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2006年10月31日 (火)

中国で三菱化学技術のアクリル酸エステル工場完成

中国藍星(前回記事参照)の子会社、瀋陽パラフィンのアクリル酸エステル工場が22日、遼寧省瀋陽市の瀋陽経済技術開発区に完成した。

三菱化学が藍星に供与したアクリル酸、アクリル酸エステル技術により建設していたもので、瀋陽パラフィンの生産するプロピレンを原料に、アクリル酸 80千トンと2系列計 130千トンのアクリル酸エステル(メチル 10千トン、エチル 10千トン、ブチル 80千トン、2-エチルヘキシル 20千トン、その他)を製造する。投資額は12.9億人民元。

三菱化学は2004年8月に藍星との間で、技術供与と、藍星が生産する同製品の一部を三菱化学が引き取る契約に調印した。
藍星から引き取るアクリル酸、アクリル酸エステルを、三菱化学とサソールの合弁会社サソール・ダイヤ・アクリレーツ(下記)を通じて、中国国内を含むアジア市場を中心に販売する。

なお、同プラントの基本設計及び設備調達は、三菱化学エンジニアリングが担当した。

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三菱化学は原料のアクリル酸、アクリル酸エステルから川下製品の高吸水性樹脂、エマルジョンまで「トータル・アクリレート・チェーン」を石化ビジネスにおけるコア事業として位置づけており、ワールドワイドな事業展開を加速させるとしている。

同社は四日市にアクリル酸110千トン、アクリル酸エステル116千トンの能力を持っている。

2001年10月、南アのSasol 社との間でアクリル酸及びアクリル酸エステルの共同事業について合弁会社を設立することで基本合意した。その後、20039月に2つの合弁会社を設立した。
Sasol Dia Acrylates (Pty) Limited (本社:南ア)
 三菱化学 50%、Sasol 50% 出資で、アクリル酸及びアクリル酸エステルの販売、投資等の事業管理を目的とする。

Sasol Dia Acrylates (South Africa) (Pty) Limited (本社:南ア)
 ①のJVが
50%、Sasol 50% 出資で、Sasol 社 Sasolburg工場敷地内に、三菱化学技術で、
 アクリル酸 80千トン、アクリル酸ブチル 80千トン、アクリル酸エチル 35千トン、精製アクリル酸 10千トンを生産。

三菱化学とサソールの間には、これより以前に、三菱がノルマルブタノール生産技術を供与し、サソールが生産するノルマルブタノール(年産能力15万トン)の一部を引き取るとの提携関係が出来ていた。

高吸水性樹脂(SAP)については、三菱化学は原料アクリル酸からの一貫生産の強みを生かして当分野に進出すべく独自に懸濁重合法によるSAPを開発、1987年に生産販売を開始した。同じく、三菱化学の関連会社である日本合成化学もSAPの生産販売をしており、両社はSAP事業合理化のため、1996年、合弁会社・ダイヤポリアクリレート三菱化学 51%出資、生産能力年産1万トンを設立した。

一方、三洋化成は、1975年に水溶液重合法によるSAPの開発に成功し、1978年に世界で初めてコマーシャルベースでSAPの生産販売を開始し、生産能力を順次増強し、名古屋工場に年産8万5000トンのプラントを有していた。

両社はそれぞれの事業を統合してサンダイヤポリマー(三菱40%/三洋60%)を設立し、2001年4月から営業を開始した。

サンダイヤポリマーは20036月に江蘇省南通市に100%子会社、三大雅精細化学品(南通)を設立した。2005年10月から高吸水性樹脂2万トンを生産している。 

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三菱化学では藍星との提携が、三大雅へのアクリル酸供給ソースが確保できること、需要の大幅な伸びが期待される中国をはじめとするアジア市場へのアクリル酸エステルの供給体制が強化できるなど、本事業の発展・強化に資する提携となるとしている。

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2006年10月30日 (月)

中国化工集団公司(ChemChina)の海外進出

中国化工集団公司(ChemChina)は2004年5月に国営のChina National Blue Star (Group) (藍星グループ)と China Haohua Chemical Industrial (Group) (昊華化工)を統合して設立された。

中国藍星は10月26日、フランスのローディアとの間でローディアのシリコーン事業を買収する契約を締結した。事業価値を同事業の2005年の金利・税金・償却前利益の7倍強の4億ユーロをベースにしている。

ローディアのシリコーン事業は、2005年の売上高が417百万ユーロで従業員は合計1200人、欧州が中心で、フランスに2箇所大きな工場を持っている。アジアでは、上海と江西省、マレーシアと豪州に工場を持つ。

藍星は本年、江西省南昌市に年産10万トンの新しいシリコーンモノマー工場を建設、これにより同社の南昌での生産能力は同20万トンとなる。

藍星とローディアは2004年10月にシリコーン事業で提携の覚書を締結し、2005年5月にはローディア技術により年産20万トンのメチルクロロシランのプラントを建設することで合意書を締結、同時に両社はそれぞれのシリコーンの上流及び下流分野での活動をグローバルに戦略統合する可能性について2006年央までに検討するとしていた。検討の結果、今回の事業売却にいたったと思われる。

ローディアは、この売却は世界で主導的地位を占める事業に専心するという基本戦略に沿い、かつ負債縮減に役立つものとしている。

ローディアは元はローヌプーランで、1998年に化学品事業部と繊維・ポリマー事業部を統合し、新会社ローディアとなった。
(残りのライフサイエンス部門は1999年にヘキストと合併してAventis となった。)

ローディアでには3グループ、7事業がある。

Performance Materials Polyamide
Acetowcellulose acetate fiber
Functional Chemicals Novecaresurfactants, phosphorus derivatives, natural polymers and specialty polymersand monomers
Silcea“Electronics & Catalysis” (rare earths),
“Silica Systems” (highperformance silicas) and “Silicones”
Organics and Services  Eco Servicessulfuric acid
Organics:diphenols and derivativesisocyanatesfluorinated compounds and derivatives
Energy Servicesreduction of greenhouse gases

ーーーーーーーーー

一方、ChemChina はこの数年海外の化学事業の買収に積極的で、2005年10月には豪州の石化会社Qenosを買収した。

Qenosは1999年10月に当時のケムコアエクソンとモービルの折半会社とオリカ旧ICIオーストラリアが豪州の両社の石化事業を統合して設立したもので、エクソンモービルが53%、オリカが47%出資している。シドニーとメルボルンに工場を持ち、以下の能力をもっている。従業員920人。
 エチレン 500千トン、プロピレン 50千トン、ブタジェン 20千トン
 HDPE 180千トン、LDPE 90千トン、LLDPE 120千トン
 ブタジェンゴム 12千トン
このほか、
Qenosはエクソンモービル、錦湖、BASF等の代理店として、EPDM、PP、ポリエステルレジン等々の輸入販売を行っている。

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BlueStar は、本年1月にはCVC Capital Partners から子会社で動物用栄養製品メーカーの Adisseoを買収している。売買代金は4億ユーロ。

Adisseoは、CVCがアベンティス現在サノフィ・アベンティスの動物栄養製品部門を2002年に購入して設立した会社で、メチオニン、ビタミン、飼料用酵素を製造販売しており、年間売上高は5億ユーロ。メチオニンは年20万トンを生産し、世界シェアは29%。

中国では2005年にメチオニンを12万トン輸入しており、今後も需要は10ー15%増加すると見られている。
BlueStarは将来、Adisseo技術により中国内に20万トンプラントを建設する計画をもっている。



 

 

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2006年10月28日 (土)

出光興産上場

出光興産が10月24日、東京証券取引所第一部市場に上場した。
募集株式数は国内が7,400千株、海外が4,120千株の合計11,521千株。ほかに公募の数量を超える需要があった場合に主幹事証券会社が対象企業の株主等から一時的に株券を借りて追加的に販売するオーバーアロットメントが1,157千株がある。

 

公募・売り出し価格9,500円を約11%上回る10,500円で初値を付け、終値は10,770円、終値べースの時価総額は4,183億円となった。
時価総額は元売り大手6社の中では昭和シェル石油に続き5番目で、首位の新日本石油(約1兆3千億円)とは大きな差がある。

公募・売り出し価格1株 9,500円のうち、4,513円を資本金に、4,512円を資本準備金とする。
上場後も創業家の出光家が大株主にとどまるが、持ち株比率は31%から約20%に下がる。

同社では上場によって調達した1,000億円超の資金を合わせ、2009年3月期まで2,500億円を戦略分野に重点を置いて投資する。
今後の事業戦略について、同社は以下の通り述べている。
「国内の石油製品需要は減少傾向にあり、事業成長には限界があります。成長を確保する為には、事業ポートフォリオの改善が必要であり、基盤事業は、国内での効率化を追求し、競争力を強化する一方で、海外において技術・ノウハウを活用した事業展開を行い、資源事業は石油・石炭などの採算性の高いエネルギー資源事業の中長期的拡大を図り、潤滑油・機能性樹脂・電子材料などの高付加価値事業は技術力による差別化で積極的に拡大してまいります。これらの戦略を着実に実行し、バランスの取れた事業ポートフォリオの構築と持続的成長を目指してまいります。」

ーーーー

同社は1911年に、出光佐三氏が北九州市に出光商会として創業、1940年に出光興産となった。

1951年にイランが石油を国有化し、これに対しメジャーは日本などの消費国にイランと取引をしないよう圧力をかけた。
出光は1953年に日章丸二世(1万9千重量トン)でアバダンよりガソリンと軽油を輸入した。産油国との直接取引の先駆けを成すものであった。
BPの前身、アングロイラニアンは積荷の所有権を主張し、東京地裁に提訴したが、出光が勝訴した。)

1957年に徳山製油所を竣工、石油精製に進出、1963年に千葉製油所を建設した。
1964年に出光石油化学を設立、徳山工場を建設した。

1963年には石油業法による「生産調整」に反対し、石油連盟を脱退している。
1966年末で石油の生産調整は表向き廃止されることになり、同年10月、石油連盟に復帰した)

同社はその後拡大を続けたが、1990年代には資本金10億円に対し、連結有利子負債が2兆円を超え、経営危機が深刻化した。
このため、同社は財務内容改善を目指し、1998年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を策定、借入金の大幅な削減と自己資本の充実を図ることを決めた。

20005第三者割当により配当優先株式290万株の発行を決め、資本金を10億円から300億円へ増資した。
東海銀行、住友銀行、住友信託銀行、東京海上火災保険、住友生命の各社に割り当てた。
その後も金融機関を引受先として議決権のない優先株を発行し、資本金を388億円とした。また、今後、第三者割当による普通株式発行、株式上場も検討することとした。

2002年に就任した天坊昭彦社長は記者会見で、以下の通り述べている。
2006年の株式上場を目指すなかで「プライベートカンパニー」から「パブリックカンパニー」への方針転換を果たすことが自分の役割だと考えている。
   
これまで出光の経営は金融機関からの借り入れに依存しており、これが一種の「盾」になってくれた。しかし、金融機関の体質も徐々に変化しており、出光としても大きな変革が求められるということだ。
   
出光石油化学は規模も大きく、これまで出光興産とは「兄弟会社」として、それぞれ独自に運営してきた傾向があった。しかし、日本の石化業界は厳しい国際競争のなかを一人で勝ち抜いていくのは難しく、コンビナート同士の戦い、競争力の問題になってくる。これからは連結経営強化の一環として100%こちらの歩調に合わせてもらう。
   

また、出光石油化学の厩橋社長も、精製石化一体化による優位性を次のように述べた。
「今後、中国にメジャーが進出し、中東ではエタンベースのエチレン設備が本格化するが、当社は原料では負けない。たとえば中東ではプロピレンが生産されないが、出光グループには精製のFCC
流動接触分解プロピレンがある。一方で、石油製品も需要構造の変化が予測され、石化原料となる留分の価値が見直される可能性もある。出光グループは石油と石化の両方の変化に対応できる」

2005年10月、同社は金融機関や系列販売店を引受先とし、512億円の第三者割当増資(679社向け)と228億円の自己株売り出し(3社向け)を実施した。
同時に従来の資本金388億円のうち、優先株の有償消却で387億円の減資を実施した。
新資本金は513億円、自己資本増加額は353億円となる。

                     (資本金) (自己資本増減)
当初 普通株式 20,000千株    1,000百万円  
優先株式  3,780千株   37,800百万円
       
減資 優先株式 3,780千株  -38,661百万円  -38,661百万円
増資 普通株式 7,321千株   51,250百万円   51,250百万円
売却 普通株式(3,256千株)     22,789百万円
       
合計 普通株式 27,321千株   51,388百万円   35,378百万円

 

出光興産は2004年8月1日に出光石油化学を吸収合併した。

2005年4月1日に三井化学と出光興産は両社のポリオレフィン事業を統合してプライムポリマーを設立した。
三井化学 65%、出光興産 35%の出資で、実質的には出光が旧出光石油化学のポリオレフィン事業を三井化学に譲渡したこととなる。
2005年8月の
出光興産4半期報では「ポリオレフィン事業での合弁会社設立に伴う営業譲渡益を含め特別損益47億円」としている。


 

 

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2006年10月27日 (金)

ババリア・エチレンパイプライン建設補助金承認

ECはこのたび、ECの協定による州政府の補助金支払い可否を審査した結果、ドイツのバイエルン自由州(英語読みでババリア州)政府による南部エチレンパイプライン社EPSEthylene Pipeline Sud GmbH & Co. KG) への補助金支払いを承認した。
パイプライン建設費
150百万ユーロに対し、当初申請の50%から29.9%44.85百万ユーロに引き下げて承認した。

EPS社はBASF, Borealis, Clariant, OMV Deutschland, Ruhr Oel, Vinnolit, WACKER のコンソーシアムで、 BASF本社工場のあるLudwigshafen (既存パイプラインの東南端)とババリアのMunchsmunsterを結ぶ 357kmのエチレンパイプラインを建設する。

ドイツ当局は、このパイプラインは既存のエチレンパイプラインと「内陸の島々」を結ぶとともに、更に西欧と中欧・東欧のパイプラインを結ぶものと、重要性を主張した。

コンソーシアム参加各社のババリアの拠点は以下の通り。

Borealis Polymere Munich
Clariant Produkte
Gersthofen
Ruhr Oel (BP) Munchsmunster .
WACKER
Burghausen
Vinnolit Gmbh&Co KG:①Gendorf 、② Burghausen (Wacker 敷地内)

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2006年10月26日 (木)

信越化学 中間決算好調

信越化学は23日、中間決算を発表した。

連結売上高が前年同期比19.4%増の6,390億円、営業利益と経常利益は同33%増の1,200億円、当期純利益は同34.7%増の749億円といずれも大幅増加した。
国内の半導体シリコン製造設備の減価償却(定率法)の
耐用年数を、従来の5年から3年に短縮している。(短縮による償却費増は半年で70億円)

3月期決算でも増収、増益、増配を予想している。
但し来年の業績見通しについては、金川千尋社長は、「米国の景気が建設、自動車など下降気味なので楽観できない。今年と横ばいならいい方だと思う」と語っている。

 

信越化学決算推移         単位:百万円(配当:円)

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当
連結 単独 連結  単独  連結 単独  連結  単独  中間 期末
05/9  535,103  276,079   90,291   35,611   90,037   36,027   55,611   22,787  17.5  ー
06/9  639,049  334,650  120,024   40,243  120,043   39,711   74,932   25,311  25.0  ー
                     
03/3  797,523  480,243  122,149   62,014  122,119   62,011   73,015   37,028   7.0   7.0
04/3  832,804  482,580  125,625   56,073  125,612   58,065   74,805   34,725   8.0   8.0
05/3  967,486  520,289  151,734   63,081  151,503   62,030   93,160   39,020  10.0  10.0
06/3 1,127,915  582,426  185,320   73,685  185,040   72,115  115,045   45,065  17.5  17.5
07/3 1,290,000  690,000  241,000   80,000  241,000   80,000  150,000   50,000  25.0  25.0

 

セグメント別営業損益と概況  (単位:億円) 

各分野ともに好調。

  05/9中間 06/9中間
塩ビ系 182 245
シリコーン系 193 200
その他有機・無機 94 106
有機・無機化学品計 469 551
半導体シリコン     258     421
その他      57      84
電子材料計 315 505
機能材料ほか 120 143
全社 -1 1
営業損益計 903 1,200

1)有機・無機化学品 Shinetusegeigyo_2

●塩ビ                               
 米国シンテック社が、北米市場を中心に需要が旺盛で、売値も高水準で推移したことから、増収増益になった。   
 オランダのシンエツPVC社は、欧州全体の需要に支えられ、売上と利益を順調に伸ばした。               
 国内事業は、中国向け輸出の採算悪化により営業利益は減少した。

【シンテック業績】  

  売上高  経常利益 当期純利益
2005/6中間  1,058億円   170億円   112億円
2006/6中間  1,303億円   251億円   168億円
       
2003/12月期  1,671億円   238億円   155億円
2004/12月期  1,971億円   271億円   179億円
2005/12月期  2,330億円   373億円   248億円

●シリコーン
 中国・米国向け輸出が総じて順調であったことに加え、国内販売が堅調に推移し、増収増益となった。
 信越ポリマー㈱の携帯電話用キーパッドなどの加工製品も好調だった。

●その他有機・無機
 セルロースは国内が医薬品向けを中心に堅調に推移したほか、ドイツのSEタイローズ社も建材向けの販売が好調だった。
 酢ビ・PVAの日本酢ビ・ポバール㈱の出荷も好調だった。

2)電子材料事業
●半導体シリコン
 携帯電話、パソコン、デジタル家電、自動車など幅広い分野でデバイス需要が伸びるなか、300mmウエハーでは、需要の拡大を的確に捉えながら、複数の拠点で製造能力の増強を行い、拡大が続く需要に対応した。
 200mmウエハーの需要も高水準で推移した結果、半導体シリコンは大幅な増収・増益となった。
 
 当中間期において、国内の半導体シリコン製造設備の減価償却(定率法)の
耐用年数を、従来の5年から3年に短縮した。(短縮による償却費増;70億円/半年)

●その他
 電子産業用希土類磁石はデスクトップパソコン、サーバー、映像記録機器用途等のハードディスクドライブ向けが好調。
 半導体用フォトレジストは、先端デバイス向けに本格採用が始まったArFレジストが好調。

3)機能材料その他
●合成石英
 液晶用大型マスク基板は、当後半に調整局面を迎えたが、光ファイバー用プリフォームは需要の回復の兆しが見られたことから、合成石英製品は増収増益となった。

●希土類磁石他機能材料
 希土類磁石は自動車、デジタル家電など多くの分野で採用が進み堅調に推移、液状フッ素エラストマーやペリクルも好調に推移。

ーーー

同社は中間配当を前年の17.5円から25円に増やした。年間(予想)では昨年の35円から50円にする。一昨年が20円であったので2年で2.5倍になる。
医薬業界では武田薬品が今期中間60円、年間120円を予定している。

Shinetuhaito

 

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2006年10月25日 (水)

中国、有害廃棄物輸入で海外企業を処分

国家質量監督検疫検験総局(SAQSIQ:State Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine)は有毒・有害廃棄物が中国へ流入することを防ぐため現場検査を行った結果、登録した廃物原料と実際の状況が一致しないことが明らかになったとして海外17社の廃物原料国外供給企業登録資格(中国向けスクラップ輸出に関する資格)の停止、取消を行った。

資格の一時停止処分を受けたのは日本の日中再生資源株式会社のほか、韓国企業1社、スウェーデン企業4社、英国企業2社の合計8社。また登録した廃物原料と実際の状況の不一致が深刻だったことから、日本の揚州加藤現代農芸有限公司と、ベルギー企業3社、ドイツ企業2社、スウェーデン企業1社、英国企業2社の合計9社の資格が取り消された。


SAQSIQ によると本年初めから、21社が資格取消、8社が資格の一時停止の処分を受けている。

ーーーー

登録資格制度は2005年9月に施行された。

発端となったのは中古プラスチックの輸入問題。
2004年3月下旬に
九州のある企業が山東省青島市に回収プラスチック 6千トンを輸出した際、「バーゼル条約」(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約)に違反したことがある。
同社は合格基準を満たした少量のプラスチックを貨物の最上部に置き、規定に満たず、利用価値もない大量の有害廃棄物をその下に隠すという詐欺まがいの手段で輸出し、現地の環境に深刻な汚染をもたらした。

SAQSIQは同年5月、日本から輸入する回収プラスチックの登録検査と関連の検査・検疫手続きを一時停止すると発表した。すでに検査手続きをすませている場合は、関連機関が厳重な検査を行い、条件に合わない貨物は一律に通関を認めないとした。
特定の国からのリサイクル原料輸入を全面的に停止するのは、中国では初めてであった。

この措置により、回収プラスチックの輸出を扱う日本企業はたちまち苦境に立たされた。2003年の日本の回収プラスチック輸出量は68万トンで、3年前に比べて倍増しており、うち9割以上が中国に輸出されていた。

この事件に関しては日中の当局者が協議した結果、問題となった廃プラは2005年8月にすべて中国から持ち出されたうえ、日本側が輸出の際の適切な処理を保証した。

この結果、中国政府は日本からの廃プラスチック輸入再開を認めるとともに、 廃物原料国外供給企業登録資格制度を実施した。


 

 

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2006年10月24日 (火)

ダウ、アジア進出を促進

ダウは20日、タイでサイアムセメントとのナフサクラッカーJV計画を進めると発表した。

昨年のサイアムの発表では、11億ドルを投じてRayongに新しいナフサクラッカーを建設するもので、能力はエチレン90万トン、プロピレン80万トン。
サイアムが
67%、ダウは33%出資する。2010年稼動を目指す。

ダウは石油化学投資に当たり "asset-light" approach 取っている。Kuwait Oman JVのように、技術と資金を提供してワールドクラスの石化計画に参加するもので、本件もそれであるとしている。

同社ではこのアプローチの利点として、①低コスト原料の入手、②パートナーのローカルのノウハウ活用、③資金節減、④リスクが低い、の4つを挙げている。

ダウはタイでの誘導品事業も検討している。プロピレンではBASFと共同で開発した過酸化水素法POHPPO)を、エチレンでは既存のサイアムとのJVSiam Polyethylene でのhigher alpha olefins PE の増設を検討している。

ダウとサイアムはRayongMap Ta Phut に5つのJVを持っている。
 Siam Polyethylene (LLDPE)
 Siam Polystyrene (PS)
 Siam Styrene Monomer   (SM)
 Siam Synthetic Latex  (SB latex)
 Pacific Plastics (Thailand)  (
Polyol)

新クラッカーはこれらの立地に近いため、川上、川下の連携でより効果が得られるとしている。

なお、サイアム側も 4億ドルを投じてHDPE 30万トン、PP 40万トンのプラント建設を計画している。

タイの石化については 
2006/6/8 「タイの石油化学の現状」、
2006/10/6 「タイで年産100万トンエチレン建設」参照 
ーーーー

ダウはまた同日、上海浦東新区の張江高科技園区Zhangjiang Hi-Tech Park)でダウセンターの建設を開始した。
65千m2の立地にR&DセンターとグローバルITセンター、付属設備を建設する。

R&Dセンターは数百人の科学者を擁し、60以上の研究室で、建設、自動車、健康、パーソナルケア製品など幅広い研究を行う。

 

ダウのGreater China (本土・香港・台湾)での2005年の売上高は23億ドルで、米国、ドイツに次ぐ3番目の市場となっている。

ダウの中国事業については 2006/8/23 「中国でのダウの活動」参照

 

張江高科技園区は「中国のSilicon Valley & Pharmaceutical Valley」と呼ばれ、多くの企業が進出している。
http://www.localglobal.de/gbf2004/vortraege/shanghai_zhangjiang.pdf 参照)

Zhangjianghitechpark  
 

 

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2006年10月23日 (月)

WHO、マラリア防止にDDT使用を推奨

WHO915日、マラリア蔓延地区においてDDTの室内散布を推奨すると発表した。DDTを壁や天井などに散布することにより、そこに停まる蚊を殺し、マラリア蔓延を防ぐもの。

DDTは1873年に初めて合成され、1939年にスイスの科学者パウル・ヘルマン・ミュラーが殺虫効果が発見し、この功績によって1948年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。安価で高等生物への急性毒性が弱く、マラリアを媒介する蚊の駆除に劇的な効果を上げることも分かり、世界中で使用された。

しかし、米国のレイチェル・カーソンが1962年、著書「沈黙の春」でDDTの生態系への影響を指摘、他の研究者からも発がん性やホルモンに似た作用があるという報告が相次いだ。このため、80年代に各国で使用禁止となった。

スリランカでは1948年から62年までDDTの定期散布を行ない、それまで年間250万人を数えたマラリア患者の数を31人にまで激減させることに成功していたが、DDT禁止後には僅か5年足らずで年間250万人に逆戻りしている。
最近は世界で毎年、5億人以上がマラリアに感染し、100万人以上が死亡しているという。

2004年、地球規模での化学物質の汚染防止を目的にした「ストックホルム条約」が発効した。これにより、DDTやPCB、ダイオキシンなどの使用が規制されたが、例外としてマラリア対策として、DDTの製造・使用が認められた。

南アフリカでは国際的な圧力により、1996年にDDTの使用をやめ、その代替殺虫剤が使用されるようになっていたが、その殺虫剤がDDTに比べ効果の弱いことが分かり、その4年後、再びDDT使われるようになった。
公式資料によると、2000年には64,622人(内 死亡438人)のマラリア発症の報告があったものが、2005年には7,754人(内死亡64人)と大きく減少している。

今回のWHO発表では以下のように述べている。
・DDTの室内散布はマラリア感染蚊による感染者数を素早く減少させるのに有効。
・調査によると、よく管理されたDDTの室内散布は野生生物や人体に害を与えないことが判明。
・科学的データによるとWHOが室内散布を認める殺虫剤のなかで、DDTが最も有効。
・家や畜舎の壁や天井に長期間効果のある殺虫剤を散布し、そこに停まるマラリア蚊を殺す仕組み。
・室内散布は丁度、大きな蚊帳を家中に24時間吊るのと同じである。
・室内散布についての考えはこの数年、変わってきた。1960年代に反DDT運動をした環境保
護基金(Environmental Defense)やシエラクラブ、絶滅危惧野生動物保護基金(Endangered Wildlife Trust)も賛成に回っている。
・正しい、タイムリーな室内散布はマラリア蔓延を
90%まで減らすことが出来る。
WHOのマラリア防止策は次の3つ。
 1)室内散布

 2)殺虫剤処理の蚊帳の使用
 3)
感染者にはアルテミシニンと他の抗マラリア薬の併用治療

ーーー

殺虫剤処理の蚊帳は住友化学が開発した。商品名をオリセット蚊帳Olyset Mosquito Net)と呼ぶもので、殺虫剤を樹脂に練り込み、その樹脂を用いて蚊帳を作った。WHO ではこのオリセット蚊帳の効果を確認し、推薦している。

住友化学はタンザニアの蚊帳メーカーに技術を無償供与し、これの現地生産体制を整えたが、昨年、現地メーカーとの合弁会社Vector Health International Limitedを設立して新規工場を建設した。タンザニアでの年間生産能力は 800万張り/年に、世界での生産能力を2,000万張り/年にした。

ーーー

マラリア治療薬についてはアルテミシニンが使用されたきたが、WHOはアルテミシニンの単独使用でマラリア原虫は抵抗性を持つ可能性があるとし、アルテミシニン単独、または他の抗マラリア薬単独の治療法ではなく、アルテミシニンと他の抗マラリア薬を併用するACT (artemisinin combination therapies) 治療を推奨している。
また、
WHOは従来常用されてきたクロロキンはほとんどの国でその効果を失ってしまったと指摘している。

ーーー

今回のDDT使用推奨については賛否両論がある。

科学ライター、松永和紀さんによると、使用賛成論者は次の理由を挙げる。

(1)DDTの評価の誤り
 ヒトへの発がん性を示す確たる証拠がないこと、神経系や内分泌系への影響も実験結果がさまざまで、はっきりしたことがまだ言えないこと。つまり、「『沈黙の春』は、真実ではない恐怖を煽ってDDTを禁止させ、大勢の子どもの命をマラリアで失わせたのではないか」という批判が、浮上している。

(2)農薬など化学物質は、それほど生物に蓄積していない。
 昨年、CDC(米疾病管理センター)が、米国民の尿や血液から検出された148化学物質をリストにして発表した。99-2000年の調査結果で、DDTをはじめとする農薬は、検出されないか検出されても微量。
もちろんこれは、「沈黙の春」などの警告に基づき、化学物質管理が進んだ結果でもある。ただ、「沈黙の春」が、化学物質を排出したり分解したりする生物の機能を軽視し過ぎたことは否めない。
(2006-06-07  松永和紀のアグリ話●「沈黙の春」の検証が進まない不思議な国ニッポン話」)

これに対して最近の欧州などでの研究で、DDTと男児の生殖器異常との関連性を示す報告がいくつか出ており、DDTのホルモンに似た作用による影響と考えられる。動物実験の結果では、発がん性も完全には否定されていないという。DDT有害説は完全には否定されていない。

5億人以上がマラリアに感染し、毎年100万人以上が死亡している事実を考えると、DDT使用は止むを得ないと思われる。
昔のように畑(農業用)や家の周りの草むらや水溜り(マラリア防除用)に散布するのと異なり、室内散布の場合は自然汚染のリスクも少ない。

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2006年10月21日 (土)

OPEC、減産合意

 OPECは19日、カタールのドーハで緊急会合を開き、イラクを除く加盟10カ国の生産量を公式生産枠2,800万バレルから170万バレル、実質生産量2,750万バレルから120万バレル減らして2,630万バレルにすることを決めた。11月1日から実施する。

 OPECは2005年7月1日に生産枠を50万バレルアップし2,800万バレルとして以来、公式生産枠を維持してきた。しかし、8月後半以降の原油価格の急落を受け、減産による価格維持策が必要と判断した。

 当初は公式生産枠から100万バレルの減産との説が流れたが、実質生産量は生産枠を50万バレル程度下回っていることから、現状追認に過ぎないとの見方が出て、価格は下落傾向をたどっていた。

 このため、OPECは実質生産量を基準にし、かつ120万トンと減産幅を上積みした。

 OPECでは市場の動きを見守り、12月4日にナイジェリアで開く会合で見直しを行うとしている。

各国の状況及び減産幅は以下の通り。(単位 千b/d)

  生産枠  06/9
  実績
06/9
  能力
減産幅
Algeria    894    890    890    59
Indonesia   1,451   1,400   1,400    39
Iran   4,110   3,750   3,750    176
Kuwait   2,247   2,600   2,600    100
Libya     1,500   1,700   1,700    72
Nigeria   2,306   2,200   2,200    100
Qatar    726    850    850    35
Saudi Arabia   9,099   9,200  10,500
 - 11,000
   380
UAE   2,444   2,600   2,600    101
Venezuela   3,223   2,450   2,450    138
Total 1 28,000 1 27,640  28,940
 - 29,440
  1,200

 OPECの減産合意を受けて、ニューヨーク商業取引所の原油市場は19日、WTI原油の先物価格が夕方の時間外取引で1バレル=61ドル台に急伸した。しかし、実際の減産は合意の70-75%にとどまるとの見方が広がり、一時57ドル台まで下げている。

付記 ニューヨーク原油市場、20日終値は 56.82ドルで約11カ月ぶりに57ドルを割り込んだ。

OPEC生産枠推移

Opecwaku  

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2006年10月20日 (金)

エチレン新設計画

台湾プラスチックの雲林県麦寮の第3期エチレン計画が来年上半期に完成することが明らかになった。
完成するのはエチレン 120万トン、プロピレン 60万トン、ブタジェン 17万トン、芳香族 110万トンで、これによりFPCの麦寮のエチレン能力は、1,2期計 1,735千トンと合わせ、2,935千トンとなる。

台湾では2005年のエチレン需要の3,325千トンに対して能力は2,850千トンで、エチレンを輸入して誘導品を生産し輸出している状況だが、この完成でエチレン輸入は不要となる。日本からはこの数年10万トン程度のエチレンを台湾に輸出しているが、これがなくなることとなる。

なお、台湾では中国石油も林園のNo.3エチレン 23万トンをS&Bで100万トンにする計画で、2011年の完成を予定している。

台湾の石油化学については 2006/4/15 「台湾の石油化学」 参照 (添付の能力表は最新版に更新している)

ーーーー

カタール石油とエクソンモービルは15日、ラスラファンに30億ドルのワールドクラスの石化コンプレックスを建設する検討を進める基本合意書を締結したと発表した。

North Field ガス田からのエタンを原料に、エクソンモービルの技術で、エチレン130万トンのほか、ポリエチレンやエチレングリコール等を生産する計画で、アジアと欧州市場を対象にし、2012年のスタートを予定している。

両社は2004年6月に本件に関する基本覚書を締結している。

なお、カタール政府とエクソンモービルは2004年7月に、ラスラファンでの70億ドルのGas-to-Liquid (GTL) 計画の基本合意書を締結している。

カタールの石油化学については 2006/6/1 「湾岸諸国の石油化学ー2 カタール」参照

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2006年10月19日 (木)

シノペック茂名石化、新エチレンクラッカー稼動

シノペック子会社の茂名石化が広東省茂名市で建設していた年産64万トンのエチレンクラッカーがこのほどスタートし、オンスペックとなった。既存の36万トンと合わせ、合計能力を100万トンとした。Maoming

茂名石化は広東省西部に位置する石油精製と石油化学の統合基地で、石油精製能力は年産1350万トンでエチレン能力は360千トンであった。
これまでの誘導品能力はHDPE/LLDPEが175千トン、LDPEが100千トン、MEGが100千トン、SM 100千トン、PP 170千トン、芳香族 150千トンであった。

同社は2003年に新クラッカーの建設承認を得て2004年12月に建設を開始した。当初は既存の36万トンエチレンを80万トンに拡張する計画であったが、のちに計画を変更した。

本年8月には新しい年産120万トンの接触改質装置が稼動した。また260万トンのガスオイル水添脱硫装置も稼動した。
エチレン増設とともに、誘導品の増設も行っており、新設のHDPE 350千トン、PP 300千トン、ブタジェン 150千トンが既に稼動しており、芳香族も 150千トンから 460 千トンに拡張した。更にLDPE 250千トンを建設中で、2007年第1四半期にスタートの予定。

ーーーー

中国政府はエチレンの大型化を推進している。
2005年12月、発展改革委員会(NDRC)は「産業構造の調整促進のための暫定規定」と「産業構造調整指導リスト」を公表した。このうち「指導リスト」は、産業分野を奨励対象、規制対象、
淘汰対象の3種に分類している。

エチレンでは年産600千トン未満の計画を「規制対象」とし、逆に「奨励対象」には大型エチレン計画(東部、沿岸地域では800千トン以上、西部地区では600千トン以上)及び既存エチレンプラントの拡張計画を挙げている。(誘導品についても大型化を奨励している。)

NDRC はまた、本年3月に第11次5カ年計画での「エチレン工業中長期育成計画」を発表した。それによると、中国は2010年までに既存プラントの増設と新規計画により 1,060万トンの能力増を行うこととなる本年1月スタートの中海シェル計画や着工・承認済みの計画を含む)。2005年末の能力が 780万トンであるため、この通りいけば2010年末には1,840万トンになるということになる。

既存プラントの増設については、例えば本件や上海石化
の増設のほか、撫順石化175千トン)のような中規模プラントも拡張し、100万トンに近い能力に引き上げ、既存プラントの能力を2010年までに438万トン増やすとしている。
上海石化は既存の2系列(150千トン&700千トン)のうち、三菱化学技術の第1系列をS&Bで 550-600千トンにすることが計画されている。遼寧省の撫順石化(エチレン175千トン)は800千トンの増設を実施中。

新設については中海シェル計画のような大規模エチレンを7基、合計620万トンを新設する。揚子江デルタ、珠江デルタ、渤海湾地域が2010年には全国のエチレンの60%以上を占めることとなり、同時に新疆、甘肅、四川、湖北省など中西部地区にも大型エチレンが建設されるとしている。

このほか、「育成計画」では、規模の経済と原料問題を提起し、エチレン新設の場合、能力は80万トン以上とすること、製油所との結合で原料入手を確実にし、新計画の原料の75%以上を自給することとしている。
さらにエチレンメーカーに他の原料ソース、例えば、Sinopec傘下の石油化工科学研究院が開発した深度接触分解法
Deep Catalytic CrackingFCCや、石炭→メタノール・メタノール→オレフィンMTOを探求することを求めている。

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2006年10月18日 (水)

Akzo Nobel、寧波化学産業区に新立地

Akzo Nobel は12日、中国寧波市の鎮海地区にある寧波化学産業区との間で工場新設の覚書を締結した。Akzo Nobel としては世界最大の50ヘクタールの土地を確保した。Zrcc

詳細は来年はじめに発表するが、エチレンアミンやキレート剤、有機過酸化物等を生産する。

同社は寧波にポリマー化触媒とパウダーコーティングの2工場を持っているほか、寧波化学産業区にはシノペック鎮海煉油化工が年産100万トンのエチレンクラッカーを建設中で、いろいろの原料を入手しやすいことから同地を選択した。

 

オランダの化学大手アクゾノーベルは、オランダの化学・医薬品のアクゾ1886年設立)とスウェーデンの化学大手ノーベル1871年設立)が1994年に合併して誕生した。

事業部門はコーティング、化学、医薬品の3事業体制で、世界60ヵ国以上で事業展開している。コーティング事業では世界最大手である。

2004年事業部門別売上シェア
  コーティング 41%、化学 34%、医薬品 25%

地域別では、ユーロ圏 38%、その他欧州 20%、北米 19%、アジア 12%、その他 11%と、欧州が圧倒的な主力市場であるが、中国を世界で最も重要な急成長市場として位置づけ、同社の成長計画の中で主導的な役割を果たすとしている。同社では2010年までに中国での売上高10億ドルにするとしている。

同社の中国での活動は以下の通り。

 従業員数  約3,700人
 売上高(2004年) 6億5,500万ドル
  うちコーティング 66%
    化学     
 27%
     医薬品     6%

コーティング事業

製品部門   工場
Akzo Nobel Car Refinishes 修理工場向け自動車塗料、その他  蘇州
Casco(Akzo Nobel Industrial Products 接着剤  
Akzo Nobel Changcheng Powder Coating Powder Coating 蘇州、北京、深セン、廊坊、寧波
Akzo Nobel Decorative Coatings 内装、外装用化粧塗料 蘇州
Akzo Nobel Marine Coatings 船舶用コーティング剤 上海浦東
Akzo Nobel Protecitive Coatings 保護コーティング剤(建造物 上海浦東
Akzo Nobel Wood Coatings 木製家具用コーティング剤 東莞、天津、嘉興
Akzo Nobel Coil Coatings 鉄鋼用コーティング剤(下塗り済み) 蘇州
Akzo Nobel Non-Stick Coatings ライパン、調理器具用 非接着性コーティング剤 東莞、天津

  2005年9月、エマルジョンペンキ最大手の広州のGuangzhou Toide Paint Manufacturing との間で、
  同社のコーティング事業の買収で合意

化学事業

製品部門 内容 工場
Akzo Nobel Polymer Chemical   有機過酸化物、金属製アルキレート、ポリマー化触媒   天津(2工場)、寧波 
Eka Chemicals   パルプ、製紙用化学製品  蘇州、封開 
Akzo Nobel Functional Chemicals MCA  モノアセチンクロロ酸  泰興 
Akzo Nobel Functional Chemials CC   クロリンクロライド(家畜飼料用ビタミン添加剤)  宣興 
Akzo Nobel Resins   自動車向けOEM コーティング用合成樹脂  蘇州 

医薬品

1992年に Nanjing Organon Pharmaceuticalを設立。経口避妊薬が好調。


参考資料
JETRO 2006/5 「欧州企業の中国戦略」
 
http://www.jetro.go.jp/news/releases/20060517405-news/05001227_001_BUP_0.pdf

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2006年10月17日 (火)

デュポン、持続可能性について新たな公約を発表

2006/10/5  「ダウ、天然油ポリオール開発に成功ダウが20065月に発表した「2015年サステナビリティ目標」に触れた。

食料供給、住宅、水問題、健康と安全などの問題解決のため、最低3つのブレイクスルーを達成する。
省エネルギーの達成、代替エネルギーの開発、化石燃料消費に伴うグローバルな気候変化へのチャレンジ
等である。

ーーーー

デュポンの会長兼CEO チャールズ・O・ホリデー Jr.は10日、持続可能性についての新しい公約を明らかにし、安全、環境、エネルギーおよび気候変動を視野にいれてグローバル市場で、ビジネスの拡充を図る、と発表した。

2015年に向けての市場に関する目標
   
環境的に優れた市場機会への研究開発の投資を2倍に。
   
非枯渇資源からの売上を2倍増の80億ドルに
   
省エネ and/or 温室効果ガス排出量削減を実現する製品からの売上を年間20億ドル超に拡大。
   
新たに1,000以上の安全関連製品およびサービスを導入。
   

2015年に向けての環境負荷に関する目標

地球温暖化ガスの排出量
  1990年以降、世界中の事業所から排出される地球温暖化ガスの排出量をCO2換算で72%削減したが、さらなる削減を推進し、2015年までに、2004年を基準として15%以上の地球温暖化ガス排出量の削減する。
   
水の使用量
  世界中の事業拠点において、今後10年間で30%以上の水の使用量削減する。
   
社有車の燃費
  燃費の向上や石油代替燃料のための主要な技術を駆使した車両を導入
   
浮遊性発がん性物質
  1990年以降、世界中の事業拠点における大気中の発がん性物質排出量を92%削減したが、2015年までに、2004年を基準として大気中発がん性物質排出量の50%以上の削減。
   
第三者機関による検証
   

デュポンは再生可能なバイオベース素材、先進的なバイオ燃料、省エネ技術、高機能の安全防護製品、代替エネルギー関連製品および技術をはじめとする、製品の開発と商業化を推進している。これらの製品の中には、トウモロコシを原材料とし、カーペットやアパレル、その他の用途に使用されるデュポンソロナ®ポリマーの主な成分となるバイオPDOTM、高い収穫量や高品質の作物を栽培するために先進的な植物遺伝学を駆使して開発されたパイオニア®ブランドの種子、警察官や消防士および救急隊員の防護服に使われている デュポンケブラー®、デュポンノーメックス® およびデュポン タイベック®の新用途などの高機能材料が含まれている。

ーーーー

デュポンは11日、バイオベース3GT繊維ソロナ® のポリマーを生産し、アジア全域で販売するため、中国の「張家港 Glory Chemical Industry」 と提携すると発表した。

3GT繊維はポリトリメチレンテレフタレート繊維(PTT繊維)で、テレフタル酸と1,3プロパンジオール(PDO)とのエステル単位を質量比で85%以上含む長鎖状合成高分子からなる繊維。「しなやかさ(ソフト感)」を持ち、染色性が良く、高発色性、耐久(特に耐塩素)性などが特長。また、ポリエステル成分を張り合わせた複合糸は優れたストレッチ性と回復力を合わせ持つ。

デュポンは Tate & Lyle と共同で醗酵、精製技術を開発、50/50JVのDuPont Tate & Lyle BioProducts を設立し、トウモロコシ等を原料としたバイオ法PDOのプラントをデュポンのテネシー工場の既存プラントに隣接して建設した。

「張家港 Glory Chemical Industry」は本年初めにソロナ® ポリマーを生産するために設立された会社で、デュポン技術の連続重合設備を5月に建設開始した。2007年第2四半期に商業生産を開始する予定で、原料のバイオPDOは上記JVから供給を受ける。生産能力は年産30千トン。

 
PTT繊維は日本では東レが2001年にデュポンとライセンス契約を結び生産しているほか、旭化成と帝人が合弁会社ソロテックスで生産している。

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2006年10月16日 (月)

Eastman、ポリエチレン事業をWestlakeに売却

Eastman とWestlake Chemical は10日、Eastman がポリエチレン事業をWestlake Chemical に売却することで合意したと発表した。売却するのはポリエチレン事業、Epolene polymer ポリオレフィンワックス:接着剤、コーティング材料)事業とエチレンパイプラインで、売却額は255百万ドル。この事業の2005年の売上高は約680百万ドル。

Eastman としては、ポリエチレン事業そのものは順調だが、原料エチレン設備が古く競争力がないため、エチレンに強い相手に売却するとともに、老朽エチレン設備の廃棄でコスト競争力を高め、他のエチレン誘導品の維持を図るとしている。Eastmanwestlake


売却するのはテキサス州 Longview
ダラス東方のポリエチレン工場LDPE 320千トン、LLDPE 190千トンとポリオレフィンワックス工場、及びLongview とMont Belvieuヒューストン近郊との 間の200マイルのエチレンパイプライン。

Westlakeはルイジアナ州 Lake Charles
近郊のWestlakeLDPE 390千トン、LLDPE 250千トンの合計640千トンをもっており、今回の買収により合計能力は 1,150千トンとなる。Westlakeはまた、アクリレートコポリマーやEpolene polymerLLDPEEnergx などの技術も取得する。

工場は引き続き Eastman が操業を受託する。

Westlakeではこの取得により北米のポリエチレン市場での力を強化するものとしている。

Eastman のLongview 工場のエチレン能力は4プラント合計780千トンで、2007年から順次、老朽化した3プラントを廃棄する。残る1プラントの能力は359千トン。

Westlake Chemical は台湾資本で、ルイジアナ州にエチレン109万トンのほか、LDPE、LLDPE、SMを、またケンタッキー州にエチレン、塩素、VCM、PVCを、ルイジアナ州Geismarには破産したBorden Chemicals and Plastics から買収したVCM、PVCプラントを持っている。

2006/9/16 「Westlake Chemical、20周年」 参照



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2006年10月14日 (土)

韓国企業、円安ウォン高で悲鳴

韓国企業が最近の円安ウォン高に悲鳴をあげている。韓国の新聞では、「日本製品と競争できない」、「靖国参拝よりさらに大きな問題」などの記事が並んでいる。


2006/8/26 「
韓国の上場企業、10社中3社が赤字」では以下のように述べた。

「投資・消費・雇用が不振の中で物価が上昇しており、経済の支柱となってきた経常収支までが原油価格の高騰とウォン高の影響で悪化し始めた。 5年前は1ドル1,300ウォンだったのが、今では1ドル970ウォンとなっている。」

ーーー
現在も1ドル970ウォン近辺だが、円安が進み、なんとか100円=800ウォンを維持しているが、「韓国政府当局が積極的に為替防衛をしなければ、今月中に700ウォン台に下落する可能性が高い」とされている。(13日の外国為替市場で一時100円=800ウォンを割った。)

経済界では「円安発輸出不振」を訴える悲鳴が出ており、アナリストは「為替レートが100円=830ウォンだったころ、韓国製品は日本製品よりも価格競争力で10%程度優勢だったが、為替レートが700ウォン台に下落すれば価格競争力が完全に相殺される」と指摘している。

特に世界市場で日本製品と直接競争している自動車・電子・鉄鋼分野では、韓国製品が価格競争力を得た日本製品の攻勢を受ける状況に陥っている。

韓国企業は米国市場で日本企業の安値攻勢を受けており、日本に直接輸出する韓国企業の中には、輸出中断の決定を下す企業が増えているという。

英国の経済週刊誌『エコノミスト』最新号も「世界で最も平価が切り下げられている通貨は日本円だ。日本の輸出企業は円安を背景に、最近ウォン高傾向にある韓国企業などに対し、大きなアドバンテージを得ている」と報じている。




日本の化学会社の輸出の好調も、円安の恩典がかなり大きい。

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2006年10月13日 (金)

ノーベル賞とイグ・ノーベル賞 (ちょっと息抜き)

ノーベル生理学・医学賞は米スタンフォード大学のAndrew Z. Fire教授と米マサチューセッツ大学のCraig C. Mello教授が受賞した。Dnarna
授賞理由は「RNA干渉―二本鎖構造のRNAによる遺伝子の沈黙」で、遺伝子情報からたんぱく質を作る過程が、どのような場合に妨げられるかを解明した。遺伝子の機能を最適に制御する上で大きな役割を果たしている。生物を有害なウイルスの感染から守るのにも役立っており、遺伝子組み換えによる品種改良や新薬開発などへの応用が期待されている。 

2006年のノーベル化学賞は米国スタンフォード大学医学部のRoger D. Kornberg 教授が受賞した。
授賞理由は「真核生物の転写についての分子的基盤に関する研究」で、細胞の遺伝情報が読み取られる仕組み(細胞に核を持つ真核生物のDNAにある遺伝情報を、伝達役であるRNA:リボ核酸が写し取り、それを基にタンパク質が合成される仕組み)を解明した。
RNAポリメラーゼは、DNAの二重らせんの必要な部分をほどき、ばねのような構造で少しずつDNAを動かしながら、遺伝情報の文字(塩基)を一つずつ読み込んで、mRNAを作ってゆく。1文字分の極めて小さい空洞を作り、適切な部品をはめてゆく仕組みで、間違った部品は型が合わずはまらない。
遺伝情報の転写ミスと関係があるとされているがんや心臓病、炎症などの研究にも役立ったと評価された。

ーーーー

2006年のイグ・ノーベル賞(The Ig Nobel )授賞式は5日、米ハーバード大サンダース講堂で行われた。
ignoble(=nobleでない)とNobel をかけたもので、「人を笑わせ考えさせてくれる研究」に対して贈られ、裏ノーベル賞といわれている。


イグ・ノーベル賞は1991年、ハーバード大系の科学雑誌「ありそうもない研究」(Improbable Research ・・・Research that makes people LAUGH and then THINK)の編集者Marc Abraham が創設した。

2006年の平和賞には高周波雑音発生装置「Electromechanical Teenager Repellant」、通称「モスキート」を発明した英国のHoward Stapletonが選ばれた。
人間は年をとるに従い、高周波の音が聞き取れなくなる。「モスキート」はこれを利用して、若者しか聞き取れない高周波の雑音を発して、街にたむろするteenagerを追い払うための装置(repellant)として開発された。
しかし、この装置は生徒が教室で先生には聞き取れない着信音で携帯電話を掛け合うのに利用されているのが分かり、問題となった。

医学賞は "digital rectal massage" 触指による直腸マッサージ)がシャックリの確実な治し方である」ことを発見したFrancis Fesmire に贈られた。
急性すい炎を発症して経鼻チューブを挿入された60歳男性が、経鼻チューブがきっかけでしゃっくりが止まらなくなった。しつこいしゃっくりは、チューブを外したり薬物を投与しても止まらなかったが、直腸刺激によって止めることに成功。数時間後に再びしゃっくりが始まった際も、同様に止めることができたという。

栄養学賞は「フンコロガシの食嗜好についての研究」で、フンコロガシが肉食動物よりも草食動物の糞を好み、草食動物の中でも、馬が一番で、続いて羊、ラクダの糞の順に好みがあることを明らかにした。

化学賞は「温度影響を受けるチェダーチーズの超音波速度」だが、タイトルを見てもよく分からない。説明を読んでも同じです。
The ultrasonic velocity in Cheddar cheese is temperature dependent.
This relationship can be used to make corrections when determining ultrasonic texture or to determine mean temperatures in cooling/heating processes. At 0 < T < 35 °C ultrasonic velocity was 1590 to 1696 m/s, at 0 and 35 °C, respectively. Differential Scanning Calorimetry thermograms linked the temperature dependence of ultrasonic velocity to fat melting. Three parts are distinguished in the curve as a consequence of the fat melting and the appearance of free oil. The most reliable temperature interval to carry out ultrasonic measurements in Cheddar cheese is identified as 0 to 17 °C.

ほかに以下の賞が与えられた。

文学賞:「必要性に関係なく用いられる学問的専門用語がもたらす影響についてー不必要に長い単語の使用における問題」、
音響学賞:「黒板をつめで引っかく音をなぜ人間は嫌うかの実験」、
鳥類学賞:「頭を振り続けるキツツキはなぜ頭が痛くならないのか」、
物理学賞:「乾燥スパゲティを曲げると、しばしば二つより多い部分に折れてしまうのはなぜか」、
数学賞:「だれも目を閉じていない集合写真を撮るには、何枚撮影すればいいか」、
生物学賞:「マラリア媒介蚊のメスが、リンブルガー・チーズと人間の足のにおいを好むこと」

ーーーー

今年は日本人の受賞者はいなかったが、過去に以下の11件の研究がイグ・ノーベル賞を受賞している。

名前 部門            受賞理由
1992 神田不二宏, E. Yagi,
M. Fukuda
K. Nakajima,
T. Ohta and O. Nakata
(資生堂研究センター)
薬学賞 足の匂いの原因となる混合物の解明
1994 気象庁 物理学賞 地震が尾を振るナマズによって引き起こされるかどうかを7年間研究した功績
1995 渡辺茂(慶應義塾大学)
坂本淳子
脇田真清(京都大学)
心理学賞 ハトの絵画弁別(ハトを訓練してピカソとモネの絵を区別できるようにした)功績
1996 岡村長之助
(岡村化石研究所)
生物学的
多様性賞
岩手県の岩石から古生代石炭紀(約3億年前)の石灰岩中に超ミニ恐竜化石を発見した功績
(小さな石を顕微鏡で見て超ミニ恐竜化石だと主張して発表)
1997 舞田あき(バンダイ)
横井昭宏(ウィズ)
経済学賞 バーチャルペット(たまごっち)の開発によりバーチャルペットへの労働時間を
費やさせた功績
1997 柳生隆視 他
(関西医科大学)
生物学賞 様々な味のガムをかんでいる人の脳波を研究
1999 牧野武
(セーフティ探偵社)
化学賞 妻や夫の下着に適用して精液の跡を発見できる浮気検出スプレーの開発.
2002 佐藤慶太(タカラ社社長)
鈴木松美(日本音響研究所)
小暮規夫(獣医学博士)
平和賞 コンピュータ・ベースでの犬と人間の言葉を自動翻訳するデバイス「バウリンガル」開発
2003 広瀬幸雄 教授
(金沢大学)
化学賞 銅像に鳥が寄りつかないことをヒントに、カラスを撃退できる合金開発
2004 井上大佑 平和賞 カラオケを発明し、人々に互いに寛容になる新しい手段を提供
2005 中松義郎
(ドクター中松) 
栄養学賞  36年間にわたり自分が食べたすべての食事を撮影し、食べ物が頭の働きや体調に与える影響を分析

 

 

 

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2006年10月12日 (木)

BASF、北米事業を強化 

BASFは北米の事業の強化を進めている。

同社は5、2002年に収益性を高めるため始めた2段階のリストラ計画の第1段階の年間4億ドルの固定費削減計画を、2007央という目標に先立ち達成したと発表した。

2段階として、2006年ー07年に年間5億ドル以上の投資、買収を北米で実施し、利益ある成長路線を追求する。

BASFでは、この間買収した事業(下記)の統合は予定通りスムースに進展しており、合理化、投資、買収を通じて、今やBASFは売上高と収益性の面で北米第二の化学会社になったとし、米国は化学品に関して世界で最大の単一市場であり、BASFはここで一定のシェアを取りたいとしている。

現在北米で実施中の投資計画には以下のものがある。

最新の吸水性樹脂のプラントをテキサス州Freeport に建設中(能力や詳細は非公表)で、2007年央に完成予定。新工場稼動後には現在の2工場( Aberdeen, Miss. Portsmouth, Va.)は停止する。
   
ナイロン中間体プラントを Freeport に建設中で2007年にスタートする。完成後はEnka, North Carolinaのプラントを停止する。
   
Pasadena, Texas60百万ドルを投じて可塑剤プラント増設を実施中で、完成後に新規可塑剤を北米市場で発売する。
   
Geismar, Louisiana でポリオール工場を125百万ドルを投じて増設しており、2008年に稼動する。ここではアルキルエタノールアミンも2007年にスタートする。

買収した事業は次の3つ。

1)Engelhard
BASFは本年6にエンゲルハードを48億ドルで買収した。

BASFは昨年末にエンゲルハードの友好的買収を提案したが拒否されたため、本年1月3日に総額49億ドル(1株当たり37ドル)で買収する敵対的買収を発表した。

これに対してエンゲルハードはBASFに対してオファー価格を引き上げるよう要請し、BASFは38ドルを提案したが、エンゲルハードはこれを拒否したため、4月26日にBASFに対抗して株数の20%相当分について1株45ドルで自社株買いを行うことや、コスト削減策などを決めた。

BASFではこれを受け、5月1日にTOB価格を1株38ドルに引き上げると発表した。しかし、このTOBへの応募が少ないことから、エンゲルハードの大株主とも協議した結果、22日に買収価格を39ドルに引き上げるとともに、「これが最良の、最後のオファーであり、これ以上価格を引き上げる考えはなく、これが受け入れられないなら撤退する」と宣言した。

エンゲルハード側がこの案を評価し、株主に対し、BASFによる1株39ドルでのTOBに応じるよう勧めるとともに、同社が出していた45ドルでの株式20%分の自社株買いのオファーを取り下げた。

BASF は買収後グループに取り込み、同社を BASF Catalysts LLC と改称した。

BASFはこれにより、20カ国以上で50製造基地、22研究センター、7300人の従業員をもつ、高成長の触媒市場でleading supplier となった。

2)Degussa の建設用化学品事業
Degussa の建設用化学品事業の買収は本年7月に完了した。買収額は22億ユーロで、他に5億ユーロの借入金を引き継ぐ。

同社の建設用化学品事業は建設業界の顧客を対象とした化学システムとフォーミュレーションから成り立ち、北米と欧州で混和剤システム、建材システムを、アジアパシフィック地域で混和剤システム事業を行っている。日本ではデグサ 100%の株式会社エヌエムビーコンクリ-ト用化学混和剤等を扱っている。

3)Johnson Polymer(水性樹脂)
Johnson PolymerS.C. Johnson & Sons, IncOwner一族の経営するJohnsonDiversey, Inc.の子会社で、水生樹脂のトップメーカー。
BASFは本年7
、470百万ドルで買収した。
同社は日本で東洋インキとのJVのジョンソンポリマーをもっていたが、
2月に合弁を解消、現在はBASFジャパンに吸収されている。

 



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2006年10月11日 (水)

日本のABS業界の変遷 

(画像をクリックすると拡大します) 

ポスト産構法時代Abssaihen_1

メーカーは次の10社があった。

三井東圧化学、住友ノーガタック、JSR、三菱化成、宇部サイコン、三菱レイヨン、旭化成、東レ、電気化学、鐘淵化学

(住友ノーガタック)

住友ノーガタックは1963年に住友化学とUS Rubber の50/50JVとして設立され、ABSSBRラテックスの製造販売を行った。
その後、US RubberがABS事業から撤退したため、1980年に住友化学100%となった。

1988年に住化とダウのPC合弁が決まり、ダウが住友ノーガタックに35%出資した。
ダウは日本でのPC事業推進に当たり、PC/ABSが最も重要と考え、ABSを持つ住化との提携を決めた。
(住化はダウの住友ノーガタックへの出資の見返りに、ダウ化工に出資し、PSの納入権を得ている)

1992年にダウ出資を50%に引き上げ、住友ノーガタックを住友ダウに改称、95年にPC 40千トンが完成した。
95年末に住友ダウはPC専業となり、ABS、ラテックス事業は住化100%の住化エイビーエス・ラテックスとなった。

(宇部サイコン)

1963年に宇部興産 51%/Borg Warner Chemical 49% で設立した。
1988年にGE Plastics がBorg Warner の化学部門を買収した結果、宇部 51%/GE Plastics 49% となった。

 

(ダイセル)
ダイセルは樹脂コンパウンドを扱い、AS樹脂を広畑と堺で製造していた。
1982年、堺工場で爆発事故が発生した。

このため、1982年にJSRとのJVの協同ポリマー、1983年に住化とのJVのノバポリマーを設立した。

協同ポリマーはダイセル 50%/JSR 50%出資の製造JVで、JSR四日市工場に35千トンのプラントを建設、ダイセルは出資分を引き取っている。

ノバポリマーはダイセル 50%/住友ノーガタック 30%/住化 20% 出資の製造JVで、住友ノーガタック構内にダイセルのサスペンジョン法で10千トン設備を建設した(85年に5千トン増設)。
1999年に解散している。

 

事業統合時代~

(テクノポリマー)

19967月、JSRと三菱化学のABS事業を統合してテクノポリマーがスタートした。
JSRはABSのトップメーカーであり、三菱化学も2番手グループで、両社が事業統合したテクノポリマーは奇美実業、Bayer、GE(ボルグワーナーを買収)に次ぐ世界4位である。

公取委は申請を受けて、有力な競争業者が存在するため、統合そのものは問題ないとしたが、三菱化学がABS樹脂等で世界第1位の生産能力を有する奇美実業(台湾)との我が国における販売に関する業務提携を行っているのを問題視した。
奇美実業は当時、台湾で100万トンのABS樹脂を生産していたが、三菱化学は奇美に10%の資本参加をし、奇美製品の日本での販売(2万トン程度)を扱っていた。

公取委は奇美実業との我が国における販売に関する業務提携によって競争を実質的に制限することとなるおそれがあると指摘した。

これに対して三菱から、奇美との提携の解消を含めて措置をとるとの返事があり、公取委はこの措置を前提に承認した。

社名   テクノポリマー  
設立    1996/7  
営業開始   1996/10  
資本金   30億円  
出資比率   JSR 60%、三菱化学 40%  
生産能力   単位:千トン  
   
ABS JSR・四日市   200 協同ポリマー 35 を含む
三菱化学・四日市    90  
(合計)  (290)  
AS・AES樹脂      40  
 

同社はその後、19984月に当初予定通り製造部門を統合した。


その後、

200210月に、鐘淵化学から超耐熱・耐熱ABS樹脂の営業権を譲り受けた。

鐘化は1966年の事業化以来、自動車用途を中心に耐熱ABS分野で高いシェアを獲得、事業規模は年産1万数千トンであった。
特殊ABS樹脂の業容拡大を目指すテクノポリマーと、コア事業への集中による事業基盤の再構築を進めたい鐘淵化学の意向が一致したもの。鐘淵化学は高砂のプラントを他製品に転用した。

なお、200210月の新聞報道では、東レもテクノポリマーへの事業統合参加を検討しているとされたが、まだ実現していない。

 

(日本エイアンドエル)

1999年7月、住友化学の100子会社である住化エイビーエス・ラテックスと三井化学のABS樹脂、SBRラテックス事業を統合して日本エイアンドエルが発足した。(社名は ABS & SBR Latex から)
三井と住友の事業統合は1997
10月の日本ポリスチレンに次いで2番目で、他に製造JVの日本エボリューがある

  社名   日本エイアンドエル
  設立   1999/7/1
  資本金   60億円
  株主   住友化学 67%、三井化学 33%
  事業内容   ABS樹脂ならびにSBRラテックスなどの製造・販売・研究開発
  生産能力                          単位:千トン
     
ABS 住化ABS・ラテックス 愛媛    70 乳化重合法
三井化学 大阪   30 バルク重合法
合計    100  
SBRラテックス 住化ABS・ラテックス 愛媛   60  
千葉   15 →30
三井化学 大阪   10  
茂原    0 10 停止
合計     85  

その後、
2001
7月、武田薬品が日本エイアンドエルにラテックスの販売委託及び技術ライセンス
2002
10月、武田薬品が日本エイアンドエルにラテックス事業を営業譲渡

(UMG ABS) 

2002年4月、宇部サイコンと三菱レイヨンがABS事業を統合し、UMG ABSとしてスタートした。
ABS樹脂の品質、用途面で宇部サイコンはOA機器分野に強く、三菱レイヨンは車両向けに強みをもっているなどから、補完的効果が大きいとして統合した。
合計能力176千トンと、テクノポリマーに次いで第2位メーカーとなった。

社名   UMG ABS 株式会社 (Ube、Mitsubishi、GE から)  
設立   2002/4/1  
資本金   16億円  
出資比率   宇部興産 42.7%、三菱レイヨン 42.7%、GE Plastics 14.6%  
事業内容   ABS樹脂事業  
    (ABS、ASA、SAN、AESの各ポリマー及びそれらを使用するコンパウンド品、
並びに他の樹脂とのアロイ製品にかかる事業)
 
設備能力  
宇部サイコン 宇部  110千トン
三菱レイヨン 大竹   67千トン
合計    176千トン

その後
2005
7月、日立化成から熱可塑成形材料のスチレン系耐候性樹脂、AAS事業の営業権・知的財産権・生産ノウハウの譲渡を受け、営業開始した。
* AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体)樹脂

日立化成は1970年よりAAS樹脂を販売してきたが、収益の改善は困難であるとの判断で譲渡した。

 

以上の結果、現在の能力は以下の通り。(単位:千トン)

テクノポリマー JSR 四日市   200
三菱化学 四日市    90
合計   290
UMG ABS 宇部サイコン 宇部   100
三菱レイヨン 大竹    66
合計   166
日本エイアンドエル 住化ABS 愛媛    70
三井化学 大阪    30
合計   100
旭化成 水島    80
東レ 千葉    72
電気化学 千葉    65
カネカ 高砂    0
合計   773

海外では東レがマレーシアにToray Plastics (Malaysia) Sdn. Berhad を持っている。
東レ 93.8%、東レ系の現地の
Penfabric Penfibre が各3.1%を出資(下記増設完了後)、日系ABSメーカーとして唯一、海外に重合プラントを持ち、日本と同一品質の材料をASEANをはじめ中国・香港から欧米まで幅広い範囲で提供している。

現在能力は22万トンだが、2008年3月稼動予定で増設中で、11万トンを増強すると同時に、高付加価値の透明グレード品の生産を開始し、マレーシア能力を33万トンに、千葉工場を含むグループ合計では402千トンに拡大する。

 

上記の通り、国内ではテクノポリマーが290千トンでトップ、アジアでは東レが402千トンだが、アジアでは弱小である。

台湾の奇美実業(Chimei)が台湾で100万トン、中国の江蘇省鎮江市で35万トン、合計135万トンの能力を持っている。
(同社はPSについても、台湾で400千トン、江蘇省鎮江市で500千トンの能力を持つ。)

韓国のLG Chem も麗川工場の56万トンに加え、この度浙江省寧波市でABSを15万トン増強して48万トンとし、韓国と中国を合わせた能力を104万トンとしている。
2006/9/12 「
LG Chem、中国で2工場竣工」参照
 

日本のABSの需要推移は添付の通り。内需が減少、輸出が増加しているが、輸出は主に、アジアに進出した日本メーカー向けである。

Abs1_2   

日本の石化の変遷シリーズはこれで終りです。

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2006年10月10日 (火)

信越化学、ヨーロッパのメチルセルロース能力増強完了

信越化学は5日、メチルセルロースのヨーロッパでの生産拠点、SEタイローズ社(SE Tylose GmbH & Co.KG)の増設を完了し、本格稼動を開始したと発表した。同社は直江津工場と合わせて能力63千トンとなり、これまでの首位の米ダウケミカル(約45千トン)を抜き世界第1位の座を確固たるものとした。

同社は200億円をかけて日独で増強をおこなったもので、昨年12月に直江津工場(新潟県上越市)の生産能力を年産20千トンから23千トンに増強、今回ドイツのSEタイローズ社の能力を27千トンから40千トンに増強して、合計能力を63千トンとした。

セルロース誘導体はパルプを主原料とする水溶性高分子で、建材用、医薬用を主要用途に、食品、トイレタリー、土木など幅広い用途分野を持つ。
信越化学は用途別に見ても現在、医薬用途で世界トップ、建材用途でも世界トップクラスのシェアを有している。今回の増設は
建材および医薬向けが順調に伸びる見通しであるため実施した。

ーーーー

SEタイローズは信越化学が2004年1月にスイスのクラリアント社(1955年にSandozの化学品部門がスピンオフしたもの)からセルロース部門を買収したもので、Shin-Etsu International Europe 100%子会社とした。買収額は 241百万ユーロ(約310億円)で、社長は欧州の塩化ビニル樹脂の拠点、Shin-Etsu PVC B.V.の荒井文男社長が兼務している。

信越化学のセルロースが主に医薬・工業用途なのに対し、クラリアント社のセルロースは主に建材用途。日・欧の2拠点を確保しセルロース事業の欧州での拡大を図りたい信越化学と、事業の選択と集中を進めたいクラリアント社の意向が一致した。

SEタイローズはメチルセルロースのほかにヒドロキシエチルセルロースも10千トン生産しており、建築・塗料用を中心に全世界に販売している。

ーーーー

なお、同事業で首位の座を奪われたダウも巻き返しを図っている。
まず、ドイツの
 Stade工場で本年に3千トンの増設を実施、次いで2007年にMichigan 州 Midland、2008年に Louisiana.州 Plaquemineで合計 17千トンの増設を行い、合計能力を65千トンとする。

セルロース需要が堅調なことから両社ともさらに増産に踏み切る可能性があり、首位争いが激化しそうだ。

ーーーー

信越化学の決算(下記)でセルロース部門は有機・無機化学品部門の「その他」に含まれる。ほかに日本酢ビ・ポバール㈱が含まれるが、かなりの部分がセルロースと思われる。
2006年3月期の決算説明では以下の通り記載されている。

 セルロース 
  国内事業が医薬品向けや自動車関連向けを中心に堅調に推移したほか、ドイツのSEタイローズ社も建材向けの販売が好調だった。  
  ドイツのSEタイローズ社で増設を行うとともに、国内では昨年末増設が完了した製造設備の安定操業に取り組み、事業の拡大に努めている。

日本で20千トンの能力しか持たなかった信越化学がM&Aにより2極で47千トンと世界の1/3のシェアを確保し、ダウとの上位2社で7割近いシェアを占めることで、価格を安定させ、収益向上を実現した。続いて大増設で短期間に世界一に仕上げた。
塩ビ、シリコーン、半導体シリコンなど得意とする製品に経営資源を集中し、それぞれをまたたく間に世界的な事業に育てた、金川社長の決断はやはり、さすがである。

信越化学の塩ビ事業、シリコーン事業、半導体シリコン事業についてはそれぞれ以下を参照。

2006/5/16 世界一の塩ビ会社 信越化学
2006/9/21 GE、シリコーン事業を売却
2006/9/27 信越化学、300mmウエハー生産能力の大幅増強を決定

金川社長はカントリーリスクを理由に塩ビでの中国進出はしないとしているが、中国の需要の伸びの大きいシリコーンでは例外的に進出している(投資額は大きくない)。

同社は将来の事業リスクに備え、今期から国内のウエハー設備の減価償却を従来の5年から3年に短縮、年間130億円の償却負担となるが、3月期予想の連結営業利益は前年比30%増の2410億円となり、12期連続で過去最高を更新するとみられる。

Shinetsukessan_1 

 

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2006年10月 9日 (月)

アザデガン油田の開発権引き下げでイランと合意 

イラン南西部のアザデガン油田の開発問題で、開発権を持つ国際石油開発とイラン政府は、日本側の開発権の保有割合(出資比率)を大幅に引き下げることで大筋合意した。
国際石油開発が保有する75%の開発権のうち65%分をイランの国営石油会社に譲渡し日本の開発権は10%とする。
日本政府は国際協力銀行の融資や石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧石油公団の機能を承継)による出資など、油田開発への公的支援を見送る。

同油田はイランの核開発問題で着工が遅れていたが、米国に配慮する一方、懸念されていた全面撤退は当面避け、同油田からの原油輸入に道を残す。

米国政府はこの決定に対し、従来通り、「いまイランに投資することは望ましくない」とし、今後の交渉を見守るとしている。

ーーーー

1999年に発見されたアザデガン油田は,イラン最大級の油田であり、確認埋蔵量は約260億バレルとされる。 Iranyuden_3

2000年のハタミ大統領訪日時に両国間で交渉開始に合意し、2001年7月、平沼赳夫経済産業相がテヘランでハタミ大統領と会談し、開発の早期契約に向けて努力することで合意した。

当初の日本側メンバーは、国際石油開発、石油資源開発、トーメンの3社であった。

このアザデガン油田には採算を疑問視する声もあったが、2000年に失効したアラビア石油のサウジアラビア・カフジ油田をめぐる交渉失敗のばん回を狙う経済産業省、2005年3月に廃止される石油公団の天下り先確保、再建中のトーメン(イラン原油取扱い量が全世界におけるビッグ
で、その後豊田通商に統合される)の生き残り作戦などの思惑が絡んだ。

これに対し、イランの核問題を懸念する米国政府が公式に開発中止要請を行った。
2003年6月に
国務省報道官が「この時期にイランの石油・ガス開発を進めるのは不適切」との見解を示し、当時のライス大統領補佐官やアーミテージ国務副長官が加藤良三駐米大使を呼び、イランの核開発疑惑が米政府の安全保障政策の重大な懸念であることを強調した上で「同盟国の日本がイランに誤ったメッセージを伝えることを憂慮する」などと指摘し、事実上開発計画からの撤退を迫ったといわれる。イランの資源開発に投資した企業を大統領権限で米市場から締め出す「イラン・リビア制裁強化法」(ILSA)の発動もちらつかせた。

イラン側の要求が厳しいことや米国の反対もあって優先交渉期限であった2003年6月末までに交渉は妥結せず、優先交渉権は消滅したが、以降も引き続き交渉は継続した。

2003年12月にイランが核査察強化に向けた国際原子力機関(IAEA)の追加議定書に調印するなど姿勢が軟化してきたことで同油田の交渉も進展し始めた。

2004年2月、国際石油開発インペックス)はイラン国営石油との間でアザデガン油田の評価・開発に係わる契約に調印した。Iranimage

内容は
・インペックスとイラン国営石油子会社NICOが、それぞれ75%と25%の参加権益で、アザデガン油田の評価・開発作業を推進する。
・開発第一段階は契約調印後4年4ヶ月後から日量15万バレルの生産を予定し、その後開発第二段階として、契約調印後8年(96ヶ月)後から日量26万バレルの生産を計画。
・契約調印後3年4ヶ月間で日量5万バレルのレベルで生産開始を予定。

総投資額は、20億ドル。
契約上の投資額の回収期間は、開発第一段階では6年半、開発第二段階では6年
で、合計12年半に限られる。

投資額が計画を上回った場合、投資が回収できないおそれもある。

2004年度の日本の原油輸入量は日量417万バレルで、このうち自主開発原油は45万バレル。仮に26万バレル増えると、自主開発原油の比率は10%から17%に増える計算になる。

ーーーー

契約後もイランの核開発疑惑を強く批判する米国がイランへの石油投資に反対の姿勢を崩さず、日本側に契約延期を要請していたが、国際石油は2005年末に、「着手が遅れると権益を失いかねない」と判断し、本格生産に向けた開発を2006年中に始める方針を固めた。

アザデガン油田はイラン・イラク国境に近く、イラン・イラク戦争で100万発といわれる地雷が敷設され、そのままになっているため、地雷の除去を始めた。

その後、イランの核問題は解決のきざしが見えず、開発に着手出来ない状況が続いた。
国際石油開発はイラン側が約束した油田の地雷除去を終えていないことが遅れの主因と主張したが、イラン側は地雷除去は96%終わっており、作業に問題はないと反論し、本年9月末までに開発を始めない場合、同社に与えた開発権を取り消し、イラン政府が引き取るとし、早期着工を促した。

今回の妥結はこれを受けて行われたものである。

しかし、開発コストは2500~3000億円に膨らむとの予想もあり、イランは自主開発を主張するが技術面でも資金面でも無理とみられ、代わりの参加者が見つからなければ日本に出資増を求める可能性もあるとされており、まだ決着したとはいえない。

ーーーー

なお、中国のシノペックは 2004年にイラン政府との間で、今後30年間にわたり石油・天然ガスの供給を受けることで合意し、総額で700億ドルの契約の覚書に調印した。シノペックが今後30年間にわたり毎年2億5千万トンの液化天然ガスを購入するほか、イランのヤダバラン油田の開発権を得るというもので、同油田の開発が成功した場合、中国側は25年間にわたって、毎日15万バレルの原油の供給を受けることでも合意している。

このヤダバラン油田はアザデガン油田に隣接しており、両油田は地下ではつながっているとの説もある。
中国も米国から牽制を受けたが、中国は「米国が反対するのなら代わりの原油を供給せよ」として無視している。

ーーーー

国際石油開発インペックス)は1966年に北スマトラ海洋石油資源開発として設立された。
1975年 5月に社名をインドネシア石油と変更、2004年に東京証券取引所市場第1部に上場した。
2001年9月、国際石油開発(INPEX CORPORATION)と改称。

政府(当初は石油公団)が普通株式36.06%をもつとともに、拒否権のある甲種類株式(黄金株)1株を所有していた。
普通株式の株主は他に、石油資源開発が 13.46%、三菱商事 9.88%、三井石油開発 9.21% 等々であった。

2005年11月、インペックスと帝国石油は共同株式移転契約を締結、2006年4月に持株会社・国際石油開発帝石ホールディングスが設立され、インペックスは同社の子会社となった。

経営統合の株式移転でインペックス株主は普通株式1株に対して1株、甲種類株式(黄金株)1株に対し1株(政府のみ)が割り当てられ、帝国石油普通株式1株に対しては普通株式0.00144 株が割り当てられた。従来通り政府が拒否権を有する。

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2006年10月 7日 (土)

日本のPS業界の変遷

日本のポリスチレンはエチレンやスチレンモノマーに先立ち、輸入スチレンモノマーを使って生産された。

エチレン第1期計画
地区 会社名 製品名  能力  生産開始
川崎 日本石油化学 エチレン  25,000 1959/7
旭ダウ スチレンモノマー  18,000 1959/10
ポリスチレン  10,200 1957/4
四日市 三菱油化 エチレン  22,000 1959/5
スチレンモノマー  22,000 1959/5
モンサント化成 ポリスチレン   7,200 1957/3

1957年、日本化成(のち三菱化成)とMonsanto Chemical のJVのモンサント化成が四日市で、1ヵ月後に旭化成とダウのJVの旭ダウが川崎で、それぞれ生産開始している。
両コンビナートでエチレン、スチレンモノマーが生産されるのは1959年になってからである。
(三井石油化学の日本最初のエチレンのスタートは1958年2月であり、日本のPS事業のスタートはこれに先立つものである)

旭ダウは19523月に塩化ビニリデンポリマーの繊維への事業展開にあたり設立され、1953年に鈴鹿工場が操業を開始している。

 

その後の各社の動きは以下の通り。(単位:千トン)

会社名 工場 技術 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965
三菱モンサント化成 四日市 モンサント   3.6   7.2   14.4   19.2   19.2   24   25    36 
旭ダウ 川崎 ダウ   7.8   9.8   16.2   20   32.3   36.1   41   71
鋼管化学 川崎 コッパーズ         6   6   12   25   26
東洋ポリスチレン 川崎 コスデン               12   12
デンカ石油化学 千葉 ペトロカーボン               12   12
能力合計      11.4  17  30.6  45.2  57.5  72.1  115  157

 鋼管化学:
  日本鋼管の子会社として設立
  1963年 昭和電工が昭和油化と鋼管化学を合併し、日本オレフィン化学を設立
  1966年 昭和電工と住友化学が50/50の日本ポリスチレン工業を設立、
        日本オレフィン化学のSM/PS設備を譲受け、PSを手直し増設

 東洋ポリスチレン:
  
1961年 東洋高圧と三井化学が東洋ポリスチレンを設立
  1984年 三井東圧化学が東洋ポリスチレンを吸収合併

 

産構法時代

スチレンモノマーは、1985年1月に産構法の業種指定を受け、各社が自主的に設備処理を進めた。
しかし、PSについては業種指定を受けていない。

(サンスチレン)

産構法時代に1つの増設が行われている。
電気化学、三井東圧、新日鐵化学のJVのサンスチレンで、1985年10月に設立され、電気化学の千葉工場内に三井東圧の技術でHIPS 34千トンプラントを建設した。電気化学、新日鐵化学はHIPSを持たないため、三井東圧の技術を導入した。

1993年に新日鐵化学が撤退し、電化 50/三井東圧 50 となった。

 

ポスト産構法時代

PSは産構法の対象ではなかったが、ポスト産構法時代の「デクレア方式」(事前報告制度)は適用された。

新増設の乱立をおさえるため、新増設に当たっては事前に通産省に報告し公表する制度がつくられた。
具体的には
 ・3万トン/年以上の新増設は着工の6ヵ月前、
 ・3万トン/年以上の設備を改造する場合は着工の3ヵ月前、
 ・休止設備を再開する場合は稼働開始の3ヵ月前
に通産省に報告して公表することとなった。

実際には通産省が業界の意向を尊重し、業界の反対の強いものについては「事前報告」を受け付けないという例もあった。

(日本ポリスチレン工業)

問題となったのは日本ポリスチレン工業(NPS)の増設であった。着工まで若干時間がかかった。

同社は1966年に昭和電工と住友化学が50/50のJVとして設立、川崎の昭電の日本オレフィン化学(昭和油化と鋼管化学を合併)のSM/PS製造設備を譲り受けた。
1968年に住化千葉のSM 5万トン完成でNPSのSMを停止した。
同年BASFからバルク法GP技術を導入したが、情勢悪化で増設を取り止めた。
1969年頃から業績が悪化、減資増資や土地の一部売却を行い、開発・製造を昭電に委託する形をとった。

その後、1983年頃から体制強化の検討を進めたが、昭電は川崎で、住化は千葉での増設を主張した。

1988年に住友化学はダウ・ケミカルとPCのJV契約を締結(その後住友ダウ)、ダウの住友ノーガタックへの出資の見返りに、住化がダウ化工に資本参加し、同社へのPS納入権を取得した。
住化はこれをもとに、千葉でのGP
PS40千トン/HIPS 30千トン案を提案した。

最終的に昭電は川崎、住化は千葉で、それぞれの責任で増設した。(実質的にはJVでなく個別の設備投資)

  ・昭電(川崎) アトケム法  HI
PS 3万トン 1990年完成
            (昭電は引き続いてGPも建設する計画であったが、情勢悪化で取り止め) 
 ・住化(千葉)  BASF法   GPPS 4万トン/HI
PS 3万トン 1991年完成
 ・既存のサスペンション法PSは従来通りのJV運営 

当時はHIPSの将来の需要の伸びが期待されており、住化は高級グレードのBASF技術を導入した。
昭電はヤクルト容器用のGPPSが中心であった。 

ポスト産構法後期になると需要が減少し、損益が悪化した。
住化の導入したHIPSも、同じ用途での高級グレードであったABSの価格が下落したことと、家電メーカーのアジア進出で、需要が激減した。

1993年に既存のサスペンション法PS設備を老朽化のため停止、JV設備はなくなった。
     
1994年、 昭和電工はPS事業から撤退、旭化成のPP事業(→日本ポリプロ)と交換で旭化成に営業権を譲渡した。旭化成は設備を不要とした為、廃棄となった。    
1995
年、住友化学は日本ポリスチレンから撤退、NPSは昭電 100%の休眠会社になった。(のち吸収合併)

(ダイセル化学)

1990年にダイセルがPSへの進出を決めた。PSシート事業進出で当初はPSの購入を考えていたが、自製に踏み切った。
シェブロンの技術を導入し、新日鉄化学広畑内に5万トンのPSプラントを建設、1994年秋に商業生産を開始した。

事業統合時代

1996年頃の能力は以下の通り。(千トン)

旭化成工業   383 川崎、水島、千葉
三菱化学   200 四日市
電気化学工業
 サンスチレン
  203
   34
千葉
千葉
新日鐵化学   186 戸畑、君津
ダイセル化学工業    53 戸畑
出光石油化学   180 徳山、千葉
大日本インキ化学工業    95  
住友化学    92 千葉
三井東圧化学   133 大阪
合計  1,559  

供給能力過剰で損益悪化が続く中、ポリオレフィンや塩ビと同様、事業統合が相次いだ。

①日本ポリスチレン

三井化学(旧三井東圧)と住友化学は両社のポリスチレン事業を分離統合し、折半出資で新会社を設立することで合意し、199710月に営業開始した。

三井東圧は宇部にSMプラントを持ち、大阪工業所に年産 133千トンの生産設備(GP,HI各2系列)を保有していたほか、サンスチレン(電気化学と三井東圧の合弁会社)から年間17千トンのPSを引き取っており、実質的には年産150千トンの生産設備を保有していた。
一体化に伴い、サンスチレンの株式は電気化学に譲渡した。

住友化学は、昭和電工とのJV・日本ポリスチレン工業(NPS)
のプラントが停止、同社から離脱したが、千葉に独自に建設した92千トンの設備(GP,HI各1系列)を保有していた。

社名については日本ポリスチレン(JPS、「工業」は付けず)とし、昭和電工の了解を得た。

社 名   日本ポリスチレン㈱(Japan Polystyrene Inc.:JPS)
設 立   1997/8/1
営業開始   1997/10/1
資本金   20 億円(両社折半出資)
事業目的   PS の開発、製造、販売
生産能力  
大阪   133千トン  
千葉    92千トン  
  225千トン  

② A&Mスチレン

旭化成工業と三菱化学はPS事業を統合して199810月にエー・アンド・エムスチレンとして営業を開始した。
旭化成は旭ダウのPS事業を引き継いだトップメーカーであり、三菱化学は三菱モンサント化成の事業を引き継いで3,4位グループを形成していた。

両社のPS設備は、それぞれ見直しを行い、559千トンとなっていたが、統合会社では必要な設備は何か、どの設備を買い取るかの検討を進め、結果的には輸出減を見込んで合計40万トンの設備を買い取った。一部は系列変更し、系列的にはGP,HIとも各4系列とし、規模と立地面の最適化を実現した。

元々統合前の能力比は約2:1であったが、三菱の設備を廃棄する代わりに出資比率を50/50にしたとも見られる。
この結果、統合後の設備能力比はおおよそ旧旭化成8割、旧三菱化学2割となったが、原料SMは統合前の能力比の2:1の割合で親会社から購入する。

他の樹脂の統合会社の多くが能力を増やしている中で市場の状況を判断して業界の先頭を切って能力を落としたこと、出資比率に関係なく親会社負担で設備を廃棄し最適化を図ったことは高く評価される。
(但し、これが、同社と出光石化との事業統合でできたPSジャパンが大日本インキ化学との更なる事業統合をしょうとした際に、「国内の競争業者に供給余力がほとんどない」ことを理由に公取委から承認を得られなかった理由となったのは皮肉である。)

社名   エー・アンド・エムスチレン
営業開始   1998/10/1
資本金   50億円
株主   旭化成工業 50%、三菱化学 50%
事業内容   ポリスチレン樹脂の製造・販売・研究開発
従業員数   約170人
売上高   約420億円
設備の構成   (単位:1,000トン/年)
   
  当初   統合前  処理  統合後 統合後系列
旭化成・水島   144   +20   164    -56   108 GP l,HI 2
旭化成・川崎    60   -60     0       0  
旭化成・千葉   130 +50+27   207     207 GP 1,HI 2
(小計)   334   +37   371    -56   315  
三菱化学・四日市   200   -12   188   -103    85 GP 2
合計   534   +25   559   -159   400 GP 4,HI 4

同社は1年後の199910月に製造および研究開発部門も統合した。また、輸出についても親会社が行ってきたが、製造部門の移管と同時に統合された。

なお、新聞報道では、三菱化学と旭化成は20004月をメドに原料のスチレンモノマーの生産・販売を一体化する方向で検討していると伝えられた。しかし、この件はその後、検討を中止した。

東洋スチレン

19994月、電気化学工業、新日鐵化学、ダイセル化学工業のポリスチレン事業の分離・統合により東洋スチレンが発足した。

社名   東洋スチレン
営業開始   1999/4/1
資本金   50億円
出資比率   電気化学工業 50%、新日鐵化学 35%、ダイセル化学工業 15%
設備  
                      単位:千トン
   統合前  処理  統合後
電化・千葉   237   -100   137
新日鐵化学・君津   186     186
ダイセル化学・広畑    53      53
合計   476   -100   376
 電化・千葉には旧サンスチレン 34 を含む

同社は統合効果を短期的に発揮するため、当初から製造・販売・研究を一体化した完全独立型企業としてスタートした。
電気化学がバッチ式設備などを中心に 10
0千トンを廃棄した。

上記の結果、96年に9社あったPSメーカーは99年には5社に減り、能力も96年末の1,559千トンが99年末には1,227千トンに減っている。

「選択と集中」時代

(PSジャパン)

20027月、旭化成、三菱化学、出光石油化学の3社は、旭と三菱との合弁のA&Mスチレンと出光がそれぞれ展開しているPS事業を再編・統合するため、3社間での合弁会社設立で基本合意したと発表した。
厳しさを増す状況下で、事業の維持・発展のためには事業統合によって、設備の更なる統廃合を含む徹底した合理化を推進することが必要不可欠と判断したもの。

  社名   PSジャパン
  事業内容   ポリスチレンの製造・販売・研究
  資本金   50億円
  出資比率   旭化成 45%、三菱化学 27.5%、出光石油化学 27.5%
  生産能力                  (単位:千トン)
     
  A&M
統合後
処理 PSジャパン
統合後
(出資比率)
A&M
スチレン
旭化成・水島   108     108   45.0%
旭化成・千葉   207     207
三菱化学・四日市    85      85   27.5%
出光石化・市原   130  -85    45   27.5%
合計   530  -85   445   100.0%

出光は出資比率は27.5%で、統合直後の2003/6に85千トンのプラントを停止、能力を130千トンから45千トンに落としており、実質的には旭化成に運営を任せた形となっている。
なお、A&Mスチレンでは能力的は大きな差があったが出資比率は50/50としていたが、今回の再統合に当たって、三菱化学の出資比率は出光石化と同じとし、旭化成主導が明確になっている。 

2003年4月1日、 PSジャパン(PSJ)は営業を開始し、これにより日本のPSメーカーは東洋スチレン(ダイセル/新日鐵化学/電気化学)、日本ポリスチレン(住友化学/三井化学)、PSジャパン(旭化成/三菱化学/出光興産)の3統合会社と大日本インキ化学の4社となった。

なお、旭化成は香港にダウとの50/50のPS販売JV STYRON Asia Ltdを設立、アジアでの販売を統合、中国の江蘇省張家港市では同じくダウとの50/50JVの斯泰隆(スタイロン)石化(張家港)有限公司を設立して2002年12月からPS120千トン/年を生産した。
また、三菱化学はタイに 100%子会社(当初はTOAとのJV)HMT Polystyrene (PS 90 千トン)を持っている。

そのほかでは、
三井化学(35%)がタイに Eternal Plastics Co., Ltd..(6万トン:三井物産 25%、Eternal 40%)、
電気化学がシンガポールに
Denka Singapore Private Ltd(80千トン)、
出光興産がマレーシアにPetrochemical (Malaysia) Sdn. Bhd.(140千トン)、台湾に高福化学工業(出光興産 35%:GP 50千トン、HI 50千トン)がある。

2004年6月、PSJの3社と大日本インキ化学(DIC)はポリスチレン事業を再編・統合することに基本合意したと発表した。

新会社構想は次の通り。

統合方法   DICのPS事業をPSJに営業譲渡することにより統合
社名等   現行のPSJの社名、商標、本店等を継承
統合実施日   2004/10/1
資本金   60億円(現在のPSJの資本金50億円)
出資比率   旭化成 40%、三菱化学 20%、出光興産 20%、DIC 20%
生産能力                 (千トン)
   
  千葉 四日市 水島
PSJ   252    85   108   445
DIC     171     171
  252   256   108   616
    * 事業統合に伴い、上記のうち一部の製造設備を廃棄する予定

Pssaihen_1これに関しての公取委との交渉は難航し、予定の2004年10月の統合は延期された。

最終的に公取委はPSJ設立時と異なる判断を下した。PSJの場合には輸入圧力が一定程度働いているとして認めたが、今回は輸入品による競争圧力が認められない等の理由で認めなかった。

実際には3社体制になることに対する不安を表明した需要家の意見も影響を与えているといわれている。

これを受けて、関係各社間で可能な限りの問題解消措置を検討したが有効な措置を採ることができないと判断し、2005年4月、基本合意の解消、公取委への事前相談の取り下げを発表した。

PS業界は電気・工業用がアジアへのシフトで低迷が続く中、不採算の輸出もカットし、余剰能力を設備廃棄により減らして需給の均衡を図ってきた。原料SMの輸出が好調なため可能となっているが、他の樹脂と大きく異なっている。
生き残りのためには模範的な対応だが、中国バブルによって輸入圧力が消えてしまったため、結果的にはこれが再編を更に進めるための足かせとなってしまったこととなる。

既に中国バブルは破裂しかけている。旭化成は中国のダウのJVから撤退した。中国メーカーで韓国のメーカーに身売りした会社も出ている。
公取委が一時的な状況をもとに判断をするのは問題である。
2006/2/20 競争政策研究会の「企業結合審査における改革の進展状況と今後の課題」 参照

ーーーー

再編により、日本のPS業界はメーカー数も能力も減少した。

1990年代初めに10社(昭電を含む)あったメーカーは4社となった。
能力は1996年に1,559千トンであったのが、2005年末では1,016千トンとなり、ほぼ内需に近いものとなった。
中国向けの輸出は中国側のダンピング調査で2001年12月にシロとなったが、採算に乗らないとしてほとんど行っていない。

トップメーカーが率先して設備廃棄を行い、減少する内需に合わせて能力を落としてきたのは、他の業種と全く異なっている。

なお、原料のスチレンモノマー業界については 2006/4/22「スチレンモノマー業界」参照


能力推移 (千トン)

      1996年       1999年       2005年
旭化成工業   383 A&Mスチレン   400 PSジャパン   445
三菱化学   200
出光石油化学   180 出光石油化学   130
大日本インキ化学    95 大日本インキ化学   131 大日本インキ化学   131
電気化学工業
 サンスチレン
  203
   34
東洋スチレン   376 東洋スチレン   278
新日鐵化学   186
ダイセル化学工業    53
住友化学    92  日本ポリスチレン   190 日本ポリスチレン   162
三井東圧化学   133
合計  1,559    1,227    1,016

Psjukyu

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2006年10月 6日 (金)

タイで年産100万トンエチレン建設

東洋エンジニアリングは2日、PTT ポリエチレン社(PTTPE)がラヨン県・マプタプットに新設する年産100万トンのエチレン製造設備を受注したと発表した。米国ABBルーマス社の技術をベースに、設計から工事/試運転までのEPC業務を実施する。

PTTPEはPTT(タイ石油公社)傘下の企業で、現在はPTTとPTT子会社のPTT Chemical とのJVであるが、近くPTT Chemical の100%子会社となる。東南アジアで初めてメタロセン触媒を使う 400千トンLDPEを建設中。
PTT Chemical は又、HDPEメーカーでPTTとのJVであるBPE Bangkok Polyethylene)も100%子会社とする。

PTT Chemical は、いずれもPTTが大株主であったNPC(National Petrochemical Corp.)TOC(Thai Olefins) が合併してできた会社で、旧NPCにエチレン461千トン、旧TOCにエチレン685千トン(915千トンに増強中)をもっているが、これに加えて新設のPTTPEで100万トン設備を建設する。当初の案はエチレン41トン、LDPE 30トンであったが、エチレン100万トン、LDPE 40万トンに変更した。

プラントの完成は200910月末を予定している。

タイのエチレン能力は以下の通り。(単位:千トン)

   現状 完成後
PTT Chemical  1,146  1,376
 PTTPE    1,000
(PTTグループ合計)  1,146  2,376
ROC (Rayong Olefins Co.)   800  
TPI (Thai Petrochemical Industry)   360  
合計  2,306  3,536

サイアムグループのROCの80万トンエチレンに次いで100万トン系列ができることとなり、大規模化では既に日本を抜いている。

参考 2006/6/8 「タイの石油化学の現状」  

なお、本件はTECの39件目の新設エチレンプラントで、TECにとってタイでは、NPCROCに次ぐ3件目のエチレンプラントとなる。


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2006年10月 5日 (木)

ダウ、天然油ポリオール開発に成功

ダウは9月25日、天然油ポリオール(Natural Oil PolyolsNOPs) の開発に成功、直ちに需要家とテストを開始すると発表した。同社では2007年に次世代ポリオールの市場開発のための生産を開始するとしている。

同社は2005年6月に本事業を発表、開発を続けてきた。その結果、ハイドロカーボンベースの製品に対等、又は、より優れた製品の開発に成功した。

NOPsの場合、油の中の脂肪酸の構成が異なるため、これのコントロールが製品の性能に影響する。ダウは多段階のプロセスで天然油の構成を理想のものに変更するのに成功した。

当初は製品の引っ張り強度、弾力性、圧縮永久ひずみ等で問題が発生し、また、NOPsの含有比率を高めると製品の加工性にも影響が出た。ダウではNOPsとプロピレンオキサイドポリオールの最適な混合比率を見つけ、これらの問題を解決した。

NOPsは大豆、ヒマワリ、菜種から生産できるが、ダウの技術は、大豆油を中心にしている。

当初は最大のマーケットの軟質スラブ用ポリウレタンに焦点を絞るが、最終的には軟質スラブ、成形、CASE applicationsCoatingsAdhesivesSealantsElastomers)などの用途で需要家のニーズにあった多世代のNOPベースの製品ラインを開発したいとしている。また、ダウの他の部門(例えば Dow Automotive)も自動車用途等での利用で需要家と研究している。
需要の伸びに合わせて製造プラントの新設も検討する。

NOPsの開発はダウが20065月に発表した「2015年サステナビリティ目標」に合ったものである。ダウは今後10年間の目標として以下の点をあげている。

食料供給、住宅、水問題、健康と安全などの問題解決のため、最低3つのブレイクスルーを達成する。
   
省エネルギーの達成、代替エネルギーの開発、化石燃料消費に伴うグローバルな気候変化へのチャレンジ
 ダウは過去10年で製品当たり20%以上の化石燃料消費節減を達成したが、更に25%の改善を目標とする。
 ダウの温室効果ガス排出を2015年まで毎年2.5%減らす。
   
ダウにおける従業員の健康と安全の確保
   
周辺コミュニティとの協力メカニズム
   
「サステナブル ケミストリー」へのコミット
   
リスク評価に関してダウ製品の透明性の増加
   
ダウ製品の総合安全管理についての外部評価

 

 


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2006年10月 4日 (水)

SABICとExxonMobil、ポリエチレン製造に関する技術及び特許紛争を和解

SABICは9月28日、ExxonMobilとのポリエチレン製造に関する技術及び特許紛争を完全に最終的に解決したと発表、ExxonMobil もこれを認めた。今後、SABICと世界中の子会社はこの技術を無料で使用でき、過去及び将来のExxonMobil による第三者へのライセンス収入を分け合うとしている。

両社とも和解の条件については公表せず、いずれも両社の長期にわたる関係を高く評価し、今後ともJVの成功に向け努力し、更に関係の拡大を図るとしている。

両社の紛争は1998年に始まり、Delaware州の地裁~最高裁、及び連邦地裁~連邦最高裁と広範にわたり、いまだに裁判での解決を得ていなかった。

関係者

・1980年にSABICとMobilは50/50JVの Yanbu Petrochemical Co.(YANPET)を設立した。
・同年、SABICとExxonは50/50JVのAl-Jubail Petrochemical Co.(KEMYA)を設立した。
・1999年にExxonとMobilが統合し、ExxonMobilとなった。
  この結果、YanpetとKemyaはSABICとExxonMobilの50/50JVとなった。

事態の推移

1998年10月、SABICはNew Jersey連邦地裁に対し、PEの生産性アップ、能力アップの改良技術がExxonではなくKEMYAに帰属するのを認めるよう、Exxonを訴えた。(この技術が今回の和解で述べられている技術と思われる)

この訴訟の途中で、SABICUnion Carbideからライセンスを受けたUnipol 法PE技術をKEMYAYANPETに再ライセンスした際に、再ライセンスでは利益を上乗せしないというJV契約の規定に反して利益を上乗せしていたことが判明した。

2000年7月、和解が失敗した翌日に、SABICはExxonMobil を相手にして、上乗せはJV契約の他の規定に基づくもので問題はないとの判断をDelaware州裁判所に求めた。ExxonMobil側はNew Jersey連邦地裁に契約違反としてSABICを訴えた。

判断はDelaware州最高裁に持ち込まれた。

JV契約は準拠法をサウジ法としているため、サウジ法に基づいて審議が行われた。陪審員の選択に当たっては、当時の反アラブ感情を配慮して慎重に行われた。
ExxonMobil側は「再ライセンスでは利益を上乗せしない」という条項を基に契約違反を主張、SABIC側は別の規定に基づくと主張したため、契約交渉時の当事者を証人にしたが、時間が経過しているため、誰の記憶が正しいのかが問題となった。

最終的に2003年3月に陪審員は、SABICがJV契約に反して再ライセンスで利益を上乗せしたこと、これがサウジ法のghasb (略奪)の不法行為にあたるとして、SABIC敗訴とし、417百万$の損害賠償を課した。
利益上乗せ額は
184百万$50/50JVのためExxonMobil求償分は半分の92百万$とし、これにサウジ法による略奪賠償324.8百万$が加えられた。

これに対し、SABICは控訴し、Delaware州最高裁で未決のままとなっている。

この判決の前に、SABICは外国政府免責を主張してExxonMobil側の連邦地裁訴訟を却下するよう求めたが、連邦地裁はこれを却下した。しかし、控訴審で判事がRooker-Feldman doctrine という、これまで2件しか判例のない理論を持ち出し、既に州地裁で審議をしている事案は連邦裁判所に訴えられないとした。
本件は最終的に連邦最高裁までいき、Rooker-Feldman doctrine の適用事案ではないとして否定された。

 

今回の和解で本件にかかわる全問題が解決したこととなる。

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2006年10月 3日 (火)

SABIC、Huntsmanから英国の石化子会社を買収

2006/8/22 SABIC Europe とその前身」 で、以下のように述べた。

SABIC Europe は先月末にドイツのGelsenkirchen工場でのHDPE 25万トンプラント建設でUhdeと契約を交わした。完成後は同工場にある10万トンプラントをスクラップする。インフラ整備を加え、投資額は2億ユーロとなる。
同社はもう一つのサイトのオランダの
Geleen工場で52万トンのエチレンクラッカーを新設し、Gelsenkirchen工場でポリマーを増設する「Europe 1」計画を立てていたが、こちらは過剰投資が原因の建設費アップで経済性が問題としてペンディングとしている。」

上記の「Europe 1」計画は投資額が15億ユーロ(18.6億ドル)であったが、SABICは安上がりの代替案を見つけた。

9月28日、SABICはHuntsmanの英国の石化子会社 Huntsman Petrochemicals (UK) Ltd の株式100%を7億ドルで買収すると発表した。

買収するHuntsman Petrochemicals (UK) は、英国のWiltonに865千トンのエチレンと400千トンのプロピレンのクラッカー、130万トンの芳香族のプラントを有している。Huntsmanはこれまでエチレンを主に輸出していたが、2004年に400千トンのLDPEプラントの建設を決め、2005年10月に着工した。2007年末完成を目指して建設中だが、SABICは150百万ドルを投じてこれを完成させる。
(買収代金と含めると8.5億ドル)

Huntsmanは1999年6月にポリウレタンや酸化チタン事業とともにオレフィン、芳香族事業をICI から買収した。当初はHuntsman 70%、ICI 30% 出資のHuntsman ICI が運営していたが、2002年にICIが持分を投資会社に売却、2003年にHuntsmanが投資会社から持分を買い取って100%子会社とした。なお、ICIのWiltonのLDPEプラントは1982年にBPが買収し、2001年に閉鎖している。

Huntsman は英国の顔料事業と、ポリウレタン部門に属するアニリン、ニトロベンゼンは売却せず、維持する。

ーーー

SABIC2002年にDSMの石化部門を買収し、SABIC Europe を設立した。オランダのGeleen工場にエチレン、HDPELDPELLDPEPPプラント、ドイツのGelsenkirchen工場にHDPEPPプラントをもつ。エチレン能力は125万トン、PEは148万トン、PP109.5万トン。

今回の買収及び建設中のドイツと英国のPEが完成すると、SABICの欧州の能力は
 エチレン 211.5万トン 
 PE     203.0万トン (148+25-10+40)
 PP    109.5万トン
となり、欧州でも大メーカーとなる。
 

ーーー

一方、Huntsmanはこれまで買収により大きくなってきたが、汎用品から差別化製品に路線を変更しつつある。

2006年2Qの売上高とEBITDA(金利・税金・償却前利益)構成は次の通り。

  売上高比率 EBITDA比率
差別化製品 ポリウレタン   26%   50%
先端材料    9   10
機能製品   15   11
(小計)   (50)   (71)
顔料    8   10
コモディティ 基礎化学品   28    8
ポリマー   14   11
(小計)   (42)   (19)
合計   100   100

2006年6月、米国のブタジェン、MTBE事業をTexas Petrochemicals に売却
2006年6月、チバ・スペシャルティ・ケミカルズのテキスタイル機能材ビジネスの買収完了
2006年9月、今回の石化事業のSABICへの売却

これらの処理を折り込むと、2006年2Qの売上高及びEBITDAの構成は次の通りとなる。

  売上高比率 EBITDA比率
差別化製品 ポリウレタン   39%   57%
テキスタイル機能材ほか   26   19
機能製品   23   13
(小計)   (88)   (89)
顔料   12   11
コモディティ    0    0
合計   100   100

なお、上海ケミカルパークではBASF/ハンツマンのイソシアネートコンプレックスが本年8月に竣工している。

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2006年10月 2日 (月)

お知らせ

10月2日までのバックナンバーを下記にまとめました。

http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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日本のポリオレフィン業界の変遷-3

「選択と集中」時代

この事業統合時代には事業統合を通じてメーカー数は減少した。
しかしながらプラントそのものは各親会社の工場に残っており、能力は増強されている。
事業統合会社も、親会社の意向が強く反映される共同会社であり、プラントや原料ソースも従来通りのものが多く、合理化にも限度があった。

  LDPE HDPE PP
メーカー数 12社→9 12社→9
(→販売
8社)
14社→7
能力 産構法設備処理前  1,741千トン  1,052千トン  1,252千トン
産構法設備処理後  1,194   749  1,332
1993/8  2,257  1,279  2,568
2000/12  2,423  1,327  2,939

この能力増強に対して日本の石化製品の需要はバブル崩壊後伸び悩んだ。エチレン関連製品のエチレン換算内需量は添付の如く、未だに1991年の内需量を超えていない状況であった。生産増は辛うじて輸出によりカバーされたが、2000年頃はまだ輸出価格は高騰していない。

Ethylenedemand_1 各社の業績は低迷を続けた。

このような状況の中で、ポリオレフィンの場合は2004年に輸入関税が大幅に下がる「2004年問題」も懸念材料となった。

ウルグアイラウンドでの合意により、石化製品の関税率は1995年から段階的に引下げられ、ポリオレフィンの場合は2004年に最終税率が適用されることとなっていた。

輸入関税

  93 99 00 01 02 03 04
PE @22.40 @15.35 @13.94 @12.53 @11.12 @9.71  6.5%
PP @25.60 @17.90 @16.36 @14.82 @13.28 @11.74  6.5%

LDPEの場合、99年のCIF価格は723$で、この場合、関税は@15.35が@5.29に下がる。
PPホモの場合、同じく582$で、@17.90から@4.26に下がることとなる。

ニッセイ基礎研究所 百嶋徹氏は2000年の論文で、2004年には関税引き下げと国産品価格是正によって、業界全体では860億円の減益になると予想、これに加えて欧米化学大手のアジア進出にともなう競争激化などによって、最悪のケースでは年間 1,700億円の減益になると指摘した。

2006/2/22 「忘れられた「2004年問題」」 参照 

これらを背景に石油化学業界全体で「選択と集中」が各社の合言葉となり、事業の撤退も含めて検討を始めた。

①三井化学および住友化学の全面的統合発表

2000年11月、三井化学と住友化学は「21世紀の化学産業におけるグローバルリーダー」をめざすべく、2003年10月に両社の事業を全面統合すること、ポリオレフィン事業については2001年10月に先行的に統合することを発表した。
両社はともにエチレンセンターを持ち、両社が出資する京葉エチレンとともに互いにパイプラインで結びつき、コンビネーテッド・コンビナートを形成しているほか、三井は大阪に、住化はシンガポールにもエチレンセンターを持つ。住化の医薬・農薬事業は収益に貢献しているし、両社の新規事業も順調である。統合により、世界トップクラスの化学会社と技術力や収益力において互角に競争できる、アジアで最大、世界第5位の化学会社が誕生することになる。

②三井住友ポリオレフィン 

20014月、三井化学と住友化学は全面統合の具体案とともに、ポリオレフィン事業の統合について発表した。 

会社名   三井住友ポリオレフィン
営業開始日   2001/10/1 
資本金   70億円
出資比率   三井化学 50%、住友化学 50%
事業   ポリエチレンおよびポリプロピレン
生産能力  
                                      (単位:千トン/年)
  日本 海外 世界計
生産(再)委託先 能力 国内生産
シェア(%)
社名 所在国 能力
LDPE 住友化学   172   TPC シンガポール   230  
三井デュポンポリケミカル   170          
合計   342   25.2 合計   230   572
LLDPE 住友化学    33   TPC シンガポール   150  
千葉ポリエチレン    75          
日本エボリュー   200          
三井化学    91          
合計   399   35.4 合計   150   549
HDPE 三井化学   206   (CPSC) (シンガポール)    
合計   206   15.5         206
PP 住友化学   200   TPC シンガポール   355  
千葉ポリプロ    66   PSPC 米国   360  
グランドポリマー   671          
合計   937   31.6 合計   715  1,652
PO合計  1,884      1,095  2,979

しかし、この統合に対して公取委の承認がなかなか得られなかった。公取委はこのうち、PEについては当初から問題なしと伝えていた。
問題はPPであった。
公取委は2000年5月に「ポリプロピレン値上げについて談合の疑いがある」としてメーカー7社に立ち入り調査を行ったが、2001年5月、全社に排除勧告を行った。
これに対してを三井の参加するグランドポリマーと、日本ポリケム、チッソの3社は応諾したが、住友化学、出光石油化学、サンアロマー、トクヤマの4社は勧告理由を不服として拒否した。
2006/7/13 「
ポリプロ価格カルテル事件の現状」参照 9月現在もまだ決着していない。

公取委は本件も踏まえて、統合に問題あるとしたため、2001/10のポリオレフィン統合は延期された。
公取委の問題点は以下の通りであった。(日本ポリケムとチッソの統合と同時に検討された)

1.  統合後の合算販売数量シェアは、約30%(第2位)〔日本ポリケム/チッソは約35%(第1位)〕
上位3社の累積集中度が約85%
2. 輸入圧力の限定性
3. 汎用性に乏しいグレード数の多さとそれに起因する取引関係の固定性
4. PP分野におけるメーカーの価格改定行動について、これまでの状況をみると、協調的な行動がみられる。

これに対して両グループは以下の対応策をとった。

三井化学/住友化学
  少量販売グレードの統廃合等により、PPのグレード数を、2005年末までに、現状の約5割まで削減する。
  統合新会社において業界団体への営業部門者の出席を一律禁止するなど、独占禁止法遵守体制を更に徹底する。
   
日本ポリケム/チッソ
  少量販売グレードの統廃合等により、PPのグレード数を、2005年未までに、現状の約4割まで削減する。
  統合新会社においては、業界団体の会合等に出席する場合は、事前届出及び事後報告することを義務化する等、 独占禁止法遵守体制を更に徹底する。

これを受けて、公取委は200112月、ようやく両社の統合を承認した。

なお、石油化学工業協会では、200112月、協会内の各種委員会を廃止することを決めた。石化協はそれまで、全体で11の委員会を設置、主要製品についてのデータ収集および分析等のほか、海外市場動静、原料、物流、など石化産業を取り巻く幅広い分野での調査活動を進めていた。2002年からは各種委員会を廃止、政策立案を中心にした活動に衣替えした。 

三井住友ポリオレフィンは200241日、当初予定から半年遅れでスタートした。
2003
10月には親会社が統合する予定のため、二重の手間を省くため三井住友ポリオレフィンでは工場の親会社からの分離は行わず、販売・開発会社として、製造は親会社に委託する形をとった。

③宇部興産のPP事業撤退

宇部興産と三井化学はPP事業を統合してグランドポリマーとし、宇部とトクヤマとのPP製造JVの宇部ポリプロについては宇部が1999年に持分をグランドポリマーに譲渡していた。
(* 宇部ポリプロのトクヤマ持分は2003年3月に三井化学が取得)

三井と住友のポリオレフィン事業統合を機に宇部興産はPP事業から撤退した。

当初はグランドポリマーを生産会社とし、営業権を三井住友ポリオレフィンに譲渡する案が検討されたが、最終的には2001年10月に宇部がグランドポリマーの持分を三井化学に譲渡し、宇部・堺工場内のグランドポリマーのプラントの操業は宇部興産が受託することとした。

2002年4月、三井化学はグランドポリマーを吸収合併した。

④トクヤマの撤退と出光石化の提携

20011月、出光石化とトクヤマはPP事業における提携を発表した。

事業提携の概要
(1) 徳山ポリプロ有限会社の設立
  ①両社による製造合弁会社設立と国際競争力がある20万トン規模の設備新設(場所は、トクヤマ・徳山製造所内)
②トクヤマ既存PP設備(14万トン)の廃棄
(2) 営業および研究の統合
  ①トクヤマの営業権の出光への譲渡
②トクヤマが実施している研究の出光への一本化
   
背景と目的
 
出光石化は2000年11月、千葉のPP能力を手直しにより、これまでの3系列37万トンから40万トンに引き上げたが、コア事業としての更なる国際コスト競争力の強化と一段の事業規模拡大が課題
トクヤマでは、PP事業については他社との提携による合理化を検討
両社の工場は隣接しており、徳山・南陽コンビナートにおける両社のオレフィンバランスの最適化、用役の有効活用等から、両社の従来からのパートナー関係をより緊密にすると同時に、コンビナートの競争力強化に資するもの
   
2001年4月 徳山ポリプロ設立
  事業内容   ポリプロピレンの製造(生産能力:20万t)
  資本金   10億円
  出資比率    トクヤマ 50%、出光石油化学 50%

2001年7月1日 トクヤマがPP営業権を出光石化に譲渡
2002年9月末 トクヤマ PPプラント140千トンのうち65千トン停止
2003年1月末
 トクヤマ PPプラント残り75千トン停止
2003/5 徳山ポリプロ新プラント(200千トン) 営業運転

なお、トクヤマはPP製造JVの千葉ポリプロ、宇部ポリプロの持分をそれぞれ、2001年6月に住化、2003年3月に三井化学に譲渡している。

⑤日本ポリケム・日本ポリオレフィン・チッソの再編 

20016月、日本ポリケムと日本ポリオレフィンはポリエチレン事業について、日本ポリケムとチッソは、ポリプロピレン事業について、それぞれ両社の事業を統合することにつき検討を開始することで合意したと発表した。
統合すれば、PEの生産能力は133万トン、PPは109万トンとなる。

海外での大型吸収合併による超巨大メーカー群の誕生、2004年に向けての関税率逓減、アジア・中東地区における大型設備の新規稼働等により、国内各社もコスト競争力の強化等が喫緊の課題となっており、これらの事業の統合を検討することが必要との合意に達したもの。
日本ポリケムが、両事業会社の共通業務の一部を担当し、かつ、両事業の総合調整をする形で存続する。

日本ポリオレフィンは200112月期で資本金150億円に対して累積損失が104億円に達していた。
日本ポリケムも2001
12月期では44億円の赤字で、資本金200億円に対して累積損失は28億円になった。

日本ポリオレフィンを主導する昭和電工では2002年の新中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」で「総合化学」から、「無機・アルミと有機の融合」中心の「個性派化学」への転換方針を決め、石油化学は、再構築が必要な事業群(再構築事業)としている。
PP(サンアロマー)は既にBasellに運営を任せているが、PEについても日本ポリケムを主導する三菱化学に任せることとなった。
チッソもPP事業において単独での生き残りは難しいと判断した。

PE製造能力 (千トン/年)
  LDPE LLDPE HDPE 合計 立地
日本ポリケム   203   321   199   723 鹿島、川崎、四日市、水島
日本ポリオレフィン   214    70   326   610 川崎、大分
(小計)  (417)  (391)  (525) (1,333)  
【三井住友ポリオレフィン】   342   399   206   947 千葉、大竹、千葉
東ソー   152    56   125   333 四日市、南陽、(千葉)
日本ユニカー   180   110    10   300 川崎
旭化成   119     163   282 水島
宇部興産   146    51     197 千葉
出光石油化学      60   130   190 千葉
京葉ポリエチレン       168   168 千葉
合計  1,356  1,067  1,327  3,750 ( )は共同投資設備
 
PP製造能力 (千トン/年)
  能力 立地
日本ポリケム   710 鹿島、川崎、四日市、水島
チッソ   381 千葉、四日市
(小計) (1,091)  
グランドポリマー   701 千葉、高石、堺、宇部、(川崎)
住友化学   264 千葉
出光石油化学   400 千葉
トクヤマ   173 徳山、(千葉)、(宇部)
サンアロマー   310 川崎、大分
合計  2,939 ( )は共同投資設備
* 三井住友ポリオレフィンの発表時点と異なり、数値が若干異なる。

日本ポリケムとチッソとのPP事業統合については、2001年10月に公取委の事前承認を得たが、日本ポリケムと日本ポリオレフィンのPE事業統合は難航した。
問題は日本ユニカーの存在であった。

日本ポリケムは三菱化学と東燃化学のポリオレフィン事業統合会社だが、東燃化学はダウ(UCCを買収)との合弁会社でPEのメーカーの日本ユニカーの株主でもある。
日本ユニカーについては当初から日本ポリケムへの参加を検討したが、実現しなかった経緯がある。

公取委は日本ポリケム(三菱化学/東燃化学)と日本ポリオレフィン(昭和電工/新日本石油化学)が、東燃化学を通じて日本ユニカーとも企業結合関係が出来ると考え、その場合の販売シェアが約45%で第1位に、また、上位3社の累積シェアが約80%となるとして、これを問題視した。
* 三菱化学はPE、PP両統合会社に参加するが、PEで連携する昭電、新日石化学を通じてサンアロマーと関係ができることとなるが、これについては公取委は問題としていない。

最終的にこの問題の解決のため2003年1月、三菱化学と東燃化学の間で、三菱が日本ポリケムの東燃持分を買取り、三菱の100%子会社とすることで合意、6月に実行された。三菱化学と、東燃化学の親会社エクソンモービルの間で統合計画をめぐり意見の対立があり、エチレン生産に経営資源を集中させたいエクソン側の思惑もあって関係解消となったとの報道もある。
これにより日本ユニカーとの関係が打ち切られ、新統合会社のシェアは約30%、上位3社の累積シェアが約70%となり、公取委も統合を承認した。

この結果、PEについては、2003年9月に日本ポリケム、日本ポリエチレンに三菱商事プラスチックを加えて3社の合弁会社・日本ポリエチレンを、PPについては同10月に日本ポリケムとチッソの合弁会社・日本ポリプロを発足させた。

ポリエチレン新会社の概要
  社名   日本ポリエチレン
  営業開始   2003/9/1
  資本金   75億円 (他に、資本準備金67億円)
  出資比率  
日本ポリケム   50%
日本ポリオレフィン   42%
三菱商事プラスチック    8%
  事業内容   ポリエチレン樹脂の製造、販売及び研究開発
  売上高   1,100億円
  従業員数   約700人
  生産能カ  
LDPE   417.4千トン/年
L-LDPE   374.7千トン/年
HDPE   475.6千トン/年
       
ポリプロピレン新会社の概要
  社名   日本ポリプロ
  営業開始   2003/10/1
  資本金   50億円
  出資比率  
日本ポリケム   65%
チッソ社(チッソ石油化学)   35%
  事業内容   ポリプロピレン樹脂の製造、販売及び研究開発
  売上高   1,300億円
  従業員数   約730人
  生産能カ   1,091千トン/年

具体的手続きは以下の通り

2003/9/1   「日本ポリエチレン」を設立して日本ポリケムと日本ポリエチレンのPE事業を統合
     
2003/10/1   日本ポリケムのPP事業をチッソのPP事業と統合し、同社を「日本ポリプロ」と改称
    別途、投資会社「日本ポリケム」設立

両新会社は実質的に三菱化学主導であるが、多くの工場を抱える。
PE、PPは各エチレンセンターの主要製品であることから停止は簡単ではない。
少なくとも暫くの間はこれらを抱えていかざるを得ない。

    PE PP 備考
日本ポリケム 三菱化学 鹿島 鹿島  
水島 水島  
東燃化学 川崎 川崎  
日本ポリオレフィン 昭和電工 大分  * PPはサンアロマー
日本石油化学 川崎  * PPはサンアロマー
チッソ  - 千葉 (プロピレンは丸善石油化学)
 - 四日市 (旧 四日市ポリプロ(プロピレンは東ソー)

なお、日本ポリエチレンは2004年9月で四日市工場内の75千トンの老朽化した小型LDPEプラントの操業を停止した。
同工場のエチレンは既に2001年1月に、また37千トンのPPプラントも2002年末で生産を停止している。

200512月、日本ポリプロは増設と鹿島工場に300千トンを建設することを発表した。
チッソの気相法を採用するもので、2008年 4月 営業運転開始の予定。
見返りに 2009年3月末をめどに、川崎工場で2系列合計年産138千トンのPP設備を休止する。

 

宇部興産PE事業再編

宇部興産は2001年10月に宇部がグランドポリマーの持分を三井化学に譲渡しPP事業から撤退したが、新聞報道では丸善石化コンビナートに197千トンの能力を持つPE事業についても2003年までに撤退する方針を決め、事業売却の検討に入ったと伝えられた。

しかしながら、京葉モノマーのVCMと同様、宇部のPEプラントが停止するとエチレンの操業に支障を生じる丸善石化の提案により、丸善石化のエチレンとの一体運営を行うこととし、宇部はPE事業を分離して宇部丸善ポリエチレンを設立し、その50%を丸善石化に譲渡し、JVとした。2004年10月に営業開始した。

社名   宇部丸善ポリエチレン  
事業内容   LDPE及びスーパーポリエチレン(メタロセンLLDPE *)の生産・販売及び開発
営業開始   2004/10/1
資本金   490百万円
出資比率   宇部興産 50%,丸善石油化学 50%
売上高   191億円(2003年度実績)
生産能力  
LDPE   147千トン
スーパーポリエチレン    50千トン
従業員   約 100名

*1994年11月に三井石化と提携、休止していたLLDPE設備を三井のわが国初のメタロセン触媒技術による
気相法LLDPEの商業規模での試験生産に使用したもの。

なお、丸善石化は100%子会社でEO、EGを製造販売する丸善ケミカルと、同じくHDPEを製造する丸善ポリマー(販売はチッソとの販売JVの京葉ポリエチレン)を2005年4月に吸収合併した。

ーーーー

「選択と集中」方針により、ポリオレフィン業界も再編が進んだ。 

三井住友ポリオレフィン 三井と住友のポリオレフィン事業統合
宇部興産のPPからの撤退
日本ポリエチレン(三菱化学主導) 日本ポリオレフィン(昭電、新日石化学)を吸収
東燃化学の撤退
日本ポリプロ(三菱化学主導) チッソのPP事業を吸収
出光石油化学 トクヤマと提携(製造委託)
トクヤマのPPからの撤退
宇部丸善ポリエチレン 宇部のPEからの半撤退

 

しかしながら、この頃から中国の需要が急上昇して「中国バブル」現象が生じ、その後の原油価格高騰による「ナフサバブル」と相まって輸出価格が高騰、これを受けて国内価格も上昇した。

この結果、化学企業の業績は軒並み改善し、危機意識がなくなり、再編努力が弱まった。

あんなに心配した「2004年問題」もなんら影響がなく、ある業界関係者は「2004年問題など今や問題でない」と一笑に付した。

 

三井化学と住友化学の全面的統合の破談

そんな中で、三井化学と住友化学の全面的統合が破談となった。

三井化学と住友化学は2001年4月に統合会社の概要を発表した。社名を「三井住友化学」とし、2003年10月に共同株式移転により持株会社を設立した後、04年3月末に持株会社が三井化学、住友化学および三井住友ポリオレフィンを吸収合併し単一会社とするとした。

両社はまず2002年4月、三井住友ポリオレフィンをスタートさせ、全体統合の準備を進めた。しかし、両社の統合比率は、統合の際の株価およびその他の考慮すべき要素を勘案して決定するとしていたため、競ってそれぞれの事業の拡大を図った。

2002年12月、公取委は両社の統合を事前承認した。

しかしながら、統合の検討を始めると直ぐに、両社の間に不協和音が出だしたとのことである。

新聞情報によると、経営統合に当たり、両社は「対等の精神」を理念に掲げたが、住友化学が時価総額(株価が15%弱の差で、株数は住化が三井の約2倍)をベースに考えて主導権を取ろうとし、三井化学は文字通りの「対等」にこだわった。
首脳人事では三井化学は「対等」の証として共同最高経営責任者制を提案したが、住化が拒否した。
多くの点で妥協も行われたが(共同持株会社を設立し、半年後に持株会社が両社を吸収するという二段階方式は、法的に三井が消滅会社となるのを避けるため)、住化主導の色が濃く、三井では「飲み込まれる」という不安が高まったといわれる。
石化の好調で、単独でもやっていけるとの考えが出たのは間違いない。

2002年末には首脳人事(社長には米倉弘昌住友化学社長、会長に中西宏幸三井化学社長)などが内定したが、統合比率で折り合えず、2003/3を期限に再交渉することで合意した。
しかし、その後も折り合えず、2003
331日、統合計画の白紙撤回を発表した。

ポリオレフィン事業の合弁会社である三井住友ポリオレフィンについては、全体事業統合見送りの結果、両社が独自の事業戦略に基づき、それぞれポリオレフィン事業を推進していくことで合意し、2003101日、合弁事業を解消した。
幸か不幸か、本体の統合を前提に工場については統合していなかったため、販売と研究機能を両社に戻すだけで済んだ。

これにより、グローバル企業を目指した大統合は実現を見ずに終わった。

その後、住友化学はサウジのラービグ計画を、三井化学は出光興産との提携強化、ポリオレフィン事業の統合を発表する。

* ラービグ計画については2006/3/25 「
ペトロラービグ起工式」参照

 

三井化学と出光石化のポリオレフィン事業の統合

三井化学は住友化学との経営統合計画の解消後、2004年2月に同じ千葉にコンビナートを持つ出光興産/出光石油化学と包括提携で基本合意した。

3社は、石油精製・石油化学事業の国際競争が激化するなか、これまで個別企業毎に行ってきた合理化等の取り組みだけでは限界があるとの共通認識に基づき、千葉地区における業務提携の可能性について予備的な検討をしてきたが、原料・留分から石化製品、また、工場基盤・業務を含めた幅広い領域にわたり、石油精製と石油化学という業種や企業の枠を超えた業務提携の検討を進め、千葉地区コンビナートの国際競争力の強化を目指すこととした。

この業務提携を具体化することにより、出光グループは石油精製と石油化学のインテグレーションを更に推し進め、「石油精製の高度化による原料・留分の付加価値向上」と共に、「製油所・石油化学工場のコスト競争力強化」を図る、三井化学は石油化学事業構造の抜本的な変革、即ち「分解原料の多様化」「プロピレンセンター化」「差別化」を促進するとした。

20045月、三井化学/出光興産/出光石油化学は三井化学と出光石化のポリオレフィン事業の統合の発表を行った。
(同時に
出光興産による出光石油化学の吸収合併も発表した)

新会社は、三井・出光の包括的提携の一部として、両者の全世界におけるポリオレフィン事業を、生産・販売・研究のすべての面で戦略的に統合し、事業規模の拡大とシナジー効果の発揮による事業価値の最大化を図ることを基本的な使命としている。

①社名   ㈱プライムポリマー
②営業開始日   2005/4/1
③事業内容   ポリプロピレン及びポリエチレンの生産、販売及び研究
④資本金   200億円
⑤出資比率   三井65%、出光35%
⑥売上高   2,400億円(2004年度両社合算)
⑦生産能力  
品目 自社(及び生産委託)能力 能力
(千t/年)
国内能力
シェア(%)
PP 三井化学    670        
(宇部ポリプロ)     90  
出光興産    400  
(徳山ポリプロ)    200  
合計   1,360   44.8
LDPE (三井・デュポン ポリケミカル)     70    5.2
LLDPE 三井化学     96  
(日本エボリュー)    150  
出光興産     60  
合計    306   29.3
HDPE 三井化学    208  
出光興産    130  
合計    338   26.3
PE計      714   19.4
PO合計   2,074  

(PPは国内1位、PEは国内2位)
注1) 国内生産シェアは石化協まとめ03年12月末各社別生産能力に基づく。
    但し、PPの三井化学能力は大阪工場新プラント(04年4月稼働、300千t/年)を含む。  
注2) LDPE能力は、三井・デュポン ポリケミカルへの04年度委託予定量見合い。
注3) LLDPE・日本エボリュー能力は、三井化学の引取量見合い。

200541日、プライムポリマーは営業開始した。

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中国バブルは早くも破裂しかけている。
各社の決算では既に石油化学部門の損益の悪化が見られる。

日本の国内需要が今後増大することは余り期待できない。
中国バブルが破裂すると、輸出が激減するだけでなく、国際市況の低落と、それを受けての国内価格の下落がおこる。
「2004年問題」は忘れられたが、関税引き下げは既に実施されている。中国バブルが破裂すると輸入圧力も出てくるであろう。

中国が輸入を続けている間に、遅ればせながら、本格的な過剰設備対策に取り組むべきであろう。

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