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2006年6月 9日 (金)

江蘇省・張家港市(Zhangjiagang)

ダウは5月31日、江蘇省張家港自由貿易地域と覚書を締結し、同地での投資を拡大する意向を明らかにした。

同社はこれまでに同地でエポキシレジン、SBラテックス(スチレンブタジェンラテックス)、及びPSの事業を行っているが、更にグリコールエーテル、「スタイロフォーム」(押出法ポリスチレンフォーム)を新たに製造、SBラテックスを増設する。

これまでの投資額は3億ドルで、更に2億ドルを投下する予定。

PSはダウと旭化成の50/50JVの斯泰隆(スタイロン)石化(張家港)有限公司で生産しているもので、能力は120千トン。
新設するグリコールエーテルの能力は120千トンで2008年稼動の予定。

ダウにとって中国は米独に次ぐ3番目の重要市場で、2005年の中国での売上高は23億ドルに達している。なお、同社は以前に天津で中国側との50/50JVでのエチレンコンプレックスを計画したが、撤退している。

 

張家港市は、上海市内から北へ約130km離れ、揚子江下流の南側に位置している。Zhangjiagang

張家港市には3つの開発区がある。

張家港保税区は1992年10月に国務院の批准によって設立された全国で唯一の内陸河川港型の保税区。
揚子江国際化学工業園は2001年に設立された省レベルの開発区。
保税区物流園区は2004年設立された国家レベルの開発区。

張家港市は揚子江デルタ地域の中心で、上海、南京、蘇州、常熟、無錫、常州、南通までは車で2時間以内の範囲にあり、内河の中にもっとも最大規模で冬にも凍結しない港を持つという優れた地理条件に恵まれており、インフラ施設が完備しているため、多くの海外企業を誘致している。

化学関連では以下のように多くの企業が進出しており、特に日本企業の進出が目立つ。

・ダウ(エポキシレジン、SBラテックス+グリコールエーテル、「スタイロフォーム」

・ダウ/旭化成(PS)
 社名 :斯泰隆(スタイロン)石化(張家港)有限公司
 出資 :旭化成ケミカルズ50%/Dow 50%
 能力 :PS 120千トン 

・シェブロン(PS)
 能力 :PS 100千トン 

・デュポン/旭化成(ポリアセタールコポリマー) 
 社名 :杜邦-旭化成ポリアセタール(張家港)有限公司
 出資 :DuPont 50%旭化成ケミカルズ50%/
 能力 :第1期 20千トン、将来 60千トンまで拡大
 設立 :2002/8/8
 備考 :国内はJVが販売、海外は両親会社が販売

・三井化学(高純度テレフタル酸)
 社名 :三井化学(張家港)有限公司
 出資 :三井化学100%
 能力 :60万トン/年(三井化学技術)
 
備考 :2004/3 投資認可申請、認可待ち 

・日本触媒(高吸水性樹脂)
 社名 :日触化工(張家港)有限公司
 出資 :日本触媒 100%
 能力 :
30千トン/年
 設立 :2003/4

・クラレ(MMAキャストシート)
 社名 :可楽麗亜克力(張家港)有限公司
 出資 :クラレ 80%、クラレトレーディング 20%
 能力 :3,000t/年
 設立 :2004/4

・大日本インキ化学(高機能樹脂コンパウンド、樹脂改質剤など)
 社名 :張家港迪愛生化工公司
 出資 :DIC 100%

・東亞合成/大日本インキ化学(紫外線硬化型の化合物)
 社名 :張家港東亜迪愛生化学有限公司.
 出資 :東亞合成 60%、DIC 40%
 能力 :1万トン/年
 設立 :2004/1
 備考 :張家港迪愛生化工公司の敷地内

・森田化学工業(六フッ化リン酸リチウム)
 社名 :森田化工(張家港)有限公司
 
出資 :森田化学工業 70%/住友商事 30%
 設立  :2004/1 

・北興化学(精密化学品トリフェニルホスフィン)
 社名 :張家港北興化工有限公司
 出資 :北興化学 100%
 設立 :2002/8/1

なお、既報の通り、中国政府は揚子江流域でのアクリロニトリルの輸送を全面的に禁止している。このため張家港市の上流の鎮江市にABS工場をもつ台湾の奇美実業等は原料の陸路輸送を強いられている。

 

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