂 91,480 7,000  7,150  ○        127,350  
信越ポリマー 78,210 8,000   790  ○          
クボタ      3,370  ○ 3,326,890 3,745,190 130,000   4,760  
クボタシーアイ        ○         70,490  
積水化学工業      5,720  ○        124,640  
アロン化成      2,710  ○          
三井化学
(三井東圧)
110,800 8,000            787,690  
栗本鐵工所         1,368,280 1.566,610  70,000    
日本鋳鉄管          518,020  535,520  30,000   29,480  
日立金属                667,030  ○
協成                 17,860  ○
富士化工                減免  
理研ビニル工業 51,540 6,000              
日本カーバイド 45,230 6,000              
電気化学工業 41,200 6,000              
日立ボーデン 20,520 6,000              
グンゼ 10,800 6,000              
その他        (1)          (2)
(1) 前澤化成工業、ヴァンテック、日本プラスチック工業、ダイカポリマー、
   日本ロール製造、旭有機材工業、シーアイ化成
(2) テクノフレックス・トーラ、JFE継手

* ストレッチフィルム     15名に懲役6月~1年(執行猶予)
* 
ダクタイル鋳鉄管  10名に懲役6月~10月(執行猶予)

公取委発表:

1991 ストレッチフィルム 
     課徴金   
http://snk.jftc.go.jp/cgi-bin/showdoc.cgi?dockey=H040326H04J03000071_
     罰金ほか 
http://snk.jftc.go.jp/cgi-bin/showdoc.cgi?dockey=H050521H03H02000001_ 

1992 塩ビ管 課徴金 http://snk.jftc.go.jp/cgi-bin/showdoc.cgi?dockey=H040722H04J03000115_

1999 ダクタイル鋳鉄管
     
平成8年課徴金 http://snk.jftc.go.jp/cgi-bin/showdoc.cgi?dockey=H111222H11J03000707_
     平成9課徴金 http://snk.jftc.go.jp/cgi-bin/showdoc.cgi?dockey=H111222H11J03000710_
     罰金ほか     http://snk.jftc.go.jp/cgi-bin/showdoc.cgi?dockey=H120223H11H02000001_

2007 ガス用PE管・継手 http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.june/07062901.pdf


* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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2007年7月15日 (日)

GE、Abbott の診断機器部門買収を取り止め

GEとAbbott Laboratories 11日、本年1月18日に発表したGEによるAbbott Laboratories 診断機器部門の一部の買収(813千万ドル)を取り止めると発表した。

  2007/1/22 GEについて 参照

両社とも、真剣に協議してきたが最終条件で意見が合わず、契約打ち切りが両社にとりベストと判断したと述べている。

本件買収については既に425日にEUの規制当局が承認していた。

業界筋では、Abbottの工場の試験設備がFDAから問題を指摘されており、これが理由ではないかとしている。
GEが値下げを含め、契約変更を要求したが合意できなかったとの見方もある。

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2007年7月14日 (土)

Hexion、Huntsmanを106億ドルで買収

Hexion がHuntsman の買収を行うことに決定、契約に調印した。

既報の通り、6月26日に Basell Polyolefinsが1株 25.25ドル、総額56億ドル(負債込みで96億ドル)でHuntsman の買収の契約をした。

2007/6/27 速報 Basell がHuntsman Chemicalを買収    

7月4日、投資会社Apollo Management の100%子会社でBorden Chemical 等が合併して設立されたHexion Specialty Chemicals が 1株 27.25ドル総額60億ドルで対抗する買収提案を行った。

2007/7/5 Huntsman に新たな買い手  

Basell とHuntsman との契約では、Huntsman がより有利な提案を受けた場合」には契約を破棄できることとなっており、その場合はBasell 2億ドルのペナルティを払うこととなっている。
Hexion
は同社との合併が実現すれば、このうち1億ドルを負担するとした。

Huntsman ではHexionの提案はBasell との契約に記載された「より有利な提案」に該当すると判断、これを詳細に検討して意思決定を行うとした。

更に7月9日にはHexion は買収価格を1株28ドルに引き上げた。負債込みの買収価額は106億ドルとなる。

Huntsman の取締役会はBasellに対して7月11日までに対抗案を提出するよう期限を切った。

Basellは11日、25.25ドルのオファー価格を変更しない旨、発表した。
同社はHuntsman との契約では、もしHuntsmanがHexionの提案を受け入れて、自社との契約を打ち切る場合には2億ドルの支払を受け取ることになると述べ、(嫌味のためか)Hexion は買収の認可を受けるのに長期間を要しようとし、取引完了までに不確定要素もあり、Basellとしては推移を見守りたいとしている。
(実際にはHexion と Huntsman には重複事業はなく、独禁法上の問題があるとは思えない)

これを受けてHuntsman 12日、同社が6月26日付けのBasell との合併契約を打ち切ったこと、Hexion との間で、Hexion が借入金込みで約106億ドルでHuntsmanを買収する合併契約に合意したことを発表した。
同社の株式の57%を保有するHuntsman一族はこれに賛成している。

Huntsmanの取締役会はBasellとの契約破棄に伴う2億ドルの支払を承認した。このうち1億ドルはHexion が負担する。

Peter R. Huntsman 社長兼CEOは、HexionとHuntsmanの事業は補完的で、合併すれば強力な技術基盤を持ち、需要家に貢献できるとしている。

HexionCraig O. Morrison会長兼CEOは、この合併は、優れた製品と技術を持ち、グローバルとりわけアジア太平洋にひろがる、ワールドクラスの会社となる好機であるとした。

Apollo Management の創設メンバーのJoshua J. Harrisは、合併により年間売上高140億ドル以上、世界に21千人の従業員、180の施設を有する世界最大のスペシャルティケミカル会社となると述べている。

 

Basell 及びその親会社のAccess Industries のオーナーLen Blavatnik の今後の動きが注目される。

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2007年7月13日 (金)

海外化学会社の動き(まとめ)

このところ海外化学会社の動きは激しい。

中国と中東では大石化プロジェクトが次々と発表されている。サウジのSABICとアラムコは海外進出を進めている。

欧米では「選択と集中」の動きが更に進んでおり、大規模な事業の買収、売却が行われている。

これまでは考えられなかった買収の噂が次々と現れた。

・GEプラスチックは最終的にSABICに売却され、現在、欧州の独禁当局が審査を始めている。
・ICIはAkzo Nobel からの買収打診を断ったが、まだ決着しておらず、逆買収の案も出ている。
・Huntsman もBasellによる買収が決まったと思ったら、Apolloが飛び出してきた。
・BasellのオーナーによるLyondell の買収の噂もある。
・Dowにまで投資会社による買収の噂や、基礎部門を分離しての他社とのJV化の噂が出た。
・そのDowがDupontに買収の提案をして断られたとの情報が出た。

速報
BasellはHuntsman買収に関して、7/11までに買収価格の見直しの機会を与えられていたが見直しを行わないと発表した。
これを受け、Hexion (Apollo) はHuntsman買収の契約を締結した。
なお、Hexion 7日、買収価格を$28.00に引き上げている。借入金込みで106億ドルの買収となる。

以下に過去の記事から、主な会社の動きをまとめた。

それにしても、多くの買収話のなかには、インドのReliance などは買収側として何度も出てくるが、日本企業による買収はない。
また、日本企業を対象とした買収も一切ない。

日本の石化会社が買収の対象とならないのは、日本の石化会社の問題点のためで、小規模多数の工場の乱立下での過当競争体質(この結果、高品質やサービスが正当に評価されない)や、従業員の解雇が簡単にはできず、不振事業の切捨てができないなどの欧米にない事情により、買収しようとする意欲が沸かないためであろう。

過去に述べた通り(2006/3/16 日本の石油化学産業の構造改善ー7 中国バブル時代 など) 2000年頃に一度は「選択と集中」を進めたのに、「中国バブル」でこの動きが止まってしまった。
本来は、
「中国バブル」およびハイテク材料ブームでの好況の間に、更に「選択と集中」を進めるべきであった。

このままでは日本の石化事業は、欧米の大胆な「選択と集中」、中国と中東の石化の大拡張の中で、埋もれてしまうであろう。

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ダウ

買収 セルロース事業

 2006/12/26 ダウ、Bayerからセルロース事業を買収

ICI買収説

 2007/4/7 DowICIを買収?

デュポンの買収を提案(拒否される)

 2007/5/28 次の買収は?

売却 会社売却説

 ①2007/3/2 Dow 買収説

 ②2007/4/13 速報 Dowが買収情報漏えいで役員を解雇

その他 中国

 ①2006/8/23 中国でのダウの活動

 ②2007/5/21 ダウの海外進出

3工場の7プラント閉鎖

 2006/9/7 ダウ、3工場の7プラント閉鎖

タイほか

 2006/10/24 ダウ、アジア進出を促進

ポリウレタン

 2006/11/27 BASFとダウ、欧州で共同でTDIプラント建設のFS実施

Asset Light Strategy

 ①2007/2/3 ダウ、PSとPP事業のJV化を検討

 ②2007/4/11 Dow、Chevron PhillipsSM/PSのJV設立 

 ③2007/3/19 Dow JV

サウジ計画

 2007/5/15  アラムコとダウ、世界最大級の石油化学コンプレックス建設

リビア
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2007/4/25 
Dow、リビアに石化JV設立

GE

買収 診断機器部門ほか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2007/1/22 GEについて

 ・原油・ガス採掘関連機器のVetco Gray
 ・航空宇宙部門Smiths Aerospac
e
 ・米医薬大手のアボット・ラボラトリーズの診断機器部門の一部 

    付記 

      2007/7/15 GE、Abbott の診断機器部門買収を取り止め

売却 シリコーン事業

 2006/9/21 GE、シリコーン事業を売却

GEプラスチックス

 ①2007/1/11 GEがGEプラスチックスを売却か? 

 ②2007/4/2 GE Plastics 争奪戦にSABICも参戦

 ③2007/5/22 速報 GE、GE PlasticsをSABICに116億ドルで売却

その他 中国PC計画 

 2007/2/13 GE Plastics、中国のPC計画延期

Huntsman

売却 欧州の石化・ポリマー事業(ICIから買収したものが中心)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/10/3 SABIC、Huntsmanから子会社を買収
米国の汎用品事業

 2007/2/20 ハンツマン、米国の汎用品事業を売却

自社

 ①2007/6/27 速報 Basell がHuntsman Chemicalを買収

 ②2007/7/5 Huntsman に新たな買い手

Lyondell

設立 ARCOの子会社として設立
Lyondell とMilleniumと両社合弁のEquistarが
合併
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2007/2/26 Lyondell とシノペック鎮海煉油化工、寧波で PO/SM 生産
売却 酸化チタン事業

 2007/3/5 Lyondell、酸化チタン事業をサウジ社に売却

その他 Basell との合併の可能性

 2007/5/16 Access Industries の会長、Lyondell Chemical の株式を購入

バイエル

買収 シェーリング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/3/24  
速報 バイエルがシェーリングの買収合意
 
売却 バイエル診断薬

 2006/7/4  シーメンス バイエル診断薬買収

H.C. Starck

 2006/12/2 Bayer、子会社 H.C. Starck を売却

セルロース事業

 2006/12/26 ダウ、Bayerからセルロース事業を買収

その他 上海のPC工場

 2006/9/11 バイエル、上海のPC工場等が完成

ポリウレタン

 2006/12/20 Bayer、MDI 能力 約110万トンに

 2007/2/14 
バイエル、上海のTDI計画の能力拡大

BASF

買収 エンゲルハード
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/6/12 2つの買収劇
その他 中国戦略

 2006/7/10 BASFの中国戦略

北米事業

 2006/10/12 BASF、北米事業を強化

ポリウレタン

 ①2006/11/27 BASFとダウ、欧州で共同でTDIプラント建設のFS実施

 ②2006/12/20 
Bayer、MDI 能力 約110万トンに- BASFも増強 

「欧州企業」へ

 2007/3/1 BASF、ドイツ企業から欧州企業へ

バイオ

 2007/3/29 BASFとモンサント、バイオテクノロジーで提携

ICI

売却 Quest 部門とUniqema部門
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/11/30 ICI、Quest部門をGivaudanに売却
自社

 ①2007/4/7 DowICIを買収?

 ②2007/6/19 ICI、Akzo Nobel による買収提案を拒否

INEOS

買収 スタート
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社
ノルウエーの石化事業

 ①2007/5/25 INEOS、Norsk Hydro からポリマー事業を買収

 ②2007/6/9 INEOS、Borealis からノルウエーの石化事業を買収

ABS

 2007/7/4 Ineos、Lanxess のABS事業を買収へ

JV NOVA Chemicals

 2007/3/26 NOVA Chemicals、北米のSM、PS事業をINEOSとのJVに移管

Basell

その他 再スタート
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/6/15 Basellの買収
Lyondell

 2007/5/16 Access Industries の会長、Lyondell Chemical の株式を購入

買収  エチレン

 2006/12/25 Basell、ドイツのナフサクラッカー買収

Huntsman

 2007/6/27 速報 Basell がHuntsman Chemicalを買収

 参考 2007/7/5 Huntsman に新たな買い手
   

SABIC

買収 DSM
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/8/22 SABIC Europe とその前身
英国の石化

 2006/10/3 SABIC、Huntsmanから子会社を買収

GE

 ①2007/1/11 GEがGEプラスチックスを売却か?
 

 ②2007/4/2 GE Plastics 争奪戦にSABICも参戦
 

 ③2007/5/22 速報 GE、GE PlasticsをSABICに116億ドルで売却

その他 中国

 ①2006/7/3 SINOPEC天津分公司の100万トンエチレン計画着工

 ②2007/5/29 SABICとARAMCOの中国進出

インド等

 2007/1/4 SABIC、大拡張計画

サウジ・アラムコ

事業 ペトロラービグ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2006/3/25 ペトロラービグ起工式
 
ダウとのJV

 2007/5/15  アラムコとダウ、世界最大級の石油化学コンプレックス建設

中国

 2007/5/29 SABICとARAMCOの中国進出

 

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2007年7月12日 (木)

ダノンとワハハの争い、更に深刻化

さきに、仏の食品メーカーのダノン Danone が出資する中国の合弁企業「杭州娃哈哈集団」Hangzhou Wahaha Group の飲料水「娃哈哈」Wahaha)のブランド使用をめぐって、ダノンと中国側相手の対立が深刻化していると述べた。

  2007/6/15 仏食品メーカーのダノン、中国で「ブランド流用」で合弁企業と対立 

その後、事態は更に悪化し、ダノンにとって苦しい状況になりつつある。

本件の推移は以下の通り。

1996/2/29   Wahaha Group Ltd DanoneJV契約締結
 商標移転契約(
WahahaブランドをJVに)、非競合契約、守秘契約を含む。
1996/3/28   中国で5つのJV設立で合意、宗慶後が会長に就任。その後JVは39社に。
     
2000年   Wahaha Group Ltd.が改組、杭州市政府が46%所有の会社に。
    6年間で独自に17社を設立し、Wahahaブランドで製品を販売。
     
2006年末   DanoneがWahahaに対し、これらの会社の51%の買収を提案(519百万ドル)、Wahahaが拒否(「安すぎる」)
     
2007/5/9   DanoneがJV契約に関する仲裁をストックホルム商工会議所に申請
(JV契約では仲裁はストックホルム商工会議所で行うこととなっている)
     
2007/6/4   Danoneがロスアンジェルスの裁判所に訴訟 (詳細は6/15記事参照)
2007/6/5  

宗慶後が会長辞任

     

この後、WahahaDanoneの行為に対し法的手続きで正義を追求することに決めたと述べた。Danoneが法に反している証拠を持っているとした。そして、Wahahaは中国の開放方針に反対せず、外資とも協力するが、平等で、互恵の協力関係を望むとしている。

自尊心の強い宗慶後は、Danoneの態度は我慢できないものだとしている。ほとんど全ての決定は3ヶ月に一度出席する役員で決められ、会長として何一つできないとし、Danoneは中国国民の感情を傷付けているとする。「中国が8カ国の軍隊に侵略された時代は過去のもので、中国国民は立ち上がった」とも述べている。

Wahaha613日に杭州市の仲裁委員会に仲裁を要請し、1996年の商標移転契約と合弁契約の終結を求めた。Wahahaは、Danoneとの商標移転契約は当時の商標法では中国の商標管理当局の承認が必要だが、これを得ておらず、無効であるとしている。
Wahahaは商標移転契約に反して、別会社でWahahaの商標を使用していることは事実であり、契約無効論はWahahaの拠り所である。

JV契約では仲裁はストックホルムで行うこととなっており、既に受付けられている。このため、杭州市での仲裁は問題であるが、杭州市の仲裁委員会は翌日、これを受け入れた。杭州市は地元であり、市当局はWahaha46%の株主でもあり、圧倒的にWahahaに有利な場所である。(最終的にここでの調停は有効性に疑問がある)

付記

Danone は712に、杭州市の仲裁委員会に反論を提出したと発表した。
Wahahaが1996
年の
商標移転契約を完全には実行しておらず、最近になって商標管理当局が商標移転を認めなかったと嘘をついているとしている。
Danone 側弁護士は、商標移転契約での両当事者の権利と義務を終焉させるような事情も事態も発生していないと主張している。

Wahaha Group は中国最大の弁護士事務所 King & Wood (金杜律師事務所)を雇い、攻勢に出た。72日に、JVの会長に就任したEmmanuel FaberなどDanone3人の役員を訴えることを明らかにした。
彼らが20以上のJVの競合会社の仕事をしているというのが理由。中国商法に違反し、JVとその株主の利益を損なっているとする。
これに加え、Danoneが飲料水の企業3社ーRobust, Shenzhen YiliShanghai Jianguangheを買収したのも、競合禁止の条項に違反しているとしている。

Robust は飲料水と乳飲料の大メーカー
Shenzhen Yili は深センのYili (益力)Mineral Spring Incorporated
(これらは当然
Wahahaブランドは使用していないが、競合禁止にはひっかかると思われる)

更に、Danoneに対する民族主義的な感情(「外国の悪魔」)があり、多くのJVのディストリビューターがJV製品の販売を止め始めている。
需要家の感情を傷つけることが
Danoneにとって最大の被害となる。

Wahahaが中国で有力ブランドとなったのにはDanoneの力が大きかったのは明らかであるが、Danoneが中国側の商標を採用したのは失敗であった。
今後もDanoneにとって苦しい状況が続くと思われる。

なお、Danone は今月2日に米食品大手の Kraft Foods からあったビスケット・Cereal 製品事業の買収提案(53億ユーロ)に応じ交渉しているが、逆に9日、オランダのベビーフード大手のRoyal Numico N.V.に対し123億ユーロでの買収提案をし、相手側も受け入れる方向であることを明らかにした。健康関連の食品事業を強化する。

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2007年7月11日 (水)

カザフスタンのコンソーシアムがトルコの国営石化会社Petkim の51%を取得

トルコ政府は国営石化会社Petkem民営化のため株式の51%の入札を実施したが、カザフスタンとロシアのコンソーシアムTransCentralAsia Petrochemical Holding 2050百万ドルで落札した。

ーーー

トルコの石油化学進出は1962年に決められ、1965年にPETKIM Petrokimya Holding が設立された。
1972年から76年にかけて
Yarimca Complex SMPSSBRLDPE等がスタート、次いで Aliaga Complexでエチレンからのコンプレックスが1985年以降スタートした。(その後、Yarimca は老朽化で閉鎖された)

現在の主な製品の能力は以下の通り。(千トン)

同社はトルコの石化市場の1/3を占め、従業員は4,000名。

ーーー

トルコ政府は当時93%を所有していたPetkimについて、IMFの指導により、2003年前半での民営化を決定した。

同年6月、政府は88.86%分の入札を実施、いずれもトルコの化学会社Standard Kimya、化学・繊維会社Sanko Kimya Ltd、化学品・樹脂の電子取引会社のChemOrbis、トルコ最大の銀行のVakiflar Bankが応札した。
その結果、最高の
605百万ドルを提示したStandard Kimyaが落札、政府の承認を得た。

その直後、Standard KimyaのオーナーのUzan 一族の不正取引が発覚し捜査を受けた。
政府は
Standard Kimyaが落札決定後の30日以内に必要な頭金支払いをやっていないとして、この落札をキャンセルした。

政府は2003年8月に同様の入札を行ったが、関心を持つ投資家がおらず、失敗した。

2005年4月に一般公募で34.5%の株がトルコ及び海外の投資家に267百万ドルで売却された。
当初からの民間所有を入れると40%強が民間所有となっている。

今回、51%分について入札された。

ーーー

落札したTransCentralAsia Petrochemical Holding 3社のコンソーシアムであることが判明した。
中心となるのは、ロシアの投資銀行の
Troika Capital Partners
その他は、カスピ海油田の開発のために設立された米国の石油会社Transmeridian Exploration 100%子会社の Caspi Neft と、ロシアやカザフの投資家のためにトルコでの投資管理を行っている不動産業のEvrazia である。

今回の入札では落札者は3年間は売却できないこととなっており、Troika では4年から6年の間で売却を考えていると伝えられている。

ーーー

今回応札した8社は以下の通り。
イスラエルの
Carmel Olefins とインドのIndian Oil Corporation がそれぞれ現地企業と組んで応札している。

TransCentralAsia Petrochemical Holding
  カザフスタンとロシアのコンソーシアム 詳細不明
Socar & Turcas-Injaz joint investment group
  トルコの石油会社Socar & Turcas とサウジの Injaz Projects のコンソーシアム
Turkish Limak-Carmel
  トルコの建設・エネルギー・セメント会社Turkish Limak イスラエルCarmel Olefins
   Carmel Olefins の海外進出戦略の一環
Zorlu
  トルコの繊維・家電メーカーの Zorlu グループ
Hokan Chemicals joint investment group
  トルコのコンソーシアム
IOC-Calik
  インドIndian Oil Corporation とトルコのCalik Energyの連合
Naksan-Torunlar-Toray-Kiler joint investment group
Firat Plastik, Kaucuk Sanayi ve Ticaret AS

なお、514日に行われた予備入札には19社が応募したが、その中にはIneos Basell と現地企業がコンソーシアムを組んで参加していた。

注 イスラエルのCarmel Olefins については下記参照。その後操業を再開している。

    2006/7/24 イスラエルのCarmel Olefins、戦闘激化で操業停止
 



* バックナンバー、総合目次は 
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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2007年7月10日 (火)

ポリプロカルテルのその後

2007/7/2 「ガス用ポリエチレン管・継手に排除措置及び課徴金納付命令」でポリプロのカルテルについて触れ、次ぎの通り述べた。

ポリプロの価格カルテルでは住友化学、出光興産(当時は出光石油化学)、サンアロマー、トクヤマの4社は勧告を拒否、日本ポリケム、チッソは応諾したが課徴金に関して審決の手続きを要求し、いずれも審判が開始された。   

昨年秋以降は、両ケースとも審判が行われておらず、公取委ホームページに何の記載もない。
どうなっているのだろうか。

ポリプロカルテルについては 2006/7/13 ポリプロ価格カルテル事件の現状 参照

公取委は記者発表はしていないが、日本ポリケムとチッソの審判については、本年6月19日に審決が出ていた。

 公取委審決等データベース http://snk.jftc.go.jp/pdfdocs/H190619H15J01000022_.pdf

審決は8月20日までに課徴金の支払を命じるもので、当初の納付命令と対比すると大きく減額となっている。

2003/3/31 今回
会社名 課徴金 対応 会社名 課徴金
日本ポリケム  8億4517万円 審判請求 日本ポリプロ  2億2087万円
チッソ  4億3513万円 審判請求 チッソ  1億1662万円
三井化学  7億6008万円 応諾   -     -

注 日本ポリケム(東燃化学が離脱して三菱化学の100%子会社)は2003年10月1日に、チッソのPP事業を統合して日本ポリプロ(日本ポリケム65%/チッソ35%)となった。   

今回の課徴金の計算はいずれも、平成12年4月21日(需要者に通知した値上げ実施予定日)から同年5月29日(本件立入検査日の前日)までの期間の売上高に 6/100を乗じている。

当初の課徴金の計算については、当初の発表には記載されていないが、今回の審決の内容を見ると、公取委側は計算の終期を以下の通り主張しており、これが当時の計算の元になっていると思われる。

不当な取引制限に当たる違反行為は、違反行為の参加者間においてその事業活動を相互に拘束することであるから、違反行為が終了したというためには,当該違反行為者がその事業活動を相互に拘束する状態を消滅させたこと、すなわち、他の違反行為者との間での意思の連絡が切断されたことが必要であり、そのためには、当該違反行為者がその事業活動を相互に拘束する状態を消滅させたことについて、他の違反行為者がうかがい知るに十分な客観的な状況、すなわち、外部的徴表が必要である。(中略)

被審人日本ポリプロにおいては平成12年9月7日ころ、被審人チッソにおいては同月5日ころ、違反行為から離脱する旨を他の違反行為参加者に文書で通知した時期までは、意思の連絡が切断されたことを示す外部的徴表は認められず、本件違反行為が消滅したとはいえない。

これに対して、会社側は以下の通り反論している。

外部的徴表が必要であるというのはおかしい。

公正取引委員会の立入検査が行われた事実が大々的に報道され,当時の販売を担当していた営業部は大変な混乱状態となり、値上げ活動を継続することが事実上不可能となった。

最終的に会社側の意見が通り、計算期間が大幅に短縮された。

なお、三井化学については当初の時点で応諾し、課徴金を支払っており、この審決の適用は受けない。

また、当初の納付命令(2003/6/2期限)は旧独禁法では審判開始で失効しており、2社はその間の金利の支払は不要である。

(昨年の改正独禁法では、「課徴金納付命令」に対して審判手続が開始されても、「課徴金納付命令」は失効せず、課徴金の納期限までに課徴金を納付しない場合において審決で当該課徴金納付命令が維持されたときは、延滞金が上乗せされる。

 

本件が公表されたので、住友化学、出光興産、サンアロマー、トクヤマの4社に対する審決も間もなくではないかと思われる。 

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2007年7月 9日 (月)

マリンホース国際カルテル事件

5日付けの朝日新聞によると、米司法省と公正取引委員会などが今年5月に摘発したマリンホースをめぐる国際的なカルテル事件は、横浜ゴムの米司法省への自主申告によることが分かったという。

ーーー

米司法省は5月2日、原油の海上輸送に使うマリンホースの販売で国際的な価格カルテルに関与した疑いがあるとして日欧企業の幹部8人を逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、
 英
国に本拠を置くコンサルタント会社  PW Consulting (Oil & Marine) Ltd のオーナー
 英国の
Dunlop Oil & Marine Ltd 2名
 フランスの
Trelleborg Industrie S.A2名
 イタリアの
Parker ITR slr 1名
 イタリアの
Manuli Rubber Industries SpA 1名
 日本のブリヂストンの1名
の合計6社の8名。

少なくとも1999年以降、フロリダ、バンコック、ロンドンなどで何度も会談し、入札のやり方、価格、割当などの協議を行い、決定していたという。議題や議事録も見つかった。

PW Consulting (Oil & Marine) Ltd のオーナーは1社当たり年間5万ドル、合計30万ドルを集め、カルテルを調整していた。

マリンホースは
海上タンカーと陸上の貯蔵基地を結んで原油を移送するもので、全世界の市場規模は150億円強。
需要家はShell、Exxon、Chevronなどの石油会社のほか、米国の国防総省も購入し使用しているため、国民の税金を奪うものとして重要視され、国防総省も捜査に入った。

 司法省発表 http://www.usdoj.gov/atr/public/press_releases/2007/223037.htm

 

司法省の発表を受けて、欧州委員会と日本の公取委も調査に入った。

公取委は
5月7日、ブリヂストンと横浜ゴムに立ち入り検査に入った。(上記逮捕者に横浜ゴムは入っていない)

ーーー

朝日新聞によると、司法省は2006年秋、横浜ゴムが船舶用ゴム製品の販売エージェントの米国人を別のカルテル容疑で逮捕し、同社が関与したとする供述を引き出し、同社に対し、本件の訴追を見送る条件としてマリンホース事件について減免制度での自主申告を持ちかけた。

横浜ゴムの自主申告に基づき、司法省は横浜ゴム担当者になりすましてコンサルタントらとやりとりを開始、ヒューストンのホテルで会合を開くことになった。ホテルでの話し合いが終わった直後に、司法省の捜査員らが踏み込み、横浜ゴムの担当者をのぞく参加者を逮捕したという。

横浜ゴムは「捜査中なので何も話せない」としている。

ーーー

2007/7/2 ガス用ポリエチレン管・継手に排除措置及び課徴金納付命令 で同事件での自主申告について述べたが、欧米では既に多くの日本の企業がこの適用を受けている。また、摘発された多くの企業のほとんど全てが調査に協力し、司法取引で罰金の減免を受けている。

藤沢薬品はグルコン酸ナトリウムで米国及びEUで摘発されたが、EUでは最初にカルテルの決定的証拠を提出したとして80%という最高の減免を受けている。

武田薬品はビタミン剤カルテルで摘発を受けたが、他の例がないかとの質問(omnibus question)に対して調味料のカルテルについて供述した結果、調味料カルテルでは免責、ビタミン剤カルテルでも法人としての罰金のみで、社員・役員については免責された。

防カビ剤のソルビン酸価格カルテルではダイセル、上野製薬、日本合成の3社が米国及びEUで罰金を支払い、米国では各社の役員が起訴されたが、詳細情報を当局に提出したチッソは全て免責されている。

日本人がカルテル問題で米国で逮捕されたのは初めて。

これまで何人もの人が米国で起訴されているが、日本在住の場合には犯罪人引渡し条約が適用されず、時効の中断の状況のままである。(米国や米国との犯罪人引渡し条約が適用される国に入国すれば逮捕されることとなる)

ただし、
防カビ剤のソルビン酸価格カルテルで起訴されたダイセル、上野製薬、日本合成の3社の役員、社員のうち、ダイセルの社員が出頭して実際に服役している。
  
2006/2/16 独禁法改正 



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2007年7月 7日 (土)

イランとベネズエラ 経済協力で合意 合弁メタノール工場建設

イランのMahmoud Ahmadinejad大統領とベネズエラのHugo Chavez大統領は7月2日、イラン南西部 Assalouyeh Pars Special Economic Energy Zoneでの両国の合弁メタノール工場の起工式に参加した。

両大統領は合弁メタノール計画に加え、幅広い経済協力契約に調印した。

炭素陽極のベネズエラからイランへの輸出、機械部品工場建設のFS、イラン技術でのミルク処理工場、ベネズエラでの乳製品加工のJV、工具製造のJV、プラスチック押出機の製造、自転車組み立て、北ベネズエラでの住宅建設など、多岐に亘っている。

ーーー

両国はいずれもOPECメンバーの石油資源国で、反米路線をとっている。
両大統領は記者会見で、
「米国などすべての敵に協力して立ち向かう」と表明、反米姿勢を強調した。

Assalouyeh 町には両大統領が握手している写真とともに、「イランとベネズエラ 連帯の枢軸(Axis of Unity)」と書かれたポスターが貼られており、イラン大統領は今回の連携を革命的な2国の兄弟の結びつきの強化であると自賛し、ベネズエラ大統領はペルシャ湾とカリブ海の連帯であると述べた。

「連帯の枢軸(Axis of Unity)」 Bush 大統領がイランとイラク、北朝鮮の3国を「悪の枢軸(Axis of Evil)」と呼んだのを皮肉っている。

ーーー

Pars Special Economic Energy Zoneの合弁メタノール工場の生産能力は年間175万トンで、出資比率はイランのNPCが51%、ベネズエラのPequiven が49%となる。

両国はベネズエZigma Pequivenが51%、NPCが49%出資で、同じ規模の合弁メタノール工場を建設する。

建設費はいずれも650-700百万ドルとみられており、操業まで4年をみている。

両工場の完成により、イラン側はラテンアメリカ市場(特にブラジル)に、ベネズエラ側はインド、パキスタン市場にアクセスできることとなる。

両国でのメタノール合弁計画は昨年9月に発表されたもので、その時点では能力は各330万トン、総投資額16億ドルとしていた。



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2007年7月 6日 (金)

Solvay、ロシアでワールドクラスの塩ビJV

Solvayは6月27日、ロシアのGazprom の子会社で総合化学会社のSibur LLC との間で、ロシアで最初のワールドクラスの塩ビのJVをニジニ・ノヴゴロド州のKstovoに建設する合弁契約に調印したと発表した。

SolVin (SolvayとBASFの75/25の
塩ビJV)とSibur が50/50で出資し、RusVinyl を設立する。
SolVinは欧州復興開発銀行(EBRD)に本計画への参画を働きかけている。

総予算650百万ユーロを投じ、330千トンのPVC(300千トンのS-PVCと30千トンのE-PVC)と225千トンの苛性ソーダを生産する計画で、2010年スタートを目指す。州政府の支援を受けている。

旧ソ連の拡大しつつある需要に対応するもので、最終的には2014年までに合計能力をPVC 510千トン(S-PVC 450千トン、E-PVC 60千トン)、苛性ソーダ335千トンに増設可能な設計を考える。

原料のエチレンはSibur がKstovo にあるエチレン工場を増設して供給する。

Solvayが環境にも配慮した最新のベストの技術をJVにライセンスする。

ーーー

SIBUR Group GAZPROMが100%出資するロシア最大の垂直統合石油化学会社。

付記

Gazpromは11日、Sibur株の25%(+1株)を関係会社のGasfondにモスクワの電力会社Mosenergo の株式と交換した。
電力事業強化のためで、同社のマジョリティを持つこととなる。

Siburの残りはGazprombank (Gazpromが42%、同グループ会社が残りを所有)が引き続き所有する。

同社は3つの事業部門と2つの子会社(以前は事業部門であった)を持つ。

(事業部門)
1)
Hydrocarbon Feedstock Business Unit (ガス処理部門)
  ・
Gas processing plants (GPPs):
    Nizhnevartovsky GPP, Belozerny GPP, Yuzhno-Balyksky GPP,
    Gubkinsky GPP, Noyabrsky GPPNyagangazpererabotka
  ・Tobolsk-Neftekhim (NGL処理)
    LPG、ブタジェン、イソブチレン、MTBEの生産  

2)Plastics and Organic Synthesis Business Unit 6社)

  Sibur-PETF JSCSibur-Neftekhim JSCSibur-Geotekstil LLC
  
Sibur - Khimprom CJSCTomskneftekhim LLCPlastik JSC

  KstovoDzerzhisnk に工場を持つSibur-Neftekhim JSC は最近工場の近代化を行い、エチレン及びEOの能力を増やしている。
  2006
年の年間ベースのエチレン能力は230千トンを超えており、今回の塩ビ事業のため Kstovo の能力を増強する。 

3)Synthetic Rubbers Business Unit (8社)  

  Voronezhsintezkauchuk JSCTolyattikauchuk LLCKrasnoyarsk Synthetic Rubbers Plant JSC
  
Uralorgsintez JSCTobolsk-Neftekhim JSCNovokuybyshev Petrochemicals Company CJSC
  
Kauchuk JSCVolzhsky Enterprise TIBA JSC

(子会社)

1)Sibur - Russian Tyres
   Yaroslavl Tyre Plant, Omsk Tyre Plant, Uralshina LLC (Yekaterinburg),
   Voltyre-Prom JSC (Volzhsky)Saransk industrial rubber plant

2)Sibur - Mineral Fertilizers

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2007年7月 5日 (木)

Huntsman に新たな買い手

先月26日にHuntsman Chemical Basell Polyolefinsによる56億ドルでの買収に合意したことを発表した。

  2007/6/27 速報 Basell がHuntsman Chemicalを買収

そのHuntsman Chemical4日、同社がHexion Specialty Chemicals から新たな買収提案を受けたことを発表した。

Hexion Specialty Chemicals は投資会社のApollo Management 100%子会社で、Borden ChemicalResolution Performance ProductsResolution Specialty Materials 3社が合併して設立された。Huntsmanの買収は実質的にApollo Management による買収である。

Apollo Management は昨年GE Silicones を買収した。昨年初めには、多角化企業のTyco International からプラスチック・接着剤部門を975百万ドルで買収している。GE Plastics 売却の際にも買い手候補としては筆頭にあがっていた。

買収価格はBasell 1 $25.25 だったのに対して $27.25 で、総額60億ドルとなる。

なお、Basell との契約では、Huntsman がより有利な提案を受けた場合には契約を破棄できることとなっており、その場合はBasell 2億ドルのペナルティを払うこととなっている。Hexion は同社との合併が実現すれば、このうち1億ドルを負担するとしている。

Huntsman ではHexionの提案はBasell との契約での「より有利な提案」に該当すると判断、これを詳細に検討して意思決定を行うとしている。

Hexion の提案は、Basell との契約の破棄、Hexion との統合契約の実施を条件としている。
法規制での承認が得られないとか、資金が得られなくて取引が行われない場合には、
Hexion 325百万ドルのペナルティを支払うとし、逆にHuntsman側が取締役会の決定等で契約を破棄した場合には225百万ドルのペナルティを支払うこととの条件がついている。

ーーー

これに対してBasell 及びその親会社のAccess Industries のオーナーLen Blavatnik の反応はまだ明らかでない。
Huntsman に対してより有利な条件で再提案をするのか、2億ドルのペナルティをもらって Len Blavatnik が「戦略的目的で」株を購入したLyondell Chemical の買収に動くのか、目が離せない。

ーーー

Borden Chemical は接着剤やフォルムアルデヒドなど、Specialty chemical の会社で、1995年に投資会社のKohlberg, Kravis, Roberts (KKR)に買収された。
Borden は、ベークラント博士がベークライト製造のため1910年に Rutgers AG と合弁で設立した Bakelite GmbH を2004年にRutgers AG から買収している。
2004年に投資会社のApollo Management がBorden KKRから12億ドルで買収した。

なお、塩ビメーカーの Borden Chemicals and Plastics は、当初はBorden Chemical の子会社であったが独立した。
同社は破産し、3工場をそれぞれ
ShintechFormosa、Geismar Vinyls (Westlake) に売却している。

Resolution Performance ProductsはApolloShell Chemical から買収した会社で、エポキシレジンとバーサチック酸及びその誘導品のメーカー。

Resolution Specialty MaterialsはApolloEastman Chemical から買収した会社で、熱硬化性樹脂と成形コンパウンドを販売している。

20054月、いずれもApollo Managementの100%子会社の上記3、合併して社名を Hexion Specialty Chemicals とし、世界最大の熱硬化性樹脂メーカーになると発表した。

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2007年7月 4日 (水)

Ineos、Lanxess のABS事業を買収へ

Ineosは6月29日、Lanxess との間でABS事業の合弁会社設立で合意したと発表した。

合弁会社の社名は INEOS ABS で、Lanxess のABS事業のLustran Polymers を引き継ぐ。
Ineos が合弁会社に51%を出資し、その分の対価として35百万ユーロをLanxessに支払う。

ドイツ、スペイン、タイ、インド、米国の工場と1600人の従業員が新会社に移される。

本年9月末に手続きが完了すると予想されるが、それから2年後に、Ineos が合弁会社の残りの49%をその時点での事業価値をもとにした代価で購入し、Lanxessは事業から完全に撤退する。

Lustran Polymers の2006年の業績は、売上高が9億ユーロ、特別損益を除く EBITDA (税引前利益+支払利息・減価償却費)は16百万ユーロであった。

ーーー

Lanxessは2004年7月にBayer Chemicalsの大半とBayer Polymersの一部が分離独立した会社で、2005年に上場した。

同社は昨年10月1日にエンプラ事業部のスチレン系樹脂部門を
Lustran Polymers 部門と改称し、ABSの特殊グレードと着色グレードを事業の中核として、地域ごとに製品開発から生産、マーケティングまで自主性を持たせる運営に変更していた。

同社ではこの時点でABS事業の処分を考えていた。
同社のエンプラ事業部にはポリアミドやPBTなどのエンプラ部門だけが残る。(当初はABSのほかにスパンデックスがあったが、旭化成に売却した。)

  2006/9/6 Bayer と Lanxess 

Lanxess はABS事業を処分する一方、合成ゴム事業に注力することとしている。
同社は6月27日、同社としては過去最高の約 4億ユーロを投じて、アジアにブチルゴムの工場を建設することを明らかにした。

シンガポール、マレーシア(Kuantan)、タイ(Map Ta Phut) を候補に交渉中で、立地が決まれば2010年スタートを予定している。

ーー

Ineos については以下を参照。

  2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社 

最近では、3月にNova Chemicals の北米のSM、PS事業を欧州のIneos/Nova の50/50JVのNOVA Innovene に移管することで合意。
  
2007/3/26 NOVA Chemicals、北米のSM、PS事業をINEOSとのJVに移管

5月にはNorsk Hydro からポリマー事業のKerling 社(旧称 Hydro Polymer)を670百万ユーロで買収する契約を締結している。
  
2007/5/25 INEOS、Norsk Hydro からポリマー事業を買収

Jim Ratcliffeが1998年に設立したIneos は売上高180億英ポンド、利益は630百万英ポンドとなり、売上高で英国15位、個人企業としては英国最大企業となった。世界18カ国、73箇所に拠点を持ち、従業員は16,500人となった。但し、Lyndhurst の本社には150人しかいない。

Jim Ratcliffeの個人資産は昨年の11億英ポンドから33億英ポンドに膨らんだと見られている。



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2007年7月 3日 (火)

中国、労働契約法を可決

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の常務委員会で6月29日、労働者の解雇を制限する「労働契約法」が可決、成立した。2008年1月1日から施行される。

事実上、労使間で「終身雇用」契約を結ぶよう求め、違反した雇用者の賠償金支払いを義務付けた。中国が労働者保護に力点を置く姿勢を鮮明にした。

常務委員会では本法を出稼ぎ労働者への虐待(強制労働、給料未払い、不当解雇など)への防波堤としている。

ーーー

常務委は1995年に施行された労働法を補完する目的で2005年末から同法案の審議を始めた。

政府首脳は出稼ぎ労働者問題が社会的不安や暴力事件の多発の原因になっているのを懸念した。.

素案では臨時労働者の雇用を厳しく制限したり、レイオフには組合の承認取得を必要とするなど、今回の案よりも厳しいものであった。

このため、多国籍企業などは、労務費が上昇し、雇用の弾力性がなくなるなどとして強く反対し、施行されれば中国から逃げ出すしかないなどの主張も行われた。

低賃金での酷使や賃金未払いが顕著とされる中国企業の反発は続き、当初は採決を危ぶむ声もあった。

2週間前に、中国各地で拉致・誘拐されたり、巧みにだまされて河南省鄭州に集められた1千人以上の少年が、山西省臨汾市周辺の違法れんが焼き工場で奴隷のように強制労働させられた上に虐待を受けており、地方の共産党がこれを止めることをしなかったことが明らかになり、国中にショックを与えた。

同事件が問題化したことを受け、6月15日に温家宝首相らが徹底解明を指示した。
救出・解放された少年を含む出稼ぎ労働者は5万人を超える強制労働者のうち1%に満たず、当局が再検査したれんが焼き工場のうち、約2/3に当たる2,036カ所が無許可営業で、違法に農民工53,026人を長期間にわたって強制労働させていたことが判明した。
誘拐された少年たちは1人500元(約7500円)で人身売買され、大部分が食事も十分に与えられないまま1日15時間以上の労働を強いられていた。最年少は8歳で、知的障害者も含まれていた。中国メディアは「奴隷工場」と表現している。

闇れんが焼き工場は過去10年間、山西省だけでなく、河北省定州、河南省武陟、山東省臨清、広東省恵州に至るまで全国各地に広がっており、山西省特有の事情とはいえない全国規模のものである。

違法なれんが焼き工場での未成年の強制労働に対して見て見ぬふりをしてきた地元政府の腐敗、汚職構造が浮かび上がってきた。
労働保障部は22日、「少数の地方幹部らが違法れんが焼き工場の生産活動に関与して職権乱用による不法利益をむさぼっている」と闇れんが工場経営者と地方幹部が結託して人身売買、強制労働を行っていたことをついに認めた。

この問題により、常務委の雰囲気が一挙に変わった。
「北京五輪を前に不当な雇用環境を速やかに改善すべきだ」、「国際的な批判もあり、採決を急がねばならない」などの意見が相次ぎ、可決された。
146票のうち、145票の賛成で、棄権が1票であった。.

ーーー

具体的な条文は発表されておらず、要約のみが発表された。主な内容は次の通り。

労働契約は雇用開始後1ヵ月以内に書面化しなければならない。
企業側が雇用開始の1年以内に書面にサインしない場合は、終身雇用契約を締結したとみなされる。
   
企業はレイオフの場合、組合と相談しなければならない。
 (素案ではレイオフに際して組合に認めるか拒否するかの権利を与えるとなっていた)

注 中国では労働組合は 共産党の独占の中華全国総工会All-China Federation of Trade Unions)の支部で、私的な組合は認められていない。

「試用期間契約」を制限する。また、退職金支払を義務付け、首切りの条件を厳しくする。 
 (素案では、「臨時労働者の勤務が1年を超えれば直接雇用とする」となっていた。)
   
経営者は従業員に超過勤務を強制できず、従業員は暴力、脅し、個人の自由の制限などにより働かされた場合、事前通知なしに雇用契約を破棄できる。
   
10年以上勤続するか、期限付き労働契約を2期連続で結んだ労働者は、終身雇用に切り替えなければならない。
違反した場合、違反期間は2倍の月給を支払わねばならない。
  
   
組合(中華全国総工会の企業支部)や従業員の代表の委員会に、給与、ボーナス、訓練、その他雇用に伴う権利と義務に関して、企業と交渉する権利を与える。
(従来は従業員は給与に関しては個人的に交渉するしかなかった。組合は賃金や便益のレベルについてはほとんど関与していない)
   
報酬の支払いに遅延・不足があった場合、労働者は現地の人民法院(裁判所)に強制執行を求められる。
   
公務員は権限を濫用したり義務を怠って労働者の権利を著しく害した場合、行政罰、刑事罰を受ける。

 

常務委の副委員長は、外資の懸念に対して、不法な雇用をしていない企業はコストアップの心配はなく、また、外資が不当に差別されることはないとしている。

ーーー

華南地域などで大量の出稼ぎ労働者を雇用する台湾系や日系の輸出型企業は、生産量が多いときに1カ月単位で短期の派遣労働を使っているが、これが難しくなり、事業戦略全体を見直す必要も出てくると思われる。

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2007年7月 2日 (月)

ガス用ポリエチレン管・継手に排除措置及び課徴金納付命令

公正取引委員会は6月29日、ガス用ポリエチレン管及び継手の製造販売業者に対し、排除措置命令及び課徴金納付命令を出した。
2004年9月と2005年9月にそれぞれ価格引き上げで合意し、競争を実質的に制限したというもの。

化学業界では改正独禁法の最初のケースで、再犯企業(過去10年以内に独禁法違反があった企業)の課徴金5割増し、自主申告した企業の課徴金減免が適用された。
   2006/2/16
独禁法改正  

排除措置命令及び課徴金納付命令の対象と内容は以下の通り。(単位:千円)

  排除命令          課徴金納付命令 課徴金額合計
PE管 継 手   PE管   継手
三井化学  ○  ○  375,750 6%/15%  411,940 6%/15%   787,690
日立金属  ○  ○   59,080 6%/10%  607,950 6%/10%   667,030
三菱樹脂  ○  ○   64,930 6%/10%   62,420 (6%/10%)x0.7   127,350
積水化学工業  ○  ○   51,140 (6%/10%)x0.7   73,500 (6%/10%)x0.7   124,640
クボタシーアイ  ○  ○   53,790 6%/10%   16,700 6%/10%    70,490
日本鋳鉄管  ○  X   29,480 (6%/10%)x0.7    X      29,480
協成  ○  X   17,860 6%/10%    X      17,860
クボタ  -  -    3,520 6%/ー   1,240 6%/ー     4,760
富士化工    -   - (6%/10%) x 0    - (6%/10%) x 0     -
合計 7社 5社  655,550   1,173,750    1,829,300
 X は当該商品を販売しておらず,当該違反行為者ではない。
 金額の右は算定率で 06/1/4以前売上対応と同日以後売上対応

改正独禁法では課徴金の算定率がこれまでの6%から10%に引き上げられた。
今回のケースでは改正前の期間については6%で、改正後の期間は10%で計算された。

三井化学の場合は、2003年3月末にポリプロの価格カルテルでただ一社760,080千円の課徴金を支払っており、10年以内の「再犯」となるため、改正後の期間については15%が適用された。

ポリプロの価格カルテルでは住友化学、出光興産(当時は出光石油化学)、サンアロマー、トクヤマの4社は勧告を拒否、日本ポリケム、チッソは応諾したが課徴金に関して審決の手続きを要求し、いずれも審判が開始された。
  
2006/7/13 ポリプロ価格カルテル事件の現状  

昨年秋以降は、両ケースとも審判が行われておらず、公取委ホームページに何の記載もない。
どうなっているのだろうか。

富士化工は立ち入り検査の前に自主申告したため、管・継手とも排除命令と課徴金を免除された。
積水化学はと日本鋳鉄管はPE管で、また積水化学と三菱樹脂は継手で、それぞれ立ち入り検査後に自主申告を行い、30%減額となった。

改正独禁法では
公取委が立ち入り検査をする前に、
  最初に申し出た企業は課徴金を全額免除、
  2番目は課徴金額の50%を減額、
  3番目は30%を減額
公取委立ち入り検査後の場合は30%減額となっている。
いずれも先着順(指定宛先へのファックス)で、適用
は合計3社となっている。  

今回、三菱樹脂が継手で適用、管で不適用となっているのは、富士化工が先ず立ち入り前に申告し、立ち入り後に日本鋳鉄管(管のみ)と積水化学が申告し、その次ぎとなったためであろう。(管では4番目、継手では3番目)

なお、クボタは2005年4月1日付けでクボタシーアイにガス用ポリエチレン管事業を譲渡したため、それ以前はクボタ、以後はクボタシーアイが課徴金を支払う。

ーーー

三井化学は本命令を応諾する方針で、三菱樹脂も応諾する方向で検討しているとしている。

これまでと違い、自主申告で資料が出されているため、否認が難しいと思われ、この制度が有効であることが明らかとなった。

2006/11の日本経済新聞夕刊連載 「ドキュメント挑戦 法化社会 日本を創る」に、公取委の怒りの的となっていた弁護士の話が出ている。公取委の事情聴取にあたって否認するよう、多くの企業に助言していた。
減免制度が導入され、この弁護士の方針は、否認から早期申告へと180度切り替わった。
「事情聴取に応じるより課徴金の減免申請が先だ。早く申告しないと他社に先を越されるぞ」と電話している。

三井化学では、価格引上げに関する情報交換等が行われていた事実が確認されたとしている。

同社では、「独占禁止法遵守確認手続」など遵守のための対策を全社を挙げて実施してきたが、会社の指示に反し、かつ上司にも報告無く、担当者が価格引上げに関する同業者間の情報交換に加わっていたとし、今回の独占禁止法違反に関係した社員及びその上司の事業部長に同社規則に基づく厳正な懲戒処分を実施して社内に周知し、同時に会長、社長、グループ担当の副社長、リスク管理委員会担当の専務取締役、リスク管理委員会事務局担当の常務執行役員が役員報酬を一部返上する。

本件には該当しないが、三井化学は出光興産とのポリオレフィン事業統合(現在のプライムポリマー)の公取委審査の際に、公取委よりPPに関してはいろいろの理由で「当事会社が単独で又は協調して競争を実質的に制限することとなるおそれがあると考えられる」との指摘を受けた。
これに対して両社は問題解消措置を申し出て、それを基に統合を認められたが、その中のコンプライアンスについては 統合会社において以下の措置を取るとしている。

就業規則に,法令に違反するなど会社の名誉又は信用を傷つける重大な行為があったときは懲戒解雇に処する旨(情状により減給,出勤停止等)規定するとともに,全営業担当者等から,独占禁止法を遵守し,違反があった場合は就業規則に則り厳正な処分を受けても異存はない旨の誓約書をとること。
  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.december/04120701.pdf  

三菱樹脂でも取締役全員について報酬の一部を返上するとしている。

 

付記

今後は自主申告をしなかった会社は株主総会で問題になる可能性がある。

今回の発表が6月29日というのは、公取委の配慮からかとも思われる。
29日は金曜のため、3月決算の会社の総会は既に終了している。

三井化学は公取委から5月25日に排除措置及び課徴金納付に関する事前通知を受けたことを5月30日に発表している。

付記2

公取委は2007年3月1日、ステンレス製ガス管のメーカー4社(下記)に立ち入り調査を行っている。

  日立金属協成、テクノフレックス・トーラ、JFE継手

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2007年7月 1日 (日)

ニュースのその後 カネボウ解散

資産管理会社のカネボウは2007628日、定時株主総会を開き、6月30日付で解散することを決めた。
7月1日からは「海岸ベルマネジメント」と社名を変えて清算手続きに入る。残った資産を売却・処分して負債を返済し、残余財産を株主に分配する。

同社の資産評価を巡っては一部の株主が経営陣を提訴しており株主総会の席上でも解散に反対したが、普通株の85%を握るユニゾン・キャピタル、アドバンテッジパートナーズ、MKSパートナーズの3ファンドが賛成した。

日用品、医薬品、食品の3事業を引き継いだカネボウ・トリニティ・ホールディングスは7月1日付で「クラシエホールディングス」に社名変更する。

「カネボウ」の名前は花王が買収し100%子会社としたカネボウ化粧品に残るのみとなる。(花王が独占使用権を取得)

   2007/3/6 カネボウ・トリニティ、社名をカネボウからクラシエに変更 

カネボウ個人株主の権利を守る会」では東京地裁に対して株式買取価格決定申請を行っている。
争点は、ファンドが実行した上記のカネボウ3事業の
カネボウ・トリニティ・ホールディングスへの営業譲渡の譲渡価格で、ファンド側は434億円、同会は2,785億円以上をそれぞれ主張している。


参考 カネボウ個人株主の権利を守る会 公式サイト
     
http://www.geocities.jp/tob_kanebo/index.htm

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