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2006年4月 4日 (火)

中国の石化製品の需給予想

経済産業省製造産業局化学課は、例年通り、内外の石油化学製品の需給動向を見通すため、「世界の石油化学製品の今後の需給動向に関する研究会」での議論を踏まえ、エチレン系・プロピレン系誘導品及び芳香族製品等の石油化学製品について、西暦2010年までの世界の需給(需要、生産能力、生産量)の動向をとりまとめた。計算根拠を含めた詳細資料が発表されている。

「世界の石油化学製品の今後の需給動向」
http://www.meti.go.jp/policy/chemistry/main/sekkajyukyuudoukou_copy(1).html

中国の需給について製品別にみると添付の通りである。
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/meti2006/china-jukyu.htm

エチレン誘導品のエチレン換算計をみると、添付のグラフの通りとなっている。C2kanzanchina_1

中国バブル説で述べた通り、この予想には2つの問題点がある。1つは需要予想で、過去の伸び率を参考にしているため、どんどん増えていくようになっている。13億人の需要も頭にあるであろう。

この資料での各樹脂の需要予想は添付のグラフの通りである。
Chinaresindemand

中国バブル説では人口のうち10億人はフィリッピン並みの消費力とみて中国の需要に限界があると述べた。

もう1つは供給側で、具体的な計画があるもののみをとっているため、実際にはもっと増える。
たとえば、エチレンについてみると、2010年の能力は1,510万トンとなっている。

しかし、3/26の中国の設備規制で触れたとおり、「エチレン工業 中長期育成計画」が実現すると2010年末能力は1,840万トンになる。

2年前の同じ「世界の石油化学製品の今後の需給動向」と比べると、生産能力及び生産が当時の予想より大きく増えていることが分かる。ほとんどの製品で需要と供給の差が縮まっている。
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/meti2006/china-jukyu-graph.htm

特にPVCについては既に能力が需要を上回っており、VCMも間もなくそうなる。
もし需要の伸びが止まると、他の製品も早晩そうなろう。

そうなれば日本だけでなく、韓国や台湾の需給も変わってくることとなる。

中国の需給はアジア全体の需給に関係する。形式的に従来のやり方を踏襲するのではなく、いろいろな可能性を含めて作成すべきである。少なくとも本文では他の可能性の場合の影響を付記すべきであろう。

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コメント

おっしゃるとおりですね。具体的な根拠はないですけど、個人的にはすぐに需給はバランスかつ供給過剰となると見込んでます。特に塩ビは最たる影響を受けると思います。先日の報道にあった東ソーの能増はある意味賭けじゃないですかね?もちろんMDIへの投資もありますけど、塩ビについてはどうなんでしょう。南陽が地政学的に優位性があるとは言え、中国との競合は厳しいのではないですかね。

投稿: Lucky | 2006年4月 5日 (水) 00時12分

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