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2006年8月 2日 (水)

 「独占禁止法基本問題」に関する経団連のコメント

2006/7/25 「独占禁止法に関する論点整理で「独占禁止法基本問題懇談会」の議論を踏まえた「論点整理」を紹介した。公取委では広く各層の意見を求めるとしている。

これに対して経団連では、8月1日、「独占禁止法の抜本改正に向けて、必要不可欠な論点を中心に、今後わが国における望ましい法改正の姿を具体的に示すことにより、今後の懇談会における検討が収束する方向に向かい、独占禁止法の抜本改正が現実のものとなることを期待して」、コメントを発表した。

「独占禁止法基本問題」に関するコメント
     ‐望ましい抜本改正の方向性‐
  
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/057.pdf

経団連の「望ましい法改正の姿」の概要は以下の通り。

1. 公取委の審判の廃止
公取委が、審査・審判の両方を兼ねることへの不信感を払拭するため、公取委による審判を廃止し、公取委の行政処分への不服申立ては、裁判手続に委ねる。
   
  本年1月の改正後の手続きは添付Ftckaisei2の通り。
 
  公取委が自ら審査を行い、排除措置命令・課徴金納付命令を出し、その当否を自らの審判において判断することは、公正な審理が本当に確保されるのか、不信感は払拭できないとし、現在の審判は廃止し、公取委の行政処分に対する不服申立ては行政訴訟の一般原則に立ち返って、地方裁判所に対する取消訴訟の提起という仕組みに改めるべきであるとする。
   
2. 課徴金と刑事罰の併科の解消
違反行為に対する制裁は、法人に対する独禁法上の課徴金に一本化して法人・個人に対する独禁法上の刑事罰は廃止するか、少なくとも法人については刑事罰を廃止し、制裁を課徴金に一本化することを検討すべき。

不当利得相当額以上の金銭を徴収する現行の課徴金は、違法行為の抑止を目的とする「行政上の制裁」であり、その機能は刑事罰と重なる完全な二重構造となっているとしている。

   
3. 課徴金制度の透明性、予見可能性の確保
課徴金と刑事罰の併科を解消するため、独占禁止法違反行為に対する制裁について、法人に対しては独占禁止法上の課徴金に一本化することを前提に、公正取引委員会による恣意的な裁量の余地を極力排除し、制度の透明性、予見可能性を確保する必要がある。
   
4. 適正手続の下での正当な防御権の保障
公取委による審査手続において、適正手続の下で、事業者に正当な防御権が保障されるよう、弁護士等の立会権の付与や調査者に対する「供述拒否権の告知」の規定等を、新たに公取委の「規則」ではなく「法律」に規定。
   
5. 排除措置命令の在り方の見直し
どのような事案に対して、どのような排除措置命令を講じるか等、一定のルールの設定。
   
6. 違反行為のあった会社の代表者に対する罰則の適正な運用
   
7. 公取委が行う警告制度の見直し
不服申立てができず、名誉挽回方法のない「警告」では、社名の公表は廃止。
   
8. その他
   

 

経団連の提言に対して公取委の竹島委員長は 「現行制度は合理的」として以下の通り述べている。(8/2 日経)

「公取委の審判の廃止」案に対して、
 「7人いる審判官のうち3人は法曹資格者であり、審査との独立性、中立性も保たれている」
 「第一審を裁判所が担うことになった場合に、どこまで競争法などの専門知識を備えた裁判官を確保できるかなど現実的な問題が残る。」

「課徴金と刑事罰の併科の解消」案に対して、
 「1月の独禁法改正で課徴金の水準を引き上げ、これまでの『不当利得の徴収』がら、それ以上の金銭的不利益を科す『行政上の制裁』に位置づけを変えた。だからといって刑事罰をやめるというのは反対だ。刑事罰には社会的に違反行為を糾弾する厳格な制裁としての効果があり、行政制裁金では肩代わりできない」
 「欧州でも一部の国で刑事罰を科しており、日本の制度が国際的に異例というわけではない。そもそも刑事告発するのは重大・悪質な事案に限っている。違反行為への抑止力を持たせるために刑事罰は維持すべきだ」

 

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