« ナイロンと原料カプロラクタム業界 | トップページ | 酢酸業界  »

2006年5月19日 (金)

アクリロニトリル業界

旭化成ケミカルズは本年2月、タイのPTT との間でアクリロニトリル(AN)とMMAおよびPMMAのタイにおける製造・販売合弁会社設立の詳細検討を開始したこと発表した。

計画ではANは能力200千トンで、同社が独自開発したプロパン法ANプロセスを採用する。原料プロパンはPTTが供給する。
AN副生の青酸を利用してACH法MMA 70
千トン及びPMMA 25千トンを別JVで生産する。

旭化成ケミカルズはこれにより全世界で約100万トンの供給能力をもつこととなり、世界最大手のIneos Nitrilesと同等の規模を確立することとなる。
(Ineos Nitriles は元のBPの事業で、Innovene として分離した上、昨年末にIneosに売却された。)

以下に各社の状況をみる。

旭化成国内では川崎に148千トン、水島に293千トン(2004年10月に50千トン増設後)の能力をもつ。
同社は2000年に三井化学から青化ソーダの営業権を譲受け、川崎にAN副生青酸を原料に10千トンの青化ソーダプラントを建設している。

同社は1998年に韓国の東西石油化学を100%子会社とした。2003年に増設した結果、現在の能力は次の通り。
 AN 270
千トン、青化ソーダ 40千トン、アクリルアマイド 10千トン、EDTA 3千トン
東西石油化学は1969年に忠州肥料と米国スケーリー石油との折半出資で設立され、その後1970年から1975年にかけて、韓一合繊が忠州肥料保有の株式を、旭がスケーリー石油保有の株式を順次譲り受け、1975年12月から韓一合繊と旭化成の50/50JVとなったが、1998年に旭化成が韓一合繊の持株を買取った。
韓一合繊は韓国のアクリルファイバーの大手メーカーであり、東西石油化学は引き続き韓一合繊向けにANを供給する。

旭化成は1998年に、米国ソルーシア社(モンサントのファイバー・化学品部門を中心に分離独立)のテキサス州アルヴィンでの250千トンAN建設計画に参画し、年間50千トンの引取権を取得した。 ソルーシアは260千トンの能力をもっていたが、不足するANを自製することとなり、プラントの高稼働維持のために旭化成をパートナーに選んだもの。

これにより同社の能力は日本で441千トン、韓国で270千トン、米国で50千トンとなり、タイの200千トンが加わると、約100万トンとなる。

ーーー

三菱化学と三菱レイヨンは2001年7月に両社のAN、アクリルアマイド、ポリアクリルアミド及び関連事業を統合し、50/50JVのダイヤニトリックスを設立した。(2006年4月に三菱レイヨン 65%/三菱化学 35%となり、三菱レイヨンの連結子会社となった)

ダイヤニトリックスのプラント別能力は以下の通り。(単位:千トン)

  三菱レイヨン 三菱化学
大竹 横浜 富山 水島 黒崎
AN  90      115  
アクリルアマイド    20      45
ポリアクリルアマイド     12     3.5
ACH         24  
N.ビニルホルムアミド
同ポリマー
         1.14
 1.20

なお、ダイヤニトリックスは中国でアクリルアマイド事業のFSを実施している。

ーーー

三井化学アクリルアマイド事業には注力しているが、ANについては、中国における生産設備の新増設、国内でのアクリル繊維等の需要減少で余剰状態が更に一層拡大していくと考え、20055月に大阪工場の59千トンを停止し、所要のANは旭化成に委託生産することとした。

同社のアクリルアマイドは、日本で38千トン(大阪、茂原)、インドネシアで5千トン、韓国で12千トン、合計55千トンで、アジアでは最大級のアクリルアマイドメーカーである。
インドネシアのP.T. Mitsui Eterindo Chemicals
は三井化学 70%、Eterindo Group 20%, クオックGroup 10%のJVで、メラクに5千トンの能力をもつ。
韓国では龍山化学(三井化学/龍山/トーメン
)で銅法で麗川で7千トンの生産をしていた。
2002
年に龍山三井化学三井化学 50%、龍山 50%の蔚山工場で、新しく開発したバイオ法により5千トンプラントを建設した。新旧両法合わせた能力は12千トンとなった。
最終的に龍山化学のアクリルアマイド製造事業を龍山三井化学に分離統合することで、龍山三井化学をアクリルアマイドの東アジアの製造・販売拠点とする。(龍山化学は無水マレイン酸などに事業を特化する。)

バイオ法は、三井化学が遺伝子組替え技術により新開発した酵素を触媒とするもの

なお東亞合成の高分子凝集剤事業を分離して、2006年10月に、三井化学100%子会社の三井化学アクアポリマー(当初は三井サイアナミッドでその後三井サイテックとなり、2003年に三井100%となって改称)と統合することを決めている。

ーーー

このほか、ANでは住友化学が新居浜に52千トン、昭和電工が川崎に51千トンの能力をもつ。

 

 

 




|

« ナイロンと原料カプロラクタム業界 | トップページ | 酢酸業界  »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ナイロンと原料カプロラクタム業界 | トップページ | 酢酸業界  »