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2006年7月14日 (金)

SINOPECの損益構造の変化

SINOPECの2005年の決算と2004年の決算を比較すると大きな変化がある。Sinopec1

同社は原油・天然ガス探査・採掘、石油精製、石油製品の販売、石油化学の4部門を持ち、石油・天然ガス探査・採掘では中国で2位、石油精製及び石油化学では中国第1位である。
2005年の決算は原油価格高騰の影響で増収増益となっている。

しかし、部門的には前年と比べ大きな変化がある。
原油・天然ガス探査・採掘部門は大幅増益となっているのに対して、精製部門は赤字となっており、石化部門も前年は大きく伸びたのに対して減益となっている。Sinopec2

中国では政府が石油製品の価格の統制を行っており、精製部門は原油高を製品価格に一部しか転嫁できず、赤字となった。SINOPECの場合、精製部門は製品の内外価格差の補填として政府から9,415百万人民元もの補助金を受けたが、それでも3,505百万人民元の赤字となった。

石油化学部門も原料価格をフルに転嫁できず、減益となっている。

この傾向はペトロチャイナでも同様で、探査・生産部門が6割の営業損益アップになったのに対して、精製部門は前年の119億人民元黒字から199億人民元の赤字となり、石化部門の営業損益も57%の減益となっている。

ーーー

原油価格高騰を受け、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、SINOPECや中国海洋石油(CNOOC)が空前の高収益を上げているのに対して、国内産業は原料・燃料価格の高騰で収益を圧迫されている。

このため、中国政府は本年3月26日から、石油採掘企業に対して特別収益金(Windfall-tax)を徴収することを決めた。一般には暴利税と呼ばれている。

原油価格が40ドル/バーレルを超える国産原油を販売する場合に超えた部分について20-40%の税金を課すもので、以下の算式で課せられる。

{(加重平均販売価格-40) 下記比率-下記控除額} 販売数量

原油価格(US$/bbl) 40~45 45~50 50~55 55~60 60以上
比率  20%  25%  30%  35%  40%
控除額(US$)   0  0.25  0.75  1.50  2.50

新聞報道ではペトロチャイナ、SINOPEC、中国海洋石油の3社からの特別収益金は年間で300億人民元に上ると見られている。

これとは別に、国家発展改革委員会は本年3月と5月の2回、ガソリンと軽油の卸売価格の引き上げを行った。石油製品の内外価格差の是正が目的で、段階的に自由化を進める方針といわれている。

なお、特別収益金は国庫に納められ、上記値上げにより打撃を受ける業界に対して補助金などの形で配分されるといわれている。

 

ペトロチャイナとSINOPECは特別収益金徴収で探査・生産部門の利益は減るが、石油製品価格値上げで精製部門の採算は好転する。一方、CNOOCは探査・生産部門のみのため採算は悪化する。

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