« 信越情報 再修正 | トップページ | 改正容器リサイクル法成立  »

2006年6月12日 (月)

2つの買収劇

BASFとBayerによる買収劇が行われている。BASF案件は買収が成立したが、Bayerの方は雲行きが若干変わってきた。

1)BASF、エンゲルハードを買収

BASFは6月9日、米触媒大手エンゲルハードの買収を完了したと発表した。同社はBASFの100%子会社となる。
エンゲルハード側の株価引き上げ作戦が成功した形となった。

BASFは、両社のビジネスを統合することにより、特殊顔料をはじめとする他の成長市場にも進出し、触媒マーケットでのトップメーカーになるとしている。

経緯は以下の通り。

BASFは昨年末にエンゲルハードに対して友好的買収を申し出たが、エンゲルハード側が話し合いを拒否。
BASFは敵対的買収を決め、本年1月3日、エンゲルハードを総額49億ドル(1株37ドル:90日平均の株価の30%増し)で買収する提案を行ったと発表した。
   
エンゲルハード側はBASFに対してオファー価格(1株37ドル)を引き上げるよう要請し、BASFは38ドルを提案した。
しかしエンゲルハード役員会でこれを満場一致で拒否した(4月26日に発表)。
同社ではBASFに対抗して株数の20%相当分について1株45ドルで自社株買いを行うことや、コスト削減策などを決めた。
   
BASFの当初の買収提案(37ドル)に対して、4月28日までの期限で1%以下しか応じなかった。このためBASFは5月1日に、買収価格を1株38ドルに引き上げ、買収期間を6月5日に延長すると発表した。
   
しかし、これに対しても応募が少ないことから、BASFはエンゲルハードの大株主とも協議した結果、5月22日に買収価格を39ドルに引き上げるとともに、「これが最良の、最後のオファーであり、これ以上価格を引き上げる考えはなく、これが受け入れられないなら撤退する」と宣言した。
   
エンゲルハード側はこの案を評価し、5月30日に両社は買収で合意した。
エンゲルハードは株主に対し、BASFによる1株39ドルでのTOBに応じるよう勧めるとともに、同社が出していた45ドルでの株式20%分の自社株買いのオファーを取り下げた。
   
6月5日のTOB締め切り時点で約89%の株主がこれに応じた。BASFは買収を完全にするためTOB期間を6月8日まで延長した。
6月8日時点で90%以上がTOBに応じた。
これにより、BASFはエンゲルハードを100%子会社とし、TOBに応じなかった株は1株当たり39ドルを受け取る権利に変換される。
   

2.バイエルによるシェーリング買収

本件は下の2つの記事で書いた。ドイツのSchering AGの買収の件である。

 2006/3/23 2つのMerck社     
 2006/3/24 
速報 バイエルがシェーリングの買収合意


これまでの経緯は以下の通り。

本年3月12日、ドイツのMerckがScheringに対して1株77ユーロでの買収を提案、Scheringは価格が著しく安すぎるとし、独立した医薬会社として存続したいとの意向を発表した。
   
3月23日にBayerが1株86ユーロでオファーし、Bayer-Schering Pharmaceuticalsを設立することを提案、Schering役員会もこれを歓迎した。
   
Merckがこれに対抗して買収競争になるかと思われたが、同社は翌日、77ユーロを引き上げる考えがないことを発表した。
しかし、両社の統合が両社にとってよいオプションであると確信している旨述べている。
   
4月13日、Bayerは正式にTOBをかけた。
 1株86ユーロ、総額165億ユーロで、締め切りは5月31日。
   
5月30日、Bayerは期間を延長、6月14日までとした。最低引受限度は75%。
  6月2日時点で11%を所有する最大株主のAllianzがTOBに応じ、合計39.21%を集めた。

これで予定通り買収が成功するかと思われたが、突如、買収を諦めたと思われたMerck がSchering株を6%強所有していることを明らかにした。BayerによるTOB期間中であり、株式購入に関してはコメントしないとしている。

これに対してBayerは以下の理由で同社の態度は理解できないとのコメントを出した。

Merckは先にBayerの出した86ユーロは高すぎるとして買収提案を取り下げたのに、その価格で株を買っている。
この行為はBayerの買収を邪魔しようとしているように見えるが、こんな手は戦略的投資家なら取らない。
Merckは市場に対してその意図を明らかにしておらず、投資家や当事者は同社の戦略が分からないままである。

今後のMerckの出方が注目される。

ーーー

付記 6月14日、バイエルとメルクは、メルクがこれまで購入したシェーリングの株式(21.8%)をバイエルに売却することで合意したと発表した。これにより、バイエルによるシェーリングの買収が決定する。

|

« 信越情報 再修正 | トップページ | 改正容器リサイクル法成立  »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 信越情報 再修正 | トップページ | 改正容器リサイクル法成立  »