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2006年2月24日 (金)

中国のエチレン生産

中国の2005年のエチレン生産量は756万トンとなった。日本の生産量は762万トンなので、これにほぼ追いついた。

能力は昨年中にシノペックとBPのJVの上海SECCO、シノペックとBASFのJVのYPC-BASFがスタート、また本年1月にシェルと中国海洋石油 のJVの中海シェル石油化学がスタートし、現時点の能力は858万トンで、日本の能力を超えている。(日本の2004年末の定修なしベース能力は796万トン)

問題は建設中及び認可取得済みの計画が、4番目の外資JVの福建計画(80万トン)、SABICが参加を検討中の天津石化(100万トン)や、新疆独山子(100万トン)、鎮海煉油化工(100万トン)、成都石油化学(80万トン)、および既存各メーカーの増設などで700万トン近くあることだ。このほかにも計画は目白押しだ。

中国の工場別エチレン能力・生産量推移は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/ichiran/china/contents.html

中国の国家発展改革委員会(NDRC)は2004年4月に中国人民銀行、中国銀行監督管理委員会と共同で通牒を出し、経済の過熱化を押さえることを目的に、一定能力以下のプロジェクトを認めないこととした。(他に環境に悪影響を与えると見られる技術を使用するプロジェクトも)

昨年12月にもNRDCは「産業構造調整指導リスト」を公表、奨励対象、規制対象、淘汰対象を列挙している。
(「規制対象」は2004年とほぼ同じ。アセチレン法PVCが前回は8万トン以下が不承認だが、今回は12万トン以下と規制を強化している)

これによると下記能力以下のプロジェクトは認可を与えられない。
エチレン 60万トン、PE 20万トン、PP 7万トン、SM 20万トン、PS 10万トン、エチレン法PVC 20万トン、ABS 10万トン、PTA 22.5万トン、等々

*東ソーは当初、広州市に年産11万トンのPVC工場を建設することを決めていたが、上記に基づき能力を2倍の22万トンに変更した。
*瀋陽化工は残渣油の熱分解によるエチレン12万トン計画の承認を得たが、「エチレン計画」としてではなく、「残渣油の熱分解とそれによるPVC計画」として承認を得たもの。

昨年12月の指導リストの「奨励対象」には、大規模エチレンとして、中国東部・沿海部では80万トン以上、西部では60万トン以上、及び既存エチレンの増強が含まれている。

これまでの認可の状況をみると、大規模計画がドンドン認可されている。「経済の過熱化を押さえる」という目的だった筈だが、企業が認可を得るために能力を増やした結果、逆に過熱化しているように思える。

日本の「エチレン30万トン基準」(1967年)を思い出す。
ハードルを高くして弱体コンビナートの乱立を防ごうとしたのが、結果的には多数の工場を産むこととなった。これが現在の過剰設備体制の原因の一つである。

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