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2006年5月 9日 (火)

日本、韓国、中国の自由貿易協定交渉

2006年4月末にプノンペンで自由貿易協定(FTA)交渉を進めてきた韓国とASEAN加盟9カ国が商品分野交渉で妥結した。5月中旬の韓・ASEAN通産長官会議で署名され、国内批准を経て年内に発効される。
ただ、タイはコメ市場開放などに関連した国内事情を理由に参加しないことを決めた。

商品貿易協定に基づき、韓国とASEAN加盟国は、
・2010年までにそれぞれ輸入の9割に該当する品目の関税を撤廃し、
・2016年までに残りのうち7%の関税を0-5%水準に引き下げる。
・残りの3%は「超敏感品目」に指定、交渉除外または長期間の関税引き下げなどで保護する。

ーーー 

3国の状況は以下の通り。中国と韓国はASEAN、インド等、及び相互に関税引き下げを行っており、日本だけが非常に出遅れている。

相手国 中国 日 本 韓 国
ASEAN(加盟年)      
ブルネイ 1984 FTA   FTA
インドネシア 1967 FTA   FTA
マレーシア 1967 FTA   FTA
ミャンマー 1997 FTA   FTA
シンガポール 1967 FTA FTA FTA
タイ 1967 FTA    
カンボジア 1999 FTA*   FTA
ラオス 1997 FTA*   FTA
フィリッピン 1967 FTA*   FTA
ベトナム 1995 FTA*   FTA
中国  ー   バンコク協定
韓国 バンコク協定    -
インド バンコク協定   バンコク協定
バングラデシュ バンコク協定   バンコク協定
スリランカ バンコク協定   バンコク協定
(ラオス) バンコク協定   バンコク協定

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(中国)

中国とASEANの自由貿易協定が2005年7月に発効した。

中国は同月20日からブルネイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイの6カ国に対し、下記により関税を引き下げる。
残りのカンボジア、ラオス、フィリピン、ベトナムに対しては、各国が国内の承認手続きを終え次第、FTAに基づく関税率を導入する

対6カ国 関税率引き下げ計画
  2005 2007 2009 2010
20%以上  20%  12%  5%   0
15%~20%  15%   8%  5%   0
10%~15%  10%   8%  5%   0
5%~10%   5%   5%   0   0
5%未満 不変 不変   0   0
 

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(バンコク協定:中国/韓国/インド等)

「バンコク協定」は1975年、国連の指導下で発展途上国間の貿易拡大を目的に締結されたもので、現在、中国、韓国、インド、バングラデシュ、スリランカ、ラオスが加盟し、関税の減免などを実施している。

2005年11月、閣僚級会議が開催され、今後これを「アジア太平洋貿易協定」と改称し、新たな関税引き下げ策を共同で実施することで合意した。
2006年7月から、すでに優遇関税が適用されている品目に加え、農産物・繊維製品・化学工業製品などを含む計4千品目余りが、優遇措置の新たな対象となる。

ーーー

(日本)

日本・シンガポール新時代経済連携協定が2002年11月30日に発効した。
日本からシンガポールへの輸出にかかる関税は全て撤廃
・ シンガポールから日本への輸入も約94%は関税率ゼロとなる(
石化製品は例外

石化製品(例外)の扱いは以下の通り。
LDPE、LLDPEPolyisobutylenePropylene copolymers
 発効日から関税率を2.8%とし、
 2003年から8回(8年)にかけて毎年均等な引き下げをに行い、
 2010年において関税を撤廃する。
HDPEPP
 2004年1月1日から関税率を6.5%とし、
 2005年から6回(6年)にかけて毎年均等な引き下げを行い、
 2010年において関税を撤廃する。

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韓国のケースで開城(ケソン)工業地区の扱いが問題になっている。Nkoreamap2
2000年8月、金正日総書記と鄭夢憲・現代グループ会長との合意で、北側が土地と労働力を、南側が技術と資本を提供して、開城に一大工業団地を作ることが決まった。2003年8月に南北当局者間で投資保障、二重課税防止、清算決済、商社紛争合意書の4項目に関する経済協力合意書を交わした。第一段階100万坪のうち、まず28千坪について、15の企業を入居させるパイロットプラン(モデル団地)を実施中で現在11の企業が操業を開始している(化学品はない)。

韓・シンガポールと韓・EUの自由貿易協定は、開城工団製品を韓国産に認めた。「韓国産原料を60%以上使っていれば、韓国産に見なし、無関税の恩恵を与えてほしい」という韓国政府の要求が受け入れられた。
しかし、ASEANとの交渉では相当数の国が「WTOの原産地規定は、最終的な加工が行なわれた地域を基準とする」と反対し、ペンディングとなっている。
米国は、開城工団北朝鮮勤労者に対する労働搾取などを主張し、問題視している。

付記 2006/6/13 日・マレーシア経済連携協定発効

2006/8/24 韓国とASEANは、クアラルンプールで経済担当相会議を開き、北朝鮮の開城工業団地で韓国企業が製造する100品目についてASEAN側が「韓国製」と認定することで正式合意した。韓国側は同工業団地で生産した製品を輸出しやすくなる。

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