« お知らせ | トップページ | 韓国の石油化学-2 »

2006年4月10日 (月)

韓国の石油化学

中国の石化製品の需給予想では経済産業省の「世界の石油化学製品需給動向」に基づいた中国の需給状況を示し、将来予想に関しては需要、能力両面で問題があり、中国バブルがはじける可能性があり、その場合にアジア全体に大きな影響が及ぶと述べた。

同じ「世界の石油化学製品需給動向」に基づき、韓国の石化製品の需給を別紙にまとめた。
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/korea.htm

2005年の韓国のエチレン系製品のエチレン換算合計では、能力5,912千トンに対して需要は3,696千トンと、2,216千トンもの差がある。

能力と需要の差の内訳は実量ベースで、

LDPE    798千トン
HDPE   1,229千トン
PP     1,527千トン
PVC    553千トン
PS     933千トン

等である。

韓国には添付の通り、7つのエチレンコンプレックスがある。

エチレン能力 2005/5現在) 

会社名 立地   千トン
Samsung Total Petrochemicals
(旧・三星総合化学) 

Daesan

630

Hyundai Petrochemical
(旧・現代石油化学)
→ 
Lotte Daesan Petrochemical
→ LG Daesan Petrochemical

Daesan

(1,050)

600
450

SK Corporation

Ulsan

730

Korea Petrochemical Ind.
(大韓油化)

Onsan

400

LG Petrochemical
(LG石油化学)

Yeochun

760

Honam Petrochemical
(湖南石油化学:Lotte

Yeochun

720

Yeochun NCC
(麗川NCC)

Yeochun

1,465

Total  

5,755

Koreamap上記のうち、Samsung Total2007年上期にエチレン200千トン、SM 200千トン、PP 300千トンの増設が完成する。

韓国の石油化学は1970年代に蔚山(Ulsan)で大韓石油(韓国開発銀行 50%/Gulf Oil 50%)が、麗水(Yeochun)で韓国綜合化学(政府)がナフサクラッカーを建設、それぞれの誘導品に日本企業の技術支援と出資を得て、スタートした。

・蔚山
 誘導品に、以下の会社が韓国側に技術供与・出資をしている。

会社 相手先 製品
丸紅、チッソエンジニアリング 大韓油化 HDPE、PP
JSR、三井物産 韓国合成ゴム SBR
旭化成 東西石油化学 ANM
三井石油化学 三星石油化学 PTA
日本石油化学 コーロン油化 石油樹脂

・麗水
 三井石油化学、三井東圧化学、三井物産、日本石油化学が投資会社・第一化学を設立
 韓国綜合化学(政府)の100%出資の麗水石油化学と折半で湖南石油化学を設立し、HDPE、PP、EO/EGを生産した。
 

その後民営化により、2つのエチレンセンターのうち、前者はSK、後者は大林産業となり、続いてLG、三星、現代、大韓油化、湖南石油化学(ロッテ)、ハンファと、各財閥が競争でワンセット主義でコンプレックスをつくった。(その後、大林とハンファがナフサクラッカーを統合し、麗川NCCとした)
日本と同じく、基本的に過剰能力体質である。

なかでも大山にある旧・三星総合化学と旧・現代石油化学は、それまで石化事業を行っていなかった三星グループと現代グループが、既に供給過剰であったにもかかわらず、業界や政府の反対を押し切って参入した。
両社は中国輸出向けと称し、大山に新設したのも中国に近いからであるとした。

(1998年2月に財閥の構造改革に関する5大課題が発表され、石油化学については、現代石油化学と三星総合化学を統合し、外資を誘致する予定であった。これは実現せず、最終的には現代石油化学はロッテとLGが1系列ずつを買収し、三星はフランスのトタルとの50/50JVとなった。トタルは中国を中心とするアジア市場への窓口としており、増設に踏み切った。)

このように韓国の石油化学は中国向け輸出を前提に成り立っている。もし、中国向けの輸出がなくなれば、その影響は日本の比ではない。

当初、韓国が自製化を始めた際には日本への輸出が懸念されたが、実際にはあまり影響はなかった。しかし、今回は日本への影響は避けられないであろう。

ーーーーー

その後、大韓油化はエチレンに進出して経営が悪化し、会社更生法を申請、日本側は撤退した。
第一化学は
2002年に株を売却して撤退、20036月に解散している。

|

« お知らせ | トップページ | 韓国の石油化学-2 »

コメント

韓国の石油化学はあまり気にしていませんでした。ここで改めて、頭に入れなければなりません.供給過剰設備で、中国への輸出先を失うと、よく言われていることでしたが、確かに日本への影響大きいですね。ひょっとして、中東・中国より脅威かも…。韓国のエチレンは、575万トンかあ。過剰だね。水島のコンビの連携が、新聞にでてたけど、連携・再編を早く進めようよ!!
韓国も再編は、どうなんでしょうか、進展具合は?

投稿: ヘッドコ-チ | 2006年4月10日 (月) 21時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« お知らせ | トップページ | 韓国の石油化学-2 »