エジプトのPP事業
Thyssenkrupp社は15日、子会社のエンジニアリング会社Udhe がEgyptian Propylene & Polypropylene Company(EPPC) からターンキイベースで石油化学コンプレックスの建設を受託したと発表した。ライセンス、基礎及び詳細設計、機器手当、建設、訓練、試運転までを含む。
EPPC社はエジプト唯一のPPメーカーOriental Petrochemicals Company (OPC)とエジプト政府のエジプト石油化学公社. Egyptian Petrochemicals Holding Company (ECHEM) の50/50の合弁会社で、Port Said にそれぞれ35万トンのプロピレン及びPPを建設する。投資額は680百万ドルで、2009年末の完成を目指す。
同国の天然ガスを原料とし、Uhde のSTAR (STeam Active Reforming) プロセスでプロパンからプロピレンを製造し、BasellのSpheripolプロセスでPPを製造する。PPの65%以上は欧州と北アフリカ市場に輸出する。
STARプロセスはUhdeが1999年にPhillips Petroleum から導入し、その後開発を進めたもので、プロパン脱水素でプロピレンを、ブタン脱水素でブチレンを製造する技術。
(技術の詳細
http://www.uhde.biz/cgi-bin/byteserver.pl/archive/upload/uhde_brochures_pdf_en_12.00.pdf)
この建設工事を巡っては、Uhde と東洋エンジニアリングの2社(当初はLinde も加わったが、他の事業が忙しく離脱)で争った。TECはOPCのPP工場の建設を請け負った実績があったが、Uhdeが勝ち取った。
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OPCは1996年設立のPPメーカーで、ECHEM が 6%、カーペットメーカーのOriental Weavers が5%出資している。
工場はSuez にあり、現在の能力は16万トン(当初は12万トン)。原料プロピレンはリビアから輸入、製品の6割はOriental Weavers のカーペット用で、残りは外販及び輸出。
建設を巡っては1996年から日本(TEC)と欧米5社が争い、最終的に1998年3月にTECが選ばれた。
契約金額8千万ドルのターンキー・ランプサム契約で、UNIPOL技術を使用している。2000年10月には早くも試運転を開始している。2001年7月完成。
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ECHEMは2002年1月にエジプト政府がエジプトの石油化学を運営・管理するために設立した。
エジプト政府は2003年6月に、同国の豊富な天然ガスを利用した石油化学の20年戦略計画を発表しており、同社はこれの立案、遂行、管理を担当する。
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