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2006年8月29日 (火)

BPの石油化学のオリジン

BPが石油化学に参入したのは、1947年にBP(当時はAnglo Iranian Oil) ウイスキーメーカーのDistillers とのJV British Petroleum Chemicals を設立したのがきっかけである。

 

The Distillers Company (DCL)は1877年に設立された会社で、スコッチウイスキーと副産品としてイーストや工業用アルコールを生産していた。

同社は第二次大戦前に、アルコールを利用して化学分野への進出を決定した。

・1937年 
  ペイントや熱硬化性樹脂のメーカーの
British Resin Products Ltd を買収
・1939年 
 
British Xylonite と50/50JVのBX Plastics Ltd を設立

・1941年
 
F.A.Hughes & Co(フェノール、セルローズアセテート、PVC等を生産)の48%を取得
・1947年Distillersmap_1
 
F.A.Hughes & Coの100%を取得し、British Resin Products Ltd に統合 
 Barryに工場建設

 
PS、PVCに関心を持ち、
British Resin Productsで小規模生産


・1945年 
 
DCLB F Goodrich が55/45のJV British Geon Ltd を設立
 BarryでPVC(と後にニトリルゴム)を生産

◎1945年、英国政府はアルコールからのアセチレン生産に関する特典を廃止、
  化学原料の石油への関税を免除
  → DCLは糖蜜からのアルコールから石油への原料転換を決める。

・1947年
 
DCLAnglo Iranian Oil Company(のち、BPと改称)が50/50のJV British Petroleum Chemicals を設立(1956年とBritish Hydrocarbon Chemicals 改称)
 
Grangemouth に工場を建設、DCLの化学事業に原料を供給

・DCL、Phillips Petroleum からHDPE技術の独占権を取得、Grangemouth でHDPE生産、British Resin Productsで販売   

・1953年
 
DCLとDow Chemical が55/45(後、50/50)のJV Distrene Ltd を設立
 BarryでPSを生産

・1959年
 
British Xylonite の残り50%と、持ち主のBX Plastics Ltd を買収
 ◎
BX Plastics Ltd ではPS、PVCを生産しており、両JVと競合

・1961年
 
DCLとUnion Carbide が50/50JV Bakelite Xylonite Limited を設立
  DCLは
British Xylonite/BX Plastics を拠出
  UCCは
Bakelite Ltd を含むUCCの英国のプラスチック事業を拠出
  
* Bakelite Ltdについては 2006/2/15 「プラスチック100周年」 参照

1966年になって、DCLの取締役会は30年間続いた化学事業から撤退し、元のウイスキー事業に専念することを決めた。
その後の交渉の結果、1967年に以下の通り決定した。 

BPが引き受け(DCLパートナー持分を含め)    
事業名 パートナー 製品
British Hydrocarbon Chemicals DCL/BP 石化原料
HDPE DCL100% HDPE
British Resin Products DCL100% 諸製品
British Geon Ltd DCL/Goodrich PVC、ニトリルゴム
Bakelite Xylonite Limited DCL/UCC British Xylonite/BX Plasticsの事業
UCCの英国のプラスチック事業
 
Dow が引き受け    
Distrene Ltd            DCL/Dow    PS                  

なお、DCLは1986年に敵対的買収で Guinness に吸収された。

ーーーー

BPはこれを基にその後、石化事業を拡大した。

BPはその後、Barry工場の操業を停止、各事業は個別に売却された。
Grangemouth
はその後もBPの英国の拠点であった。

ーーーー

BPは2005/4/1、石油化学の大半をInnoveneとして分離、2005年末にIneosに売却した。
 2006/6/14 
事業買収で急成長した化学会社」 参照

但し、PTAとその原料であるパラキシレン、酢酸、及び中国でのエチレンJVはその後もBPのコア事業である。
 2006/7/26 
BPが韓国のPTA事業から撤退 参照

 

参考資料 http://www.plastiquarian.com/styr3n3/pqs/pq10.htm
       
(Plastics Historical Societyのホームページ 
                     
http://www.plastiquarian.com/ から)

 

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