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2006年5月22日 (月)

医薬各社決算対比と医薬業界の構造改善

医薬各社の決算が出揃った。添付の通り武田薬品の業績がずば抜けている。
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/iyaku-kessan.htm

日本経済新聞によると世界医薬大手の咋年の売上高で、武田薬品工業は糖尿病治療薬の好調などで、前年度比6%増の見通しだが、順位は14位。昨年、第一製薬と三共が経営統合して発足した第一三共、山之内製薬と藤沢薬品工業が統合したアステラス製薬は、統合で順位を上げた。

世界医薬大手の売上高ランキング
  (カッコ内は2004年順位、▲マイナス)
順位 会社名(国名) 売上高
(億ドル)
伸率
  (%)

14(13)

武田薬品工業(日)

108.6

6

16(15)

第一三共(日)

83.6

0

17(17)

アステラス製薬(日)

80.5

3

各社の現状をまとめた。
各社とも多角化事業を整理し本業に資源を集中している。但し、大衆薬については対応が異なる。

武田薬品国内の構造改善については既に書いた。 

同社の問題点は米国である。同社は米国で自力販売できなかった1985年Abbott Laboratories と折半出資でTAP Pharmaceutical Products Inc. を設立し、米国での販売を行ってきた。数年前から同社株を買い取る交渉を続けているが価格面で折り合っていない。
1998年に自社で
Takeda Pharmaceuticals America, Inc. (現在Takeda Pharmaceuticals North America, Inc.)で糖尿病薬など新しい製品の販売を行っており、米国での販売体制の再構築が課題である。

なお同社は2003年に米国持株会社に26億ドルの増資を実施、今後、米国事業において資金需要が発生した場合の機動的な対応を可能にするとともに、米国に資金をシフトすることによる運用収益の向上効果も期待している

アステラス製薬(山之内製薬&藤沢薬品)

山之内製薬と藤沢薬品は2005年4月1日付けで合併してアステラス製薬となった。合併比率は山之内製薬1:藤沢薬品 0.71で山之内製薬を存続会社とする吸収合併方式とした。MR数も2,400名と国内企業最大規模、研究開発費は1,400 億円以上の規模となり、グローバル市場で競争し得る水準を確保した。

両社は合併に先立ち、一般用医薬品事業を分割し共同出資会社ゼファーマを新設した。
2006年4月、アステラス製薬は同社を
第一三共に355億円で売却した。大衆薬事業の売上高が200億円規模では生き残るのは難しいと判断、医療用医薬品に特化して国際競争力を高める。

また山之内製薬は、栄養補給食品及びパーソナルケア製品事業の、米国のシャクリーコーポレーション、イノービスと日本シャクリー、食品・花卉事業の米国のベアクリークコーポレーション、健康食品等の販売を行うサンウエルを売却した。

アステラス製薬は藤沢薬品が展開していた医療関連製品事業から撤退した。

第一三共(第一製薬と三共製薬)

第一製薬と三共は2005年9月28日株式移転方式により共同持株会社・第一三共を設立し、両社はその完全子会社となった。
第一製薬株式1株に対して、共同持株会社株式1.159株、三共株式1株に対して、共同持株会社株式1株が割り当てられた。

第2段階として2007年4月を目処に、両社の医療用医薬品事業を統合する。
両社の得意分野は三共は循環器系、第一は感染症系と重複せず、新薬の主要市場の米国では第一は拠点を持たないが三共は自前の販売網を整えつつあるなど、相互補完効果が期待できる。
(なお、三共の株主の村上ファンドが①統合相手と②統合比率の2点から本計画に反対票を投じた。)

三共は2002年に農薬事業部門を会社分割し、新たに設立する三共アグロに、特品事業部門を同じく三共ライフテックに移管している。
第一製薬は2001年にグループのファインケミカル事業を再構築し、第一ファインケミカルに集約している。
第一製薬と第一ファインケミカルは、畜産用の抗菌剤、ビタミン剤分野を中心に動物薬事業を展開していたが、経営資源を医療用医薬品事業に集中するため、2004年4月に同事業を明治製菓に譲渡した。

第一製薬は2003年に第一製薬66%/サントリー34%出資の第一サントリーファーマを設立してサントリーの医薬事業を移管したが、その後ここれを100%子会社とし、2005年10月に第一アスビオファーマと改称した。

前記の通り、第一三共はアステラスから大衆薬ゼファーマを買収した。
第一三共の大衆薬部門は国内8位
(2004年売上高296億円)で風邪薬「ルル」、ドリンク剤「リゲイン」、発毛促進剤「カロヤン」などを持ち、ゼファーマは同9位(同224億円)で胃腸薬「ガスター10」、傷薬「マキロン」、風邪薬「カコナール」、水虫薬「ピロエース」などを持っており、首位の大正製薬を追う。

2004年度大衆薬売上高
    億円
大正製薬  1,724
武田薬品   557
ロート製薬   522
第一三共+ゼファーマ   520
ライオン(+中外大衆薬)   503
エスエス製薬   470
佐藤製薬   332
興和   330

大日本住友製薬(大日本製薬と住友製薬)

大日本製薬と住友製薬は2005年10月1日合併し、大日本住友製薬となった。
合併により国内医療用医薬品売上高でトップ10入りを果たすとともに、MR 1,500人を擁し国内大手と肩を並べる規模となる。

大日本製薬が存続会社となり(住友製薬は非上場)、住友化学は10年間は出資比率を50.1%以内に留めて上場を維持する。
合併比率は大日本製薬1、住友製薬 1,290。                 
住友化学は稲畑産業から住友製薬株式の一部を取得し、住友化学の住友製薬株式の保有比率を
77.83%から85.70%にしている。

合併に先立ち、住友製薬は一般用医薬品を扱う全額出資子会社の住友製薬ヘルスケアを大日本除虫菊(金鳥)に譲渡、また、住友大阪セメントが製造し、住友製薬が販売する骨補填材の事業部門をオリンパス・バイオマテリアルに譲渡した。

大日本製薬も一般用医薬品等を扱うヘルスケア事業および子会社であるマルピー薬品の営業を興和に、ナイロン用フィックス剤など染色薬剤事業をオー・ジーに譲渡した。

 

大正製薬

2001年9月、大正製薬は田辺製薬と対等の精神で株式移転により両社で共同持株会社を設立して事業の一体的運営を図ることで合意した。
しかし、同年12月、両社は統合を見送ることで合意した。
田辺製薬が「対等」と理解したのに対して、大正製薬は「資本の論理は当然」としたことによる。

その後2002年に大正製薬は富山化学との提携を発表した。
(1)大正製薬による富山化学工業の株式の取得
 大正が富山の第三者割当増資を引受け、21.8
%の筆頭株主となる。
(2)
医療用医薬品事業の研究開発における協力体制の構築
(3)
医療用医薬品事業の研究開発・販売に関する戦略的提携
 2002/10、大正富山医薬品㈱設立、両社からMR約1,000名出向

富山化学はさきに三塩化リンなどの工業薬品事業から撤退しているが、医家向け医薬品の営業部門を上記新会社に切り離し、研究開発に特化したベンチャー型企業を目指すこととした。英グラクソ・スミスクラインと新薬探索で協力関係を結んでいる。

なお、大正製薬は1999年に殺虫剤の製造を中止している。「ワイパア」ブランドの商標使用権は製造権を小池化学など5社に、販売権を白元貸与した。

 

田辺製薬

田辺製薬は上記の通り大正製薬との統合を断念した。

2002年に動物薬事業を大日本製薬へ営業譲渡、また2004年から一般医薬品(大衆薬)事業を縮小してドリンク剤の「アスパラドリンク」、生薬「ナンパオ」、目薬「スマートアイ」、軟膏の「フルコート」の4品目に集中し、主力の医療用医薬品事業を強化した。

 

中外製薬

2001年12月、F・ホフマン・ラ・ロシュと中外製薬は、日本国内における両社の医薬品事業(OTCを含む)の統合を柱とする戦略的アライアンスを締結することで合意に達し、基本契約に調印した。
 ① 中外製薬と日本ロシュの合併(2002年10月1日)
 ② ロシュによる中外製薬株式の50.1%取得
 ③ 中外製薬の日本における独占的地位とロシュ製品に対する第一選択権
 ④ ロシュの中外製薬製品に対する第一選択権
 ⑤ ロシュの診断薬事業と競合する中外製薬の診断薬事業の
中核、米国ジェン・プローブ社のスピンオフによる切り離し

新生・中外製薬はロシュとの研究協力体制を構築することで合意し、研究協力趣意書を締結した。

 

エーザイ

2003年動物薬事業の営業権を明治製菓へ譲渡した。また2003年には食品添加物、医薬品原料、天然および合成ビタミンE等の食品・化学事業部をエーザイフード・ケミカル㈱として分割し、責任体制を明確にした。

 

塩野義製薬

同社は2003年、塩野義49%/デグサ51%の合弁会社DSLジャパンを設立し、沈降シリカ、シリカゲルおよびつや消し剤事業を移管した。

同社は200110月にアベンティスクロップサイエンス 66%、塩野義製薬 34%のアベンティスクロップサイエンス シオノギを設立して農薬関連事業を移管し、20024月に塩野義製薬49%、ベーリンガーインゲルハイム51%のベーリンガーインゲルハイムシオノギ ベトメディカを設立して動物用医薬品事業を移管した。
両子会社の製造業務はその後も同社が受託していたが、2004年4月からこの業務を
ハヤシアグロサイエンスに譲渡した。

医療用医薬品事業に資源を集中する。

 

三菱ウェルファーマ

同社の歴史は以下の通り。2005年10月、同社は新設の三菱ケミカルホールディングスの完全子会社となった。Wellpharma

2002年10月に全額出資会社の吉富ファインケミカルをエーピーアイコーポレーションと改称、三菱化学の医薬原体事業及びファインケミカル事業の一部を承継させ、2003年10月には自社の原薬事業も移管した。

2003年10月、血しょう分画製剤事業をベネシスに完全分社化、また2003年に米国血漿分画事業から撤退した。

2004年10月、ビタミンB2事業を第一ファインケミカルに譲渡

 

帝人

2003年1月、帝人杏林製薬は、帝人の医薬医療事業グループを会社分割によって杏林に事業統合し、帝人が杏林株式の50%超を保有することで合意した。

しかし、杏林の主力製品で副作用問題が発生し株価が大幅に下落したため、統合比率など条件を巡って両社の見解が食い違い、統合発表からわずか3カ月での白紙撤回となった。

 

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投稿: スーパーコピー時計 | 2021年7月 5日 (月) 17時58分

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