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2006年6月 8日 (木)

タイの石油化学の現状

本年61日、Basellは、タイの同社のPP子会社HMCについて、国有石油会社PTTが40%の株主になると発表した。PTTは昨年末にオレフィンメーカーのNPCとTOCを合併させてPTTケミカルを設立、同社の子会社としている。

他方、1997年に経営が破綻しながら、その後も法廷闘争を続けトップに居座っていたTPIの創業者Prachai Leopairatanaが5月初めにようやく会社から追放された。現在の同社にはPTTが31.5%出資しており、TPIとPTTケミカルを合併させるという案が出て、これにPrachai が反発していたが、これが実現する可能性もある。

PTTによる動きの結果、タイの石油化学業界はPTTとサイアムセメントグループの二大勢力に分けられそうだ。

現状をまとめた。能力は本年2月現在のもの(単位:千トン)
会社の色分けは次の通り。

PTTグループ
サイアムセメントグループ
TPIグループ

 

エチレン

PTT Chemical  1,146
ROC (Rayong Olefins Co.)   800
TPI (Thai Petrochemical Industry)   360
合計  2,306

2005年12月、タイのオレフィンメーカー、National Petrochemical Corp. (NPC) とThai Olefins (TOC)が合併し、PTTケミカルが誕生した。
NPCには国有石油ガス会社のPTTが38%、サイアムセメントが35%を出資し、TOCにはPTTが49%、サイアムが7%出資していた。
合併はPTTの方針によるもので、PTTが株式の50.03%を保有し、同社の連結子会社となった。

PTT Chemical の能力内訳は旧NPC461千トン、TOC685千トン。同社ではTOCの第1系列385千トンを2007年に515千トンに、第2系列300千トンを2008年に400千トンに増強する。

なお、200410月に、PTTは当時のNPC50/50のJVPTT Polyethylene (PTTPE) を設立した。当初の案はRayonにエチレン410千トン、LDPE 300千トンを建設するものであった。
PTTPEはPTTとPTT Chemical のJVとなり、エチレン計画も2009-10年完成で1,000千トンとなっている。

Rayong Olefins Co. (ROC) サイアムセメント(石化関係の持株会社はCementhai Chemicals Co., Ltd)の子会社。
サイアムセメントはNPCに35%出資していたため、PTTケミカルの株主でもある。

サイアムセメントは石油化学関係で以下の子会社、JVをもつ。

  子会社
    Rayong Olefins Co., Ltd.
    Thai Polyethylene Co., Ltd.
    Thai Polypropylene Co., Ltd.
  ダウとのJV
    Siam Polyethylene Co., Ltd.
    Siam Polystyrene Co., Ltd.
    Siam Styrene Monomer Co., Ltd.
    Siam Synthetic Latex Co., Ltd.
    Pacific Plastics (Thailand) Ltd.
  三井化学とのJV
    Siam Mitsui PTA Co., Ltd.
    Grand Siam Composites Co., Ltd
    Thai PET Resin Co., Ltd.
  その他JV
    Thai MMA Co., Ltd. (三菱レイヨン)
    Thai MFC Co., Ltd. (日本カーバイド)
  海外JV
    PT. Siam Maspion Polymers (Indonesia)
  関係会社
    Thai Petrochemical Industry TPC

Thai Petrochemical Industry (TPI) Prachai Leopairatana の経営であったが、1997年に石油化学事業への巨額投資や事業多角化のための借入金が経営を圧迫し、運転資金もショートしてが経営危機に陥った。
その後、いろいろの再建計画が立てられたが、
Prachai が居座りを続け、迷走した。
2005年にはタイ証券取引所、政府主導の再建案に抵抗を続ける同社創業者のPrachai を告発し、管財人に対しPrachai 解任を指示した。
本年5月になり、同社取締役会はようやくPrachai を解任した。
現在の株主は
PTT が31.5%、Government Savings Bank 10%、Vayupak Fund 10%、Government Pension Fund 8.6%で、国の関連組織が50%以上を所有している。

TPIの子会社、関係会社は次の通り。

Thai Caprolactam 宇部興産 53.63%TPI Polene 26.50%
丸紅 12.20%BangKok Bank 2.10%
Thai ABS  
TPI Sumika ABS 日本A&L 35%Thai ABS 60%、        
タイ住友商事 5%
TPI Polyol  

なお、宇部興産の以下のJVも当初はTPIが参加していた。
 ナイロンJV 
UBE Nylon (Thailand) Ltd.
 ブタジェンゴムJV 
Thai Synthetic Rubbers Co.,Ltd.

 

ポリエチレン

  LDPE/
EVA
LLDPE HDPE/
LLDPE
HDPE
TPE (Thai Polyethylene)  100    120  580
TPI (Thai Petrochemical Industry)  158      152
Siam Polyethylene    300    
BPE (Bangkok Polyethylene)        225
PTT Chemical (NPC        250
合計  258  300  120 1,207

TPE (Thai Polyethylene)はサイアムセメント子会社。
Siam Polyethylene はサイアムセメントとダウのJV

BPE は元はバンコク銀行と三井物産の合弁であったが、2000年にNPCが買収を試みたが失敗、2004年にPTTとTOCが50/50で買収した。

PTTは前記の通り、NPC50/50のJVPTT Polyethylene (PTTPE) を設立、東南アジアで初めてメタロセン触媒を使い、400千トンLDPEを建設する。

 

ポリプロピレン

TPI (Thai Petrochemical Industry)  475
HMC Polymers  455
TPP (Thai Polypropylene  320
合計 1,250

TPP (Thai Polypropylene)はサイアムセメント子会社。

HMC Polymers Basell Polyolefins Bangkok BankHua Kee Groupなどのタイ企業とのJVとして設立された。
Basellは本年61日に、HMCがプロパン脱水素とSpherizone法での300千トンの新プラントを建設するとともに、PTTが増資引受と既存株購入により40%の株主になると発表した。Basellは現在42%を所有しているとみられているが、今後も従来通り大株主で残るとしている。PTTも2日に、取締役会が250百万ドルの投資を承認したと発表した。

なお原料のプロピレンは上記のエチレンメーカーに加え、Star Petroleum Refining (Chevron Texaco /PTT)Rayong Refinery (Shell/PTT) JVのAlliance Refining が生産している。(能力132千トン、タイの全国能力は1,236千トン)

 

スチレン

SSMC (Siam Styrene Monomer)  320
TPI (Thai Petrochemical Industry)  200
合計  520

SSMC (Siam Styrene Monomer) はサイアムセメントとダウのJV

 

PS

Siam Polystyrene  150
Eternal Plastics   60
HMT Polystyrene   90
Srithepthai Plaschem   50
Thai ABS  100
合計  450

Siam PolystyreneはサイアムセメントとダウのJV
Eternal Plastics 三井化学 35%、三井物産 25%、Eternal 40% のJV
HMT Polystyrene 三菱化学 100% (当初はTOAとのJV)
Thai ABS TPI子会社

VCM

TPC (Thai Plastic & Chemicals)  440
Vinythai  200
合計  640

PVC

TPC (Thai Plastic & Chemicals)  480
TPC Paste Resin   35
Vinythai  210
Apex Petrochemical  100
合計  825

Thai Plastic & Chemicals (TPC)は当初、地元のCEグループと旭硝子出資のTHASCO Chemical(現在は旭硝子99.85%三井物産/三井東圧の3社JVとして設立された。
その後上場、THASCO、三井グループが持株を売却、現在は
サイアムセメントが43.12%、CPB Equity 20.95%を所有している。

VinythaiSolvay 46.4%、現地地資本 Charoen Pokhand Group 25.9%ほかのJV。

Apex Petrochemical 塩ビシートメーカーのApex が川上進出したもので、当初は伊藤忠、チッソ、小原化工の日本側3社が参加していた。創業以来、経営的に行き詰り、日本側は出資引き上げ交渉を行ってきたが、タイ現地資本に新たな出資者が登場、2002年9月に日本側の資本撤収が完了した。

なお、TPCと関係会社の能力は以下の通り。

    PVC PVC-Cpd VCM EDC Soda 安定剤  
TPC Samut Prakan  140    55          
Rayong  340    440  115 *  26   *Dry metric ton
TPC Paste Resin     35           TPC 100(元Oxy とのJV
TPC Vina Plastic Vietnam  100           TPC 70/Vinaplast 15/Vinachem 15
Siam Maspion Indonesia  120           TPC 40/SiamCement 60
Viet Thai Plaschem Vietnam      10         TPC 72.49/Vinaplast 17.51
Riken (Thailand)        41         TPC 35/Riken Vinyl 40/Mitsiam 16/Mitsui 9
SSC                15 TPC 60/Mitsuzawa 30/Mitsiam 5/Mitsui 5

Siam Maspionは当初、インドネシアのMaspion が50%、サイアムセメントとTPCの海外投資法人サイアムTPCが50%のJVとして設立されたが、2005年にMaspionが撤退し、現在はサイアムセメント60%、TPC40%となっている。

 

 

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コメント

ベトナムのポリエチレンの輸入は2016年に15から18までパーセントで成長することができます


ベトナムはDinh Thuy Nhien、ベトナムプラスチック協会で貿易促進と投資情報部門のヘッドによれば、2016年に15から18まで%可能性の成長と、2014年にポリエチレンの1043000トンを輸入しました。

「PP[ポリプロピレン]は8%程度で、やや少ないかもしれない "と彼女は言いました。

Nhienホーチミン7月23-26に開催されているプラスチックベトナム会議のサイドライン上に話していました。

彼女は主に中産階級の支出、仕上げプラスチック品の浮力輸出、無輸入課税を増やすに投影成長を考えました。

ベトナムは、ポリマーの45キロの人当たり消費量を持っている、と彼女は言いました。インドは3キロを持っていながら、プラッツの計算によると、中国の大手PE市場は、15キロの人当たり消費量を持っています。

ベトナムは2014年に、原料の輸入は3つの最大のプラスチックPE、PPとPVCのプラスチックの340万トン/年を輸入しました。PPの輸入は851959 MTと2014年に205867トンに上っている間Eは、ベトナムプラスチック協会によると、1043000トンで、輸入量の約30%を占めました。ベトナムは、任意の輸入関税のない東南アジアの数少ない国の一つとなって、ポリマーのための任意の輸入税を持っていません。

投稿: trendnex | 2015年7月31日 (金) 11時17分

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