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2006年7月26日 (水)

BPが韓国のPTA事業から撤退

BPは韓国のPTA合弁会社Samsung Petrochemical(SPC)の持分を売却することに決めたと発表した。

SPC は1974年に三星が50%、旧Amoco(のち、BPが買収)が35%、三井石油化学が15%の出資で設立された。その後三井化学が離脱し、現在の出資比率は BPが47.41%、三星が47.41%、Shinsegaeが5.18%となっている。
蔚山のSKコンプレックスにPTA 1,100千トン、大山の三星Total コンプレックスに700千トン、合計1,800千トンの能力を持っている。
(大山のプラントは当初、三星綜合化学の40万トン設備をSPCに移管し、その後SPCで増設したもの)

BPは、BPと三星との間でSPCの将来戦略に関して意見の相違が出たため、BPとしては適当な価格で株式を売却できれば、SPCにとっても、株主にとってもベストであるとしている。
BPは明らかにしていないが、同社にとりPTAはコア事業であり、おそらくBPの世界戦略の下でのSPCの運営を希望し、三星グループの意向と食い違ったのではないかと思われる。

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BPは当初、エチレン、アクリロニトリル、HDPE、PP、PTA、パラキシレン、酢酸の7つの事業を化学事業の中でのコア事業としていた。このうち、前4事業をスコットランドとフランスの石油精製とともにInnoveneとして分離、その後、Ineos に売却した。

PTAとその原料であるパラキシレン、酢酸は、その後もBPのコア事業である。BPでは世界のPTA能力の31%(自社枠のみで21%)を占め、アジア、北南米、欧州で21プラント、総能力900万トン以上をもつとしている。

欧州の拠点はベルギーのGeelで、BPは2006年4月に、デボトルネッキングにより35万トンの増設を行い、総能力を140万トンにすると発表した。なお、同地では2005年に技術改良によりパラキシレンの能力を30%アップし、56万トンにしている。

アジアでは韓国のほか、台湾、マレーシア、インドネシア、中国に拠点を持つ。
 
台湾ではChina American Petrochemical Company (CAPCO)の59.02%を所有している。1975年にアモコ(50%)、CPC(25%)、Central Investment Holding Company(CIHC:25%)のJVとして設立されたもので、CIHCから9.02%を譲り受けた。高雄に140万トン、台中に70万トンの6系列合計210万トンの能力をを持つ。

マレーシアのKuantanではBP100%でPTA 60万トンのプラントを持っている。

インドネシアではBP50%、三井化学45%、三井物産5%のJV、P.T. Amoco Mitsui PTA Indonesia が西ジャワのメラクで45万トンのプラントを持っている。

中国ではBP 85%/富華集団 15%のJV・BP珠海ケミカルが広東省珠海で35万トンプラントをもっている。同社はこのたび、90万トンの第二期計画に着工した。BPでは2007年末の第二期完成時には珠海での総能力は140万トンになるとしている。
原料の酢酸はSinopecとBPの二つのJVから供給を受ける。「揚子アセチル社」(Yaraco)は重慶に35万トンの酢酸プラントを持ち、「BP YPCアセチル社」は南京に50万トンプラントを建設中である。もう一つの原料パラキシレンはSinopecの茂名石化が広東省茂名で建設中の60万トンのPXプラントから供給を受ける。

BPは酢酸事業でのSinopecとのJVを重視しており、中国でのエチレンJV、Shanghai Secco Petrochemical(BP50%、Sinopec30%、Sinopec上海sekka20%)は当初、他のオレフィン、ポリオレフィン事業とともにInnoveneに分離する予定であったが、BPの事業として残している。

米国には2つのプラントを持つ。Cooper River plant は南キャロライナ州チャールストン近郊にあり、127万トンの能力を持つ。
Decatur plant はアラバマ州にあり、PTAのほかパラキシレンを生産、このほか世界で唯一ナフタレン・ジカルボン酸を商業生産する。

ブラジルではBP49%/ Rhodia-Ster/M&G 51% のJV、Rhodiaco Ind俍trias Qu匇icas in Paul匤ia がサンパウロに南米唯一のPTAプラント(25万トン)を持っている。
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なお、BPでは韓国で30年以上活動し、成功しており、今後も他の事業は続けるとしている。

BPの韓国の事業は以下のものがある。
・Samsung BP Chemicals  
  三星/BPのJVで蔚山に酢酸45万トンプラントを持つ。
・Asian Acetyls  
  BP 34%/Samsung 33%/Dow 33%のJVで、当初、Samsung BPとUnion CarbideのJVとして設立された。
  蔚山で酢酸を原料に酢ビモノマーを生産。
・K-Power 
  SK65%/BP35%のJVで発電事業を行っている。
・潤滑油事業 
・造船事業

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