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2006年7月29日 (土)

2006/2Qの国産ナフサ基準価格 49,800円/klに

2006年6月のナフサの平均輸入価格が48,106円/kl となった。この結果、2Qの平均価格は46,800円/kl となり、これに諸掛(金融費用、備蓄費、税負担等)2,000円/klを加えた国産ナフサ基準価格は48,800円/klとなった。

Naphthagraph これは第二次石油危機後半の1983年4Qの48,900円/kl に次ぐものである。

なお、2006/7/17 「原油、ナフサ価格 急上昇」参照 

 

国産ナフサ基準価格は今では単なる参考価格に過ぎない。

この方式(「四半期ごとのナフサ平均輸入価格+諸掛」)は1982年7月から、石油精製と石油化学の間の「ナフサ戦争」解決のために導入されたものである。

第一次石油危機でナフサ価格は大幅に上昇した。ナフサ価格は石油精製側と石油化学側のチャンピオン交渉で決められていたが、石油化学側は石油業法によりナフサの自主輸入の道を封じられおり(ナフサなど石油類の輸入は石油精製会社しかできなかった)、 交渉力は弱く、ナフサ価格は段階的に上げられた。
日本の国産ナフサ価格は輸入ナフサ価格よりかなり高かった。それに対して米国の石化業界は原料がエタンのため影響が少なく、欧州もナフサが中心ではあったが、市場メカニズムで価格が決まるため、日本の原料価格が最も高いという状況が続いた。石化業界の不満は強く、「第一次ナフサ戦争」、「第二次ナフサ戦争」と呼ばれる抗争状況が続いた。

1982年2月、化学系石油化学メーカー7社の首脳が揃って通商産業省を訪問し、
 ①ナフサ輸入権の獲得など輸入に関する石油政策上の制約の撤廃(ナフサ輸入権の獲得)
 ②輸入ナフサに係る石油税免税措置の延長
 ③国産ナフサの石油税の石化業界への還付
 ④適正な石油価格体系の確立
 ⑤原料ナフサ備蓄義務の撤廃
の5項目を陳情し、石油化学各社が石油業法第12条の規定に基づく輸入業の届出をする用意がある旨を正式に表明した。

これに対して通産省は同年4月、産構審化学工業部会会長、石油審議会会長両氏による「石油化学原料用ナフサ対策に関する提言」を受け、「石油化学原料用ナフサ対策について」を省議決定した。その概要は以下のとおりであった。

国産ナフサの供給:石油企業と石油化学企業とは各年度に先立ち、四半期ごとの国産ナフサの供給・引取量を協議決定し、通商産業省に届け出る。
ナフサの輸入体制:合意した国産ナフサ量を超えて石油化学企業が必要とするナフサは、PEFIC(「石化原料共同輸入株式会社」:化学系センター7社のナフサ共同輸入会社)が石油企業と代理商契約を締結したうえで、同社を経由して実質的に自由に輸入できる。
国産ナフサの価格:個別企業間の国産ナフサ価格は、標準的には各四半期ごとの全国の平均輸入ナフサCIF価格に諸掛かり(金融費用、備蓄費、税負担等)を加えたものを基準とする。
国産ナフサの石油税負担は、1983年度以降実質的に現行輸入ナフサ(免税)と同様の扱いとする。
輸入ナフサの備蓄義務:1982年度分は70日に据え置き、以後は別途協議検討する。
フォローアップ体制等:通商産業省内に連絡会議を設けて、本措置の実施のフォローアップと調整を行う。

この結果、ナフサの輸入完全自由化には至らなかったが、国産ナフサ価格は国際市況を反映した輸入価格に連動して決定されることとなった。

1982年7月からこの方式が採用され、当初の「諸掛」は2,900円/klとなった。その後、1983年4月以降、国産ナフサの石油税が免税となって石化業界に還付され、諸掛は2,000円/klとなった。

これ以降、「参考価格」として「輸入価格平均+2,000円/kl」の計算が継続されている。

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