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2006年5月18日 (木)

ナイロンと原料カプロラクタム業界

電気・電子機器メーカー、自動車メーカーの海外進出に伴い、国内ナイロンメーカー各社が海外生産を進めている。ナイロンとナイロン6の原料のカプロラクタムの動きをみる。
ナイロン66はアジピン酸とヘキサメチレンジアミンを重縮合させてつくる)

各社能力は以下の通り。
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/nylon-capa.htm

宇部興産はカプロラクタムとナイロン樹脂は日本・タイ・スペインの三極体制で生産、世界のビッグ3に数えられてる。

ナイロンは宇部工場で55千トン(他にナイロン66、ナイロン12)、タイで25千トン、スペインで10千トンの能力をもつ。
タイではラヨンにTPI、日商岩井とのJVのUbe Nylon (Thailand)を設立し、1997年に生産を開始したが、2002年に100%子会社とした。
現在の能力は25千トンで、ガラス強化コンパウンド6千トンも持つ。

スペインでは2001年10月に100%出資のUBE Engineering Plastics,S.A.をスペインカステジョン市のラクラム生産拠点に設立した。
現在の能力は10千トンだが、手直しで2006年末までに16千トンとし、2008年に15千トン設備を新設する。また昨年末にUBE Engineering Plastic R&D Centerを建設した。

同社では2007年をメドに米国にも生産拠点を設ける計画で、自動車メーカーの国際的な生産体制に対応する。

また同社は1998年に米国最大の総合コンパウンドメーカーであるM.A.Hanna(2000年にGeonと合併しPolyOneとなる)とナイロンコンパウンドの50/50合弁会社事業UBE-Hanna Compounding Company, LLC を設立し、グローバルに展開することとした。
現在の社名は
UBE-Polyone Compounding Company, LLC.で、デュッセルドルフにUBE-Polyone Compounding GmbH.をもつほか、中国進出も検討している。

原料カプロラクタムでは宇部に90千トン、堺に110千トンをもっていたが、タイに生産をシフトすることとし、2003年に堺の旧設備20千トンを停止した。残る1系列90千トンも停止を検討している。

タイのThai Caprolactam Public Company は1990年に宇部(44.45%)、TPI、丸紅、バンコク銀行のJVとして設立、2001年に53.63%として子会社化した。現在の能力は100千トンだが、増設を検討している。

スペインでは1967年に設立されたProductos Químicos Esso宇部興産が1993年に30%出資、94年に90%とした上で1996年に100%子会社とし、2003年にUBE Chemical Europe S.Aと改称した。
カステジョン市にラクタム75千トン、1-6 Hexanediol 3千トンの能力をもつ。

なお、宇部興産 33%/EMS-GrivoryEMS子会社)67%出資の宇部エムスが宇部でカプロラクタム15千トンとナイロン12の原料のラウロラクタム25千トンを併産している。

東レはナイロン6の内外での強化を図っている。
既存の名古屋に加え岡崎工場ではナイロン繊維の重合設備を転用した。今後1万トンまで増やす計画。
東南アジアや中国でアライ
アンスを有力な選択肢として検討している。

カプロラクタムでは東海工場に100千トン設備をもつ。

三菱化学は黒崎にナイロン30千トン、台湾に100%子会社の太洋ナイロンで11千トンを持つ。

同社はカプロラクタムについては2005年3月で外販事業(国内販売・輸出)から撤退し、自社向けの生産に特化した。このため、黒崎の2系列のうち50千トンを停止した。但し、その中間原料のシクロヘキサノンはウレタン原料、電子材料用特殊用材、塗料、医農薬中間原料など今後需要の拡大が期待されるため、カプロラクタム1系列停止後も生産量を維持し、国内及び中国を含むアジアマーケットへの拡販を図る。

三菱ガス化学の米国子会社 MGC Advanced Polymers(同社80%/丸紅20%)はヴァージニア州リッチモンド市近郊でMXナイロン生産設備(当初10千トン)を建設、2005年初めに生産を開始した。食品包装材向けを軸にする。

ーーー

住友化学のカプロラクタムは当初、同社と帝人、東洋紡のJVの日本ラクタムで生産していたが、1994年に同社を解散し、住友化学の事業となった。愛媛にBASF技術の93千トンプラントを持つが、別途新法を開発し、それにより67千トンの新プラントを建設した。

カプロラクタムは、ベンゼンを出発原料とし、シクロヘキサノンを経由して、シクロヘキサノンオキシムを液相でベックマン転位して製造する製法が主流だが、多量の硫安が副生する。
住友化学は、ベックマン転位工程での高性能新触媒の自社開発に成功し、イタリアのエニケムが開発したシクロヘキサノンをアンモニアと過酸化水素で直接オキシム化する新法と組み合わせて、
硫安を一切副生しない(副生物は水のみ)世界で最初の本格的商業プラントを建設した。2003年から稼動している。

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